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NYの視点:米1月雇用統計:オミクロンの影響によるネガティブサプライズにも備える

配信日時:2022/02/03 07:45 配信元:FISCO
米国労働省はワシントンで4日、1月雇用統計を発表する。エコノミストの平均予想で、失業率は12月に続き3.9%とパンデミック以前の低い水準を維持すると見られる。非農業部門雇用者数は15万人増と、12月19万人増から伸びが縮小するとの予想。

先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の1月分は前月比-30.1万人と、予想外に2020年12月来のマイナスとなった。パンデミックが発生した直後の20年4月来で最低。オミクロン流行拡大で、自身や家族の感染により労働が困難になったり、店舗の営業時間短縮などが雇用の減少につながった可能性が指摘されている。

雇用統計の雇用者数の平均予想は依然15万人増とプラスが予想されている。しかし、パンデミックを巡る調整が困難で、エコノミスト予想は大きく乖離。25万人増から40万人減のレンジ。ゴールドマンは25万人の減少を予想している。

全米の製造業活動状況を占めすISM製造業景況指数の雇用は54.5と、14カ月連続の50台で活動の拡大を示し、3月来で最高となるなど、製造業での雇用は引き続き堅調。しかし、週次失業保険申請件数も12月初旬に20万件を割り込み1969年4月来で最低となったのちは、再び増加基調にあり、雇用回復の停滞が示唆されている。

サプライチェーンの混乱が継続していることも雇用の伸びを抑制する理由になる。しかし、オミクロンはピークをつけた兆候も見られ、たとえ、1月の雇用が大幅減になったとしても、今後、オミクロン収束とともに雇用が回復する。インフレ高進の中、FRBが金融緩和正常化に向けた手を大きく緩める可能性は少ないと見る。ただ、短期的に雇用停滞懸念に過剰な利上げ観測の思惑は緩和し、ドルの上昇ペースも鈍る可能性がある。

■1月雇用統計の先行指標
・米・1月ADP雇用統計:-30.1万人(予想:+18.0万人、12月:+77.6万人←+80.7万人)
・ISM製造業景況指数雇用:54.5(53.9)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):+16.1(12月21.4、6カ月平均+19)
週平均就業時間:+10.3(+12.1、6カ月平均+15.7)

6か月先
雇用:+29.9(32.6、6カ月平均34.8)
週平均就業時間:+13.8(15.7、6カ月平均+10.2)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):26.1(33.9、6カ月平均29.5)
週平均就業時間:9.6(30.4、25.4)

6か月先
雇用:38.4(56.6、6か月平均43.9)
週平均就業時間:9.0(6.5、6か月平均14.8)

・消費者信頼感指数(%)
雇用
十分:55.1(55.9、21.0)
不十分:33.6(32.4、56.2)
困難:11.3(11.7、22.8)

6カ月後
増加:22.7(24.2、28.8)
減少:15.7(14.7、23.3)
不変:61.6(61.1、47.9)
所得
増加:16.7(17.5、14.3)
減少:12.4(11.2、15.0)
不変:70.9(71.3、70.7)

・失業保険申請件数

件数 前週比 4週平均 継続受給者数

01/22/22|   260,000|   -30,000|  247,000|   n/a
01/15/22|   290,000|    59,000|  232,000| 1,675,000
01/08/22|   231,000|    24,000|  211,000| 1,624,000
01/01/22|   207,000|     7,000|  204,500| 1,555,000
12/25/21|   200,000|    -6,000|  199,750| 1,753,000
12/18/21|   206,000|     1,000|  206,500| 1,718,000
12/11/21|   205,000|    17,000|  203,500| 1,856,000
12/04/21|   188,000|   -39,000|  219,750| 1,867,000|

■市場エコノミスト予想
失業率:3.9%(12月3.9%)
非農業部門雇用者数:前月比+15万人(12月+19.9 万人)
民間部門雇用者数:前月比+10万人(+21.1万人)
平均時給:予想:前月比+0.5%、前年比+5.2%(+0.6%、+4.7%)



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