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明日の株式相場に向けて=需給相場でモンスター化する銘柄相次ぐ
配信日時:2026/01/08 17:36
配信元:MINKABU
きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比844円安の5万1117円と続急落。前日と同様に後場に入ると先物を絡めたインデックス売りの砲火を浴び、日経平均は思いのほか下げがきつくなった。表向きは日中関係の悪化、といっても中国側が一方的に先鋭化させている感が強いが、これが重荷となったという見方。また、トランプ米大統領が前日に計66の国際機関から米国が脱退するよう指示する覚書に署名したことも、にわかに国際秩序に暗雲が漂う話であり警戒されている。あすがオプションSQ算出日で、これに合わせた仕掛け的な要素はあったかと思われるが、アジア株もほぼ全面安に近い状態で米株価指数先物も安く、短期的なリスクオンの反動という解釈が妥当なところだ。
個別株はショートポジションが積み上がった銘柄が順次火を噴くような格好で、例えば東洋エンジニアリング<6330.T>などが典型となっている。信用倍率は直近データで1.06倍、日証金では貸株規制が入っているが、貸借倍率は0.18倍で、実に4日間で16円の逆日歩がついた状態にある。中国によるレアアース輸出規制や、「カザフスタンの化学肥料製造会社と脱炭素化及び尿素肥料分野での協力に関する覚書(MOU)を締結した」という開示が材料視されたようにも報じられているが、実態は株式需給、つまり踏み上げ相場以外の何ものでもない。元来、外部的な材料が絡む要素はなく、モンスター化する銘柄はすべて偶発的な需給に左右されるが、日々の売買代金を考慮すれば、東洋エンジはラスボス級のモンスターである。しかし、いずれは需給が反転する時はくる、これだけは確かである。
需給相場のスイッチが完全に入った銘柄を探すと、昨年12月25日に当欄で取り上げた第一稀元素化学工業<4082.T>はこれに該当しそうだ。前日はストップ高でカイ気配に張り付いたが、きょうは朝から寄り付く気配がなかった。これは怒涛の買い攻勢というよりは、半ば錯乱気味の買い戻しによるものだ。貸株市場を経由した空売りが高水準に積み上がり、これを順繰りに解消していくというような時間の流れではなくなった。もちろん仕掛け的な買い注文も入っているとは思われるが、買い一辺倒ではなかなか仕手化するものではない。最初からモンスター化する銘柄を選りすぐるのは無理で、その時その時の状況が作り出す偶然に委ねられるが、相場の醍醐味であることは間違いない。昨年来、折に触れ取り上げてきたアサカ理研<5724.T>なども同様のメカニズムだ。
足もとでは、キオクシアホールディングス<285A.T>の大相場が映し出す半導体メモリー関連株人気にマーケットの視線が集まっている。これはリベンジ相場(復権相場)ならではのプロセスで踏み上げの原理と同じインパクトが生じた。これまで、米エヌビディア<NVDA>が一世を風靡したAI半導体とは別次元で、半導体メモリーはスマートフォンやパソコン向けの在庫調整圧力が、株価にも漬物石のような上値を押さえる圧力として働いていたのだが、これがAIデータセンターのストレージデバイスであるSSD向けで息を吹き返した。この流れを念頭に置いたうえで、半導体関連のリベンジ組に焦点を合わせると、超純水装置を製造する野村マイクロ・サイエンス<6254.T>などが投資対象として浮上する。同社の足もとの業績はいうまでもなく厳しいが、27年3月期に様変わりする可能性がある。これは26年3月期の終盤という現在の時間帯において、ショートポジションを積み上げた向きにとっては恐怖である。
このほか、半導体関連では電気自動車(EV)の普及速度が鈍るなかで嫌気されていた、パワー半導体周辺銘柄の見直しムードも台頭する可能性がある。フィジカルAIというコンセプトは、ロボットにせよ自動運転車にせよ3次元空間での「力」が必要となる。こちらはパワーデバイスの復権である。前日取り上げた三社電機製作所<6882.T>やオキサイド<6521.T>などはその切り口で注目される銘柄だが、このほかに株価が600円近辺に位置しているタムラ製作所<6768.T>などもマークしておきたい。
きょうは、全体波乱含みの地合いにあってグロース市場の強さが際立った。既に悪目を出し切ったということなのかどうか定かではないが、グロース市場に上場する銘柄ではサイバーセキュリティー関連の一角が買いを誘引していた。小泉防衛大臣がサイバー防衛の重要性に言及したという報道は、正直取ってつけたような話で、やはりこれも需給に起因した戻りといえる。FFRIセキュリティ<3692.T>の急騰が号砲となっているが、これ以外では、FFRIと株価相関性が認められる銘柄で、網屋<4258.T>もマークしておく価値がありそうだ。また、穴株としてはセキュリティーツールのAIエージェント化に取り組んでいるフーバーブレイン<3927.T>を挙げておきたい。
あすは株価指数オプション1月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日にあたる。このほかのスケジュールでは、朝方に11月の家計調査、12月上中旬の貿易統計のほか、3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。午後取引時間中には消費活動指数、11月の景気動向指数速報値が発表される。個別企業の決算発表では安川電機<6506.T>の3~11月期決算に耳目が集まる。海外では11月のユーロ圏小売売上高が発表されるほか、12月の米雇用統計にマーケットの関心が高い。また、9月と10月の米住宅着工件数や1月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)も開示される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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