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1年のトレンドを占う1月相場の行方は? (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
配信日時:2026/01/19 13:30
配信元:MINKABU
●インデックスの動き
○12月のニュースは好材料と悪材料とが混在し、ポートフォリオの銘柄入れ替えにおける選択にも偏りが生じました。43日間にわたる政府機関閉鎖の終了に伴い経済指標の発表が始まりましたが、依然として多くのデータが欠けているため指標の分析は困難なものでした(一部指標は確報値が公表されないとみられています)。12月は取引が比較的低調に推移し、資金の出入りはありましたが、資金流入によって相場は下支えされました(こうした流れは2026年の幕開けまで続くと予想されます)。
政治面の動きは引き続き流動的で、唯一確実と言えるのは不透明感が続くということです。ACAの保険料補助金は2025年末に失効しましたが(2200万人に影響)、市場は1月になって国民が強い反発を見せるかどうかを注視しています。そうなれば議会が何らかの行動を取る可能性があるからです。市場関係者は(全体として)依然として短期的には何らかの妥協案が打ち出され、補助金が(2025年末に打ち切られる代わりに)段階的に縮小されるとみており、こうした見方を材料に12月のヘルスケア株の下落は限定的なものにとどまりました。
トレーディングに関して言えば、関税問題はほとんど取引のテーマとして表立つことはありませんでした。最高裁判所による関税の合法性に対する判断よりも、関税の配当としての国民1人当たり2000ドルの給付の可能性の方がニュースとして取り上げられました(注:最高裁が違憲の判断を下した場合、トランプ政権は大半の関税について、その根拠を他の通商法に切り替える準備を進めているようです)。
マグニフィセント・セブン は現在、S&P500指数 の時価総額の34.9%を占めており(2024年末は同33.5%)、引き続き指数全体のパフォーマンスに強い影響を及ぼしています。12月も指数全体をアウトパフォームしており、これら7銘柄を除くとS&P500指数の12月のトータルリターン(マイナス0.06%)はマイナス0.18%になります。同指数の年初来リターンの17.88%は、マグニフィセント・セブンを除くと7.52%となり、年初来リターンの42.0%を7銘柄が占めています。特筆すべきは、関税発表直後の4月8日に付けた安値(4982.77)からS&P500指数は38.65%上昇しましたが、そのうちの47.7%をマグニフィセント・セブンが占めていることです(7銘柄を除いた4月8日以降の同指数の騰落率はプラス20.20%)。
12月は第3四半期の営業利益と売上高が過去最高を更新するという、重要かつ明るいニュースもありました。まだ速報値段階ですが、1月5日の週には確定値が発表されると思われます。第4四半期の営業利益も前年比2桁の力強い伸びが見込まれており、利益は過去最高となった2025年第3四半期に次ぐ(歴史的な)水準になると予想されます。
関税交渉が継続され、15%の関税率が一般的となる中、株式への力強い資金流入が続いています。懸念は後退しましたが、完全に払拭されたわけではありません。ついこの間短期つなぎ予算案が議会で可決されましたが、この予算が2026年1月30日には期限を迎えるからです。とはいえ、再び政府機関閉鎖に陥ると予想する向きは少数派です。経済指標の発表も始まりましたが正常化には至っておらず、閉鎖の影響で足元の経済状況に関しては不完全にしか把握できない状況です。1月に公表される指標は改善が見込まれていますが、依然として多少の歪みは残るでしょう。
4会合連続となる0.25%の利下げの可能性を巡る議論に関しては、12月に見られた2026年1月に実施されるとの見方が2026年2月(もしくはそれ以降)になるとの予想に傾いています。また、トランプ大統領が1月に新しいFRB議長を指名するとみられています(新議長の就任は議会の承認を経て2026年5月となる予定です)。
○12月のS&P500指数は0.05%下落しました(配当込みのトータルリターンはプラス0.06%)。騰落率がマイナスとなるのは2025年4月に0.76%下落して以来のことです。11月は0.13%上昇(同プラス0.25%)、10月は2.27%上昇(同プラス2.34%)でした。過去3ヵ月間では2.35%上昇(同プラス2.66%)、過去1年間では16.39%上昇(同プラス17.88%)となりました。2024年は23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)となりました。
○12月の市場は、値下がり銘柄数が増加し、値上がり銘柄数を上回りました(242銘柄が値上がりして260銘柄が値下がり)。S&P500指数は終値での最高値を3回更新し(6932.05)、史上始めて終値で6900を上回りました。2025年通年では終値での最高値を39回更新し(取引時間中の最高は6935.49)、2024年11月5日の米大統領選挙以降では49回更新しました。2025年は304銘柄が値上がりして196銘柄が値下がりし、2024年は332銘柄が値上がりして169銘柄が値下がりしました。
S&P500指数の時価総額は12月に20億ドル増加して(11月は1000億ドル増加)、58兆4380億ドルとなり、2025年通年では8兆6330億ドルの増加となりました。2024年に時価総額は9兆7660億ドル増加、2023年は7兆9060億ドル増加、2022年は8兆2240億ドル減少しました。
12月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は0.72%となり、11月の1.35%や10月の1.00%から低下しました(9月は0.69%、8月は0.77%、7月は0.63%、6月は0.83%、5月は1.09%、4月は3.21%、3月は1.71%、2月は1.09%、1月は0.91%)。2025年通年は1.18%、2024年は0.91%、2023年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.41%)。
12月のS&P500指数の出来高は前月比13%減少(営業日数調整後)しました。11月は同6%減でした。12月は前年同月比では12%増加しました。2025年12月末までの12ヵ月間では前年同期比31%増加しました。2024年通年では前年比2%減、2023年は同1%減、2022年は同6%増でした。
12月は22営業日中で1%以上変動した日は2営業日(0営業日が上昇、2営業日が下落)、2%以上変動した日はありませんでした。11月は19営業日中で1%以上変動した日は6営業日でした(2営業日が上昇、4営業日が下落)。年初来では1%以上変動した日は250営業日中55営業日(26営業日が上昇、29営業日が下落)、2%以上変動した日が13営業日(6営業日が上昇、7営業日が下落)となりました。2024年通年では1%以上変動した日は50営業日(31営業日が上昇、19営業日が下落)、2%以上変動した日は7営業日(3営業日が上昇、4営業日が下落)でした。12月は22営業日中4日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日はありませんでした。11月は19営業日中12日で日中変動率が1%以上となり、日中変動率が2%以上となった日は2日でした。
2025年通年では、日中変動率が1%以上となったのは107日、2%以上となったのは25日、3%以上となったのは9日でした(2025年3月9日には日中変動率が7%を超えました)。2024年通年では、日中変動率が1%以上となったのは83日、2%以上となったのは11日でした。2023年は日中変動率が1%以上となったのは113日、2%以上となったのは13日でした。
○過去の実績を見ると、12月は72.2%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は2.99%、下落した月の平均下落率は3.16%、全体の平均騰落率は1.28%の上昇となっています。2025年12月のS&P500指数は0.05%の下落でした。来る1月は62.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は4.16%、下落した月の平均下落率は3.81%、全体の平均騰落率は1.20%の上昇となっています。1月はその年の市場トレンドを占うバロメーターであり、「1月の相場がその年の相場を決める」との格言があります。この格言は1929年以降、過去4年を含み71.88%の確率で的中しています。取引初日を指標とする予測の正確性はコイントスとほぼ同等で、同期間において50.5%の確率で的中しましたが、2025年、2024年、2023年、2022年、2021年は外れました。
○ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)は4万8063.29ドルで月を終えました。12月には終値での最高値を2回更新し(2025年通年で18回、取引時間中の最高値は4万8886.86ドル、終値の最高値は4万8731.16ドル)、11月の終値4万7716.42ドルから0.73%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス0.92%)で月を終えました。11月は終値での最高値を1回更新し(10月は7回)、10月(2.51%上昇、配当込みのトータルリターンはプラス2.59%)の終値46397.89ドルからは0.32%上昇(同プラス0.48%)しています。過去3ヵ月間では3.59%上昇(同プラス4.03%)、2025年通年では12.97%上昇(同プラス14.92%)しました。2024年通年では12.88%上昇(同プラス14.99%)、2023年は13.70%上昇(同プラス16.18%)、2022年は8.78%下落(同マイナス6.86%)でした。
●株式以外の市場
○米国10年国債利回りは11月末の4.02%から4.17%に上昇して月を終えました(2024年末は4.58%、2023年末は3.88%、2022年末は3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは11月末の4.67%から4.85%に上昇して取引を終えました(同4.78%、同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは11月末の1ポンド=1.3234ドルから1.3477ドルに上昇し(2024年末は1.2520ドル、2023年末は1.2742ドル、2022年末は1.2099ドル)、ユーロは11月末の1ユーロ=1.1602ドルから1.1748ドルに上昇しました(同1.0360ドル、同1.0838ドル、同1.0703ドル)。円(対米ドル)は11月末の1ドル=156.16円から156.72円に下落し(同157.32円、同141.02円、同132.21円)、人民元は11月末の1ドル=7.0753元から6.9937元に上昇しました(同7.2770元、同7.1132元、同6.9683元)。
○12月の原油価格は3.0%下落し、11月末の1バレル=59.23ドルから同57.47ドルとなりました(2024年末は同71.75ドル、2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は12月に7.8%下落し、1ガロン=2.940ドルとなりました(11月末は3.190ドル、2024年末は同3.248ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル)。2020年末から原油価格は18.7%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は26.2%上昇しました(同1ガロン=2.330ドル)。2025年10月時点のEIAの報告によると、レギュラー・ガソリン価格の内訳は、49%が原油(ディーゼルは41%)、21%(同20%)が配送・販売費、14%(同23%)が精製コスト、17%(同16%)が税金となっています。
○金価格は11月末の1トロイオンス=4256.00ドルから上昇し、4322.50ドルで12月の取引を終えました(2024年末は2638.40ドル、2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル)。
○VIX恐怖指数は11月末の16.35から15.01に低下して12月を終えました。月中の最高は18.33、最低は13.38でした(2024年末は17.35、2023年末は21.67、2022年末は17.22)。2025年通年の最高は60.13、最低は13.38、2024年の最高は75.73、最低は10.62、2023年の最高は30.81、最低は11.81、2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。
※「1年のトレンドを占う1月相場の行方は? (3)」へ続く
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