注目トピックス 日本株
ANA---急伸、10-12月期は8四半期ぶり営業黒字転換
配信日時:2022/02/02 14:04
配信元:FISCO
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品川リフラ Research Memo(12):2025年3月期より配当性向目標を40%に引き上げ
*16:22JST 品川リフラ Research Memo(12):2025年3月期より配当性向目標を40%に引き上げ
■株主還元策品川リフラクトリーズ<5351>は、株主への安定した配当を確保しつつ将来の増配を心掛け、併せて企業体質の強化のため内部留保の充実を図ることを利益配分の基本方針としている。2024年3月期は、2023年10月1日に普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行った。分割修正後の中間配当金は1株当たり32.0円(修正前160円)とし、期末配当金を36.0円(修正前180円)、年68.0円(修正前340円)とした。2023年3月期の分割修正後の1株当たり配当金は40.0円(修正前200円)であり28.0円の増配となる。1株当たり年間配当金は、第5次中期経営計画前の2021年3月期との比較では3倍強になる。第5次中期経営計画より配当性向の基準を20%から30%に引き上げ、2022年3月期は期初に予定していなかった環境対策引当金繰入の特別損失が発生したものの、1株当たり配当金は当初計画どおりで配当性向は33.5%となった。2023年3月期は22.5%と基準となる30%を下回ったが、特別利益の固定資産売却益の影響を除外すると実質的におおむね30%となった。2024年3月期も20.7%と基準の30%を下回るが、固定資産売却益の影響額を除外すると実質的におおむね30%となる。特別利益・損失の発生が配当性向を変動させるものの、配当政策に沿って安定配当と本業の利益拡大により増配を心掛けていることが見て取れる。さらに、株式市場の高騰を利用して政策株の売却を進め、得られた資金を活用して2023年11月から2024年3月末までに自己株式1,220千株、2,249百万円を取得した。自己株式の取得も含めた総還元性向の観点から株主還元の充実を進めていく強い姿勢が窺える。第6次中期経営計画においては、配当方針として配当性向の目標を40%に引き上げることとした。一方、同社はキャッシュ・フローをM&Aを含めた成長投資に優先的に振り向ける考えだ。また、のれんの償却の増加により利益が圧縮され配当性向を40%としていても配当金の総額が変動することも想定されるが、基本的に利益還元の総額を維持すべく、キャッシュ・フローの状況を踏まえながら自己株式取得を機動的に行い、総還元性向の観点から持続的な利益還元の充実を図る方針だ。2025年3月期は業績を下方修正したが、1株当たり年間配当金は前期比22.0円増配の90円(中間45.0円、期末45.0円)を堅持し、配当性向は45.6%を見込む。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<HN>
2025/01/15 16:22
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品川リフラ Research Memo(9):第6次中期経営計画におけるセクター戦略の進化
*16:19JST 品川リフラ Research Memo(9):第6次中期経営計画におけるセクター戦略の進化
■品川リフラクトリーズ<5351>の今後の見通し、中長期の成長戦略3. 第6次中期経営計画の重点方針と進捗第6次中期経営計画においては、セクター戦略の深化、生産基盤の整備、グローバル展開の加速、サステナビリティ経営の推進の4項目を重点方針とする。(1) セクター戦略の深化各セクターは、「セクタービジョン」に基づき各セクター戦略を深化する計画である。なお、セクター別に設定している売上高・営業利益・EBITDA・ROIC目標値には、計画公表時点で検討中のM&A・JV未公表のM&A、JVは含んでいない。a) 耐火物セクター「サステナビリティ課題への技術対応力の強化(新製鉄法への対応ほか)」「非鉄鋼業界(非鉄・工業炉など)に向けた販売拡大による国内事業規模の維持」「海外向け拡販とM&Aの推進」をセクタービジョンとする。国内市場におけるセクター戦略は、国内粗鋼生産量が漸減の傾向にあるため、非鉄鋼業(非鉄・工業炉など)へ業容を拡大するとともに、サステナビリティへの対応を強化する。業界では耐火物と断熱材の両方の事業を行う事業者がほかになく、同社グループ独自の強みである。両製品の技術融合による省エネ性能を向上した製品の開発、使用後耐火物のリサイクル原料化により産業廃棄物と新規原料製造時に発生するCO2発生量の削減、熱ロス低減対策となる炉の設計と築炉技術の開発、交換頻度の少ない装置の提供などを、セクター間の協業により推進する。2023年4月には米国Allied Mineral Products社と国内のアルミニウム業界向け不定形耐火物の独占販売契約を結んだ。同社の競争力のある豊富な製品群を生かして拡販に取り組む。また、国内高炉メーカーも大型電炉、水素還元製鉄などCO2発生量を削減する新しい製鉄法を検討しており、こうした製法に対応した製品のラインナップ拡充、Green Refractoryの浸透を図る。海外市場におけるセクター戦略は、技術力やグローバル拠点を持つ強みを最大限発揮し、機能性耐火物、モールドパウダーなどの拡販、M&Aによりグループ入りしたSRB社製品の北米への販売などを展開していく。また、M&A・JVによる現地製造、これによる事業ポートフォリオ拡大を目指す。2024年4月にはインドネシアに現地合弁会社SRPを設立し、同年7月より不定形耐火物の製造品目を増やして販売を開始している。中国では、高品質のモールドパウダー製品をアジア市場に提供してきた遼寧品川和豊において、付加価値の高い連続鋳造用機能性耐火物(ノズル)の事業化を決定し、2026年3月期末までに新工場稼働及び機能性耐火物(ノズル)の製造販売を開始する計画を進めている。2024年8月には、中国で製造した耐火物製品の海外市場への拡販を図るため、遼寧品川和豊のほかに連続鋳造用モールドパウダーの製造・販売を行っている瀋陽品川冶金、製鉄設備用マグネシアカーボンれんがの製造・販売を行っている済南魯東耐火と有機的に連携し、新たな販売支援や事業戦略の立案・実行を担う現地法人「山東品川耐火材料有限公司」(100%子会社)を新設した。同年10月には定形耐火物及び不定形耐火物の製造・販売・施工の事業拠点を欧州に持ち、中東・アフリカ・東南アジアにもネットワークを展開するオランダGoudaを買収した。Goudaの石油化学・エネルギー業界や非鉄金属業界向けの製品群及びマーケットは、同社グループの既存の製品群や顧客層を補完するものであり、技術共有や相互の製品群を活用した幅広い販売活動などにより多面的なシナジー効果の発現、新たな地域・顧客マーケットへの事業展開が可能となった。既に、イソライト工業が入り込めていない欧州・中東地域の非鉄、石油化学業界への断熱材販売、同社及びグループ会社が外部企業から仕入れている定形耐火物をGoudaからの内部仕入れに切り替えるなどの検討をしており、グループ全体でのシナジーは相当大きくなる見通しだ。また、Goudaの買収額は237億円と大きく、2023年12月期の純資産約32億円を前提としたのれんの償却費用は、確定前の現段階において同社では年間20億円程度と見積もっている。一方、EBITDAは25億円〜30億円は見込まれ、さらにシナジー効果でグループ全体の利益はさらに増加するであろうと同社では自信をのぞかせている。リサイクル原料を活用したGreen Refractoryについては、まずセメント業界に提案・展開中である。従来、セメント製造の回転式窯であるセメントキルンに使用されるマグネシア・スピネル質れんがは、使用後に廃棄処分されてきた。同社はその使用後れんがをリサイクル原料とするための管理徹底と、リサイクル原料を含めた製品粒度構成の最適化による再活用技術(特許取得済)を確立した。同社の優位性は、自社製品だけでなく他社製品も含めた使用後のれんがをリサイクル原料化できることだ。新規に採掘・加工された原料の使用比率を減少させることで、原料製造時に発生するCO2排出量削減に寄与する。繰り返し再原料化を行うことで、原料のリソースとしての安定供給が可能となる。セメントメーカーの上流Scope3を含めたサプライチェーンにおけるGHG排出量削減に寄与する。今後はセメント業界のみならず、耐火物を使用するすべての業界に向け展開する考えだ。海外では、リサイクル原料化のビジネスを既に確立している企業もある。このリサイクル原料化したものを含むグリーン原料の使用比率(同社単体)は、2023年度には10%程度であったが、2030年度に20%まで引き上げる目標を設定している。2027年3月期の売上高は1,034億円(2024年3月期比5.1%増)、営業利益は113億円(同41.3%増)、EBITDAは143億円(同34.9%増)、ROICは9.5%(同1.4ポイント上昇)を目標とする。b) 断熱材セクター「環境負荷を低減する断熱製品のグローバル供給」「成長市場(半導体製造装置業界など)向け拡販に対応する技術開発力の強化」「積極的なM&Aの推進」をセクタービジョンとする。セクター戦略は、脱炭素、省力化、合理化、IT化などへの投資を積極的に展開する。3ヶ年累計で54億円の設備投資を行い、生産基盤を強化する。次に、今後の成長が期待できる半導体製造装置業界や燃料電池(リチウム、NAS電池)用の部材、断熱性に加えて耐火性も兼ね備えた建築用不燃材などを拡販する。既にイソライト工業の耐熱性断熱ファイバーブランケットは、建築用エキスパンションジョイント(建物や構造物の間に設置される伸縮継手)耐火帯用製品として国内公共スタジアムなどに採用予定であり、鉄骨柱の表面仕上げ材である木材の裏の耐火材としても2025年1月には認定される予定である。そのほか、コア事業となる耐火断熱れんが及びセラミックファイバーの製造販売の持続的成長、成長分野での拡販、海外向けの拡販を強化し、年5%の持続的な成長を目指す。2027年3月期の売上高は220億円(2024年3月期比18.9%増)、営業利益は42億円(同23.5%増)、EBITDAは51億円(同24.4%増)、ROICは11.0%(同0.1ポイント上昇)を目標とする。ROICは、持続的成長に向けた投資を拡大するため横ばいを見込む。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<HN>
2025/01/15 16:19
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日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は小幅に5日続落、アドバンテストや東エレクが2銘柄で約123円分押し下げ
*16:18JST 日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は小幅に5日続落、アドバンテストや東エレクが2銘柄で約123円分押し下げ
15日大引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり111銘柄、値下がり112銘柄、変わらず2銘柄となった。14日の米国市場はまちまち。ダウ平均は221.16ドル高の42518.28ドル、ナスダックは43.71ポイント安の19044.39で取引を終了した。生産者物価指数(PPI)が予想を下回り利下げ期待を受けた買いが再燃し寄り付き後、上昇。その後、銀行決算や消費者物価指数(CPI)発表控えた警戒感に伸び悩んだ。金利の上昇やバイデン政権による中国へのAI半導体の輸出制限でエヌビディアなど半導体の下落が重しとなり、相場は一時下落に転じた。トランプ次期政権の関税などの政策不透明感も売り圧力となり相場全体の重しとなった。神経質な展開の中、終盤にかけてダウは再び上昇し上げ幅を拡大、ナスダックは下げ幅を縮小し、終了。米国株が高安まちまちのなか、足元の下落に対する反動が先行し、東京市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は5日ぶりの反発でスタートした後は買いが続かず前日比マイナス圏に突入。日本銀行による1月利上げ観測の高まりから買われた融株が下支えとなったが、積極的な買いは手控えられ、日経平均は前日終値水準でのもみ合いの結果、5日続落となった。大引けの日経平均は前日比29.72円安(-0.08%)の38444.58円となった。東証プライム市場の売買高は16億2239万株。売買代金は3兆8740億円。業種別では医薬品、卸売、建設、石油・石炭、証券・商品先物などが下落した一方、銀行、その他製品、水産・農林、保険、繊維などが上昇した。東証プライム市場の値上がり銘柄は52.5%、対して値下がり銘柄は42.9%となっている。値下がり寄与トップはアドバンテスト<6857>となり1銘柄で日経平均を約87円押し下げた。同2位は東エレク<8035>となり、リクルートHD<6098>、中外薬<4519>、NTTデータG<9613>、第一三共<4568>、SMC<6273>などがつづいた。一方、値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>となり1銘柄で日経平均を約55円押し上げた。同2位はファナック<6954>となり、TDK<6762>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>、任天堂<7974>、KDDI<9433>などがつづいた。*15:00現在日経平均株価 38444.58(-29.72)値上がり銘柄数 111(寄与度+217.29)値下がり銘柄数 112(寄与度-247.02)変わらず銘柄数 2○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<9983> ファーストリテ 48340 620 55.04<6954> ファナック 4378 235 38.64<6762> TDK 1880 29 14.30<6758> ソニーG 3206 51 8.38<6861> キーエンス 64450 2330 7.66<7974> 任天堂 9565 233 7.66<9433> KDDI 4844 37 7.30<4063> 信越化 5101 43 7.07<9766> コナミG 14240 135 4.44<4704> トレンドマイクロ 8499 95 3.12<6506> 安川電機 4164 77 2.53<6988> 日東電工 2640 15 2.47<6971> 京セラ 1593 9 2.37<6361> 荏原製作所 2714 69 2.27<3382> 7&iHD 2444 22 2.17<4503> アステラス製薬 1529 12 1.97<5802> 住友電気工業 2738 60 1.97<5108> ブリヂストン 5327 54 1.78<8801> 三井不動産 1249 18 1.78<8766> 東京海上HD 5283 35 1.73○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<6857> アドバンテ 9090 -334 -87.86<8035> 東エレク 25655 -365 -36.01<6098> リクルートHD 10500 -130 -12.82<4519> 中外製薬 6714 -86 -8.48<9613> NTTデータG 2923 -44.5 -7.32<4568> 第一三共 4089 -68 -6.71<6273> SMC 56870 -1590 -5.23<8001> 伊藤忠商事 7199 -155 -5.10<8015> 豊田通商 2610 -45 -4.44<6920> レーザーテック 14610 -315 -4.14<4543> テルモ 2977 -14 -3.68<6724> セイコーエプソン 2653 -49.5 -3.26<6526> ソシオネクスト 2520 -86.5 -2.84<4507> 塩野義製薬 2220 -28 -2.76<5803> フジクラ 6028 -78 -2.56<6645> オムロン 4680 -75 -2.47<4523> エーザイ 4212 -71 -2.33<6981> 村田製作所 2469 -28.5 -2.25<4021> 日産化学 4648 -67 -2.20<2501> サッポロHD 6755 -293 -1.93
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2025/01/15 16:18
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品川リフラ Research Memo(8):Gouda買収により2026年3月期以降の業績反転を確実なものに
*16:18JST 品川リフラ Research Memo(8):Gouda買収により2026年3月期以降の業績反転を確実なものに
■品川リフラクトリーズ<5351>の今後の見通し、中長期の成長戦略● 2025年3月期の業績見通し2025年3月期の連結業績は、期初計画に対してオーストラリアでの顧客の操業トラブル、ブラジルでの顧客の活動水準低下により耐火物販売数量が減少したことで、売上高は前期比1.5%減の142,000百万円を見込み、期初計画を1,000百万円下方修正した。引き続き両国の顧客状況は注視する必要がありそうだ。ちなみに、買収したオランダGoudaの売上高は、四半期分(2024年10月〜12月)を織り込んでいる。また、海外グループ会社SRA(オーストラリア)、SRB(ブラジル)の減収に伴う減益に加え、GoudaのM&Aに伴う関連費用7億円の発生などにより、EBITDAは同3.9%減の17,000百万円、営業利益はのれん償却費用5億円を加えて同10.0%減の12,500百万円、経常利益は同12.8%減の13,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同41.1%減の9,000百万円を見込む。期初計画に対して、EBITDAは1,500百万円、営業利益及び経常利益はそれぞれ2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,000百万円を下方修正する。一方、2026年3月期以降はGoudaの業績※がフルに寄与するとともに、事業地域・領域の拡大によりグループ内でのシナジー効果が期待されるため、業績は反転上昇することが見込まれる。※ Gouda社の2023年12月期業績:売上高170.7億円、営業利益18.4億円、親会社株主に帰属する当期純利益12.1億円(2024年10月株式取得時の為替レート164.699円/ユーロで換算)。営業利益の期初計画比の下方修正額である20億円の事業セグメント別の増減内訳は、耐火物セクターが前年同期比で19億円減、Goudaののれんの償却費用5億円減のほかは、断熱材セクターが同0億円増、先端機材セクターが同0億円増、エンジニアリングセクターが同3億円増となる。耐火物セクターでは、減益要因として海外グループ会社の減益19億円が過半を占める。GoudaのM&A費用7億円をはじめ、SRA(オーストラリア)の8億円、SRB(ブラジル)の3億円、その他地域で3億円の減益を見込む。EBITDAの下方修正額15億円は、営業利益の下方修正額からGoudaののれんの償却費用5億円を控除した金額となる。2024年5月に長期ビジョン「ビジョン2030」及び第6次中期経営計画(2025年3月期〜2027年3月期)を公表した。同社は2025年10月に創業150周年を迎えるが、第6次中期経営計画はその先の未来に向けた第一歩として策定している。2026年3月期には、創業150周年に合わせて企業理念(パーパス、ビジョン、バリュー)を再構築する予定であるが、2024年10月には先行して創業150周年記念事業の一環としてスローガンを「150年、熱中。」と定め、記念ロゴマークも制定した。今後、このスローガン、記念ロゴマークを活用して様々な周年記念事業を展開する予定である。1. 「ビジョン2030」の概要「ビジョン2030」は事業成長と社会課題解決を表裏一体として追求する、すなわち両立させることを基本方針としている。グローバル展開を強化し、セクター戦略を深化させ成長分野へ進出することで事業成長を図る。同時に、気候変動への対応や人的資本戦略の実行を進め社会課題解決を目指す。キャッチフレーズは「日本だけ、耐火物だけ、鉄鋼だけではない、品川グループへ」としている。グローバル展開の強化により、現地で製造し、現地で販売する「世界の耐火物メーカー」として、世界トップグループとしてのプレゼンスを確保する。グローバル展開を支える国内拠点の整備と技術開発力も強化する。各セクターにおいては、セクター戦略を深化させることで成長分野への進出、事業ポートフォリオの拡大を図り、ROICを重要指標として資本効率を重視した事業投資、設備投資を展開する。社会課題解決としては、取引先に脱炭素化に貢献する熱ソリューションを提供するなど気候変動への対応を進める。また、「人材獲得」「人材定着」「人材・組織開発」を軸に人的資本戦略の実行を進め、経営基盤を確立する。2031年3月期の具体的な目標としては、財務目標とサステナビリティ目標を設定した。財務目標は、売上高2,400億円(2024年3月期1,441億円)、ROS(営業利益ベース)12%(同9.6%)、ROIC10%(同9.1%)、海外売上高比率50%(同29.8%)とし、持続的な成長を推進する。サステナビリティ目標は、気候変動対応関連においては、2023年3月期のCO2排出量138千トンを50%削減、グリーン原料の使用比率20%(2024年3月期10%)をKPIとする。人的資本戦略関連においては、経営戦略に即した人材・組織開発、ダイバーシティ&インクルージョンの確立、働きやすい職場環境の創造を目標とする。目標に向けた財務・資本戦略として、2025年3月期からの7ヶ年累計で1,280億円の積極的な設備投資と事業投資を実施する。資金は売上高・利益の拡大により7ヶ年累計で1,500億円のキャッシュ・フローを創出するほか、440億円を外部調達するが、有利子負債/EBITDA倍率は1.9倍と健全性は維持する戦略である。さらに配当性向40%を目標とした株主還元の充実を図る。2. 第6次中期経営計画の概要第6次中期経営計画は、「ビジョン2030」実現に向けたマイルストーンとして、持続的成長に必要不可欠な組織能力の強化を図り、財務目標達成とサステナブルな企業に向けたステップを踏む。主要取引先の高炉休止などの影響が一定の業績低下要因となるが、海外ビジネスをはじめとした事業拡大とコストダウンなどの取り組みによりカバーし、売上・利益ともに拡大する計画だ。2027年3月期の財務目標として、売上高は2024年3月期比24.8%増の1,800億円、ROS(営業利益ベース)11%、ROIC10%、海外売上高比率45%を掲げる。同社によれば、2027年3月期の売上高には、計画公表時点で検討中のM&A・JVのうち、本中期経営計画期間中に実現する可能性の高い案件を含んでいるという。一方、サステナビリティ目標については、「ビジョン2030」で設定した目標について中期経営計画期間中に諸施策の検討を行う考えで、マイルストーンとしての2027年3月期の目標は現時点では設定していない。財務目標の達成に向けては、ROIC経営を徹底し、既存事業における経営資源の配分見直し、3ヶ年累計410億円の積極的な成長投資を進め、資本コスト(同社のコストは6.5%)を上回る効果を発現する計画である。投資効率を重視した経営で“稼ぐ力”を創出・強化することでセクター戦略の深化を図り、企業価値の最大化を目指す。3ヶ年累計で500億円のキャッシュ・フローを創出するほか、200億円の外部調達を行い、この資金を再投資と株主への還元140億円や増加運転資金に充てる計画だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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2025/01/15 16:18
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品川リフラ Research Memo(7):セグメント別では断熱材、先端機材セクターが順調に推移
*16:17JST 品川リフラ Research Memo(7):セグメント別では断熱材、先端機材セクターが順調に推移
■品川リフラクトリーズ<5351>の業績動向2. 事業セグメント別動向2025年3月期第2四半期の営業利益は前年同期比630百万円の減少となった。セグメント別では、耐火物セクターが692百万円減少し全体の利益を押し下げた。その他断熱材セクターが9百万円、その他が9百万円それぞれ減益となったが、先端機材セクターが0百万円、エンジニアリングセクターが88百万円それぞれ増益となった。(1) 耐火物セクター耐火物セクターの売上高は、国内外の粗鋼生産量の減少による耐火物販売数量減少により前年同期比9.8%減の45,390百万円となった。国内の売上高(調整額控除後)は同8.3%減の30,356百万円、海外の売上高(同左)は同12.7%減の14,982百万円となった。セグメント利益は主に国内外での販売数量の減少や海外のグループ会社SRA(オーストラリア)、SRB(ブラジル)の収益悪化により同16.1%減の3,594百万円となった。売上高利益率は7.9%と同0.6ポイント低下した。セグメント利益は35億円と前年同期を7億円下回るが、増減要因のうち減少要因は、国内高炉休止及び販売数量減(15億円減)、為替(1億円減)、労務費(2億円のコストアップ)、国内グループ会社(1億円減)、海外グループ会社(4億円減)で計23億円減となる。海外グループ会社はSRAで3億円減、SRBで1億円減となった。増加要因は、販価・原料、販売構成改善によるスプレッド向上(6億円増)、省力化投資などによるコストダウン(7億円増)、その他(3億円増)で計16億円増となった。EBITDAは同13.3%減の47億円、EBITDAマージンは同0.5ポイント低下の10.5%となった。(2) 断熱材セクター断熱材セクターにおいては、主に国内の耐火断熱れんがの販売が増加し売上高は前年同期比3.6%増の9,296百万円となった。利益率の高いセラミックファイバー関連製品の販売が工業炉などの端境期に当たり減少したほか、半導体関連製品の国内需要が減少し、セグメント利益は同0.5%減の1,650百万円となった。売上高利益率は同0.7ポイント低下し17.7%となった。EBITDAは同0.5%増の20億円、EBITDAマージンは同0.7ポイント低下の21.8%となった。(3) 先端機材セクター先端機材セクターにおいては、2024年3月に買収したコムイノベーションの業績が寄与し、売上高は前年同期比20.4%増の2,161百万円、セグメント利益は同0.1%増の127百万円と前年同期並みとなった。ファインセラミックス事業は、国内の半導体製造装置向けの国内需要が回復基調にあり、業績は前年同期のほぼ同水準まで回復してきているようだ。売上高利益率は同1.2ポイント低下し5.9%となった。EBITDAは同18.9%増の2億円、EBITDAマージンは同0.1ポイント低下し11.2%となった。(4) エンジニアリングセクターエンジニアリングセクターにおいては、人件費の上昇を工事契約単価に適正に反映しつつも、顧客の生産活動低下に伴い各所工事案件は減少し、売上高は前年同期比0.6%減の11,738百万円となった一方、収益性の高い工事案件の比率が上昇しセグメント利益は同14.4%増の697百万円となった。売上高利益率は同0.8ポイント上昇の5.9%となった。EBITDAは同11.4%増の7億円、EBITDAマージンは同0.7ポイント上昇し6.7%となった。(5) その他その他事業の売上高は、前年同期とほぼ変わらずの453百万円、セグメント利益は前年同期比3.3%減の269百万円、売上高利益率は同2.0ポイント低下の59.4%であった。3. 財務状況と経営指標2025年3月期第2四半期末の総資産は、2024年3月期末比3,183百万円増加し158,320百万円となった。2024年9月より営業運転を開始した赤穂工場の不定形耐火物最新鋭プラントなど有形固定資産が同2,254百万円増加したほか、のれんなど無形固定資産が同1,516百万円増加した。一方、純資産は同5,343百万円増加し92,310百万円となった。配当を1,762百万円支払ったほか、親会社株主に帰属する中間純利益4,910百万円の計上などにより利益剰余金が3,271百万円増加したほか、有価証券評価差額金が530百万円減少、為替換算調整勘定が1,396百万円増加、非支配株主持分が1,123百万円増加した。その結果、自己資本比率は55.4%と2024年3月期末より1.6ポイント上回り健全性を維持している。2025年3月期第2四半期は、税金など調整前中間純利益7,355百万円に加えて、売掛債権の減少などにより必要運転資金が3,818百万円減少したため、法人税などを4,636百万円支払った上で営業活動のキャッシュ・フローは5,268百万円の収入となった。投資活動のキャッシュ・フローは、赤穂工場の不定形耐火物最新鋭プラントなどの有形固定資産の取得などで4,565百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払1,762百万円、長短借入金のネット借入2,973百万円などにより1,164百万円の収入となった。その結果、現金及び現金同等物は7,713百万円増加し残高は23,649百万(預入期間3ヶ月以上の定期預金を除く)と、第6次中期経営計画に掲げる設備・事業への成長投資に必要な資金を留保している。なお、2024年10月に子会社化したGoudaの買収資金については、M&A投資額237億円にGoudaによる既存借入の返済相当額も含めて、164.3百万ユーロ(借入日2024年10月24日の為替レート164.699円/ユーロで換算すると270.6億円)を借り入れた。有利子負債(借入金のみ)は2024年9月末残高307億円を加算すると約577億円と一時的に膨らむが、現預金・有価証券を控除したネット有利子負債は340億円程度となり、2025年3月期に見込まれるEBITDA170億円の2倍程度と財務の健全性は維持できる見込みだ。この借入金は、2025年6月30日の満期日までに、現預金水準とフリーキャッシュ・フローを勘案しながら中長期の資金に借り換えていく計画だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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2025/01/15 16:17
注目トピックス 日本株
品川リフラ Research Memo(6):国内外の耐火物販売数量減少により減収、減益
*16:16JST 品川リフラ Research Memo(6):国内外の耐火物販売数量減少により減収、減益
■品川リフラクトリーズ<5351>の業績動向1. 2025年3月期第2四半期の業績概要2025年3月期第2四半期の連結業績は、JFEスチール京浜地区の高炉、転炉などの休止影響に加えて、国内粗鋼生産量の減少、オーストラリアにおける顧客の操業トラブル発生、ブラジルでの安価な中国製鋼材の流入に伴う顧客の活動水準の低下に起因する耐火物販売数量の減少により、売上高・各段階利益ともに前年同期を下回った。売上高は前年同期比6.2%減の68,230百万円、EBITDAは同7.0%減の8,191百万円、営業利益は同9.0%減の6,336百万円、経常利益は同12.6%減の6,663百万円となった。2024年4〜9月の国内粗鋼生産量(日本鉄鋼連盟調べ)は、製造業・建設業向け及び輸出向けの鉄鋼需要が低調となり4,184万トンと同4.4%減少し、国内売上高は同4.8%減の48,560百万円となった。海外売上高も同9.4%減の19,667百万円となり、国内外ともに耐火物セクターの減収が響いた。一方、半導体製造装置向けなど成長分野への拡販に注力する断熱材セクター、先端機材セクターの売上高は、それぞれ同3.6%増、同20.4%増と順調に推移した。営業利益は、耐火物セクターが同16.1%減と全体の利益を押し下げた。親会社株主に帰属する中間純利益は同47.5%減の4,910百万円となったが、これは前年同期に遊休資産の売却益(6,495百万円)を特別利益に計上したのに対して、2025年3月期第2四半期は760百万円の計上と大きな固定資産売却益がなかったことに起因するものだ。なお、2025年3月期より、従来「セラミックス」としていた報告セグメントを「先端機材」に変更している。従来のファインセラミックス製品の販売を中心とした事業活動から半導体製造装置関連を中心に事業ポートフォリオの拡大を目指し、2024年4月より「セラミックスセクター」を「先端機材セクター」に組織改編したことによる。また、同じく当期より従来主に定率法を採用していた有形固定資産の償却方法を全て定額法に変更した。赤穂工場での最新鋭の不定形製造ライン建設工事が完工し、西日本地区における同製造拠点の集約が完了したことで効率的かつ安定的な生産体制が整い、今後設備が耐用年数にわたって安定的に稼働することが見込まれるためだ。これにより、従来の方法と比較して2025年3月期第2四半期の営業利益、経常利益及び税金など調整前中間純利益は、それぞれ155百万円増加している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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2025/01/15 16:16
注目トピックス 日本株
品川リフラ Research Memo(5):サステナビリティ経営の概要
*16:15JST 品川リフラ Research Memo(5):サステナビリティ経営の概要
■品川リフラクトリーズ<5351>の会社概要、事業概要6. サステナビリティ経営同社グループは、成長戦略とサステナビリティの取り組みが表裏一体となる長期ビジョンの策定を進めている。気候変動問題など世界的なメガトレンドに対応する。日本政府は、2021年4月に2030年度の温室効果ガス削減目標(2013年度比)を26%減から46%減へ改定した。部門別では、産業部門の目標が7%減から38%減へ拡大された。2020年度の産業部門のCO2排出量は、3億5,553万トンであった。業種別構成比は、鉄鋼が37%、化学が15%、機械が11%、セメント、窯業・土石が8%、その他が29%であった。窯業・土石に分類される同社の排出量は全体から見れば微々たるものだが、エネルギー多消費型の鉄鋼、化学、機械など基幹産業に世界最高水準の技術力とソリューションを提供することで、取引先の高温プロセスにおけるCO2排出量削減に貢献することは持続可能な社会の実現に大きく寄与することになる。同社は、2022年6月に「気候変動リスク及び収益機会について」を開示した。気候変動への対応を重大な経営課題と受け止め、リスクに的確に対応するとともに、収益機会を積極的に活用していく。2050年度のカーボンニュートラル実現に挑戦し、2030年度のScope1・2を対象とするCO2排出量(連結ベース)を2022年度の年13.8万トンから50%に半減することを目指す。同社グループのCO2排出量(Scope1・2)の約半分を電力消費が占めている。省電力機器への交換はもとより、グループの工場や倉庫などの施設に太陽光発電システムを設置するなど創エネも行う。グループ会社では、イソライト工業グループが国内の音羽工場(愛知県豊川市)など4ヶ所に、また品川ゼネラルも1ヶ所に太陽光発電を設置済である。焼成炉の燃料は、重油からLNGへ切り替える。また、不定形耐火物の販売を促進する。不定形耐火物は、定形耐火物の製造工程にあるプレス・乾燥・焼成におけるエネルギー消費が不要で省エネとなるためだ。西日本地区の不定形耐火物の生産体制の最適化を進めるため、赤穂工場に44億円かけて最新鋭プラントを建設し、2024年9月から本格的に営業運転を開始した。新プラントの建屋建設、大容量設備の導入、操業の無人化や高速化により、生産性は現在の約2倍と飛躍的に向上する。拡販と競争力強化だけでなく、CO2排出量削減にも寄与する。同社は、2022年4月にサステナビリティ経営を推進するためサステナビリティ委員会と各部門の工場、技術研究所、営業や各種委員会、プロジェクトチーム、グループ企業に働きかけ、事務局としてサステナビリティ推進室を設置した。国連サミットで採択された持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)の17ゴールのうち10ゴールに関与する。SDGsなどに関して、自社に関わる「重要課題」として11のマテリアリティを掲げている。それらを、ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)で分類すると、環境が3、社会が6、ガバナンスが2に分けられる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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2025/01/15 16:15
注目トピックス 日本株
品川リフラ Research Memo(4):海外事業における売上高比率、拠点展開
*16:14JST 品川リフラ Research Memo(4):海外事業における売上高比率、拠点展開
■品川リフラクトリーズ<5351>の会社概要、事業概要5. 海外事業(1) 海外売上高比率(一社)日本鉄鋼連盟は、新興国の経済成長に伴い、世界の鉄鋼需要は2020年の約18億トンから2050年に約27億トンへ増加すると予測している。一方、日本経済の潜在成長力が低く、鉄鋼製品の需要が縮小して国内粗鋼生産は漸減すると見られる。同社は、海外で積極的な拠点展開を行っており、第5次中期経営計画(2022年3月期〜2024年3月期)において、海外ビジネスの強化・拡大を重点施策の1つとした。海外売上高は、2021年3月期の16,117百万円から2024年3月期に42,971百万円と2.7倍になった。海外売上高比率は16.1%から29.8%へ上昇した。海外事業は販売数量が増加するなど業績が好調であるうえ、M&Aにより業容を拡大している。原材料を主に海外に依存していることから、円安は利益へのマイナス要因であったが、海外事業の拡大により影響は解消されてきた。「ビジョン2030」においては、現地で製造し現地で販売する「世界の総合耐火物メーカー」を目指し、海外売上高比率50%を目標とする。2025年3月期よりスタートした第6次中期経営計画においては、2027年3月期の海外売上高比率45%を目標に設定し、M&A・JVなどを積極的に推進しグローバル展開を加速させる計画である。(2) 海外拠点展開日本の国内粗鋼生産量は、2019年に10年ぶりに1億トンを割り込んだ。米中貿易戦争の長期化による世界景気の減速で輸出が減り、内需も低迷したうえ、自然災害が重なったことが背景となっている。2023年の生産量は、自動車向け鉄鋼需要は回復したが輸出が伸び悩み8,700万トンと2年続けて前年を下回った。2024年1~9月の生産量も、製造業・建設業向け及び輸出向けの需要が低調であり、前年を3.2%下回っている。世界粗鋼生産における2023年の日本のシェアは4.6%と2000年の半分以下の水準となった。一方、中国は53.9%と高水準を維持している。近年ではインドの成長が著しく、2018年に年間生産量で日本を抜いた。ちなみに2023年のインドの世界シェアは7.4%に高まった。インドは2023年に人口で中国を抜いて世界一となっており、持続的な成長が見込まれる。同社の耐火物事業における海外拠点の展開は、1997年の中国子会社の設立から本格的に始まり、2019年までにオーストラリア、米国、インドネシア、インドへ進出した。中国には耐火物などの製造・販売と連続鋳造用モールドパウダーの製造・販売を手掛ける合弁会社を設立した。オセアニアでは、オーストラリアとニュージーランドに拠点を持つ。2014年に設立したインドネシアの子会社と併せて、オセアニア・東南アジアへの販売展開を図っている。米国のオハイオ州には、モールドパウダーの製造・販売を行う子会社を設立した。現在では、米州における同社の戦略アイテムの販売拠点としても機能している。また、今後のグローバル展開において重要アイテムとなる断熱材の製造・販売拠点を、マレーシア・台湾・中国・ドイツに置いている。2022年12月に、仏サンゴバン社からブラジルにおける耐火物事業及び米国における耐摩耗性セラミックス事業を譲受した。同社とサンゴバン社は、これまで30年にわたり良好な協力関係を築いてきた。1991年よりサンゴバンブラジルに鉄鋼用耐火物の製造技術ライセンス提供を行い、近年はサンゴバンブラジルが販売店として、南米で鉄鋼、セメントなどの市場向けに同社製品を販売していた。また、2019年にサンゴバン社の子会社であるGrindwell Norton Ltd.との共同出資により、SG Shinagawa Refractories India Pvt. Ltd.をインドに設立した。これらを背景として、本事業買収の合意へと至った。買収した事業は、ブラジルにおける鉄鋼、鋳造、非鉄金属、石油化学、セメント業界などへ向けた耐火物の製造・販売と米国の鉱業・鉱物処理、鉄鋼、アスファルト、エネルギー業界などへ向けた耐摩耗性セラミックスの製造・販売になる。2021年の売上高規模は、ブラジル事業が約99億円、米国事業が約12億円であり、買収には約120億円を要した。本事業買収により同社グループは、成長著しいブラジル耐火物市場においてリーディング・ポジションを確立できる。また、耐摩耗性セラミックスに関する米国拠点を入手したことにより、同社グループで技術的親和性が認められるファインセラミックス事業において、米国市場へのアクセスを得られた。今後、ブラジル事業・米国事業は、同社グループのさらなる成長のための強力なプラットフォームとなり、事業の成長やシナジーはもとより収益のさらなる多様性と柔軟性をもたらすものと考える。2024年4月には、インドネシアにおいて現地PT. Refratech MandalaPerkasa(RMP)と共同出資によりPT. Shinagawa Refratech Perkasa(SRP)を設立した。2014年よりインドネシアで不定形耐火物の中~高級品を生産・販売してきた同社子会社のPT.Shinagawa Refractories Indonesia(SRI)の事業とRMPが手掛けてきた汎用品を中心とした不定形耐火物事業を統合し、製品のラインナップを充実させインドネシア市場はもとよりアセアン地域での事業拡大を目指す。2024年7月より事業を開始している。2024年10月には、オランダで定形耐火物及び不定形耐火物の製造、販売、施工業務など、製品設計から生産、施工、メンテナンスサービスまでワンストップの一貫体制で事業展開するGoudaを買収し100%子会社とした。2023年12月期の売上高は170.7億円、営業利益は18.4億円(株式取得日2024年10月24日の為替レート164.699円/ユーロで換算)であり、投資額は237億円を要した。Goudaは、オランダに2つの生産拠点を持ち、オランダ、ベルギー、ドイツ、スウェーデンの4か国に施工などを手掛けるサービス拠点を有する。製品部門ではアルミニウムなどの非鉄金属業界、石油化学業界、ごみ焼却プラント・エネルギー発電業界向け、サービス部門では石油化学・エネルギー業界向けを中心にそれぞれ事業を展開している。顧客の約8割が継続的にGouda製品を利用し、継続的なメンテナンス契約を締結するなど非常に安定した収益基盤を有している。特に石油化学分野では業界認証を取得している稀有なプレイヤーとして強固なプレゼンスを構築している。また、新製鉄法への対応などカーボンニュートラルに向けた耐火物の開発を強化しており、今後成長が見込まれる市場をリードするポジションにいる。本案件では、Goudaの有する欧州の生産拠点及びサービス拠点を獲得すると同時に、欧州のみならず中東・アフリカ・東南アジアに展開するGoudaの幅広いネットワークを取り込むこととなり、耐火物事業のグローバル展開を加速する。さらに、Goudaの石油化学・エネルギー業界や非鉄金属業界向けの製品群及びマーケットは、同社グループの既存の製品群や顧客層を補完するものであり、技術共有や相互の製品群を活用した幅広い販売活動を推進し、一層のシナジー効果を発現していくことが可能となる。同社グループは、グループ子会社の新設やM&Aにより主要市場におけるグローバルな生産体制を確保した。海外事業の強化・拡大を成長戦略の柱としていることから、今後もM&Aを含めた投資機会を探り、条件次第では躊躇なく投資を実行する考えだ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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2025/01/15 16:14
注目トピックス 日本株
品川リフラ Research Memo(3):事業における各セクターの概要
*16:13JST 品川リフラ Research Memo(3):事業における各セクターの概要
■品川リフラクトリーズ<5351>の会社概要、事業概要4. 事業内容(1) 耐火物セクター耐火物セクターは、同社の耐火物事業本部、セラテクノ、品川ゼネラルの国内関係会社2社、及び瀋陽品川(中国)、遼寧品川和豊(中国)、SRA(オーストラリア)、SAM(米国)、SRB(ブラジル)、SRP(インドネシア)などの海外関係会社10社から構成されており、グローバル展開を加速している。耐火物事業は、顧客ごとの使用条件に適合した製品を提供する顧客密着型ソリューションが求められる。グループ一丸となってグローバルな顧客から第一に選ばれる事業者となることを目指している。2025年10月には、Gouda(オランダ)のグループ11社が新たに加わった。連結の売上高の顧客業種別売上高構成比は、鉄鋼業向けが8割超を占め依存度が高く、その他焼却炉、セメント業向けと続く。JFEスチールと神戸製鋼所への連結売上高の依存度は5割を超える。高炉メーカーへの売上規模が大きく、顧客ニーズに迅速に対応することを目的として同社は主要顧客の製鉄所内に営業所やエンジニアリング事業部の拠点を置くなど顧客密着型の体制を取っている。装置産業である鉄鋼メーカーのニーズは、設備稼働率の維持、高い歩留り、高品質である。今後は、GHG排出量削減への貢献が加わる。同社は、主要顧客に対して緊密な営業と迅速なサポート体制を取り、顧客ニーズに応えている。a) 国内生産体制2009年の合併以降、第2次中期経営計画まで統合効果と競争力強化のため生産集約による最適生産体制への再編を行った。現在では、湯本工場、鹿島工場、赤穂工場、日生工場、岡山工場、帝窯工場及び玉島工場の7工場体制をとっている。さらに、第5次中期経営計画では、2022年3月期の上期から西日本地区の不定形耐火物の生産拠点集約(4拠点→2拠点)に取りかかり、赤穂工場に建設した最新鋭プラントが2024年9月より本格的に営業運転を開始した。主要国内定形耐火物プラントの多くは、高度に自動化されており、省力化・自動化のために工業用ロボットが導入されている。製造工程は、秤量・混練・成形・乾燥・焼成・検査・梱包となる。最新のコンピュータ統合生産システムによる生産管理方式を取り入れ、製造工程の管理と自動全数検査システムの導入による徹底した品質管理体制の実現に取り組んでいる。成形には、最大5,000トンの油圧真空プレス機を使用し、焼成の最高温度は1,850℃、トンネルキルンで約1週間かけて焼き上げる。b) 主要製品耐火物セクターの主要製品は、定形耐火物、不定形耐火物、連続鋳造用モールドパウダー、及び関連副資材で構成される。定形耐火物は、使用されるそれぞれの高温設備の操業条件に合わせて組成と形状を最適化させた製品で、塩基性れんが、カーボン含有れんが、粘土質れんが、高アルミナ質れんが、炭化珪素質れんが、珪石れんがなどをラインナップとしている。不定形耐火物は、キャスタブル(流し込み材)、吹付材、プラスチック、ラミングミックス、モルタル、圧入材、こて塗り材、プレキャストブロックなど、用途や施工方法に合わせた製品が数多くある。緻密性、断熱性、耐酸性など各種要求、施工方法や工期に応じた最適な製品を揃える。吹付材は、施工枠が不要で、大量の施工が短時間に行え、緊急時の熱間補修にも最適である。プレキャストブロックは、現場での流し込み施工が困難な場合に、キャスタブルを所定の形状に最適条件で流し込み成形した製品で、工期の短縮になる。欧州の耐火物メーカーは、製造設備に標準化された耐火物製品を供給することでビジネス展開を図っているが、日本の耐火物メーカーは、顧客のニーズに合わせた継続的な改善により、顧客の操業が最適に行われるような耐火物製品を供給することでビジネス展開を図っている。耐火物の需要は、海外では定形品4:不定形品6の割合だが、日本では定形品3:不定形品7となる。連続鋳造用モールドパウダーは、高品質な鋼材生産に不可欠な製品である。国内の耐火物メーカーでは同社だけが手掛けており、競争力が高いアイテムの一つである。鋳型内に添加される粉末状潤滑剤で、溶鋼表面の保温と酸化防止、鋳型と鋼塊間の潤滑などの重要な機能を持つ。連続鋳造とは、溶融した鋼を連続的に冷却・凝固させて、板状や棒状の鋼塊にする工程である。その工程で使用されるスライドゲートプレート、浸漬ノズルなどの機能性耐火物とともに、モールドパウダーは戦略製品に位置付けられている。浸漬ノズルは、連続鋳造工程において溶鋼の酸化防止やモールド内の流動の制御など重要な役割を果たす。同社は、浸漬ノズルの販売だけでなく浸漬ノズル迅速交換装置も提供しており、顧客の作業負荷の低減にも貢献している。(2) 断熱材セクター断熱材のセラミックファイバーは、軽量で低熱伝導率、高断熱性で省エネルギーには欠かせない素材である。施工性に優れた各種モジュール、成形品、断熱ボード、シート、ガスケットなど、様々な製品で顧客ニーズに対応している。2004年に断熱材事業を行うイソライト工業を買収した。持株比率が54.9%であったが、2022年3月末にTOB+株式売渡請求により完全子会社化した。環境課題への対応などを背景に、全世界的な事業環境の大変革期が到来したことを認識し、大胆な意思決定を迅速に行えるグループ経営体制の構築を進めた。(3) 先端機材セクター(旧 セラミックスセクター)同社は、1978年にファインセラミックス事業を開始した。先端産業の成長を見据え、2002年に品川ファインセラミックスとして分社化した。同セクターは、品川ファインセラミックスと米国で事業譲受したSSCA(Shinagawa Specialty Ceramics Americas LLC)及びコムイノベーションの3社で構成される。ファインセラミックスは、高度に微細組織を制御したセラミック素材である。アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、サイアロンなど、様々な機能や特性を備えた素材で、各種ローラー、ダイス、ポンプパーツから半導体・液晶製造装置用セラミック部材まで、多様なエンジニアリングセラミックスを提供している。2024年3月に半導体製造装置のアセンブリ業務を主な事業とするコムイノベーションを買収により連結子会社としたことを契機に、今後の成長の柱として半導体製造装置業界や航空宇宙・エネルギー関連業界での事業領域の拡大を企図し、2025年3月期より「セラミックスセクター」を「先端機材セクター」に組織改編した。(4) エンジニアリングセクターエンジニアリング事業は、工業窯炉での耐火物の設計、施工、メンテナンスを行う。各種施工機械や耐火物周辺設備の設計、製作など、高温の世界を支える総合エンジニアリングを提供している。近年の工業炉は環境に配慮した省エネルギー、省力化、無害化、安全性などが要求されており、窯炉の設計や施工には高度の技術が必要となる。鉄鋼業向けには取鍋、連続鋳造に使用されるスライドゲート溶鋼流量制御装置、浸漬ノズル迅速交換装置など幅広いニーズに最新技術で応えている。また、大型ブロックリング工法による高炉改修工事に参画し、超短期改修に貢献したことで大きな評価を得ている。ごみ焼却炉、溶融炉などの環境関連設備においても国内で指折りの実績を持つ。(5) その他その他の不動産事業は、保有不動産の賃貸や土地の有効活用を行う。賃貸契約が終了し遊休資産となった物件を売却し、コアビジネスである耐火物及び関連製品事業の設備投資やM&Aの資金に充当している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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2025/01/15 16:13
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