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明豊ファシリ Research Memo(7):2026年3月期中間期はオフィス事業が大幅増収増益
配信日時:2025/12/17 13:07
配信元:FISCO
*13:07JST 明豊ファシリ Research Memo(7):2026年3月期中間期はオフィス事業が大幅増収増益
■明豊ファシリティワークス<1717>の業績動向
2. 事業セグメント別の動向
(1) オフィス事業
オフィス事業は売上高で前年同期比40.5%増の752百万円、営業利益で同137.2%増の188百万円と大幅増収増益となった。都心を中心に大規模開発に伴うオフィスビルの新築や工事費の高騰が続くなかで、難度の高い新築ビル竣工時同時入居型で大規模な本社移転プロジェクトが売上貢献したことや、ラボ施設等の設備要件が重視されるプロジェクトなど民間企業からの引き合いが増加した。公共分野でも「外務省のオフィス改革に関するコンサルティング業務(2025年度分)」が売上貢献したほか、独立行政法人等の外郭団体向けでも執務環境整備プロジェクトで複数の案件を受注し増収増益に寄与した。増収効果に加えて生産性が向上したことにより、営業利益率も前年同期の14.8%から25.0%と大きく上昇した。都心では2030年に向けて大型ビルの竣工が相次ぐことから、大規模オフィス移転プロジェクトで豊富な実績を持つ同社にとって当面は好環境が続く見通しだ。
(2) CM事業
CM事業は売上高で前年同期比1.7%増の1,554百万円、営業利益で同11.1%減の429百万円と事業セグメントのなかでは唯一減益となった。公共分野で地方公共団体庁舎や国立大学をはじめとする多くの公共施設において同社のCMサービスが採用されたほか、民間分野でも製薬・食品会社等の工場へのCMサービスが増加した。そのほか、私立学校法人の教育施設の再構築や、大規模複合施設など様々な分野で実績を積み重ね、既存顧客のみならず大手国内企業等の新規顧客からの引き合いも増加した。ただ、一方で建設コストの上昇によるマイナスの影響も出始めている。企画・構想など上流工程の案件は増加しているが、既存顧客からの追加発注がコスト上昇によって先送りされるケースも増え始めている。こうした影響もあり、売上高は若干増にとどまった。利益面では、優秀な人材の確保を目的とした人件費などの増加が減益要因となった。
第三者機関からの評価として、(一社)日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2025」において、同社がCM業務を行った「ジブリパーク整備事業CM業務※」が優秀賞、「墨田区新保健施設等複合施設整備事業」と、都内自治体庁舎初の「ZEB Ready」を取得した「中野区新庁舎整備事業」がCM選奨を受賞し、9年連続の受賞となった。また、国際コンストラクションプロジェクトマネジメント協会(ICPMA)主催の「ICPMA Awards 2025」において、「ジブリパーク整備事業CM業務」が「Overall Project Achievement」を受賞した。これは様々なステークホルダーと協力してコストマネジメントを行い、プロジェクト全体を達成したことが高く評価されたものである。
※ ジブリパーク整備事業は、「愛知万博の理念と成果を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高める」という事業目的の下、愛知県初のECI方式採用事業として実施された。同社は、ジブリパーク整備事業(元温水プール棟除却工事、第1期及び第2期整備エリア工事)、公園整備事業、展示・演示工事のコスト妥当性評価及び工事期間中の設計変更工事コストマネジメント、完成後の長寿命化計画策定の支援を行った。技術とコストの両面で発注者、ECI事業者との合意形成を的確かつスピーディに図りながら、「透明性を確保した工事契約」と着工後の「工事費の増加抑制」の実現を支援した点が評価された。(業務契約期間:2019年11月~2024年3月)
(3) CREM事業
CREM事業は売上高で前年同期比14.0%増の462百万円、営業利益で同18.0%増の114百万円と2期連続の増収増益となった。複数の地方自治体から公立学校改築計画や体育館等の空調設備一斉更新、様々な交渉施設の設備更新等の案件を受注したことが増収増益要因となった。多拠点の工事進捗状況を可視化し、工事コストやスケジュール管理及び保有資産のデータベース化による資産情報の一元管理とデータ活用によって、プロジェクトの効率化を支援する「MPS」を活用した同社独自の「CMの価値提供」が、人材不足に悩む地方自治体においても高く評価された。また、多数の事業拠点を持つ大企業や金融機関からの受注も持続した。なお、「MPS」の利用料については原則としてDX支援事業で売上計上している。
(4) DX支援事業
DX支援事業は売上高で前年同期比16.2%増の217百万円、営業利益で同2.7%増の37百万円と増収増益となった。利益率の低下はシステム開発費の減価償却費増加が主因となっている。売上高はCREM事業における「MPS」の活用が進んだことが増収要因となっており、DX支援事業の売上の約45%がCREM事業に紐づく売上となっている。システム開発費の増加は、「MPS」の機能拡充を進めているためで、当面は高水準の開発費が続くものと予想される。新機能の一例として、保有施設のLCCをシミュレーションする機能などが挙げられる。
無借金経営で財務内容は良好
3. 財務状況と経営指標
2026年3月期中間期末の資産合計は前期末比458百万円減少の7,569百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が179百万円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が795百万円減少した。固定資産では、大阪支店の移転増床を実施したことにより有形固定資産が71百万円増加したほか、ソフトウェア資産を中心に無形固定資産が41百万円増加した。
負債合計は前期末比577百万円減少の1,853百万円となった。流動負債において賞与引当金が481百万円減少したほか、株式給付引当金が49百万円減少した。純資産は同118百万円増加の5,715百万円となった。利益剰余金が55百万円増加したほか、株式給付信託等による株式交付に伴い自己株式が49百万円減少(純資産の増加要因)した。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は75.3%と高水準を維持しており、有利子負債もないことから財務内容は健全な状態にあると判断される。今後の財務戦略としては、健全な状態を維持したうえで成長投資を行いつつ、収益水準に見合った社員並びに株主への還元を実施していく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別の動向
(1) オフィス事業
オフィス事業は売上高で前年同期比40.5%増の752百万円、営業利益で同137.2%増の188百万円と大幅増収増益となった。都心を中心に大規模開発に伴うオフィスビルの新築や工事費の高騰が続くなかで、難度の高い新築ビル竣工時同時入居型で大規模な本社移転プロジェクトが売上貢献したことや、ラボ施設等の設備要件が重視されるプロジェクトなど民間企業からの引き合いが増加した。公共分野でも「外務省のオフィス改革に関するコンサルティング業務(2025年度分)」が売上貢献したほか、独立行政法人等の外郭団体向けでも執務環境整備プロジェクトで複数の案件を受注し増収増益に寄与した。増収効果に加えて生産性が向上したことにより、営業利益率も前年同期の14.8%から25.0%と大きく上昇した。都心では2030年に向けて大型ビルの竣工が相次ぐことから、大規模オフィス移転プロジェクトで豊富な実績を持つ同社にとって当面は好環境が続く見通しだ。
(2) CM事業
CM事業は売上高で前年同期比1.7%増の1,554百万円、営業利益で同11.1%減の429百万円と事業セグメントのなかでは唯一減益となった。公共分野で地方公共団体庁舎や国立大学をはじめとする多くの公共施設において同社のCMサービスが採用されたほか、民間分野でも製薬・食品会社等の工場へのCMサービスが増加した。そのほか、私立学校法人の教育施設の再構築や、大規模複合施設など様々な分野で実績を積み重ね、既存顧客のみならず大手国内企業等の新規顧客からの引き合いも増加した。ただ、一方で建設コストの上昇によるマイナスの影響も出始めている。企画・構想など上流工程の案件は増加しているが、既存顧客からの追加発注がコスト上昇によって先送りされるケースも増え始めている。こうした影響もあり、売上高は若干増にとどまった。利益面では、優秀な人材の確保を目的とした人件費などの増加が減益要因となった。
第三者機関からの評価として、(一社)日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2025」において、同社がCM業務を行った「ジブリパーク整備事業CM業務※」が優秀賞、「墨田区新保健施設等複合施設整備事業」と、都内自治体庁舎初の「ZEB Ready」を取得した「中野区新庁舎整備事業」がCM選奨を受賞し、9年連続の受賞となった。また、国際コンストラクションプロジェクトマネジメント協会(ICPMA)主催の「ICPMA Awards 2025」において、「ジブリパーク整備事業CM業務」が「Overall Project Achievement」を受賞した。これは様々なステークホルダーと協力してコストマネジメントを行い、プロジェクト全体を達成したことが高く評価されたものである。
※ ジブリパーク整備事業は、「愛知万博の理念と成果を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高める」という事業目的の下、愛知県初のECI方式採用事業として実施された。同社は、ジブリパーク整備事業(元温水プール棟除却工事、第1期及び第2期整備エリア工事)、公園整備事業、展示・演示工事のコスト妥当性評価及び工事期間中の設計変更工事コストマネジメント、完成後の長寿命化計画策定の支援を行った。技術とコストの両面で発注者、ECI事業者との合意形成を的確かつスピーディに図りながら、「透明性を確保した工事契約」と着工後の「工事費の増加抑制」の実現を支援した点が評価された。(業務契約期間:2019年11月~2024年3月)
(3) CREM事業
CREM事業は売上高で前年同期比14.0%増の462百万円、営業利益で同18.0%増の114百万円と2期連続の増収増益となった。複数の地方自治体から公立学校改築計画や体育館等の空調設備一斉更新、様々な交渉施設の設備更新等の案件を受注したことが増収増益要因となった。多拠点の工事進捗状況を可視化し、工事コストやスケジュール管理及び保有資産のデータベース化による資産情報の一元管理とデータ活用によって、プロジェクトの効率化を支援する「MPS」を活用した同社独自の「CMの価値提供」が、人材不足に悩む地方自治体においても高く評価された。また、多数の事業拠点を持つ大企業や金融機関からの受注も持続した。なお、「MPS」の利用料については原則としてDX支援事業で売上計上している。
(4) DX支援事業
DX支援事業は売上高で前年同期比16.2%増の217百万円、営業利益で同2.7%増の37百万円と増収増益となった。利益率の低下はシステム開発費の減価償却費増加が主因となっている。売上高はCREM事業における「MPS」の活用が進んだことが増収要因となっており、DX支援事業の売上の約45%がCREM事業に紐づく売上となっている。システム開発費の増加は、「MPS」の機能拡充を進めているためで、当面は高水準の開発費が続くものと予想される。新機能の一例として、保有施設のLCCをシミュレーションする機能などが挙げられる。
無借金経営で財務内容は良好
3. 財務状況と経営指標
2026年3月期中間期末の資産合計は前期末比458百万円減少の7,569百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が179百万円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が795百万円減少した。固定資産では、大阪支店の移転増床を実施したことにより有形固定資産が71百万円増加したほか、ソフトウェア資産を中心に無形固定資産が41百万円増加した。
負債合計は前期末比577百万円減少の1,853百万円となった。流動負債において賞与引当金が481百万円減少したほか、株式給付引当金が49百万円減少した。純資産は同118百万円増加の5,715百万円となった。利益剰余金が55百万円増加したほか、株式給付信託等による株式交付に伴い自己株式が49百万円減少(純資産の増加要因)した。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は75.3%と高水準を維持しており、有利子負債もないことから財務内容は健全な状態にあると判断される。今後の財務戦略としては、健全な状態を維持したうえで成長投資を行いつつ、収益水準に見合った社員並びに株主への還元を実施していく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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