注目トピックス 日本株ニュース一覧

注目トピックス 日本株 新興市場銘柄ダイジェスト:ELEMENTS、ホープがストップ高 <7359> 東京通信 1199 +14反発。統合デジタルマーケティング支援のULTRA SOCIAL(横浜市)とTikTok LIVEクリエイター発掘に向けた代理店契約を締結したと発表している。東京通信はTikTok LIVEクリエイター発掘のためのソーシング活動を行い、ULTRA SOCIALはTikTokに特化したマーケティングノウハウを提供する。視聴者がライブ配信中にLIVEクリエイターに対して行うギフティング(投げ銭)の市場拡大を見込み、発掘で需要を取り込む。<4060> rakumo 892 +35大幅に反発。東証から新たに貸借銘柄に選定されたと発表し、買い手掛かりとなっている。選定日は29日で、同日売買分から実施。rakumoは東証グロース市場の制度信用銘柄に選定済み。同社は「当社株式の流動性及び需給関係の向上を促進し、売買活性化と公正な価格形成に資する」とコメントしている。同社株は26日に直近安値(833円)を付けた後は下げ渋っており、底値を打ったとの見方も買いを支えているようだ。<5246> ELEMENTS 512 +80ストップ高。27日に公開価格(160円)を95%上回る312円で初値を付けた後も買いが集まっている。大納会を30日に控え、最近の新規株式公開(IPO)銘柄を改めて物色する流れの中で投資資金が流入している。生体認証・画像解析・機械学習技術を活用した個人認証ソリューションの開発・提供を手掛けるとあって、テーマ性があるとみられていることも買い意欲を刺激しているようだ。<6195> ホープ 469 +80ストップ高を付け、年初来高値を更新している。23日に開示した三菱商事<8058>との地域創生事業での事業上の協業に関する協議・検討実施が引き続き買い材料視されている。具体的な内容は、地域住民向けアプリや企業版ふるさと納税支援サービスなどの顧客数拡大、収益化・収益拡大のほか、地域創生に係る新規事業の企画・開発。株価は最近の連騰で21年9月以来の500円台も視野に入っており、買いが買いを呼ぶ展開になっているようだ。<2195> アミタHD 1052 +147ストップ高。海洋管理協議会(MSC)の国際規格が国連の生物多様性条約締約国会議(COP15)で生物多様性の危機的状況に対する取り組みを科学的に測定する方法として認められたと発表している。子会社のアミタ(東京都千代田区)は「MSC CoC認証」の認証機関として認証審査サービスを提供している。MSCは持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体。<7068> FフォースG 355 +50大幅に反発。23年5月期の営業利益予想を従来の8.48億円から9.47億円(前期実績9.30億円)に上方修正している。プロフェッショナルサービス事業で新規顧客からのインターネット広告需要の高まりを受け、広告予算が増加傾向で推移しているため。第2四半期累計(22年6-11月)は前年同期比20.7%減の4.02億円で着地した。新規顧客からのインターネット広告予算が想定以上に増加し、会社計画(3.60億円)を上回った。 <ST> 2022/12/29 15:23 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(11):2023年3月期の1株当たり配当金は前期と同額を予想 ■株主還元エムアップホールディングス<3661>は、配当性向30%を目安として業績に連動した配当の実施を基本方針としている。2022年3月期は大幅な増益予想とともに、分割調整後※で1株当たり前期比1.25円増配の7.00円と大幅な増配を実施した。2023年3月期も前期と同額の1株当たり7.00円を予定している。※2022年1月1日を効力発生日として、1株につき4株の株式分割を実施した。弊社では、強固な財務基盤や設備投資等が不要な事業特性に加えて、いくつもの収益の軸が立ち上がってきていることから、利益成長に伴う増配の余地は十分にあるものと見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:11 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(10):強力IPの獲得を目指すとともに、相互連携により成長を加速する方針 ■今後の方向性1. 今後の成長イメージエムアップホールディングス<3661>のこれまでの基本戦略の軸は、ファンクラブサイトを起点としてロイヤリティの高い会員基盤の拡大を図るとともに、関連するコンテンツや「EC事業」とのシナジー効果を高めるところにあった。今後は、さらに「電子チケット事業」や「VR事業」に加え、新たに開始した「NFT事業」との相互連携により、グループ全体で成長を加速する戦略を描いている。2. 事業戦略のポイント同社は、今後の事業戦略のポイントとして、1) 基盤強化の継続、2) 事業シナジーの追求、3) 積極的な事業投資による成長加速を挙げている。具体的には、強力IPの獲得に向けた活動(基盤強化)を継続するとともに、IPと動画配信ノウハウを生かした独自の「VR事業」の展開や、IPとアプリの組み合わせによる公式アプリ展開、IP活用によるNFTマーケットプレイスへの参入など、様々な方面での事業シナジーの追求を目論む。また、電子チケットサービスを同社のファンクラブサイトやVRライブ事業へ導入するとともに、他社アプリへのOEM供給、チケットトレードセンター機能を生かした二次流通市場の創出など、成長加速に向けた新規事業投資にも積極的に取り組む方針である。3. 弊社による中長期的な注目点弊社でも、市場拡大が期待される「VR事業」や「電子チケット事業」「NFT事業」への展開が、中長期的な成長加速に結び付く可能性が高いと評価している。特に、「VR事業」については、同社ならではのIP獲得やVR体験の提供のほか、課金ポイント(マネタイズ)の巧拙が成功のカギを握るだろう。また、「電子チケット事業」についても、デファクトスタンダードと成り得る事業モデルとしての優位性はもちろん、単なる電子チケット販売にとどまらず、クラウドシステムでの会員の囲い込みによるクロスセル(他のアーティストのチケットやグッズ販売、各種VR体験等)や、二次流通市場の創出に向けたイニシアティブの発揮など、様々な可能性を秘めていることから、今後の展開やそのスピードに注目したい。さらに「NFT事業」については、IPやファンデータベースとの親和性が高い分野であり、これまでになかったファン体験や価値(仮想空間上でのアーティストとの接点構築やアーティストアイテムの経済圏の創出など)を生み出すことにより、同社の新たな収益源となる可能性はもちろん、アーティストの活動支援にも貢献するものとして期待ができる。コロナ禍はエンタテインメント業界に影響を及ぼす一方、アーティストとファンの関わりの変化やファンサービスのDX化を加速するきっかけにもなっており、5GやWeb 3.0への流れと合わせて、エンタテインメント業界は大きな変革期を迎えている。したがって、ファンサービスのリーディングカンパニーである同社にとっては、さらなる進化を図るチャンスであると同時に、エンタテインメント業界の発展にいかに貢献していくのかが最大なテーマと言えるだろう。その意味で、今後のエンタテインメント業界の発展のカギを握る成長分野(VR、電子チケット、NFT等)を複合的に展開し、さらにシナジー効果が期待できる同社の役割は明らかに重要であり、それに見合う成長の余地も大きいと評価できる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:10 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(9):期初予想を据え置き、既存事業の拡大と新規事業の上積みで増収増益を見込む ■業績見通し1. 2023年3月期の業績予想2023年3月期の業績についてエムアップホールディングス<3661>は、現時点で期初予想を据え置き、売上高を前期比10.5%増の15,000百万円、営業利益を同31.0%増の2,200百万円、経常利益を同28.1%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同38.3%増の1,350百万円と引き続き2ケタの増収増益を見込んでいる。コロナ禍からの一定の回復を前提として、既存事業の継続的な拡大と新規事業の上積みが増収に寄与する見通しとなっている。利益面でも、新規事業等への先行費用を継続しながらも、収益性の高いサービスの伸び(セールスミックスの改善)により営業利益率は約15%の水準まで上昇する想定である。なお、上期業績(特に利益面)が順調に進捗しているにもかかわらず期初予想を据え置いたのは、コロナ禍の影響を含め、事業環境の不確実性を慎重に見ていることが理由であり、今後の動向や新規事業の立ち上がりの状況を見ながら適宜見直す予定としている。2. 弊社の見方弊社でも、コロナ禍の動向には引き続き注意が必要であるものの、上期業績が順調に進捗していることに加え、課金会員数が増加に転じてきたこと、新規サービス(「Fanpla事業」)が着実に立ち上がってきたこと、「電子チケット事業」が軌道に乗ってきたことなど、様々なドライバーが順調に伸びていることを勘案すれば、同社の業績予想は十分に達成可能であると見ている。また、費用面についても、2024年3月期以降の事業拡大に向けた先行費用(電子チケットのシステム開発費など)が想定されるものの、売上高の伸びで十分にカバーできるものと判断している。したがって、コロナ禍の影響が落ち着いてくれば、上振れの可能性(特に利益面)にも注意が必要となろう。注目すべきは、「チケットぴあ」とのシステム連携が開始された「電子チケット事業」の成長加速に向けた道筋である。今後の電子チケットの拡大に向けては、1) コロナ禍の影響(動員制限等)が解消されていくこと、2) チケットの電子化が進むこと(弊社推定では現在は10~15%程度)、3) 電子チケットにおける同社シェアの維持・向上を図ること、の3つの要因に分解することができる。それぞれがどのように業績の伸びをけん引していくのかが、2024年3月期以降の成長性を占ううえでも重要な判断材料となるだろう。さらに、ポテンシャルの大きなNFTマーケットプレイスについても今後の展開に期待したい。また、2024年3月期業績についても、引き続き2ケタの増収増益を継続できるとの見方をしている。特に「電子チケット事業」については、さらなる連携の動きやダイナミックプライシング※の導入(チケットトレード)などにより本格的に成長軌道に乗ってくることが想定される。そうなれば利益面での業績寄与が大きくなることから、今後は利益成長を中心に評価していく必要があるだろう。※チケットの転売価格を需給に基づく変動制により決定すること。チケットトレード(二次流通)の活性化が期待される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:09 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(8):NFTマーケットプレイスの提供開始など、今後に向けた取り組みでも大きな成果 ■エムアップホールディングス<3661>の主な活動実績1. 新規サービス「Fanpla事業」の進捗2022年3月期よりスタートした「Fanpla進化プロジェクト」(Fanpla for ARTIST)※1については、既述のとおり、ファンクラブのプラットフォーム「FanplaKit」、オンラインサロン「Fanpla Rooms」、ファンクラブ向けのオンラインくじ「Fanpla Chance」がそれぞれ順調に立ち上がってきた。特に「FanplaKit」については、アーティストとファンとの新たな接点を創出し、アーティスト自ら収益化できるプラットフォームとしての導入事例が拡大した。これにより、足元業績の伸びに貢献したほか、新規アーティストや新規会員の獲得など、将来に向けた資産の積み上げでも成果をあげることができたと言える。さらに2023年3月期に入ってからは、エンタテインメントに特化したクラウドファンディング「Fanpla Action」、アーティストとファンをつなぐNFTマーケットプレイス「Fanpla Owner」の提供も開始した。このうちNFTマーケットプレイスについては、音楽エンタテインメント領域におけるファンビジネスへのブロックチェーン技術の導入事例と捉えることができる。まずは、希少価値の高いファンアイテム(限定シリアル、FC会員番号※2、1点ものオークション等)において新たな価値感を提示できた。今後も楽曲販売のNFT展開(2022年冬販売)、ライブチケットのブロックチェーン管理(2023年春予定)、ファンクラブと連動したメタバース空間の提供(2023年予定)などを計画しており、実現すれば、仮想空間上でのアーティストとの接点構築やアーティストアイテムの経済圏の創出も視野に入ってくる。※1 コロナ禍をきっかけとしたアーティストとファンの関わりの変化をはじめ、エンタテインメントのDX化を見据えた新たな価値の創出や、ファンエンゲージメント強化によるアーティスト活動の支援を目的とするプロジェクト。※2 これまでファンクラブにおいては会員が退会すると失われていた会員番号を、NFT化することでファンが獲得することが可能となった。2. 「チケットぴあ」とのシステム連携(電子チケット)2022年8月18日には、ぴあ<4337>が提供するチケット流通・発券プラットフォーム「Cloak」とのシステム連携を発表した。これまでも「チケットぴあ」で販売したチケットを同社の「チケプラ電子チケット」で発券することは可能であったが、今回のシステム連携により両社のスタッフ間での購入者データのやり取りなく発券連携をすることが可能となったため、運用の効率化が図られる。加えて、公演直前まで「チケットぴあ」で販売できるようになったことから、「チケプラ電子チケット」のさらなる利用拡大が期待できる。また、チケプラ発券を採用すると、抽選方式のチケット二次流通「チケプラトレード」も利用することが可能となり、購入者にとっては利便性が格段に高まるとともに、同社及びぴあの双方にとってもチケットトレードの拡大(二次流通市場の創出)に向けてメリットが大きい。同社では、すでに連携している(株)イープラスに加え、業界トップのぴあとの連携を実現したことにより、電子チケット及びチケットトレードでのイニシアティブを発揮していく戦略であり、今後もこのような連携の動きをさらに加速していく考えだ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:08 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(7):課金会員数増加やEC事業の拡大、電子チケット事業の成長等により大幅増収増益 ■決算動向2. 2023年3月期上期決算の概要エムアップホールディングス<3661>の2023年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比23.0%増の7,764百万円、営業利益が同53.0%増の1,187百万円、経常利益が同43.3%増の1,200百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同23.8%増の639百万円と、コロナ禍からの一定の回復とともに大幅な増収増益を実現した。また、通期計画(特に利益面)に対しても順調に進捗している。「コンテンツ事業」のうち、主力の「ファンクラブ・ファンサイト事業等」は、コロナ禍により減少していた課金会員数が増加に転じたことで増収を確保したほか、「EC事業」についても、ライブやコンサートの再開と歩調を合わせた取り組みや、ECポータルでのプレイガイドとの連携により好調に推移した。また、「電子チケット事業」については、有観客でのライブ、イベントが増加していくなかで、電子チケットの強み(感染予防対策など)を生かした取扱枚数の伸びに加え、周辺サービス(オンラインくじ等)を付加した顧客単価の向上により順調に拡大した。利益面でも、引き続き電子チケットや新規事業等(VRやNFTを含む)への先行費用が発生したものの、収益性の高い電子チケット※の伸びなどにより大幅な増益を実現し、営業利益率も15.3%(前年同期は12.3%)に大きく改善した。※「電子チケット事業」は手数料ビジネスとなるため、チケット1枚当たりの売上規模は小さいものの、粗利益率は極めて高くなるところに特徴がある。財政状態については、資産合計が前期末比0.8%増の14,296百万円とほぼ横ばいで推移した一方、自己資本については内部留保の積み増しにより同10.9%増の5,653百万円に拡大したことから、自己資本比率は39.5%(前期末は35.9%)に改善した。また、有利子負債はゼロの状態が続いているうえ、流動比率も121.3%を確保していることから、財務の安全性に懸念はない。主なセグメント別の業績は以下のとおりである。(1) コンテンツ事業売上高は前年同期比22.9%増の6,431百万円、セグメント利益は同34.1%増の1,172百万円と増収増益となった。そのうち、主力の「ファンクラブ・ファンサイト事業等」については、コロナ禍により減少していた課金会員数が増加に転じたことで同19.2%増の5,756百万円に伸長した。2022年9月末の課金会員数は、新規案件の獲得等により前期末比約7%増に拡大し過去最大となった。また、「EC事業」についても、再開の進むライブやコンサートと歩調を合わせ商品の取扱高を増加させたことや、ECポータルでのプレイガイドとの連携を進めたことにより同67.3%増の674百万円と大きく拡大した。利益面でも、新規事業等への先行費用を継続しながらも、増収による収益の押し上げにより大幅な増益を実現した。特に収益性の高い「EC事業」の伸びによりセグメント利益率も18.2%(前年同期は16.7%)に改善している。活動面に目を向けると、「ファンクラブ・ファンサイト事業等」では新規約10サイトを開設したほか、「FanplaKit」※1による新たなアーティストの獲得も順調に拡大してきた。また、ファンクラブのアプリ化(アーティストアプリの展開)に加え、生配信視聴アプリ「FanStream」※2やVRでのライブ配信もコロナ禍をきっかけに好評を博している。特に、アーティストアプリ内でのECサイト連携や「FanStream」の配信など、様々な機能の集約により、利便性やファンコミュニケーションの強化を図っている。また、「EC事業」についても、新規ストアの立ち上げに取り組んだほか、事前販売・会場受取や会員限定販売などファンニーズに寄り添ったサービスを展開し、ツアーグッズ・配信ライブグッズなどを幅広く販売した。※1 アーティストの規模にかかわらず、初期・導入費用不要でファンクラブの立ち上げができ、会員管理はもちろんファンクラブ運営に必要な機能がパッケージされているSaaS型プラットフォーム。2022年9月末時点で新人アーティストを中心に306組(前年同期比112.5%増)が登録している。※2 生配信を観ながらコメントやギフティング(投げ銭)によってアーティストの応援ができる機能を搭載した視聴専用アプリ。(2) 電子チケット事業売上高は前年同期比28.9%増の1,325百万円、セグメント利益は同111.5%増の338百万円と大きく拡大した。引き続きコロナ禍の影響(動員制限等)を一部受けているものの、有観客でのライブ、イベントが増加していくなかで、電子チケットの強み(感染症対策等※1)を生かしたシェア拡大により、電子チケット取扱枚数、チケットトレード成立枚数ともに大きく拡大した。電子チケット取扱枚数は238万枚(前年同期は113万枚)に倍増し、通期目標の344万枚に向けて順調に伸びてきた。また、チケットトレード成立枚数についても、大手プレイガイドとの連携による成果もあり12.6万枚(前年同期は約6万枚)に倍増しており、今後もさらに拡大する勢いである。電子チケットに付随した周辺サービス(「メモコレ」「メモコレくじ」等)※2も順調に伸び、チケット1枚当たりの単価向上にも寄与している。また、電子チケットに加え、オンライン配信事業等※3も堅調に推移したほか、プロ野球等のカードコレクションアプリについても、球団間のコラボ企画や球場との連携などにより着実に伸ばすことができた。利益面でも、大幅な増収により「のれん」の償却や先行費用(「チケットぴあ」とのシステム連携を含む)をカバーするとともに、セグメント利益率も25.5%(前年同期は15.6%)と大きく改善した。※1 非接触の促進につながるとともに、スマートフォン顔認証・体温感知の導入も図っている。※2 「メモコレ」とは、ライブの思い出をスマートフォンでずっと楽しめるデジタルコンテンツパック(メンバーからのウエルカムメッセージ、公演当日のスペシャルフォト、終演直後に収録したメンバーからのメッセージ、メンバー直筆サイン入りグッズが当たるくじなどが含まれる)のことである。また、「メモコレくじ」は、「メモコレ」内で提供している、豪華賞品が当たるハズレなしのオンラインくじを切り出したサービスである。※3 ライブの生配信やオンライン配信の視聴パスを販売するプラットフォーム「StreamPass」や「MeetPass」(1対1オンライントーク)など。3. 2023年3月期上期の総括以上から、2023年3月期上期を総括すると、コロナ禍からの一定の回復とともに大幅な増収増益を確保し、通期計画に対しても順調に進捗していることから、総じて好調に推移したと評価することができる。特に、コロナ禍の影響が徐々に解消されてきたことに加え、コロナ禍に伴う環境変化やDX化の動きを新たなサービス(価値)の創出に結び付けてきたことが業績の伸びにつながっているところは、今後に向けてもプラスの材料と言えるだろう。業界環境に目を向けると、ライブやコンサートの公演回数がコロナ禍前の約80%にまで回復した一方、動員数に至っては収容人数制限による影響が残り約45%にとどまっていることから、依然として回復の余地は大きい。したがって、このような環境下でも増収増益を継続してきたところは、改めて同社の事業モデルの強さや各取り組みの妥当性を実証するものとして評価したい。また活動面についても、後述のとおり、ポテンシャルの大きなNFTマーケットプレイスの提供開始や、「チケットぴあ」とのシステム連携(電子チケット)など、今後の事業拡大に向けて注目すべき成果を残すことができた。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:07 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(6):ファンクラブサイトを軸に安定した業績や財務基盤を維持 ■エムアップホールディングス<3661>の決算動向1. 過去の業績推移過去の業績を振り返ると、売上高は2018年3月期まで伸び悩んできた。主力の(携帯)コンテンツ事業において、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行や「着うた」を中心とした音楽コンテンツの急激な縮小などが業績の足を引っ張る要因となるなかで、ファンクラブサイトを中心とするコアな会員基盤が業績の底支えになってきたものの、新規サイトの獲得ペースが鈍化したことが伸び悩みの原因である。一方、2019年3月期から業績が大きく拡大したのは、EMTGの完全子会社化により、ファンクラブサイト数や会員基盤がおおむね倍増し、「コンテンツ事業」や「EC事業」の底上げにつながったほか、新たに「電子チケット事業」が加わったことが上乗せ要因となっている。コロナ禍の影響を受けた2021年3月期及び2022年3月期についても、「EC事業」や「電子チケット事業」の伸びにより増収基調を継続してきた。損益面に目を向けると、営業利益率は2015年3月期まで14%前後の高い水準を維持してきた。2016年3月期以降は、本社移転などの一過性費用や新規事業への先行投資(「VR事業」や「電子チケット事業」等)、M&A費用などにより営業利益率はしばらく低調に推移した。ただ、2020年3月期からは増収による収益の底上げや一時的な費用の解消などにより回復傾向にあり、2022年3月期の営業利益率は12.4%の水準にまで戻ってきた。財務面では、設備投資等の必要がない事業特性から無借金経営を続けており、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は高い水準で推移してきた。2019年3月期に大きく低下したのは、EMTGの連結化に伴う総資産の拡大によるものである。ただ、無借金であることや流動比率が高い水準を維持していることなどから、財務基盤の安全性に懸念はない。一方、資本効率性を示すROEについては、2018年3月期に利益率の低下に伴って落ち込んだものの、2020年3月期以降は回復傾向にあり、2022年3月期は20%を超える水準へ到達している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:06 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(5):コロナ禍においても音楽配信は順調に拡大。ライブ・コンサート市場にも回復傾向 ■業界環境エムアップホールディングス<3661>の事業領域である音楽やアーティスト関連の市場動向に目を向けると、2019年までは堅調に推移してきた。特に、音楽配信では、ストリーミングサービスの利用が急拡大するとともに、ライブ・コンサート市場も拡大傾向にあった。ただ、コロナ禍の影響を受けた2020年については、販売延期等により音楽ソフトの生産金額が1,944億円(前年比15.2%減)に減少した一方、音楽配信の販売金額は自宅等でのストリーミングサービスの利用増加により782億円(同10.8%増)に拡大し、明暗が分かれる結果となった※。2021年についても、音楽ソフトの生産金額は1,936億円(前年比0.4%減)と引き続き低調に推移したものの、音楽配信の販売金額は895億円(同14.4%増)と拡大傾向が続いており、市場全体としては堅調な需要が見られる。※出所:(一社)日本レコード協会また、ライブ・コンサート市場についても、コロナ禍により多くのライブ・コンサートが中止・延期となったことから、2020年の公演回数は10,637回(前年比66.6%減)に減少するとともに、収容人数の制限等も重なり動員数は1,086万人(同78.1%減)にまで落ち込んだ※。2021年に入ってから公演回数は26,383回(前年比148.0%増)と大きく回復し、コロナ禍前(2019年)の約80%にまで戻ってきた一方、動員数は収容人数制限による影響が残りコロナ禍前より53.9%少ない2,284万人(前年比110.2%増)にとどまっている。もっとも、足元では十分に感染症対策を講じたうえでライブ・コンサートを再開し、収容人員制限も緩和する動きが広がっており、公演回数、動員数ともに回復傾向にある。※出所:(一社)コンサートプロモーターズ協会(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:05 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(4):会員数の拡大が業績の伸びをけん引。強力IPの獲得や複合的な事業展開等に強み ■企業特徴エムアップホールディングス<3661>は、会員数の拡大が業績の伸びをけん引する収益モデルである。したがって、強力IP(コンテンツ)を獲得し、集客力の高いサイトを数多く保有するとともに、会員の退会率を低く抑えることで会員基盤を積み上げ、さらに「EC事業」や「電子チケット事業」との連携を含めて、会員1人当たりの単価を高める仕組みを導入することが成功の秘訣と言える。同社は、以下に掲げる強みを生かすことで他社との差別化を図るとともに、効果的な価値創造を実現している。(1) 強力IPを獲得し、集客力の高いサイト運営を実現する仕組み同社は、レコード会社をはじめとする音楽業界等のコンテンツホルダー出身者が多いことから、芸能界に精通していることに加え、これまでのコンテンツ制作に携わってきた経験が、集客力の高いアーティストやタレント、キャラクター等の獲得やコンテンツ発掘、サイト企画に有利に働いている。また、ファンクラブサイトにはオリジナル特典を付与することで、コアなファン層を会員として取り込むとともに、会員期間が長いほど恩恵を受ける仕組みや、関連するコンテンツやオリジナル特典の継続的な提供により退会率を低く抑え、会員基盤の積み上げを図っている。(2) 様々なコンテンツ分野の人気サイトを運営してきた実績会員制サイトの運営やeコマースをはじめ、多岐にわたるカテゴリーやジャンルで公式サイトを幅広く運営してきたことがノウハウの蓄積や信頼につながり、コンテンツホルダーからコンテンツを獲得する際の強みとなるとともに、リスク分散にもなっている。また、その多くはキャリアの公式メニューの上位サイトにランキングされている。(3) シナジー効果を発揮する複合的な事業モデル「コンテンツ事業」を中心として、「EC事業」や「電子チケット事業」を複合的に展開することにより、相互にプラスの効果を生み出すシナジーが発揮されている。特に、ファンクラブサイトからCDやDVD、アーティストグッズ等のeコマースへの誘導や、電子チケット及びチケットトレードサービスとの連携は、コアとなるファン層に直接リーチする新しいチャネルを創造するとともに、1人当たりの単価の向上にも貢献している。また、会員向けのチケット先行販売や会員限定販売、チケットトレードにおける会員向けプレミアムサービスなどが、会員獲得のための有効な施策にもなっている。さらに、将来的には「VR事業」や「NFT事業」とのシナジー効果にも期待ができる。(4) 「電子チケット事業」及び「VR事業」における優位性2019年3月期より参入した「電子チケット事業」については、スマートフォン画面にスタンプを押す電子チケットアプリやチケットトレードセンター機能に優位性がある。特に、チケットトレードセンター機能を生かした二次流通市場の創出は、会員を囲い込むインセンティブになるとともに、政府や業界が進める不正転売対策にも貢献するものである。他社との連携を図りながら、今後のデファクトスタンダードになる可能性が高い。一方、2021年3月期からサービス提供を開始した「VR事業」についても、各権利元とのリレーションによる強力IPの獲得が大きな武器になるものと考えられる。また、同社ならではのVR体験による差別化も計画しているようだ。さらには、各事業会社との戦略的提携によるコンソーシアム体制を取っていることから、他社との協業によるダイナミックな展開(価値創造)も期待できる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:04 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(3):スマートフォン向けにファンクラブサイトや各種コンテンツを提供(2) ■会社概要2. グループ体制同社グループは、2020年4月1日より持株会社体制に移行している。エムアップホールディングス<3661>の傘下には8つの事業会社(連結子会社)が存在し、各社の独自性や迅速な意思決定を重視しながら、グループシナジーの創出と収益源の多様化を実現する体制となっている。3. 沿革同社は、現 代表取締役の美藤宏一郎氏によって、携帯電話端末及びPC端末向けの有料コンテンツの提供及び通信販売を行うことを目的として、2004年12月に設立(本社は渋谷区)された。携帯電話の普及やIT環境の進展に伴って携帯コンテンツ市場が拡大するなか、「着うた」を中心に同社の業績も順調に推移した。特に、キャリアの新サービス提供が同社の業績に大きく影響した。2006年10月には、同社がコンテンツプロバイダーとなる携帯電話キャリア公式サイトとして、メロディコールを提供する「アーティスト公式コール」を開設した。また、2007年2月には、アーティストやタレントに関連するファッションを中心に取り扱うセレクトショップ「ROYAL Roc」の携帯電話キャリア公式サイトを開設し、eコマース事業を開始した。さらに、2007年7月には、「アーティスト公式デコメ」をキャリア公式サイトとして開設し、音楽以外のコンテンツ分野にも進出した。同社にとって大きな転機となったのは、2008年9月に、「GLAY MOBILE」をキャリア公式サイトとして開設し、ファンクラブサイトの運営を開始したことである。芸能界に精通した同社の特徴が生かせる分野であるとともに、ロイヤリティの高いファン層を課金会員として囲い込むことで、技術や市場動向の影響を受けづらい安定的な事業基盤を確立することができた。特に、ファンクラブサイトからCD、DVD、アーティストグッズの直販サイトに誘導することで、eコマース事業とのシナジー効果を発揮できたことが同社の成長をけん引することになった。2012年3月に東証マザーズに上場し、2012年5月には、アドウェイズ<2489>より、韓流サイトなどを運営していた(株)アドウェイズ・エンタテインメントの全株式を取得して子会社化(2013年5月に吸収合併)。2013年9月に東証1部に市場変更となった。また、2018年10月にはEMTGの完全子会社化により電子チケット事業にも参入。2020年4月1日には持株会社体制へ移行した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:03 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(2):スマートフォン向けにファンクラブサイトや各種コンテンツを提供(1) ■エムアップホールディングス<3661>の会社概要1. 事業内容同社グループは、アーティストを中心として、タレントや声優、アニメまで幅広いジャンルにおけるファンクラブサイトの事業を軸としながら、キャラクター、スタンプ、音楽、電子書籍といった多岐にわたるデジタルコンテンツの配信から、eコマース、電子チケットに至るまで、複合的な事業展開をしている。同社の価値提供は、利用者をスマートフォンやPC等の各媒体を通じて各権利元(アーティスト、音楽事務所、レコード会社、キャラクター会社等)と有機的に結び付け、ファンというロイヤリティの高い会員基盤を拡大するとともに、コンサートチケットの先行予約販売や楽曲提供をはじめ、デジタルコンテンツ(CD及びDVD、ブルーレイ等)やグッズまで幅広い商品やサービスを提供するところにある。数多くの有力アーティストやコンテンツを保有する優位性を生かし、それらを相互活用することによりグループ全体でシナジー効果を発揮させ、事業基盤の拡大と多様化を図ってきた。2018年10月1日にはEMTGの完全子会社化により、成長が期待できる「電子チケット事業」への参入を含めて事業基盤の拡大を図った。2020年4月1日からは経営資源の最適配分や迅速な意思決定、グループシナジーのさらなる追求を図るため、持株会社体制へ移行した。2020年以降、コロナ禍の影響を一部受けているものの、ファン待望の「VR事業」が着実に立ち上がってきたほか、市場拡大が期待できる「電子チケット事業」の伸びや「NFT事業」への参入などにより、同社は新たなステージを迎えようとしている。報告セグメントは、「コンテンツ事業」と「電子チケット事業」「その他事業」の3つに区分されるが、「コンテンツ事業」は、さらに「ファンクラブ・ファンサイト事業等」と「EC事業」に分類される。創業来の主力である「ファンクラブ・ファンサイト事業等」の売上構成比が大きいが、今後は「EC事業」や「電子チケット事業」についても相互に連携させながら伸ばしていく方針である。各事業の概要は以下のとおりである。(1) コンテンツ事業a) ファンクラブ・ファンサイト事業等スマートフォンやPC向けのファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、アプリの提供などを行っている。特に、主力となるファンクラブサイトは、アーティスト及びアイドルをはじめ、俳優及びタレント、スポーツ選手などの最新情報や独占コンテンツを配信する公式サイトを運営するとともに、会員限定のコンテンツや楽曲配信、グッズ販売等も展開している。音楽アーティストを中心とするファンクラブサイトは300以上、収益源となる課金会員数は200万人を超え、それぞれ国内最大規模を誇る。また、ファンクラブのアプリ化も進めており、様々な機能の追加(プラットフォーム化)により、利用者ニーズへの対応と収益獲得の間口を広げている。2021年3月期からはコメントや投げ銭機能を搭載した生配信視聴専用アプリに加え、VRでのライブ生配信や様々なVR映像コンテンツを提供するサービスを開始したほか、ファンサービスのDX化を見据えた新規事業展開、新たな収益モデルとして期待されるNFTマーケットプレイス※1への参入などにも取り組んでいる(詳細は後述)。一方、各種デジタルコンテンツ配信は、「しゃべってコンシェル(しゃべってキャラ)」※2やきせかえ、スタンプ、デコメールなど、人気キャラクターやタレント等をテーマにしたコンテンツを多数配信している。加えて、キャリアが展開する月額使い放題サービス向けにも積極的にコンテンツを提供している。※1 ブロックチェーン技術を利用したNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスで、エンタテインメント領域のコンテンツに特化し二次流通以降まで対応している。※2 「しゃべってコンシェル(しゃべってキャラ)」は、(株)NTTドコモが提供するスマートフォン向け音声サービスのこと。スマートフォン上に表示されるキャラクターにやりたいことや調べたいことを話しかけることによって、端末がその言葉の意図を読み取り、情報やサービス、端末機能の中から最適な回答を画面に表示するサービス。b) EC事業同社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、CD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品と、それに関連するアーティストグッズを販売している。ファンクラブサイトの会員であるコアなファン層をターゲットとしている点や、大手アーティストからインディーズ流通のアーティストまで対応し、ファンへ直接販売するという新たな流通経路を開拓している点、パッケージ商品の販売に際しては、オリジナル特典(アーティストグッズ等)を付与することにより効果的な販促ができる点などに特徴がある。また、最近では、ライブやイベント会場の物販をスムーズに利用できる新たなサービス(事前販売及び会場受取サービス等)を開始し、ECの枠を越えた販売機会の拡大を図っている。(2) 電子チケット事業2018年10月にEMTGの完全子会社化により参入した事業であり、電子チケット及びチケットトレード※1、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されている。音楽のライブはもちろんのこと、アイドルグループの握手会等のイベント、プロ野球やフィギュアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供している。また、「コンテンツ事業」で実施するライブ配信と連動する形で、オンライン配信の視聴パスを販売するプラットフォームなども開始した。一方、電子チケットに付随するサービスとしては、カードコレクションアプリ(プロ野球8球団やBリーグ全36チームに採用)※2を展開するほか、ライブにまつわる記念コンテンツ(「メモコレ」)を有料パッケージ販売するなど、マネタイズ手段の多様化にも取り組んでいる。※1 ライブやイベントに行けなくなった時に、他の人に定価でチケットを譲れるサービスである。今までのチケット転売サイトとは異なり、個人間のやり取りができず、定価取引で行われ、チケットの高額転売を防ぐことができる。※2 2022年10月からはV.LEAGUE(日本バレーボールリーグ機構)公式カードコレクションサービス「Vコレ-MEN-」、「Vコレ-WOMEN-」についても開始した。(3) その他事業上記のセグメントに属さない、主に新規事業開発を行う連結子会社の収益等が計上されている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:02 注目トピックス 日本株 エムアップ Research Memo(1):2023年3月期上期は各事業が順調に拡大し、大幅な増収増益を実現 ■要約1. 会社概要エムアップホールディングス<3661>は、アーティストを中心として、タレントや声優、アニメまで、幅広いジャンルにおけるファンクラブサイトの事業を軸としながら、キャラクター、スタンプ、音楽、電子書籍といった多岐にわたるデジタルコンテンツの配信から、eコマース、電子チケットに至るまで、複合的な事業展開をしている。音楽アーティストを中心とするファンクラブサイトの運営は300以上、ファンクラブサイトの課金会員数は200万人を超え、それぞれ国内最大規模を誇る。代表取締役の美藤宏一郎(みとうこういちろう)氏が音楽業界(レコード会社)出身者であることから、アーティストやタレント、スポーツ選手、キャラクターなど強力IP(Intellectual Property)の獲得に強みがあり、多岐にわたるカテゴリーやジャンルで数多くの公式サイトを展開する。コアファンによる会員基盤に支えられながら同社業績も安定推移してきたが、2018年9月にはEMTG(株)の完全子会社化により事業基盤が大きく拡大するとともに、市場拡大が期待できる「電子チケット事業」へも参入し、2020年4月からは持株会社体制へと移行した。この2年間は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を一部受けているものの、コロナ禍をきっかけとしたアーティストとファンの関わりの変化やエンタテインメントのDX化を見据えた新たな価値の創出(VRやNFTを含む)にも注力しており、今後の成長に向けて新たなステージを迎えようとしている。2. 2023年3月期上期決算の概要2023年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比23.0%増の7,764百万円、営業利益が同53.0%増の1,187百万円と、コロナ禍からの一定の回復とともに大幅な増収増益を実現した。また、通期計画(特に利益面)に対しても順調に進捗している。主力の「ファンクラブ・ファンサイト事業等」は、コロナ禍により減少していた課金会員数が増加に転じたことで増収を確保したほか、「EC事業」についても、ライブやコンサートの再開と歩調を合わせた取り組みや、ECポータルでのプレイガイドとの連携により好調に推移した。また、「電子チケット事業」については、有観客でのライブ、イベントが増加していくなかで、電子チケットの強み(感染予防対策など)を生かした取扱枚数の伸びに加え、周辺サービス(オンラインくじ等)を付加した顧客単価の向上により順調に拡大した。利益面でも、引き続き電子チケットや新規事業等(VRやNFTを含む)への先行費用が発生したものの、収益性の高い電子チケットの伸びなどにより大幅な増益を実現した。また、活動面では、ファンサービスのDX化を見据えた新規事業の進捗(NFTマーケットプレイスの提供開始など)や、大手プレイガイドとの連携による電子チケットの強化などで成果を残すことができた。3. 2023年3月期の業績予想2023年3月期の業績予想について同社は、現時点で期初予想を据え置き、売上高を前期比10.5%増の15,000百万円、営業利益を同31.0%増の2,200百万円と引き続き2ケタの増収増益を見込んでいる。コロナ禍からの一定の回復を前提として、既存事業の継続的な拡大と新規事業の上積みが増収に寄与する見通しとなっている。上期業績(特に利益面)が順調に進捗しているにもかかわらず期初予想を据え置いたのは、コロナ禍の影響を含め、事業環境の不確実性を慎重に見ていることが理由であり、今後の動向や新規事業の立ち上がりを見ながら適宜見直す予定としている。4. 今後の事業戦略今後の事業戦略のポイントは、1) 基盤強化の継続、2) 事業シナジーの追求、3) 積極的な事業投資による成長加速である。具体的には、強力IPの獲得に向けた活動(基盤強化)を継続するとともに、IPと動画配信ノウハウを生かした独自の「VR事業」の展開や、IPとアプリの組み合わせによるファンサイトのプラットフォーム化、IP活用によるNFTマーケットプレイスへの参入など、様々な方面での事業シナジーの追求を目論む。また、電子チケットサービスを同社のファンクラブサイトやVRライブ事業へ導入するとともに、他社アプリへのOEM供給、チケットトレードセンター機能を生かした二次流通市場の創出など、成長加速に向けた新規事業投資にも積極的に取り組む方針である。弊社でも、市場拡大が期待される「VR事業」や「電子チケット事業」「NFT事業」への展開により、中長期的な成長加速を実現する可能性が高いと評価している。■Key Points・2023年3月期上期は課金会員数の増加や「EC事業」の拡大、「電子チケット事業」の成長などにより大幅な増収増益を実現・NFTマーケットプレイスのサービス提供や大手プレイガイドとの連携による電子チケットの強化など、活動面でも成果を残す・2023年3月期は、コロナ禍の影響を加味したうえで増収増益を確保する見通し(現時点で期初予想を据え置き)・今後も強力IPの獲得を目指すとともに、「VR事業」や「電子チケット事業」「NFT事業」等との事業シナジーの創出により成長を加速する方針(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <NS> 2022/12/29 15:01 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(10):配当性向の目安を30%から50%に引き上げ ■株主還元策とSDGsの取り組みについて1. 株主還元策株主還元方針についてジャパンベストレスキューシステム<2453>は従来、配当性向で30%以上を目安としてきたが、2022年9月期より50%を目安に安定的かつ継続的な配当を行う方針に改めた。これにより2022年9月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の18.0円(配当性向138.5%)と、8期連続の増配となった。2023年9月期については前期と同額の18.0円(同62.7%)を予定している。今後も利益成長が続けば増配が期待できることになる。また、株主優待制度も導入している。毎年3月末時点で100株以上保有している株主に対して、同社がオフィシャルスポンサーとなっているキッザニア(子供向けの職業体験型テーマパーク)の優待券を2枚(最大19名まで利用可)贈呈している。2. SDGsの取り組み同社はSDGsの取り組みとして、顧客とともに提携先も巻き込み、誰一人取り残さない社会の実現を目指していくことを方針に掲げている。「困っている人を助ける!」を経営理念としている同社にとっては、事業成長そのものが持続可能な社会の構築に貢献しているとも言える。具体的な実績としては、2022年9月末時点のサービス契約件数4,292千件に対して、困っていた人の件数は2022年9月期で348千件(生活トラブル317千件、延長保証24千件、保険6千件)となっている。SDGsで掲げられている17の目標のなかでも特に、17番目に掲げられている「パートナーシップで目標を達成しよう」を上位概念として捉えており、提携拡大を通じて地方創生の推進や、新たな産業基盤の構築に取り組んでいく考えだ。ESGの視点での取り組みとしては、環境面では紙使用量の削減や駆けつけ事業における出動の効率化による省エネ化とサービス品質の両立を図っているほか、環境保全団体への支援として、社内に寄付型自動販売機を設置している。社会面では、少子高齢化社会への対応に関連して高齢者見守りサービスを提供しているほか、高齢化で縮小リスクのある施工パートナーの維持・拡大に取り組んでいる。また、ワークライフバランスの推進により働きがいのある職場づくりを進めている。ガバナンス面では、プライム市場における上場企業に求められる高いガバナンス基準への対応に取り組んでいるほか、BCP対策の強化、ステークホルダーとの積極的対話などに取り組んでいる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 15:00 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(9):2024年9月期は収益の成長スピードが加速する可能性あり ■今後の見通し3. 中期経営計画(1) 中期経営計画の概要ジャパンベストレスキューシステム<2453>は2022年9月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートしている。経営戦略として、営業・業務の両面で「パートナーシップ戦略」を推進し、既存事業の成長と新規事業の育成を図っていく方針を打ち出している。既存事業については市場環境の変化に機微に対応しながら、提携先の拡大やM&A等も活用することで収益基盤をさらに強固なものとし、持続的な成長を目指していく。特にM&Aについては、自社の成功体験を活用することでACTGの収益性が大きく改善するなど手応えを得たことから、今後も前向きに検討していく方針だ。新規事業については伊藤忠商事との協業やスタートアップ企業との連携、共同開発、M&A等によって創出していく。業務戦略については、コールセンター業務や各カンパニーで行っていた業務を、新たに組織化する業務本部に一元化することで、業務品質の向上と効率化を図っていく。2022年9月期より新ERPシステムの運用を段階的に開始しており、最終的には受注から販売、決済、顧客管理までグループすべてのシステムを統一する。これにより、業務効率の向上だけでなく、今までは十分でなかった事業部間の連携による重層営業の効果も一段と向上することが期待される。このほかにも、人材の育成強化や施工パートナー等のサービスインフラの拡充も進めていく計画だ。管理・財務戦略については、2022年4月の東京証券取引所市場再編に伴うプライム市場への移行に伴い、ガバナンス体制の強化を図っている。サステナビリティへの取り組みの推進と中長期的な企業価値の向上を目指すため、2022年5月の取締役会でサステナビリティ委員会の設置及びTCFD※提言への賛同表明について決議しており、今後、SDGs等の取り組みについても積極的に開示していく予定である。※TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):G20の要請を受け、2015年に主要国の中央銀行や金融規制当局などが参加する国際機関である金融安定理事会(FSB)によって設立。企業に対して気候変動関連のリスク・機会の評価と財務への影響について開示することを提言している。(2) 事業戦略同社では、現在の事業を「収益性の高い成長・成熟事業」「育成事業」「課題事業」の3つに整理し、それぞれの戦略を推進していく。「収益性の高い成長・成熟事業」は主力3事業とし、顧客を積み上げていくことで持続的な成長を図っていく。特に会員事業は、ACTGの子会社化により、集合住宅向け生活トラブル解決サービス市場450万件のうち約35%のシェア(同社調べ)を握る圧倒的トップの地位を確立したことになる。第2位の事業者は約7%のシェアになっていると見られ、残りの大半は不動産管理会社が内製化しているが、不動産管理会社ではコスト削減のためアウトソーシング化する傾向となっており、こうした需要を取り込んでいくことも可能と見ている。また、集合住宅市場では残り約1,800万件の未開拓市場が残っているほか、今後はパートナーシップ戦略により戸建て住宅市場にも本格展開していく予定となっている。これら戦略が順調に進めば成長スピードも加速していくものと予想される。一方、保険事業は事業の性質上、極端に収益性を高めることは困難なため、収益性については若干の向上を図り、保険商品の拡充により売上規模を拡大していく戦略となる。資本業務提携先の伊藤忠商事のほか、レスキュー損害保険の株主でもあるミニミニグループ、日本生命保険などとも共同開発を進めている。保証事業は住宅メーカーなど提携先を拡充することで会員数を拡大していくほか、サービス領域を住宅点検や修繕サービスなどにも広げていく。住設機器メーカーとの提携などによって、将来的には海外市場への展開も見据えているようだ。新規事業に関しては、新たな提携先開拓に加え、社内外のリソースを活用しながら創出・育成していくことになる。また、課題事業と位置付けていたリペア事業と駆けつけ事業のうち、リペア事業については会員事業に統合し、会員サービスの1つとすることで収益化を図っていくことにした。特に、今後市場開拓に注力していく戸建て市場においてリペアサービスは需要があると見ている。一方、駆けつけ事業については2022年11月末に事業譲渡しており、今後は持分法適用関連会社として間接的にサポートする。(3) 経営数値目標中期経営計画における数値目標としては、2024年9月期に売上高22,000百万円、営業利益2,500百万円、経常利益2,650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円を掲げている。3年間の年平均成長率は売上高で17.8%、営業利益で21.1%となる。営業利益率については、ACTGの子会社化で2022年9月期に8.2%と一旦低下したが、統合効果が顕在化する2024年9月期には11.4%まで上昇する計画となっている。また、前提となるKPIである主力3事業の契約件数は年率11.6%で増加し、2024年9月期に5,471千件を目指す。ただ、保険事業の2022年9月期実績は、契約件数は当初計画を上回ったものの、業績及び会員数はいずれも下回った。会員数については、ACTGで前期末比50千件増を計画していたのに対して、不採算顧客の整理を進めた結果、53千件減となったことが下振れ要因となっている。また、営業利益については、駆けつけ事業の低迷が続いたことに加え、保険事業の責任準備金の増加が要因となった。直近の状況を鑑みて、2023年9月期の業績及びサービス契約件数ともに当初計画から引き下げた。親会社株主に帰属する当期純利益の引き下げ率が大きいのは、ジャパンワランティサポートの株式上場により、非支配株主持分利益が増加するためだ。このため、2024年9月期の目標達成に向けたハードルは高くなったが、主力3事業の顧客の積み上げにより持続的な成長を目指す基本戦略に変わりはない。ACTGとの経営統合効果や戸建て市場の開拓、中古携帯電話回収事業などのパートナーシップ戦略により収益貢献が本格化してくれば、2024年9月期に収益の成長スピードが加速する可能性は十分あると弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:59 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(8):パートナーシップ戦略により主力3事業の拡大を図る ■ジャパンベストレスキューシステム<2453>の今後の見通し2. パートナーシップ戦略の進捗状況パートナーシップ戦略については着々と進んでいる。2022年以降の提携実績としては、保険事業でミニミニグループやFast Fitness Japan、GMOインターネットグループとの提携を実現し、契約件数の増加に貢献している。また、会員事業ではJAF、ワタミ<7522>、センチュリー21・ジャパン、東北電力などと提携しており、今後の会員数の増加につながる取り組みとして期待される。このほか、不動産会社やインフラ会社など複数の企業と提携交渉を進めているほか、伊藤忠商事とも20件以上の案件で事業化の可能性を協議している。また、既存インフラを活用したラストマイルの新サービスとして、フードデリバリーサービス事業者向けのサポートサービスや高齢者見守りサービスを開始、自転車アフターサービスについても2023年9月期中の開始を目指している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:58 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(7):主力3事業の成長により収益拡大が続き、営業利益は4期ぶりに最高益更新へ ■今後の見通し1. 2023年9月期の業績見通しジャパンベストレスキューシステム<2453>の2023年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.8%増の18,300百万円、営業利益で同13.0%増の1,650百万円、経常利益で同27.9%増の1,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同116.9%増の950百万円となる見通し。駆けつけ事業の譲渡により増収率は低くなるものの、主力3事業の成長により営業利益は4期ぶりに過去最高を更新するほか、営業外収支や特別損益の改善により、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益でも大幅な増益を見込む。なお、上期の売上高は前年同期比3.0%増、営業利益は同16.0%減と増収減益計画となっているが、保険事業における契約準備金の増加によるもので、同影響を除けば増益計画となる。(1) 売上高の増減要因駆けつけ事業の譲渡により810百万円の減収となる一方、主力3事業での顧客積み上げにより929百万円、新規事業として開始する中古携帯電話回収事業で370百万円の増収を見込んでいる。主力3事業のうち保証事業については、ジャパンワランティサポートの業績予想が売上高で前期比18.3%増の1,711百万円であることから、会員事業と保険事業の合計で同4.5%増の15,384百万円を見込んでいることになる。伸び率としては控えめな印象を受けるが、既述のとおりACTGで価格改定交渉を進めており、一定数の解約が発生するリスクを織り込んでいると見られる。会員事業及び保証事業の期末会員数は、前期末比336千件増の3,943千件を見込んでいる。保証事業は引き続き20万件超のペースで拡大が続く見通しだ。また、会員事業は主力の「安心入居サポート」の増加に加え、2022年4月から販売を開始した(一社)日本自動車連盟(以下、JAF)の「ホームライフサポート」で3.7千件の増加を見込んでいる(前期末実績は1.3千件)。JAFはロードサービスを主に提供している一般社団法人で会員数は2,000万人以上となる。JAFの年会費に2,200円を追加することで、カギ/水回り/ガラス/電気/建具等の生活トラブルを解決するサービスを無料(出動費、作業費が無料、部品代等は別途有料)で受けることが可能となる。また、出動先を2ヶ所設定できるため、契約者の自宅以外に離れて暮らす家族の住まいへの出動も可能となる。会員獲得施策としては、JAFが会員向けに配信しているメールマガジンやダイレクトメールで告知を行ってはいるが、まだJAFとのシステム連携が行われていないこともあり、加入件数は限定的だ。同社は、自動車販売のタッチポイントでのサービス提供など、会員開拓ルートを新たに設けることで獲得件数を増やす方針であるものの、これらの効果は2023年9月期の計画には織り込んでいない。会員事業の新たな取り組みとしては、2022年9月にリペアサービス付帯型の生活トラブル解決サービス「CENTURY21 24時間ライフサポート」の販売を開始した。センチュリー21・ジャパンが販売する戸建て住宅やマンションの購入者を対象とし、カギ/水回り/ガラス/電気のトラブルに、各種年2回まで無料で利用可能(出張料・作業料無料、部品代別途有料)となるほか、リペアサービスやハウスクリーニングなどを優待価格で利用できる。契約期間は10年、料金は約10万円(うち同社の売上は6~7割)だが、住宅購入時に販売提案をするため、心理的なハードルはさほど高くないと思われる。センチュリー21・ジャパンでは年間2.5~2.8万戸の新築・中古物件を販売しているほか、22万戸の管理物件を保有しており、新たな会員獲得ルートとして期待される。初年度として数千件の会員獲得を目標としている。このほかにも、住宅メーカーや不動産会社などと同様のスキームでの提案を進めている。持ち家市場は賃貸住宅の1.5倍の規模があるだけに、需要を開拓できれば会員事業のさらなる成長につながるものと期待される。また、生活トラブル解決サービスの新たな販売ルートとして2022年11月に東北電力<9506>と提携し、「カギ・窓ガラス・建具トラブルサポート」の提供を開始した。「東北電力のくらしサービスストア」の会員向けに賃貸、持ち家問わず月額440円(税込)で提供する。対象市場は約400万世帯となるが、プロモーション活動が十分に実施できない環境を考慮し、初年度は2~3千件の会員獲得を目標としている。一方、保険事業の契約件数は前期末比28千件増加の711千件を見込んでいる。このうち12千件は撤退を決定した同業他社商品からの乗り換え案件であること、家財保険は年間20千件を上回るペースであることから、保守的な計画と言える。2023年9月期は新商品の投入予定はないものの、「スマホ保険」やその他の少額短期保険で着実な増加が期待できる。新規事業の中古携帯電話回収事業は、資本業務提携先の伊藤忠商事との協業案件で、2022年9月に開始した。伊藤忠商事は中古携帯電話の回収ビジネスを年間数百万台規模で展開しているが、事業規模の拡大を目指し、同社が持つラストマイルのネットワークを活用することにした。伊藤忠商事では、使用していない中古携帯電話は自宅に約2.65億台あると試算しており、これらの端末の回収を通じて資源を有効活用し、持続可能な社会の発展に貢献していく方針だ。同社の施工・販売パートナー網を通じて回収した端末機を、伊藤忠グループの(株)Belongに販売し、Belongでデータ消去や検品業務を行い、海外市場で再販する。2023年9月期に回収台数57千台、売上高370百万円を計画しているが、コンビニエンスストアでのトライアルで十分な手応えを掴んでおり、達成可能な水準と見ている。(2) 利益の増減要因営業利益の増益要因としては主力3事業で210百万円、中古携帯電話回収事業で55百万円、減益要因としては感染拡大防止事業の終了で35百万円(上期の減益要因)、駆けつけ事業譲渡で40百万円を見込んでいる。主力3事業のうち、保証事業を展開するジャパンワランティサポートの営業利益は前期比8.5%増の603百万円としているものの、原価率の上昇が続くことから利益率は若干低下する見通しだ。また、会員事業と保険事業を合計した営業利益は同12.3%増の1,480百万円となる。このうち会員事業は、経営統合の効果が期待される。統合については、重複する間接部門は2023年9月期中、営業部門や商品は2~3年先を目途に、新ERPシステムは段階的に統合していく予定としている。2023年9月期の業績予想には経営統合の効果は若干の織り込みに留まることから、統合が早期に完了すれば想定以上の効果が出てくる可能性がある。中古携帯電話回収事業は既存のネットワークを活用し、追加費用は発生しないことから、初年度から利益貢献する見通しだ。営業外収支は前期比190百万円増を見込んでいる。自社株価予約取引によるデリバティブ評価損など、前期に発生した一過性の費用490百万円がなくなることからさらに改善する可能性はあるが、有価証券売却益等の不確定要素を織り込まず保守的な計画とした。また、特別損益では前期に計上したACTG合併に関連した減損損失等の特別損失170百万円がなくなる一方、駆けつけ事業の株式譲渡に伴う特別損失28百万円を計上する予定だ。責任準備金については前期並みの水準を見込んでいることから、2023年9月期は増収に見合った増益が期待できそうだ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:57 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(6):将来の売上となる前受収益が100億円を突破 ■業績動向3. 財務状況と経営指標ジャパンベストレスキューシステム<2453>の2022年9月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比291百万円減少の27,884百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では未収入金が856百万円減少した一方で、現金及び預金が2,541百万円増加した。固定資産では投資有価証券が上場株式の株価下落等の影響により1,200百万円、のれんが209百万円それぞれ減少した。負債合計は前期末比574百万円増加の17,081百万円となった。有利子負債が919百万円減少した一方で、会員、保証事業における前受収益及び長期前受収益が合計で1,309百万円、保険事業における責任準備金が265百万円それぞれ増加した。純資産合計は同865百万円減少の10,802百万円となった。非支配株主持分が589百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が896百万円、利益剰余金が576百万円それぞれ減少した。このうち利益剰余金については、親会社株主に帰属する当期純利益437百万円を計上した一方で、配当金572百万円の支払い、収益認識会計基準等の適用により期首残高を405百万円減少したことが減少要因となっている。経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前期末の40.2%から35.4%に低下したものの、前受収益の積み上げに伴う負債の増加が主因となっており、有利子負債比率が27.8%から22.5%に低下していることや、ネットキャッシュは前期末比3,461百万円増加の11,854百万円と過去最高水準に積み上がっていることから、財務の健全性は高いと判断される。収益性について見ると、2~3年前まで2ケタ台の水準であったROAやROE、営業利益率がそれぞれ1ケタ台に低下している。ACTGを買収したことが主因となるが、既述のとおり買収後のACTGの収益性は順調に改善しており、2023年9月期以降は経営統合の効果も顕在化してくると見られることから、営業利益率やROEについては早ければ2024年9月期にも10%台に復帰するものと予想される。一方、ROAについては前受収益が今後も積み上がる見通しで、10%台への復帰は少し遅れることになりそうだ。なお、同社は未上場企業や事業提携関係にある上場企業も含めて、投資有価証券を5,698百万円保有している。事業提携関係にある上場株式に関しては基本的に保有継続方針であるものの、その他の株式や金融商品に関しては適切な時期を見計らい、徐々に減らしていく意向を示している。一方、M&AについてはACTGの買収で手応えを得たことから、同業他社等で条件に見合う案件があれば積極的に検討していく方針だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:56 注目トピックス 日本株 出来高変化率ランキング(14時台)~ハークスレイ、STIフードHがランクイン ※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [12月29日 14:34 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<6083> ERI        HD  2098200  11284000.00% 17.5945%<6264> マルマエ       1252200  129960  863.53% 7.4%<3549> クスリのアオキ    649800  109880  491.37% -12.31%<2840> iFEナス100ヘッジ無  31457  6796.4  362.85% -1.39%<2752> フジオフード     566800  149360  279.49% -3.69%<4541> 日医工        10356700  2897680  257.41% -3.54%<3635> コーエーテクモ    1192000  340360  250.22% 6.61%<1475> iSTOPIX    281056  80715.2  248.21% -0.76%<3452> ビーロット      459800  154360  197.88% -3.17%<1577> 高配当70      5630  1892.6  197.47% -1.14%<2884> ヨシムラフード    650400  226840  186.72% 5.73%<9519> レノバ        3762600  1380060  172.64% -0.34%<4431> スマレジ       1280800  472220  171.23% 11.41%<2195> アミタHD      349300  131960  164.70% 16.24%<4825> WNIウェザー    89000  33920  162.38% 2.03%<4393> バンクオブイノベ   1964600  761100  158.13% 17.46%<6182> メタリアル      296500  116100  155.38% 7.75%<8473> SBI        2959400  1165160  153.99% -2.54%<8803> 平和不        119600  47840  150.00% -5.12%<9565> ウェルプレイドR   605100  245780  146.20% 11.73%<6547> グリーンズ      146100  60120  143.01% 5.82%<3659> ネクソン       1940900  837580  131.73% 4.55%<1330> 上場225      46970  20280  131.61% -1.17%<7561>* ハークスレイ     174200  75860  129.63% 0.87%<2932>* STIフードH    42000  18580  126.05% -9.6%<6730> アクセル       264700  119720  121.10% 7.4%<3948> 光ビジネス      277400  126080  120.02% -9.42%<1580>* 日経-1倍      38460  17652  117.88% 0.98%<9086>* 日立物流       127800  59360  115.30% -0.11%<4355> ロングライフ     2834200  1350820  109.81% -1.9%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外 <CS> 2022/12/29 14:55 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(5):主力3事業で顧客数が順調に拡大 ■ジャパンベストレスキューシステム<2453>の業績動向2. 事業セグメント別動向(1) 会員事業会員事業の売上高は前期比72.0%増の9,827百万円、営業利益は同9.6%減の936百万円となった。事業再編に伴う全社費用の配賦負担等が487百万円増加※したことにより減益となったが、これらの特殊要因を除いた実態利益は同11.4%増の2,301百万円であった。※配賦費用は各事業セグメントの従業員数で按分している。同事業の従業員比率が上昇したことや、新ERP稼働に伴う減価償却費の増加もあって大幅増となった。売上高については、ACTGの買収効果により3,505百万円、既存事業の会員獲得による増収により374百万円それぞれ増加した一方、収益認識会計基準等の適用に伴う影響で233百万円増加した。会費収入については前期比76.0%増の6,754百万円となり、商品別では「安心入居サポート」が同15.0%増の3,579百万円、新たに加わったACTGが2,300百万円、「学生生活110番」が同1.0%減の411百万円、その他が同49.0%増の459百万円となった。2022年9月期末の会員数は前期末比40千件増加の2,256千件となった。このうち、ACTGは同53千件減の578千件となったが、これは不採算や低採算の顧客に対して価格改定交渉を実施し、一定数の解約が発生したことによる。特に第4四半期は低採算の大口顧客の解約が発生し、同年第3四半期末比67千件の減少となった。ただし利益面では、買収前の営業利益が97百万円、営業利益率が3.6%に対し、2022年9月期は366百万円、同10.4%と大幅に伸長した。会員数の減少による減益(0.4億円)を、コールセンター費用や出動費用の抑制(1.7億円)や人件費や管理委託費用の削減(1.3億円)で吸収した。買収時の計画では初年度の営業利益率を6.9%、3年後の目標として9.0%を設定していたが、大幅に前倒しした。同社はグループ化による効果をさらに高めるため、2022年10月にACTGを吸収合併し、重複する間接部門やシステムを統合した。なお、ACTGでは低採算な顧客(会員数で換算すると50千件程度)への価格交渉を継続しており、2023年9月期中に値上げもしくは解約の可能性がある。主力の「安心入居サポート」の会員数は前期末比102千件増の1,122千件と順調に伸長した。販売ネットワークの拡充が進んでいることや、家賃等に会費を含めて提供するサブスクリプション型の契約件数が増加した結果、サービス継続率が上昇していることが要因と見られる。一方、大学生協を通じて販売する「学生生活110番」については同6千件減の282千件に留まった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で地方から上京して学生生活を送る新入生が減少していることが影響していると思われる。その他の会員サービスについても低採算なサービスを縮小していることから、同2千件減の273千件となった。(2) 保証事業保証事業の売上高は前期比15.6%増の1,446百万円、営業利益は同14.3%増の551百万円となった。「あんしん修理サポート」の会員数が同218千件増加の1,350千件と好調に推移したことが寄与した。主力販路であるホームセンターや家電量販店等を通じた会員数獲得が続いていることに加え、住宅メーカー等の新たな販路開拓が進んでいることも会員数の増加につながっている。同商品は契約期間が5~10年と長期間にわたるため、新規会員数増加の単年度の増収インパクトは小さいが、将来の売上となる前受収益金として積み上がる格好となっている。なお、修理件数の増加に伴う売上原価率の上昇により、営業利益率が若干低下した。住設機器の修理は購入後7年目以降から増加する傾向にあり、こうした会員からの修理依頼が増加した。(3) 保険事業保険事業の売上高は前期比16.1%増の5,432百万円、営業利益は同5.5%増の381百万円となった。既述のとおり、契約件数急増により責任準備金が増加(2021年9月期の84百万円に対し、2022年9月期は281百万円)した結果、営業利益の伸びが低くなっており、責任準備金控除前ベースでは同48.4%増の668百万円と大幅な増益であった。保険料収入については、家財保険が前期比21.7%増の2,681百万円、「スマホ保険」が同35.2%増の96百万円、「スポーツクラブ傷害保険」が同2.6%増の79百万円、その他保険が同18.6%増の345百万円となった。また、保険契約件数は、家財保険が前期末比51千件増の302千件と従前よりも増加ペースが加速した。増加分のうち17千件は、撤退を決定した同業他社商品からの乗り換え案件で、同社が委託登録代理店となったことで自動的に乗り換えが進んでいる。残り12千件についても2023年9月期第2四半期までに同社製品に切り替わる予定で、契約準備金は2023年9月期第2四半期まで増加(減益要因)が見込まれる。なお、同要因を除いても同3.4万件増加しており、順調に拡大している。販売ネットワークの拡大に加え、2022年1月に賃貸仲介大手のミニミニグループとレスキュー損害保険が資本業務提携を締結し※、ミニミニグループが仲介する賃貸住宅の入居者向けに火災保険の販売を開始したことが要因だ。今後はミニミニグループ向けの火災保険販売のシェア拡大に加え、不動産関連の保険商品の共同開発も進めていく予定だ。※ミニミニグループは賃貸仲介、社宅代行の大手で、店舗数は約450店舗を展開している。レスキュー損害保険の株式の4.9%を取得した。家財保険の販売により年間約1億円の保険料収入を見込んでいる。「スマホ保険」の契約件数は、販売チャンネルの拡大(オンライン販売やGMOインターネットグループ経由での販売)効果もあって同26千件増の81千件となった。「スポーツクラブ傷害保険」は、既存のフィットネスクラブ2社に加え、新たにFast Fitness Japan<7092>が運営する「エニタイムフィットネス」が加わったことにより、同7千件増の247千件となった。その他保険商品も全般的に契約件数の増加が続いている。(4) 駆けつけ事業駆けつけ事業の売上高は前期比28.3%減の950百万円、営業損失は80百万円(前期は25百万円の損失)となった。タウンページやWebサイトを通じた集客が減少傾向にあることに加え、コロナ禍が続くなかで他者との接触を回避する意識が引き続き強く、カギ及び水回りのトラブルに関する作業依頼件数が減少した。(5) その他2021年9月期下期から開始した感染拡大防止事業や、フードデリバリー事業者向けサポートサービスなどのラストマイル事業を展開している。2022年9月期第2四半期に感染拡大防止事業が終了したことにより、売上高は164百万円(前期は274百万円)、営業損失は20百万円となった(同54百万円の利益)。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:55 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(4):2022年9月期はM&A効果で過去最高売上を更新、営業利益も2期連続増益に ■業績動向1. 2022年9月期の業績概要ジャパンベストレスキューシステム<2453>の2022年9月期の連結業績は、売上高で前期比32.3%増の17,810百万円、営業利益で同3.7%増の1,459百万円、経常利益で同32.6%減の1,173百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同671.6%増の437百万円となり、おおむね会社計画(2022年8月発表値)どおりに着地した。売上高は過去最高を4期連続で更新し、営業利益も2期連続の増益となった。なお、2022年9月期より収益認識会計基準等の適用を行っており、旧会計基準と比較して売上高で233百万円、売上原価で5百万円、販管費で205百万円、営業利益及び経常利益で22百万円それぞれ増加している。2021年9月末にACTGを買収した効果により、売上高で3,505百万円、営業利益で183百万円(のれん償却額183百万円控除後)の増額要因となったほか、主力3事業が順調に拡大し、駆けつけ事業やその他事業の減額分をカバーした。なお、減価償却費やのれん償却額などを加味した本来の収益力を示すEBITDAは、前期比23.8%増の2,047百万円であった。経常利益は、営業外収支が前期比618百万円、投資有価証券売却益が同147百万円、自社株価予約取引に関連したデリバティブ評価損益※が同323百万円それぞれ減少したことにより、減益となった。また、アクアラインや日本PCサービスの業績悪化により、持分法による投資損失が同154百万円拡大した。一方、特別損益が同777百万円増加したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な増益となった。2021年9月期はACTG買収発表後の株価上昇に伴いのれん996百万円を償却し、減損損失として計上したのに対して、2022年9月期はACTGとの経営統合に関連して減損損失等の特別損失を170百万円計上した。※2020年より実施していた自社株価予約取引について2022年8月までにすべて解約を行い、解約日時点の自社株価と2021年9月末時点の株価(1,262円)の差額分をデリバティブ評価損として計上した。2023年9月期以降は発生しない。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:54 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(3):日常生活でのトラブルを解決する各種サービスを提供(2) ■事業概要(2) 保証事業ジャパンワランティサポートで住設機器、家電製品等のメーカー保証期間終了後のサポートを行う「あんしん修理サポート」(5年・8年・10年間保証で7,000円~、うち約8割がジャパンベストレスキューシステム<2453>の収入)を主に提供している。「あんしん修理サポート」の会員獲得は住宅メーカーや、ホームセンター、家電量販店等との提携を通じて行っており、主要な提携先は(株)ヤマダデンキで新規契約件数の約3割、売上高で2割強を占めている。2022年9月末の同事業の会員数は1,350千件と年率20%ペースで拡大が続いている。保証額は家電製品よりも住設機器のほうが高くなることや、住宅販売時の購入価格に保証サービスを組み込みやすいことから、最近は住宅メーカーとの提携強化に注力している。(3) 保険事業連結子会社のジャパン少額短期保険、レスキュー損害保険で保険事業を展開している。主力商品は、賃貸住宅入居者向けに家財を補償する「新すまいRoom保険」で、同事業保険料収入の84%(2022年9月期)を占めている。不動産賃貸事業者では入居者が賃貸契約する際に「安心入居サポート」と「新すまいRoom保険」を同時に勧めることができるため、販売効率の高い商品となる。その他の少額短期保険商品としては、事務所や飲食店などのテナント入居者向けの「テナント総合保険」、自転車による事故や盗難に備える保険「ちゃりぽ」、痴漢冤罪(痴漢被害)ヘルプコール付き「男を守る弁護士保険、女を守る弁護士保険」、「お天気保険」「子育て支えあい保険 子育てシェアリング」などユニークな商品を多数揃えており、商品企画・開発力が強みとなっている。また、少額短期保険では商品化できない保険のニーズに対応するため、2019年7月にレスキュー損害保険を開業した。当初はジャパン少額短期保険からの受再事業からスタートし、2020年より賃貸住宅のオーナーや不動産会社向けの家財保険包括契約の販売を開始している。「新すまいRoom保険」は入居者が被保険者となるのに対して、同商品は貸し手側を被保険者とした団体保険商品となる。そのほか、2020年春からスポーツクラブ傷害保険を、2020年7月より「スマホ保険」の販売をそれぞれ開始した。「スマホ保険」はワイヤレスゲート<9419>が(株)ヨドバシカメラの店舗で販売するWi-Fiサービス付きスマートフォン及びタブレット端末を対象に、購入後の破損または自然故障を保証するもので、月額税込890円のプランの場合、故障等で掛かった費用に対して5万円(上限額・年1回)をお見舞金として補償し、月額料金の約15%が同社の売上高となる。2022年4月からは同様のサービスをGMOインターネットグループ<9449>経由でも提供している。ただ、スポーツクラブ傷害保険、「スマホ保険」を合わせても保険料収入の構成比は5%強とまだ小さい。なお、レスキュー損害保険は設立時に日本生命保険(相)、セブン銀行<8410>が各7.1%出資したほか、2022年1月には不動産賃貸仲介・管理の大手である(株)ミニミニグループと資本業務提携を行い※、火災保険の販売をミニミニグループ店舗で開始している。※第三者割当増資後のレスキュー損害保険の株主構成比率は、同社が81.4%、日本生命保険、セブン銀行が各6.7%、ミニミニグループが4.9%となった。(4) 駆けつけ事業駆けつけ事業は住宅のカギ交換や水回り、ガラス等のトラブル、害虫駆除、庭の手入れ、リフォーム等の生活全般にわたる困りごとに関して、会員以外の一般顧客から入ってくる依頼をコールセンターで受け付け(全国7拠点、365日稼働)、依頼内容に応じてパートナー店に作業手配を行うサービスで、「生活救急車」のブランド名で展開している。同社の売上高は、パートナー店が一般顧客から回収した作業代金の原則40%程度を紹介手数料収入として計上している。なお、実際の作業を依頼する店舗は契約形態の違いによってパートナー店とネットワーク店の2種類に分けられる。パートナー店とは同社が紹介する顧客とパートナー店が直接、見積契約と清算を行って、月末に紹介料を同社が請求する形態の店舗となる(駆けつけ事業に該当)。一方、ネットワーク店とは主に同社の提携企業の会員を対象に作業を行い、同社の指示に従って顧客と清算を行った後に、同社が月末に不足分等の清算を行う形態の店舗となる(会員事業に該当)※。なお、店舗によってはACTGと同社の両方と契約している店舗もあるが、契約条件については同社の内容に統一していくことになっている。※パートナー店とネットワーク店の両形態で契約する店舗もある。駆けつけ事業は2023年9月期より持分法適用関連会社の事業となるが、2021年9月期から取り組みを開始した提携金融機関経由の受注については同社を経由して生活救急車に発注する。提携金融機関が店頭で駆けつけ事業の内容や専用フリーダイヤルを告知するチラシを配布するなどのプロモーション活動を行い、顧客から同社コールセンターに入電があり、サービスを提供した場合にサービス料の一部を紹介手数料として提携先に支払うスキームとなっている。実績件数はまだ少なく、業績に与える影響は軽微と考えられる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:53 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(2):日常生活でのトラブルを解決する各種サービスを提供(1) ■事業概要1. 会社概要ジャパンベストレスキューシステム<2453>は「困っている人を助ける!」を経営理念として、生活に関わる様々なトラブルを解決する「総合生活トラブル解決サービス」カンパニーとして1997年に設立された。2008年にジャパン少額短期保険(株)、2016年にJBRあんしん保証(株)(現 ジャパンワランティサポート)を子会社化したほか、2019年にはレスキュー損害保険(株)を設立、開業している。また、2020年に日本PCサービス<6025>の株式を取得し持分法適用関連会社(出資比率22.1%)としたほか、2021年9月には生活トラブルサービスを展開するアクトコール及びコールセンター運営事業を行う(株)TSUNAGUを簡易株式交換により完全子会社化した。直近では2022年2月に水回りトラブル解決サービスのパートナーの1社であったアクアライン<6173>の株式を追加取得して持分法適用関連会社(出資比率23.6%)とするなど、積極的なM&A・アライアンス戦略により業容を拡大している。2022年9月末時点で連結子会社3社、持分法適用関連会社2社となっている。なお、2022年6月23日付でジャパンワランティサポートが東証グロース市場に上場した。株式上場の目的は、上場会社としての信用力が向上することで提携先企業の拡大が期待できることに加え、人材採用力、資金調達力の向上により事業成長スピードを加速していくことにある。同社の出資比率は2021年9月期末の100.0%から上場後は69.5%に低下し、非支配株主に帰属する当期純利益の増加につながるが、それ以上に株式上場することのメリット(=収益拡大)の方が大きいと判断した。株式上場後も連結対象子会社として株式を保有していく方針だ。また、アクトコール及びTSUNAGUについては2022年10月1日付で同社が吸収合併した。営業・管理・コールセンター業務を効率化し、グループ全体の収益性向上を図る。また、新設した駆けつけ事業準備(株)(現 (株)生活救急車)に駆けつけ事業を承継、2022年11月末に株式数の51%をアクアラインに譲渡し、持分法適用関連会社としている。2. 事業の内容事業セグメントは、2022年9月期より現況に合わせて一部変更を実施している。従来は駆けつけ、会員、保険、リペア、ライフテックの5事業で区分していたが、ライフテック事業については2021年9月期に電力小売事業を事業廃止したことによりなくなり、新たに会員、保証、保険、駆けつけの4事業とその他(感染拡大防止事業等)に区分した。また、従来会員事業に含めていた保証事業を独立開示し、新規事業(感染拡大防止事業等)をその他に区分した。このほかにも、売上規模が小さく収益性に課題を抱えていたリペア事業を会員事業に統合し、会員事業のサービスの一部としてリペアサービスを提供することとした。売上規模拡大や収益性向上に加え、特に不動産分野では従来の賃貸市場だけでなく、持ち家市場にも展開する方針であることから、リペアサービスが提携先拡大のフック役と期待される。なお、商業施設や飲食店向けのリペアサービスについては従来どおり継続する。2022年9月期の事業セグメント別売上構成比を見ると、会員事業が55.1%と全体の過半数を占め、次いで保険事業が30.5%、保証事業が8.1%、駆けつけ事業が5.3%となっている。また、売上高のうち、会員や保険契約件数の積み上げ等によるストック型ビジネスの比率が全体の9割以上を占める。ストック型ビジネスは既に収益化しており、安定性の高い収益基盤を構築していることが同社の特徴であり強みとなっている。(1) 会員事業会員事業は、会員向けに生活トラブル全般の解決サービスを提供する事業で、会員は入会金や年会費等を事前に支払うことで、該当するトラブルが発生した時に一般料金よりも低価格、または無料でサービスを受けることができる仕組みとなっている。売上高の7割強は会費収入で、そのほか作業に要した部品代や特殊作業費等が含まれる。不動産会社やホームセンターなどの提携先企業を通じて、効率よく新規会員を獲得している。また、実際にトラブル解決にあたる施工パートナーには一定の技術・マナー指導を実施しており、全国に3,000拠点以上のネットワークを構築している。2022年9月末の契約件数は、2,258千件(ACTGの578千件を含む)と過去最高を更新している。主力サービスは賃貸及び分譲住宅入居者向けの「安心入居サポート」で、同事業の会費収入の約53%を占めている(2022年9月期実績)。サービスメニューとしては入居時の暮らし相談サポートや入居中の生活トラブルを解決・サポートするサービスがあり、不動産賃貸事業者等と販売代理店契約を結ぶことで契約件数を伸ばしている。会費は2年契約で約1.5万円となり、うち約6割が同社の収入、約4割が代理店の販売手数料となる。売上計上方法は月分割方式となっているが、実際の資金の流れとしては契約時に2年分を一括して会員から徴収する。このため、貸借対照表上では残存期間分の対価を前受収益及び長期前受収益として計上している。一方、代理店への手数料支払いについては契約月に一括して支払い、費用も同額分計上するため、契約ごとの損益で見ると会計上は開始1ヶ月目に損失を計上する格好となる。同サービスに関しては契約更新率が3割台と低いことが課題であったが、継続率を高める施策として家賃の一部に会費を組み込む方式(サブスクリプション型)の導入に注力している。同方式であれば引越し等で退去しない限りは、契約も継続することになるためだ。サブスクリプション型の契約率は2016年9月期末時点で40%であったが、2022年9月期末時点では60%超となっている(ACTGを除く)。ACTGは同様のサービス「アクト安心ライフ24(1年版、2年版)」または「緊急サポート24(月額版)」を提供しており、料金もほぼ同水準となっている。同事業の会費収入に占める比率は34%となっている(2022年9月期実績)。ACTGの商品については、月額定額サービスや1年版(税込8,800円)が契約の大半を占めている。ACTGをグループ化したことにより、生活トラブル解決サービスの市場シェアは約35%と、2位(約0.3%)を大きく引き離す圧倒的トップの地位を確立している。なお、約44%は不動産会社がグループ内でサービス提供をしているが、アウトソーシングすると考えられることから、同社のシェアはさらに拡大する可能性が高いと弊社では見ている。その他の会員サービスとしては、全国大学生活協同組合連合会(以下、大学生協)と提携して販売している大学生向けの生活トラブル解決サービス「学生生活110番」(契約期間2年、4年、6年タイプがあり、4年契約タイプで税込9,450円、うち約7割が同社の収入)のほか、通信事業者と提携して販売しているライフサポートパックなどがある。また、リペアサービスについては住宅メーカー等の提携先企業から戸建て・マンション等の床面や壁の補修作業の依頼を受け、補修サービスを行っている。石材系から金属、木質系、水回りも含めて幅広い修復に対応できることが強みとなっており、2019年以降は宿泊施設や店舗など非住宅系にも販路を広げてきた。今後は会員サービスのメニューの1つとすることで持ち家市場を開拓し、規模の拡大と収益力の強化を図っていく方針だ。なお、会員事業では入会時に顧客から会費を徴収し、出動依頼を受けた場合は入会時の条件に基づいて、無料または割引価格でネットワーク店の手配を行っており、発生した作業代金または作業代金と割引価格との差額が同社の負担となる。このため自然災害の発生等により想定以上に出動件数が増加した場合は、同社の費用負担が重くなり収益性が低下するリスクがある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:52 注目トピックス 日本株 JBR Research Memo(1):会員・保証・保険の主力3事業に注力し、業績は安定成長が続く見通し ■要約ジャパンベストレスキューシステム<2453>は、「困っている人を助ける!」を経営理念に1997年に設立された「総合生活トラブル解決サービス」カンパニー。住宅のカギや水回りのトラブルなど、日常生活の困りごとを解決するサービスを全国3,000店超のパートナー・ネットワーク店を通じて提供している。また、子会社で保険事業や住設機器・家電製品等の修理サポートサービスも展開している。修理サポートサービスを展開するジャパンワランティサポート<7386>は、2022年6月に東京証券取引所グロース市場に上場した。1. 2022年9月期の業績概要2022年9月期の連結業績は、売上高で前期比32.3%増の17,810百万円、営業利益で同3.7%増の1,459百万円と増収増益決算となった。売上高は前期末に会員事業の競合であった(株)アクトコール他1社(以下、ACTG)を買収した効果に加え、保証事業や保険事業が好調に推移したことにより4期連続で過去最高を更新した。営業利益はのれん償却額の増加や保険事業における契約件数拡大に伴う責任準備金の増加等により1ケタ増益に留まったものの、本来の収益力を示すEBITDAは同23.8%増となっており、会員・保証・保険事業(以下、主力3事業)の収益については順調に成長したものと評価される。特に、ACTGについては営業利益率を買収前の3.6%から3年後を目途に9%に引き上げる計画としていたが、初年度で10%を達成するなど想定以上の成果を挙げることができた。2022年10月にはACTGを同社が吸収合併しており、さらなる収益性向上を目指している。なお、2022年9月末の会員数(会員事業と保証事業の合計)は前期末比259千件増の3,607千件、保険契約件数は同90千件増の683千件であった。2. 2023年9月期の業績見通し2023年9月期の連結業績は売上高で前期比2.8%増の18,300百万円、営業利益で同13.0%増の1,650百万円と増収増益が続く見通しで、営業利益は4期ぶりの最高益更新を目指す。売上高は駆けつけ事業を2022年11月末に譲渡したことにより810百万円の減収要因となるが、主力3事業で929百万円、新規事業の中古携帯電話回収事業で370百万円の増収を見込んでいる。営業利益は主力3事業で210百万円、中古携帯電話回収を含むラストマイル事業の成長で55百万円の増益を見込み、その他事業の減益分を吸収する格好となる。期末の会員数については前期末比336千件増の3,943千件、保険契約件数は同28千件増の711千件とし、今後見込まれる新たな提携による獲得効果は織り込んでいないことから、保守的な計画と言える。3. 中期経営計画の進捗状況同社は2022年9月期から3ヶ年の中期経営計画をスタートしている。「パートナーシップ戦略」を推進し、売上規模の拡大と収益性の向上を図り、最終年度となる2024年9月期に売上高22,000百万円、営業利益2,500百万円を目指している。駆けつけ事業の低迷や保険事業の責任準備金増加の影響もあり、業績は当初計画をやや下回る進捗となっているが、主力3事業を中心に顧客を積み上げていくことで収益拡大を目指す方針に変わりはない。2021年12月に資本業務提携を締結した伊藤忠商事<8001>とも20件以上の案件について協議を進めており、新規ビジネス・領域の開拓も期待される。会員事業では従来、賃貸住宅向けが主な顧客ターゲットであったが、センチュリー21・ジャパン<8898>との提携を皮切りに戸建て市場向けのサービスを開始しており、今後の動向が注目される。同社の売上高の9割以上は主力3事業によるストック型のビジネスモデルであり、今後も顧客開拓の余地は大きいことから、業績は中長期的に安定成長が続くと予想される。■Key Points・2022年9月期はM&A効果で過去最高売上を更新、営業利益も2期連続増益に・2023年9月期は主力3事業の成長により収益拡大が続き、営業利益は4期ぶりに最高益更新へ・中期経営計画の業績進捗はやや遅れ気味だが、2024年9月期は収益の成長スピードが加速する可能性あり(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/12/29 14:51 注目トピックス 日本株 東京応化工業---急落、23年度減益見通しで国内証券が投資判断格下げ 東京応化工業<4186>は急落。東海東京証券は投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価も7310円から5790円に引き下げた。10月に入って半導体関連企業の業績下方修正や減産の発表が相次いでおり、半導体業界の減速が明確化。減速が長期化するリスクに注視が必要としている。業界の調整の影響によって、23年12月期営業利益は274億円、前期比8.7%減と減益を予想している。 <YN> 2022/12/29 14:42 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(9):企業ビジョン「VISION2030」から新しい中期経営計画づくりへ展開 ■事業活動の進捗と今後の取り組み3. 企業ビジョン「VISION2030」の構築と新中期経営計画への展開2021年9月期を最終年度とする中期経営計画「ACCEPT2021戦略」では、細胞加工業の事業構造改革に取り組み、品川細胞培養加工施設での効率的な製造体制を確立した。2019年9月期には営業利益89百万円の黒字化を達成したものの、2020年9月期~2021年9月期はコロナ禍の影響で損失を計上した。一方で、CDMO事業も芽吹き始めている。2022年4月より創業者である木村氏から久布白氏へ経営トップのバトンタッチが行われ、新たな視点や論点を加味した新しい中期経営計画(2023年9月期~)の検討を進めている。メディネット<2370>は、新中期経営計画の策定に先立って、2030年を見据えた企業ビジョン(同社の10年後の目指したい姿)を描いた「VISION2030」を発表した。バックキャスティング(未来から現在へとさかのぼり道筋を描く手法)を採用しており、これから「VISION2030」を達成するための、新中期経営計画の策定を進めていく。「VISION2030」では「メディネットは、病気やけがを治すとともに、健康維持・改善に寄与することにより、Well-Being社会(“身体的・精神的・社会的に良好な状態にある社会“)に貢献するHealthcare Innovating Companyを目指す」としている。「VISION2030」を踏まえ、同社は「経営方針と事業展開」を定めた。第1に「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」の経営方針のもと、事業展開として1)特定細胞加工物製造受託の拡大、2)CDMO事業の基盤強化、3)再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成を掲げた。第2に「環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進」のもと、1)同社事業の収益性/生産性の向上、2)同社事業へのシナジー効果、VISIONに合致する新規事業の育成を掲げた。第3に「会社基盤の強化」を掲げ、1)「先を見据え、自ら一歩先の考動ができる」人財への活性化、2)DX実現に向けた社内環境整備の加速化を挙げている。なかでも注目すべき事業展開は「新規シーズの育成」である。自分で種を蒔いて育て上げるという久布白氏の強い意志が感じられる。しかしながら、具体的なテーマ検討はこれからのようで、早い公開が待たれる。「DX実現に向けた社内環境整備の加速化」については、現在DX構想と計画を検討中である。そのほかの事業展開の戦略目標と施策は現在検討中で、いずれ発表される新中期経営計画に盛り込まれる予定である。「経営方針と事業展開」を達成するため、新中期経営目標として、「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」「再生医療等製品の検証試験の開始」「新規事業の育成・収益化」を掲げている。そのなかで弊社が注目するポイントは、久布白氏が改めて「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」をコミットメントしたことである。同社のコア事業である細胞加工業はコロナ禍の影響を大きく受けて、営業損失が拡大した。利益回復と黒字化を2023年9月期と設定していたが、さらなるコロナ禍の長期化による患者数回復の遅れと新細胞種による加工受託メニューの提供開始時期の遅れが“Wパンチ”となり、黒字化を先送りせざるを得なくなった。しかし再度、細胞加工業の複数の売上拡大要因を確実に実行し成果を上げることで、「2025年9月期の黒字化」を確実に達成できるよう、万全を期して臨むこととなった。この目標をクリアできれば、同社の株式市場における信頼度はアップするものと弊社では見ている。4. 患者の利益を考えたプロモーション(啓発)活動同社は、ここ数年間継続してメディアを通じて「がん免疫細胞治療」に関する啓発活動を行っている。がん治療従事者(医療機関や治療薬メーカー)として、がん患者が自身にとって最善の治療法を受けられるよう、医師や患者に向け「がん免疫細胞治療」に関する正しい知識・情報提供に努めている。5. 「カラダの免疫力」を高め、健康・長寿社会を実現する厚生労働省では「健康寿命」「長寿社会」に向けて、多様な健康・医療政策を打ち出している。同社は健康・長寿のカギとして常に免疫機能を高めておくことが肝要と考えている。同社のコア技術「免役細胞」はこうした「健康・長寿社会」の本格的な到来で、ますます重要性が高まっていると言える。「カラダの免疫力を高め、『健康・長寿社会』を実現する」ことが同社のパーパス経営となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <SI> 2022/12/29 14:39 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(8):「慢性心不全治療」と「自家細胞培養軟骨「NeoCart(R)」」が大きく前進 ■事業活動の進捗と今後の取り組み2. 再生医療等製品事業の進捗と今後の取り組み再生医療等製品事業では、製品開発段階である、1)「慢性心不全治療を目的とした再生医療等製品の実用化」(九州大学との共同研究開発)、2)膝軟骨損傷に用いる自家細胞培養軟骨「NeoCart(R)」を推進している。研究開発段階では、3)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発」(国立がん研究センターと共同研究)、4)「HSP105由来ペプチドに関連したがん免疫療法」(国立がん研究センターとの共同研究開発)、5)「糖鎖修飾改変Tリンパ球(2-DGリンパ球培養技術の応用」、6)「自己中和抗体産生に起因する病態に対する特異的B細胞除去」(京都府立医科大学との共同研究開発)、7)先制医療※における免疫細胞治療の有用性にかかる共同研究等の研究開発を進めている。これら7テーマのうち、メディネット<2370>は1)へ優先的に資源を集中している。それ以外の開発テーマについては、開発が一定程度進んだ段階で事業性評価をベースに優先的に取り組む方針である。テーマの取捨選択、国内外の企業で出口が見えている開発テーマのライセンスイン、または当該企業・研究機関との資本業務提携等といった動きが今後あるかどうかにも注目したいところである。※先制医療とは、病気の発生を未然に防ぐことを目的に、様々な背景因子等による予測・診断を踏まえ、症状や障害が起こる以前の段階から実施する医療のこと。1) 「慢性心不全治療を目的とした再生医療等製品の実用化」(「α-GalCer/DC」の共同開発)の進捗同社と九州大学は難治性疾患である拡張型心筋症における新たな治療法として、樹状細胞を担体としたαガラクトシルセラミド(α-GalCer/DC)を用いてナチュラルキラーT細胞を活性化させ慢性心筋炎症を制御する研究に取り組んでいる。有効性及び安全性を確認する医師主導第IIb相臨床試験が九州大学にて、2022年5月に先行実施された。現在は、多施設共同試験(九州大学の他に4大学病院施設)を計画している。IIb試験は2024年3月までの予定であるが、多施設共同試験を実施すれば被験者数30症例は早期に集まる可能性が高く、治験期間を短縮できると見込んでいる。本開発テーマは、同社の開発パイプラインの中で製造販売承認に最も近く、IIb試験終了後にPDMA((独)医薬品医療機器総合機構)と相談しながら期限付き・条件付きで製造販売承認を得ることがベストシナリオと、同社は考えている。なお、IIb試験の概要については、「臨床研究実施計画・研究概要公開システム」で参照することができる。2) 膝軟骨損傷に用いる自家細胞培養軟骨「NeoCart(R)」の進捗日本における自家細胞培養軟骨「NeoCart(R)」の開発と販売を目的として、Ocugen間で締結していたライセンス契約は、米国Medavate Corp.への引き継ぎ(データも含め技術資産譲渡)は実現しなかった。Ocugenは米国での開発再開を目指し、FDA(米国食品医薬品局)と追加PhaseIII試験プロトコルについての協議を開始し、自家細胞培養軟骨「NeoCart(R)」による成人の膝軟骨の修復治療に関して、FDAよりRMAT※の指定を受けたと2022年5月末に発表した。今後、RMAT指定を受けることによって条件面で有利になるため、Ocugenは開発推進に向けて土壌が整ってきたと言える。※RMATは再生医療のうち、重篤な状態に対する治療で、予備的な臨床的エビデンスによりアンメット医療ニーズに寄与する可能性が示唆される品目が指定の対象。RMAT 指定品目は、優先審査と迅速承認の機会が与えられる。FDAとは協議を継続し、Ocugenは追加PhaseIII試験プロトコル等に取り組むことでほぼ合意しており、現在は試験プロトコルをベースに米国での開発計画や治験製品製造体制の確立を推進している。Ocugenは米国での製造販売承認に必要なPhaseIII試験デザインについてFDAと合意したことを、2022年12月に発表した。Ocugenは、2023年後半または2024年前半に同臨床試験を開始する計画で、RMAT指定を受けた再生医療製品として、製造販売承認申請を目指している。日本における「NeoCart(R)」の開発・販売権を有している同社は、OcugenがFDAと合意したPhaseIII試験デザインの詳細を分析・検討したうえで、日本における自家細胞培養軟骨(開発番号「MDNT-01」の開発方針等を決定する。(3) 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発」同社の樹状細胞はがん治療分野で独自に開発したものであるが、「自家樹状細胞ワクチン」はそのメカニズムを新型コロナウイルス向けに応用開発したものである。樹状細胞はがん治療分野では十数年前から実地医療現場で使用され、十分な安全性実績がある。しかし、「樹状細胞ワクチン」は患者自身の樹状細胞の成分採血をするため治療を行うまでに時間がかかる。そのため同社は、同ワクチンについて、重症化リスクのある高齢者・基礎疾患を有する人や医療従事者などウイルスに感染しやすい環境下の就業者が対象と考えている。ちなみに、「樹状細胞ワクチン」は米国AIVITA Biomedical, INC.等数社しか開発を行っていない極めて希少性の高いワクチンで、樹状細胞の活性化処理法に関する特許は同社が保有している。現在、非臨床試験において、樹状細胞にパルスするペプチドの選定及び投与間隔、回数を決めるためにマウス免疫原性試験を実施している。臨床試験まではまだ時間がかかるようである。同社ではmRNAワクチンの普及状況を見極めながら、本プロジェクトの継続を含めて今後の方針を検討している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <SI> 2022/12/29 14:38 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(7):細胞加工業では新たな細胞加工品目や受託メニューの拡大を図る ■事業活動の進捗と今後の取り組み1. 細胞加工業の進捗と今後の取り組み細胞加工業は、2019年9月期に初めて黒字化を達成したが、その後コロナ禍で免疫細胞治療を受ける患者(特にインバウンド患者)の低迷が続いており、細胞加工件数の回復も限定的で2022年9月期も減収と損失拡大を余儀なくされた。特定細胞加工物製造業は、コロナ禍により加工件数が急減し、国内で最初の新型コロナウイルス感染症確認時以前となる2019年9月期の売上高1,050百万円に比べて約40%落ち込んだ。2020年9月期第3四半期に細胞加工件数は一旦下げ止まり、以降は徐々に回復傾向にあったが、2022年1月以降のコロナ禍の第6波、2022年6月下旬から始まった第7波の影響により、一転減少傾向となった。2022年9月以降、政府はコロナ禍の行動制限や水際対策を大幅に緩和したが、メディネット<2370>では医療インバウンド患者に依存せずとも売上が拡大できるよう、新たな細胞加工の品目や受託メニューの拡大を図る考えである。CDMO事業は、かねてより進めていたヤンセンファーマとの治験製品製造における技術移転が完了した。そして、同社と治験製品製造受託に関する契約を2021年5月に締結し、同年6月よりヤンセンファーマが日本国内で実施する国際共同治験(第III相臨床試験:CARTITUDE-4)のなかで、日本国内で試験に用いる治験製品製造工程の一部の製造受託を開始した。本製造受託を皮切りに再生医療等製品全般の製造受託へ本格拡大する考えである。細胞加工業の事業構造は特定細胞加工物製造業の“1本足打法”であったため、今回のコロナ禍の影響で大打撃を受けた。その教訓を生かし、環境変化に強い事業構造への転換・拡大を推進している。事業戦略は、1)非がん治療領域への領域拡大(細胞種と品目数の拡大)、2)CDMO事業の育成強化、3)バリューチェーン事業の拡大加速、4)国内外の企業とのアライアンス活動強化の4つとなる。CDMO事業の拡大強化のため、細胞培養加工の環境・体制整備として専門人材の採用(細胞加工技術者等40名程度)、資金調達(第18回新株発行、調達総額1,690百万円のうち437百万円を使途)を実施した。また、事業目標については「事業基盤の強化による売上拡大」を目指す。一時的な黒字化だけに留めず医療インバウンド患者依存の事業体質を改め、同社のコア事業として持続的安定成長型の事業構造を確立することに主眼を置いている。1) 非がん治療領域への領域拡大(細胞種と品目数の拡大)再生・細胞医療に取り組む製薬企業、大学、医療機関、研究機関等から製造受託する特定細胞加工物における細胞種・品目数の取り扱いを増やしていくほか、従来の免疫細胞治療に用いる免疫細胞以外の免疫細胞の加工受託メニューのさらなる拡充を推進する。同社は以前から、患者自身の組織を用いて治療に合わせた細胞加工の製造受託を行っており、今後も最新の「がんの個別化医療」に貢献しつつ、業績拡大に向け推進する。特定細胞加工物製造業が回復・再成長するために、同社は免疫細胞以外の新たな細胞加工の品目や受託メニューの拡大に最優先で取り組んでいる。第1に、第19回日本免疫治療学会(2022年5月)で「脂肪由来間葉系幹細胞」に関わる自社技術を確立したことを発表した。様々な疾患に対して臨床応用されており、間葉系幹細胞治療への期待は大きい。脂肪由来間葉系幹細胞の提供計画数は年々増加傾向にあり、間葉系幹細胞を用いた再生医療提供医療機関は281施設が登録されている。現在、安全性確認や追加データを取得中であり、今後は同社から医療機関(治療施設)に提案する予定である。なお実用化には数年程度かかる見込みとしている。第2に、「歯科診療領域における骨造成治療法の実用化」の取り組みである。同社とセルアクシアは、セルアクシアが保有する「ダイレクトコンバージョン法」を活用して歯科診療領域における先進的な骨造成治療法の実用化に向けた共同研究を行うという基本合意書を、2022年10月に締結した。この技術を説明すると、歯科インプラント手術で歯を入れ戻した時、歯茎をキッチリと安定させる必要がある。その際、歯茎から細胞を採取・再生し、インプラントとともに埋め込むことでしっかりと固定できるようになる技術である。ダイレクトコンバージョン法のメリットとしては、インプラント手術のスピード化やインプラントの安定性が挙げられる。ただし、この骨造成治療法の実用化にはまだまだ時間かかりそうである。2) CDMO事業の育成強化2022年9月末に、ヤンセンファーマの多発性骨髄腫に対する製品「カービクティ(R)点滴静注」が国際共同治験(第Ib/II相臨床試験)にて製造・販売承認された。同社はこれまで治験製品に関してヤンセンファーマの製造受託基準をクリアし、製造受託してきた実績と経験があり、今回の製品の製造受託を目指している。正式に製造受託が決定すれば公表されるが、弊社は業績拡大につながる動きとして注目している。また、同社はCDMO事業において、国内外製薬企業やバイオベンチャー企業に対し、アプローチを強化している。ヤンセンファーマとの契約締結に次ぐ、治験製品製造受託の第2・第3の案件獲得に向け、製薬企業・大学病院を中心に顧客開拓活動を推進している。3) バリューチェーン事業の拡大同社は“フロー型バリューチェーンビジネス”として、再生・細胞医療のコンサルティング、細胞培養加工施設の運営管理、細胞加工技術者の派遣・教育システムの提供といった、特定細胞加工物を取り扱ううえで必要な一連の知見やノウハウを提供している。アカデミア(大学、研究機関)を中心として施設運営管理業務をリピート(継続受託)するとともに、新たに再生・細胞医療分野へ参入を企図しているアカデミアや製薬企業の様々なニーズに合わせたサービスに取り組み、販売強化につなげていく。2022年9月期通期は2022年第3四半期から売上高は好調で継続して伸長している。なかでも「施設運営管理」は顧客と2023年度の契約を更新し安定売上を確保しており、「再生医療関連サービス」も、固定顧客からの売上が順調に推移している。4) 国内外の企業とのアライアンス活動強化同社は、2019年10月に台湾Medigen Biotechnology Corp.(MBC)とガンマ・デルタT細胞培養加工技術のライセンス契約を締結し、技術移転を完了した。この技術を用いたがん免疫細胞治療は台湾当局の承認後、MBCが提携する医療機関である新光醫院が台湾当局へ申請している。現在、規制当局より使用予定の培養資材に関する追加資料提出の要請があり、その資料を提出したところである。台湾国内で免疫治療を受診できる申請が許可※されれば、台湾のがん患者が現地医療機関で同社の細胞培養加工技術を用いたがん免疫細胞治療を受けられるようになる。がん免疫細胞治療が始まれば治療実績に応じてロイヤリティ収入が同社に得られる見込みである。また、世界各国の医療法制度に応じて現地の医療機関に再生・細胞医療が健全に提供されるよう、同社が培った技術と経験を積極的にライセンス供与していく。さらに、日本での治療を待ち望んでいる多数の患者もおり、同社は日本で円滑に受診・治療できる仕組みを構築していくとしている。※台湾政府の登録手続き作業がコロナ禍により一時ストップしているが、コロナ禍が終息すれば手続きは再開される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <SI> 2022/12/29 14:37 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(6):早期利益黒字化を目指し、細胞培養加工施設拡充等を予定 ■業績動向2. 財務状況メディネット<2370>の2022年9月期末の財務状況を見ると、資産は、現金及び預金が4,499百万円(前期末比403百万円増)と3期前(2019年9月期末)の1,403百万円を大幅に上回り、研究開発資金が潤沢になったと言える。そのほかに投資有価証券319百万円増加、有形固定資産83百万円減少等により、資産合計は前期末比700百万円増加した。一方、負債合計は前期末比91百万円増加した。主な増加要因は固定負債の繰延税金負債87百万円、主な減少要因は、流動負債の資産除去債務66百万円等である。純資産は、当期純損失計上に伴う利益剰与金の1,254百万円等が減少した一方、新株予約権の行使による資本金809百万円、資本剰余金809百万円及びその他有価証券評価差額金261百万円の増加等により、前期末比609百万円増加となった。この結果、自己資本比率は、前期末の90.8%から90.7%となった。3. 資金調達同社では2020年9月期に第三者割当増資(新株予約権の発行・行使)を通算4回(第14~17回)実施し、資金2,942百万円を調達した。2022年9月期には第18回新株予約権(マッコーリー・バンク・リミテッド)の行使を全て完了した(2022年5月30日付)。今回の資金調達は1,690百万円となり、資金の使途としては、CDMO事業における細胞加工件数の拡大に向けた体制整備や運転資金、キャパシティ強化のため細胞培養加工施設拡充等を予定している。同社ではこれまでに第三者割当により継続的に資金調達してきたが、2021年7月以降は株価低迷により資金調達が目標額を大きく下回っている。「早期黒字化」による「株価アップ」、そして安定的「資金調達」の良循環の経営サイクルの確立が急がれる。4. 2023年9月期通期の業績見通し2023年9月期通期の業績は、売上高は728百万円(前期比15.0%増)、営業損失が1,766百万円(前期は1,333百万円の損失)、経常損失が1,757百万円(同1,314百万円の損失)、当期純損失が1,761百万円(同1,254百万円の損失)と予想している。同社は引き続き、従来の特定細胞加工物の製造に加え、新しい受託メニューの提供により特定細胞加工物製造業のさらなる拡大を図る。併せてバリューチェーン事業、CDMO事業の拡大も推進する。一方、費用面については、細胞加工の品目や受託メニューの拡大とそのための細胞培養加工の環境・体制整備費用の先行に加え、研究開発案件の進展などにより研究開発費が増加する見込みである。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <SI> 2022/12/29 14:36 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(5):コロナ禍長期化で細胞加工件数の低迷が続き、売上高・利益の回復に遅れ ■業績動向1. 2022年9月期通期の業績概要メディネット<2370>の2022年9月期通期の業績は、売上高が前期比7.2%減の633百万円、営業損失が1,333百万円(前期は1,080百万円の損失)、経常損失が1,314百万円(同870百万円の損失)、当期純損失が1,254百万円(同843百万円の損失)となった。損益面では、売上総利益は127百万円(前期比29.1%減)、研究開発費の増加等により販管費が1,461百万円(同15.9%増)となったことで営業損失は拡大した。また、加工中断収入10百万円、投資事業組合運用益1百万円(同99.1%減)、株式交付費7百万円(同8.4%増)等の営業外損益もあったが、経常損失も前期と比べ拡大した。資産除去債務戻入益66百万円を特別利益に計上したが当期純損失も拡大した。細胞加工業の売上高は633百万円(前期比7.2%減)、営業損失は232百万円(前期は132百万円の損失)となった。売上面では、バリューチェーン事業の取引増加により売上高が拡大したものの、コロナ禍の長期化により取引先医療機関での国内患者数及びインバウンド患者数の低迷が続いたことで受託する細胞加工件数の回復が限定的になったことを主因に、減収となった。売上高の減少に伴う利益の減少に加え、細胞培養加工に係る体制整備費用等の増加により、営業損失は拡大した。再生医療等製品事業の売上高は0百万円(前期比7.2%増)、営業損失は582百万円(前期は450百万円)となった。同社は、再生医療等製品の開発を加速し早期の収益化を目指すとともに、国内外で行われている再生医療等製品の開発動向にも注目し、それらのパイプラインの取得と拡充を視野に入れた活動を行っている。また、九州大学による「αガラクトシルセラミド(α-GalCer/DC)」の医師主導試験の研究開発プロジェクトが着実に進捗している。こうした研究開発活動の進展に伴う研究開発費の増加等により、営業損失を計上した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <SI> 2022/12/29 14:35 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(4):免疫細胞治療分野のパイオニア。細胞加工技術の実績とノウハウを有する ■会社概要3. 特徴と強み(1) 細胞加工業としての実績約19.2万件メディネット<2370>のコア技術はがん免疫細胞治療のパイオニアとして蓄積してきた細胞加工技術である。20年余りで特定細胞加工物製造累計件数は約19.2万件(年間1万件ペース、2022年9月末)に達し、国内トップクラスとなった。また、国内最大級の細胞培養加工施設である品川細胞培養加工施設(2015年「特定細胞加工物製造許可」を取得、2020年「再生医療等製品製造業許可」を取得)を持ち、特定細胞加工物、再生医療等製品及び治験製品の開発から商用生産まで、あらゆる細胞・組織の加工や開発・製造受託に対応することが可能となっている。特に細胞加工の品質面に自信を持っており、培養加工設備のオペレーションや独自の培養加工ノウハウが安全かつ高品質を生むカギとなっている。また、細胞加工技術者への教育と技術開発、信頼性保証の知識共有化が国内トップクラスの実績につながっている。(2) がん免疫細胞治療のファーストムーバー(先行者)である瀬田クリニックとの深い協力関係瀬田クリニック東京は同社のがん免疫細胞治療用細胞加工技術を活用するがん免疫細胞治療専門クリニックで、これまで20年以上にわたり、同社と緊密かつ安定的な関係を維持してきた。また近年はコロナ禍の影響があるものの、中国・韓国などのインバウンド患者が大きな需要となりつつある。同社の瀬田クリニック東京、並びに瀬田クリニック東京が医療連携を行っている全国の医療機関の売上高は全体の約6割を占める。しかし顧客集中リスクも内在し、同医療機関での医療事故や患者減少などにより特定細胞加工物の受託が減少する可能性も想定に入れておく必要がある。そのため同社は、がん免疫細胞治療を活用する医療機関の新規開拓を進め、集中率を緩和する必要があると、弊社は考えている。(3) コア事業を所有細胞加工業は、これまで慢性的に損失計上が続いていたが、事業構造改革により利益体質への転換を図り、今後は稼げるビジネスとして事業を推進する。ほかのバイオベンチャーと比較しても、財務体質はもとより経営の安定性がある。モノづくり企業と同様に、コア事業で稼いだキャッシュを成長の原資として新規事業に逐次資金投入することも可能である。そのため同社は、外部からの資金調達だけに頼ることなく、企業内で資金を環流できる財務構造の実現は可能であろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <SI> 2022/12/29 14:34

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