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昭和産業 Research Memo(1):2026年3月期中間期は、不安定なコスト環境に好調な付加価値商品が対抗
配信日時:2025/12/25 13:01
配信元:FISCO
*13:01JST 昭和産業 Research Memo(1):2026年3月期中間期は、不安定なコスト環境に好調な付加価値商品が対抗
■業績動向
● 2026年3月期第2四半期の連結業績
昭和産業<2004>の2026年3月期中間期の連結業績は、売上高166,701百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益6,054百万円(同11.8%減)、経常利益7,278百万円(同11.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益5,768百万円(同24.0%減)となった。なお、アセットライト経営に向け前期に売却した遊休資産による特別利益の影響を除けば、中間純利益は同16.4%増となる。通期業績予想に対する進捗率は、売上高49.0%、営業利益55.0%、経常利益56.0%、親会社株主に帰属する中間純利益60.7%となる。食品事業では、販売数量に関し、製粉カテゴリでプレミックスは苦戦したものの、米代替需要を捉えたパスタは好調だった。製油カテゴリでは、機能性の高い商品や、課題解決型営業で顧客から価格以上の納得感を引き出した業務用油脂が伸長した。糖質カテゴリでは低分解水あめや粉あめなど独自性のある商品が堅調に推移した。特に機能性素材「マルトビオン酸」は売上高前年同期比10%増と好調をみせた。コストについては、各カテゴリ共通して物流費が高止まりし、また製油カテゴリでは米国バイオ燃料政策の影響からオイルバリューが高まり、2025年の2度にわたる価格改定等により対応を続けている。一方、糖質カテゴリでは、特に高付加価値差別化商品で、原料価格に見合う価格改定への顧客理解が進み、業績に反映された。飼料事業は2024年10月の鳥インフルエンザの影響から販売数量は落ち込んだものの、鶏卵相場が堅調に推移し、増収増益となった。
■今後の見通し
期初計画を据え置き、各カテゴリの連携で業績達成を目指す
2026年3月期業績は期初予想を据え置き、売上高340,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益11,000百万円(同1.1%減)、経常利益13,000百万円(同4.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,500百万円(同18.1%減)を見込む。事業別売上高については、食品事業は276,400百万円(同1.0%増)、飼料事業は58,600百万円(同4.3%増)、その他は4,900百万円(同3.6%増)を見込んでいる。食品事業については、製粉カテゴリで、外食とスーパーマーケット向けプレミックス小袋品の需要が増加しており、これに特化した船橋プレミックス第2工場が販売増に寄与することによりプレミックスの低迷を挽回する。また、2026年4月からとはなるが、グループの木田製粉(株)の販売部門を同社に統合する計画を進めており、需要の高まる付加価値商品の北海道産小麦粉等の販路拡大で収益改善の期待が高まるため、進捗に注目しておきたい。製油カテゴリでは、健康志向と様々な料理に調和する家庭用こめ油が好調で、グループのボーソー油脂(株)と連携し、容量などバリエーションを広げる形でのラインナップ増強の検討もあるようだ。糖質カテゴリでは、「マルトビオン酸」が好調なグループのサンエイ糖化(株)で、強みのバイオ技術を生かした商品開発を加速するため、開発施設を新設する。高付加価値素材を開発するほか、迅速な有効性評価を継続的に行い、素材技術の市場適応可能性を正確に判断することで、技術からの収益計上を最大化する。利益面に関しては、不安定な原料相場や高騰の続く物流費を注視しつつ、グループ全体での生産最適化や、共同輸送では2023年に(株)明治と連携したモーダルシフトに続き、2025年10月にネスレ日本(株)とラウンド輸送を開始し、循環型物流と相乗した輸送コスト削減を実施する。ほかにも、利益率の高い高付加価値商品を市場に定着させ、コスト増をカバーする方向性である。飼料事業については、引き続き顧客需要に対応する提案型営業のほか、畜産物の販売支援や付加価値向上のサポートなど、生産者との連携を強化し、安定した収益基盤の確立を推進する。業績予想に関する同社の見解では、2026年3月期は中間期時点で好調だった糖質カテゴリが堅調に推移するとみており、2026年3月期の期初業績予想達成は可能と判断し、予想を据え置いた。この判断に基づき、下期は糖質カテゴリを中心に、製粉、製油カテゴリとの連携でシナジーを発揮して多角的に事業を展開し、目標達成を目指す。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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● 2026年3月期第2四半期の連結業績
昭和産業<2004>の2026年3月期中間期の連結業績は、売上高166,701百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益6,054百万円(同11.8%減)、経常利益7,278百万円(同11.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益5,768百万円(同24.0%減)となった。なお、アセットライト経営に向け前期に売却した遊休資産による特別利益の影響を除けば、中間純利益は同16.4%増となる。通期業績予想に対する進捗率は、売上高49.0%、営業利益55.0%、経常利益56.0%、親会社株主に帰属する中間純利益60.7%となる。食品事業では、販売数量に関し、製粉カテゴリでプレミックスは苦戦したものの、米代替需要を捉えたパスタは好調だった。製油カテゴリでは、機能性の高い商品や、課題解決型営業で顧客から価格以上の納得感を引き出した業務用油脂が伸長した。糖質カテゴリでは低分解水あめや粉あめなど独自性のある商品が堅調に推移した。特に機能性素材「マルトビオン酸」は売上高前年同期比10%増と好調をみせた。コストについては、各カテゴリ共通して物流費が高止まりし、また製油カテゴリでは米国バイオ燃料政策の影響からオイルバリューが高まり、2025年の2度にわたる価格改定等により対応を続けている。一方、糖質カテゴリでは、特に高付加価値差別化商品で、原料価格に見合う価格改定への顧客理解が進み、業績に反映された。飼料事業は2024年10月の鳥インフルエンザの影響から販売数量は落ち込んだものの、鶏卵相場が堅調に推移し、増収増益となった。
■今後の見通し
期初計画を据え置き、各カテゴリの連携で業績達成を目指す
2026年3月期業績は期初予想を据え置き、売上高340,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益11,000百万円(同1.1%減)、経常利益13,000百万円(同4.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,500百万円(同18.1%減)を見込む。事業別売上高については、食品事業は276,400百万円(同1.0%増)、飼料事業は58,600百万円(同4.3%増)、その他は4,900百万円(同3.6%増)を見込んでいる。食品事業については、製粉カテゴリで、外食とスーパーマーケット向けプレミックス小袋品の需要が増加しており、これに特化した船橋プレミックス第2工場が販売増に寄与することによりプレミックスの低迷を挽回する。また、2026年4月からとはなるが、グループの木田製粉(株)の販売部門を同社に統合する計画を進めており、需要の高まる付加価値商品の北海道産小麦粉等の販路拡大で収益改善の期待が高まるため、進捗に注目しておきたい。製油カテゴリでは、健康志向と様々な料理に調和する家庭用こめ油が好調で、グループのボーソー油脂(株)と連携し、容量などバリエーションを広げる形でのラインナップ増強の検討もあるようだ。糖質カテゴリでは、「マルトビオン酸」が好調なグループのサンエイ糖化(株)で、強みのバイオ技術を生かした商品開発を加速するため、開発施設を新設する。高付加価値素材を開発するほか、迅速な有効性評価を継続的に行い、素材技術の市場適応可能性を正確に判断することで、技術からの収益計上を最大化する。利益面に関しては、不安定な原料相場や高騰の続く物流費を注視しつつ、グループ全体での生産最適化や、共同輸送では2023年に(株)明治と連携したモーダルシフトに続き、2025年10月にネスレ日本(株)とラウンド輸送を開始し、循環型物流と相乗した輸送コスト削減を実施する。ほかにも、利益率の高い高付加価値商品を市場に定着させ、コスト増をカバーする方向性である。飼料事業については、引き続き顧客需要に対応する提案型営業のほか、畜産物の販売支援や付加価値向上のサポートなど、生産者との連携を強化し、安定した収益基盤の確立を推進する。業績予想に関する同社の見解では、2026年3月期は中間期時点で好調だった糖質カテゴリが堅調に推移するとみており、2026年3月期の期初業績予想達成は可能と判断し、予想を据え置いた。この判断に基づき、下期は糖質カテゴリを中心に、製粉、製油カテゴリとの連携でシナジーを発揮して多角的に事業を展開し、目標達成を目指す。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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