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ティアンドエス Research Memo(6):2025年9月期は半導体・AIソリューションカテゴリーが業績をけん引
配信日時:2026/01/09 11:06
配信元:FISCO
*11:06JST ティアンドエス Research Memo(6):2025年9月期は半導体・AIソリューションカテゴリーが業績をけん引
■ティアンドエスグループ<4055>の業績動向
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比37.7%増の4,103百万円、営業利益が同45.5%増の756百万円、経常利益が同44.8%増の753百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同58.5%増の509百万円と、売上高・利益ともに過去最高値となった。なお、同社は前期に決算期を11月から9月に変更しており、2024年9月期は10ヶ月の変則決算である。前期実績に12/10を乗じて通期換算した参考値(売上高3,576百万円、営業利益623百万円)と比較しても、売上高は同14.7%増、営業利益は同21.3%増と高成長であり、好調だったと評価される。
売上面については、半導体ソリューションカテゴリーの回復及びAIソリューションカテゴリーの好調により大幅に拡大した。半導体ソリューションは前期低調であったキオクシアグループ向けのシステム開発案件などが拡大し、AIソリューションでは特に画像認識分野において研究開発支援及び受託ソフトウェア開発案件が増加した。売上拡大を支える従業員数は前期比10.8%増の368人(エンジニアは342人、スタッフは26人)と増加した。
利益面では、収益性の高い半導体ソリューションの比率が高まったことで売上ミックスが改善し、売上総利益率の改善につながった。販管費は前期比135百万円増加したものの、増収効果及び売上総利益率改善により、営業利益率は同1.0ポイント改善の18.4%と高水準を維持した。
主要取引先別の売上高は、東芝グループが前期比20.9%増の688百万円、日立グループが同13.0%増の779百万円、キオクシアグループが同48.1%増の1,087百万円、その他が同56.8%増の1,548百万円と拡大した(前期との単純比較)。キオクシアグループに関しては、業績好調により工場内のシステム開発案件が増加し、売上高が大幅に拡大した。東芝グループ及び日立グループについてもIT投資需要の高まりを背景として順調に拡大した。また、そのほかの顧客への売上も順調に拡大した。画像認識分野において自動車関連メーカーやJAXAなどに対する研究開発支援や受託ソフトウェア開発案件の引き合いが強まっている。
(1) DXソリューションカテゴリー
DXソリューションカテゴリーの売上高は前期比32.5%増の2,392百万円となった。DXやAI需要の拡大を背景として、主要取引先である東芝グループ、日立グループからの受託開発案件の受注が引き続き堅調に推移したことに加え、そのほかの既存顧客及び新規取引先企業からの受託開発案件が伸長したことも業績拡大に寄与した。前期との単純比較はできないものの、顧客層の拡大と案件単価の上昇が進んでいると見られる。
(2) 半導体ソリューションカテゴリー
半導体ソリューションカテゴリーの売上高は前期比44.1%増の1,278百万円となった。主要取引先であるキオクシアグループ向けは半導体市況の回復に伴う業績改善を背景として、これまで先送りとなっていたシステム開発案件が再開・拡大した。安定した保守・運用に加えて開発需要が戻ったことにより、同カテゴリーの収益成長を押し上げるドライバーとなった。
(3) AIソリューションカテゴリー
AIソリューションカテゴリーの売上高は前期比50.5%増の431百万円となった。AI・画像認識・ハードウェア制御等の高度技術を駆使したサービスに加え、最先端領域における研究開発支援サービスの継続的な伸長が寄与した。案件当たりの単価も上昇傾向にあり、同社が推し進める高付加価値創出型ビジネスモデルへの転換は着実に進展している。好調な業績を背景に、同カテゴリーの売上構成比は前期比0.9ポイント上昇の10.5%へと拡大した。今後は、高付加価値ビジネスであるAI関連の比率がさらに高まることで、連結ベースの収益性も改善が進むものと弊社は見ている。足元ではHailoエッジAIプロセッサ向けソフトウェアソリューションへの引き合いが旺盛であり、同社の技術優位性を生かした新規案件の獲得や適用領域の拡大が進むことで、AIソリューションカテゴリーの成長率は当面高水準を維持する可能性が高い。
2. KPIの達成状況
同社は事業ごとにKPI(Key Performance Indicator)を再設定しており、システム開発事業本部と先進技術本部(現 イントフォー)は年間受注工数、ITサービス事業本部はエンジニア数を重要な経営指標として新たに設定している。2025年9月期の達成率を見ると、システム開発事業本部の年間受注工数は95%、ITサービス事業本部のエンジニア数は95%、イントフォーの年間受注工数は102%となった。システム開発事業本部では、顧客の製品開発計画の見直しに伴う着手時期の後ろ倒しや運用・保守計画の変更によりわずかに未達となったものの、足元では引き合いが堅調に増加している。ITサービス事業本部は、深刻なエンジニア不足が想定以上に長期化し、採用市場の競争激化に加えてビジネスパートナー各社でも人材確保が難航したことで、計画どおりの人員確保が進まなかった。同社は今後、新卒採用の強化、アライアンス、M&Aを通じてエンジニアリソースを拡充し、受注工数の積み上げを図る。
3. 財務状況
2025年9月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比741百万円増の3,662百万円となった。このうち流動資産は同595百万円増の3,369百万円となった。主に現金及び預金が585百万円増加したことによる。固定資産は同146百万円増の293百万円となり、主にのれんがエクステージの買収に伴い86百万円発生したほか、投資有価証券が62百万円増加したことによる。
負債合計は前期末比264百万円増の749百万円となった。このうち、流動負債は同259百万円増の683百万円となり、主に未払法人税等が149百万円、未払消費税等が96百万円それぞれ増加したことによる。固定負債は同5百万円増の66百万円と概ね横ばいであった。純資産は同477百万円増の2,913百万円となり、主に親会社に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が438百万円増加したことによる。
同社は、無借金経営である。財務の健全性を示す自己資本比率は2025年9月期末が79.5%と高水準を維持している。また、現金及び預金が資産合計の71.0%を占め、流動比率も493.0%と極めて高く、高い財務健全性を持つ。こうした強固な財務基盤により、同社は将来的な事業拡大や成長投資において、機動的かつ戦略的な判断が可能な状況にある。手元資金は豊富で、M&A、研究開発、人材採用などへの投資余力を確保している。また、無借金体質と高い自己資本比率は、景気変動時においても安定した経営を維持できる耐性の高さを示しており、今後の持続的な企業価値向上に向けた取り組みを後押しするものと評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比37.7%増の4,103百万円、営業利益が同45.5%増の756百万円、経常利益が同44.8%増の753百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同58.5%増の509百万円と、売上高・利益ともに過去最高値となった。なお、同社は前期に決算期を11月から9月に変更しており、2024年9月期は10ヶ月の変則決算である。前期実績に12/10を乗じて通期換算した参考値(売上高3,576百万円、営業利益623百万円)と比較しても、売上高は同14.7%増、営業利益は同21.3%増と高成長であり、好調だったと評価される。
売上面については、半導体ソリューションカテゴリーの回復及びAIソリューションカテゴリーの好調により大幅に拡大した。半導体ソリューションは前期低調であったキオクシアグループ向けのシステム開発案件などが拡大し、AIソリューションでは特に画像認識分野において研究開発支援及び受託ソフトウェア開発案件が増加した。売上拡大を支える従業員数は前期比10.8%増の368人(エンジニアは342人、スタッフは26人)と増加した。
利益面では、収益性の高い半導体ソリューションの比率が高まったことで売上ミックスが改善し、売上総利益率の改善につながった。販管費は前期比135百万円増加したものの、増収効果及び売上総利益率改善により、営業利益率は同1.0ポイント改善の18.4%と高水準を維持した。
主要取引先別の売上高は、東芝グループが前期比20.9%増の688百万円、日立グループが同13.0%増の779百万円、キオクシアグループが同48.1%増の1,087百万円、その他が同56.8%増の1,548百万円と拡大した(前期との単純比較)。キオクシアグループに関しては、業績好調により工場内のシステム開発案件が増加し、売上高が大幅に拡大した。東芝グループ及び日立グループについてもIT投資需要の高まりを背景として順調に拡大した。また、そのほかの顧客への売上も順調に拡大した。画像認識分野において自動車関連メーカーやJAXAなどに対する研究開発支援や受託ソフトウェア開発案件の引き合いが強まっている。
(1) DXソリューションカテゴリー
DXソリューションカテゴリーの売上高は前期比32.5%増の2,392百万円となった。DXやAI需要の拡大を背景として、主要取引先である東芝グループ、日立グループからの受託開発案件の受注が引き続き堅調に推移したことに加え、そのほかの既存顧客及び新規取引先企業からの受託開発案件が伸長したことも業績拡大に寄与した。前期との単純比較はできないものの、顧客層の拡大と案件単価の上昇が進んでいると見られる。
(2) 半導体ソリューションカテゴリー
半導体ソリューションカテゴリーの売上高は前期比44.1%増の1,278百万円となった。主要取引先であるキオクシアグループ向けは半導体市況の回復に伴う業績改善を背景として、これまで先送りとなっていたシステム開発案件が再開・拡大した。安定した保守・運用に加えて開発需要が戻ったことにより、同カテゴリーの収益成長を押し上げるドライバーとなった。
(3) AIソリューションカテゴリー
AIソリューションカテゴリーの売上高は前期比50.5%増の431百万円となった。AI・画像認識・ハードウェア制御等の高度技術を駆使したサービスに加え、最先端領域における研究開発支援サービスの継続的な伸長が寄与した。案件当たりの単価も上昇傾向にあり、同社が推し進める高付加価値創出型ビジネスモデルへの転換は着実に進展している。好調な業績を背景に、同カテゴリーの売上構成比は前期比0.9ポイント上昇の10.5%へと拡大した。今後は、高付加価値ビジネスであるAI関連の比率がさらに高まることで、連結ベースの収益性も改善が進むものと弊社は見ている。足元ではHailoエッジAIプロセッサ向けソフトウェアソリューションへの引き合いが旺盛であり、同社の技術優位性を生かした新規案件の獲得や適用領域の拡大が進むことで、AIソリューションカテゴリーの成長率は当面高水準を維持する可能性が高い。
2. KPIの達成状況
同社は事業ごとにKPI(Key Performance Indicator)を再設定しており、システム開発事業本部と先進技術本部(現 イントフォー)は年間受注工数、ITサービス事業本部はエンジニア数を重要な経営指標として新たに設定している。2025年9月期の達成率を見ると、システム開発事業本部の年間受注工数は95%、ITサービス事業本部のエンジニア数は95%、イントフォーの年間受注工数は102%となった。システム開発事業本部では、顧客の製品開発計画の見直しに伴う着手時期の後ろ倒しや運用・保守計画の変更によりわずかに未達となったものの、足元では引き合いが堅調に増加している。ITサービス事業本部は、深刻なエンジニア不足が想定以上に長期化し、採用市場の競争激化に加えてビジネスパートナー各社でも人材確保が難航したことで、計画どおりの人員確保が進まなかった。同社は今後、新卒採用の強化、アライアンス、M&Aを通じてエンジニアリソースを拡充し、受注工数の積み上げを図る。
3. 財務状況
2025年9月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比741百万円増の3,662百万円となった。このうち流動資産は同595百万円増の3,369百万円となった。主に現金及び預金が585百万円増加したことによる。固定資産は同146百万円増の293百万円となり、主にのれんがエクステージの買収に伴い86百万円発生したほか、投資有価証券が62百万円増加したことによる。
負債合計は前期末比264百万円増の749百万円となった。このうち、流動負債は同259百万円増の683百万円となり、主に未払法人税等が149百万円、未払消費税等が96百万円それぞれ増加したことによる。固定負債は同5百万円増の66百万円と概ね横ばいであった。純資産は同477百万円増の2,913百万円となり、主に親会社に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が438百万円増加したことによる。
同社は、無借金経営である。財務の健全性を示す自己資本比率は2025年9月期末が79.5%と高水準を維持している。また、現金及び預金が資産合計の71.0%を占め、流動比率も493.0%と極めて高く、高い財務健全性を持つ。こうした強固な財務基盤により、同社は将来的な事業拡大や成長投資において、機動的かつ戦略的な判断が可能な状況にある。手元資金は豊富で、M&A、研究開発、人材採用などへの投資余力を確保している。また、無借金体質と高い自己資本比率は、景気変動時においても安定した経営を維持できる耐性の高さを示しており、今後の持続的な企業価値向上に向けた取り組みを後押しするものと評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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