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NYの視点:今週の注目:米9月雇用統計、ISM非製造業景況指数

配信日時:2021/10/04 07:41 配信元:FISCO
短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前々週から大幅に増えた。

今週は米国の9月雇用統計や全米のサービス業動向を示すISM非製造業景況指数に注目。

FRBはもし、雇用統計など今後の経済指標が妥当な結果となった場合、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入縮小を開始する可能性を示唆した。市場エコノミストは失業率が5.1%まで低下し、非農業部門雇用者数は8月の23.5万人から47.5万人の伸びが増加すると見ている。予想に近い結果となった場合、11月の資産購入縮小開始を織り込む金利先高感がドル買いを支援すると見る。

同時に、12月3日までの暫定予算案が成立し、政府機関閉鎖がとりあえず回避されたが債務上限問題は存続し、デフォルトの可能性が完全に払しょくされたわけではないことはドルのリスクになる。民主党が提示している増税、含み益に対する課税などを含む3.5兆ドル規模の歳出案が可決した場合、回復を弱めドル売りに転じる可能性も残るため行方に注目。地区連銀総裁の株式取引などが明らかになり、FRBの信頼が揺るぎ、さらに再任がほぼ確実と見られていたパウエル議長の進退も不透明になっていることもドルのリスクになる。

また、FRBは資産購入縮小と、利上げを政策として区別している。たとえ資産購入縮小が開始されても、来年の半ばから秋ごろまで資産購入は続く。パンデミック救済策の一環として実施されていた失業者緊急支援を受給していた総人数は、支援措置の失効により600万人程大幅に減少。一方で、バイデン政権がワクチン接種を徹底するため連邦や地方政府職員に対してワクチン接種を義務化。さらに、民間企業にも義務化を促し、ワクチン接種を拒む公務員や民間企業の従業員が解雇されている。このため、今後数週間、失業保険申請件数が増える可能性がある。求人件数が過去最高水準に達する中、失業者数も減らず、労働市場のひずみ、スラックは存続している。利上げの条件である最大雇用の達成には程遠いと見られ、低金利が当面続くためドルの上昇も緩やかなペースに留まる可能性がある。


■今週の主な注目イベント

●米国
4日:8月製造業受注、8月耐久財受注
5日:8月貿易収支、9月サービス業PMI、9月ISM非製造業景況指数
6日:9月ADP雇用統計、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁講演
7日:週次新規失業保険申請件数
8日:9月雇用統計、ウィリアムズ米NY連銀総裁講演

●ユーロ圏
4日:ユーロ圏財務相会合
5日:ユーロ圏PPI、ユーロ圏PMI
6日:ユーロ圏小売り、独製造業受注
7日:独鉱工業生産

●英国
5日:PMI
8日:四半期報告発表

●日本
5日:黒田日銀総裁講演

●豪州
5日:豪州準備銀金融政策決定会合

●NZ
6日NZ準備銀金融政策決定会合

●中国
8日:財新サービスPMI

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