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明豊ファシリ Research Memo(3):「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」を掲げるCM業界の先駆け(2)
配信日時:2025/12/17 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST 明豊ファシリ Research Memo(3):「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」を掲げるCM業界の先駆け(2)
■明豊ファシリティワークス<1717>の事業概要
3. 同社の強み
CM事業者にとって競争力の源泉は人材である。特に大規模プロジェクトに対応するためには、発注者側に立ち、設計要件の整理やコスト管理・精査ができる専門家や工期管理などトータルマネジメントができる人材、大手施工会社や設計事務所との交渉において対等に渡り合える経験やノウハウを持ち合わせた人材をどれだけ揃えているかが重要となる。
同社は、建設会社や施工会社、設計事務所など実際の現場を経験した人材を中途採用により厳選して獲得しており、建設プロジェクトの基本計画策定からコスト見積もり・工期管理まですべての工程をカバーするプロフェッショナル集団と言える。CM事業を先駆けて展開してきたことで業界内でのブランド力も向上しており、こうした専門的なスキルを持つ人材を多数揃えていることが同社の強みである。特に、公共分野のプロポーザル方式※1によるCM案件では、評価基準の1つとしてCCMJ(認定コンストラクション・マネジャー)の保有資格者をどの程度配置しているかが含まれており重要指標となっている。同社は2025年11月末時点で110名と直近5年間で約1.4倍に増員しており、独立系CM事業会社としては最大規模の陣容を擁している※2。また公共工事の品質確保の促進において、発注関係事務を適切に実施する公共建築工事品質確保技術者の資格取得者も6名在籍している。このほかにも、脱炭素化ニーズの高まりによって重要性が増している環境分野に関連した資格となるCASBEE建築評価員※3が49名、LEED AP(LEED認定プロフェッショナル)※4が3名、脱炭素アドバイザー※5(ベーシック/アドバンスト)が9名在籍するなど、多種多様な有資格者が揃っている。
※1 プロポーザル方式とは、発注者が業務の委託先を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、そのなかからすぐれた提案を評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。
※2 独立系以外も含めると、大手設計会社の子会社である日建設計コンストラクション・マネジメント(株)及び(株)山下PMCを含めて3社が業界トップ3と位置付けられている。
※3 CASBEE(建築環境総合性能評価システム)とは、建築物が地球環境・周辺環境にいかに配慮しているか、ランニングコストに無駄がないか、利用者にとって快適かなどの環境性能を客観的に評価するためのシステムで、評価を正しく実施できる者を評価委員として(一財)住宅・建築SDGs推進センターが認証している。
※4 LEEDとは、米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用している環境に配慮した建物に与えられる認証システム。LEED認証に関する知識・経験年数によってGreen Associate、AP、Fellowと3種類の資格に分かれている。
※5 脱炭素アドバイザーとは、企業の脱炭素化に向けた取り組みに関して専門的なアドバイスができる知識・ノウハウを環境省認定の資格によって習得した者を指す。
同社の成長の原動力となってきたのは、社員一人ひとりが企業理念である「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」を常に心掛け、高品質なサービスの提供によって、顧客から高い信頼を得てきたことにある。社員数271名(2026年3月期中間期末時点)の独立系企業において、新規顧客の開拓、特に大規模案件の開拓は一般的に困難だが、同社は既存顧客のうち9割近くが大手メーカーや金融機関、学校・医療法人、官公庁で占められており、新規顧客もその大半を既存顧客からの紹介によって獲得している。受注金額に占める既存顧客の比率はここ数年、70%台で推移しているが、これは同社のCMサービスを利用した企業から継続してプロジェクトの依頼を受けているためで、顧客からの信頼性の高さの裏付け伴っている。なお、2026年3月期中間期の既存顧客比率は69%とやや低下したが、これは民間企業だけでなく自治体などを含めて新規顧客からの引き合いが活発化したためであり、新規顧客の構成比の上昇につながっている。
また、同社は各社員が複数の事業セグメント案件にマルチに対応できる柔軟な組織体制を構築しており、各事業における顧客ニーズの多寡に応じてプロジェクトへのアサインを調整している。発注者支援事業の普及により多様な専門性が求められる案件がほぼ毎期発生しており、全社横断型でマルチに対応し、その習熟の結果として生産性の向上を実現していることも、同社の特徴であり強みと言える。
そのほか、同社の強みとして、顧客だけでなく利害関係者となる元請けの建設会社とも強い信頼関係を構築している点が挙げられる。建設業界では人手不足等に起因する工期遅れが頻発しているが、着工後に施工者からの改善提案など発注者側が理解しにくい専門的な検討事項についても、同社が間に立って発注者に丁寧に説明することでスムーズに話が進むといった点が高く評価されており、建設プロジェクトが円滑に進む一因にもなっている。利害関係者からであっても真に顧客の役に立つ提案については真摯に向き合う「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」の企業理念が、顧客に対してだけでなくすべての関係者に対して実践されている証左と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 同社の強み
CM事業者にとって競争力の源泉は人材である。特に大規模プロジェクトに対応するためには、発注者側に立ち、設計要件の整理やコスト管理・精査ができる専門家や工期管理などトータルマネジメントができる人材、大手施工会社や設計事務所との交渉において対等に渡り合える経験やノウハウを持ち合わせた人材をどれだけ揃えているかが重要となる。
同社は、建設会社や施工会社、設計事務所など実際の現場を経験した人材を中途採用により厳選して獲得しており、建設プロジェクトの基本計画策定からコスト見積もり・工期管理まですべての工程をカバーするプロフェッショナル集団と言える。CM事業を先駆けて展開してきたことで業界内でのブランド力も向上しており、こうした専門的なスキルを持つ人材を多数揃えていることが同社の強みである。特に、公共分野のプロポーザル方式※1によるCM案件では、評価基準の1つとしてCCMJ(認定コンストラクション・マネジャー)の保有資格者をどの程度配置しているかが含まれており重要指標となっている。同社は2025年11月末時点で110名と直近5年間で約1.4倍に増員しており、独立系CM事業会社としては最大規模の陣容を擁している※2。また公共工事の品質確保の促進において、発注関係事務を適切に実施する公共建築工事品質確保技術者の資格取得者も6名在籍している。このほかにも、脱炭素化ニーズの高まりによって重要性が増している環境分野に関連した資格となるCASBEE建築評価員※3が49名、LEED AP(LEED認定プロフェッショナル)※4が3名、脱炭素アドバイザー※5(ベーシック/アドバンスト)が9名在籍するなど、多種多様な有資格者が揃っている。
※1 プロポーザル方式とは、発注者が業務の委託先を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、そのなかからすぐれた提案を評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。
※2 独立系以外も含めると、大手設計会社の子会社である日建設計コンストラクション・マネジメント(株)及び(株)山下PMCを含めて3社が業界トップ3と位置付けられている。
※3 CASBEE(建築環境総合性能評価システム)とは、建築物が地球環境・周辺環境にいかに配慮しているか、ランニングコストに無駄がないか、利用者にとって快適かなどの環境性能を客観的に評価するためのシステムで、評価を正しく実施できる者を評価委員として(一財)住宅・建築SDGs推進センターが認証している。
※4 LEEDとは、米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用している環境に配慮した建物に与えられる認証システム。LEED認証に関する知識・経験年数によってGreen Associate、AP、Fellowと3種類の資格に分かれている。
※5 脱炭素アドバイザーとは、企業の脱炭素化に向けた取り組みに関して専門的なアドバイスができる知識・ノウハウを環境省認定の資格によって習得した者を指す。
同社の成長の原動力となってきたのは、社員一人ひとりが企業理念である「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」を常に心掛け、高品質なサービスの提供によって、顧客から高い信頼を得てきたことにある。社員数271名(2026年3月期中間期末時点)の独立系企業において、新規顧客の開拓、特に大規模案件の開拓は一般的に困難だが、同社は既存顧客のうち9割近くが大手メーカーや金融機関、学校・医療法人、官公庁で占められており、新規顧客もその大半を既存顧客からの紹介によって獲得している。受注金額に占める既存顧客の比率はここ数年、70%台で推移しているが、これは同社のCMサービスを利用した企業から継続してプロジェクトの依頼を受けているためで、顧客からの信頼性の高さの裏付け伴っている。なお、2026年3月期中間期の既存顧客比率は69%とやや低下したが、これは民間企業だけでなく自治体などを含めて新規顧客からの引き合いが活発化したためであり、新規顧客の構成比の上昇につながっている。
また、同社は各社員が複数の事業セグメント案件にマルチに対応できる柔軟な組織体制を構築しており、各事業における顧客ニーズの多寡に応じてプロジェクトへのアサインを調整している。発注者支援事業の普及により多様な専門性が求められる案件がほぼ毎期発生しており、全社横断型でマルチに対応し、その習熟の結果として生産性の向上を実現していることも、同社の特徴であり強みと言える。
そのほか、同社の強みとして、顧客だけでなく利害関係者となる元請けの建設会社とも強い信頼関係を構築している点が挙げられる。建設業界では人手不足等に起因する工期遅れが頻発しているが、着工後に施工者からの改善提案など発注者側が理解しにくい専門的な検討事項についても、同社が間に立って発注者に丁寧に説明することでスムーズに話が進むといった点が高く評価されており、建設プロジェクトが円滑に進む一因にもなっている。利害関係者からであっても真に顧客の役に立つ提案については真摯に向き合う「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」の企業理念が、顧客に対してだけでなくすべての関係者に対して実践されている証左と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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