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加藤製作所 Research Memo(1):2026年3月期通期は一過性要因が影響して損失予想だが下期は回復基調
配信日時:2025/12/16 12:41
配信元:FISCO
*12:41JST 加藤製作所 Research Memo(1):2026年3月期通期は一過性要因が影響して損失予想だが下期は回復基調
■要約
加藤製作所<6390>は1895年の創業(個人事業)以来130年の歴史を持つ大手建設機械メーカーである。社会インフラ構築に欠かせない建設機械メーカーのパイオニアとして、現在は建設用クレーンや油圧ショベルを主力として事業展開している。顧客の要望に応えて「頑丈」「力強い」「操作しやすい」といった顧客視点の製品づくりを特徴としており、顧客から高い信頼を得ている。
1. 建設用クレーンと油圧ショベルが主力の建設機械メーカー
建設用クレーンのラインナップはラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、クローラクレーン、油圧ショベル等のラインナップは油圧ショベル、ミニショベル、クローラキャリアである。同社の市場におけるポジションとしては建設用クレーンで大手、油圧ショベルで中堅という位置付けである。なお海外展開については中国事業から撤退し、アジア展開拠点のインドへのシフト、欧州市場での競争力強化、北米での販売ネットワーク強化などにより、グループシナジーを高めてグローバル展開を加速する。同社の営業損益は需要動向という外部要因に加え、近年は構造改革に伴う一過性要因の影響で変動する傾向が見られるが、この影響を除けば収益性は構造改革の効果で改善基調である。
2. 2026年3月期中間期の各利益は一過性要因が影響して損失計上
2026年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比1.0%増の26,756百万円、営業利益が1,615百万円の損失(前年同期は845百万円)、経常利益が1,520百万円の損失(同1,340百万円)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,573百万円の損失(同4,988百万円の損失)となった。売上面は海外が需要低迷の影響で減少したが、国内が大型ラフテレーンクレーン新型車の販売本格化などで増加し、全体として小幅ながら増収となった。利益面は販売価格適正化などを推進したが、油圧ショベルを中心とする生産台数の減少や在庫調整に伴う工場稼働率の低下、棚卸資産適正化に伴う評価損計上といった一過性要因が影響して営業・経常損失を計上した。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期の特別損失に計上した子会社整理損6,180百万円が一巡したため損失が縮小した。
3. 2026年3月期通期は営業・経常損失予想、ただし下期回復基調
2026年3月期通期の連結業績予想は2025年11月13日付で各利益を下方修正して、売上高が前期比7.7%増の57,000百万円、営業利益が500百万円の損失、経常利益が1,000百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純利益が200百万円(前期は6,033百万円の損失)としている。売上面は、国内における大型ラフテレーンクレーン新型車の販売本格化などにより、期初計画水準を確保して増収見込みとしている。利益面は棚卸資産の適正化を進めるための生産調整に伴う製造原価率の上昇、補用部品等の長期在庫に対する一過性の評価損計上などにより期初計画を下回り、営業・経常損失となる見込みだ。親会社株主に帰属する当期純利益は期初計画を下回るものの、下期に特別利益を計上するため黒字を確保する見込みだ。なお修正後の通期予想と中間期実績との単純計算で下期見込みを算出すると、下期の各利益は黒字見込みである。一過性要因の評価損や原価増加影響が下期に減少することも寄与する。したがって収益は中間期がボトムとなり、下期から2027年3月期に向けて回復基調が期待できるだろうと弊社では考えている。
4. 中期経営計画(2025~2027)最終年度2028年3月期の目標達成を目指す
同社は2025年3月に中期経営計画(2025~2027)を策定した。テーマに「飛躍、そして次の時代へ」を掲げ、基本方針は企業価値の向上、成長戦略の推進と有効投資、収益性の更なる向上、サステナビリティ経営の実践としている。経営目標値については最終年度2028年3月期の売上高790億円、営業利益36億円、営業利益率4.5%、ROE8.0%としている。なお2026年3月期の営業利益は計画を下回る見込みとなったが、下期から回復基調となり、さらに2027年3月期はコストダウンを実現した新型機種の投入などにより収益性の向上が見込まれるため、最終年度2028年3月期の計画に変更はなく目標達成を目指す。株主還元については本中期経営計画では1株当たり配当金の下限を70円に設定し、一過性損益を除いた経常利益の30%を目安に配分する方針としている。この方針に基づいて2026年3月期の配当予想は前期と同額の70.0円としている。2026年3月期の連結業績予想を下方修正したが配当については期初予想を据え置いた。
■Key Points
・130年の歴史を持つ大手建設機械メーカー、建設用クレーンと油圧ショベルが主力
・2026年3月期中間期の各利益は一過性要因が影響して損失計上
・2026年3月期通期は営業・経常損失予想、ただし下期回復基調
・中期経営計画(2025〜2027)最終年度2028年3月期の目標達成を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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加藤製作所<6390>は1895年の創業(個人事業)以来130年の歴史を持つ大手建設機械メーカーである。社会インフラ構築に欠かせない建設機械メーカーのパイオニアとして、現在は建設用クレーンや油圧ショベルを主力として事業展開している。顧客の要望に応えて「頑丈」「力強い」「操作しやすい」といった顧客視点の製品づくりを特徴としており、顧客から高い信頼を得ている。
1. 建設用クレーンと油圧ショベルが主力の建設機械メーカー
建設用クレーンのラインナップはラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、クローラクレーン、油圧ショベル等のラインナップは油圧ショベル、ミニショベル、クローラキャリアである。同社の市場におけるポジションとしては建設用クレーンで大手、油圧ショベルで中堅という位置付けである。なお海外展開については中国事業から撤退し、アジア展開拠点のインドへのシフト、欧州市場での競争力強化、北米での販売ネットワーク強化などにより、グループシナジーを高めてグローバル展開を加速する。同社の営業損益は需要動向という外部要因に加え、近年は構造改革に伴う一過性要因の影響で変動する傾向が見られるが、この影響を除けば収益性は構造改革の効果で改善基調である。
2. 2026年3月期中間期の各利益は一過性要因が影響して損失計上
2026年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比1.0%増の26,756百万円、営業利益が1,615百万円の損失(前年同期は845百万円)、経常利益が1,520百万円の損失(同1,340百万円)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,573百万円の損失(同4,988百万円の損失)となった。売上面は海外が需要低迷の影響で減少したが、国内が大型ラフテレーンクレーン新型車の販売本格化などで増加し、全体として小幅ながら増収となった。利益面は販売価格適正化などを推進したが、油圧ショベルを中心とする生産台数の減少や在庫調整に伴う工場稼働率の低下、棚卸資産適正化に伴う評価損計上といった一過性要因が影響して営業・経常損失を計上した。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期の特別損失に計上した子会社整理損6,180百万円が一巡したため損失が縮小した。
3. 2026年3月期通期は営業・経常損失予想、ただし下期回復基調
2026年3月期通期の連結業績予想は2025年11月13日付で各利益を下方修正して、売上高が前期比7.7%増の57,000百万円、営業利益が500百万円の損失、経常利益が1,000百万円の損失、親会社株主に帰属する当期純利益が200百万円(前期は6,033百万円の損失)としている。売上面は、国内における大型ラフテレーンクレーン新型車の販売本格化などにより、期初計画水準を確保して増収見込みとしている。利益面は棚卸資産の適正化を進めるための生産調整に伴う製造原価率の上昇、補用部品等の長期在庫に対する一過性の評価損計上などにより期初計画を下回り、営業・経常損失となる見込みだ。親会社株主に帰属する当期純利益は期初計画を下回るものの、下期に特別利益を計上するため黒字を確保する見込みだ。なお修正後の通期予想と中間期実績との単純計算で下期見込みを算出すると、下期の各利益は黒字見込みである。一過性要因の評価損や原価増加影響が下期に減少することも寄与する。したがって収益は中間期がボトムとなり、下期から2027年3月期に向けて回復基調が期待できるだろうと弊社では考えている。
4. 中期経営計画(2025~2027)最終年度2028年3月期の目標達成を目指す
同社は2025年3月に中期経営計画(2025~2027)を策定した。テーマに「飛躍、そして次の時代へ」を掲げ、基本方針は企業価値の向上、成長戦略の推進と有効投資、収益性の更なる向上、サステナビリティ経営の実践としている。経営目標値については最終年度2028年3月期の売上高790億円、営業利益36億円、営業利益率4.5%、ROE8.0%としている。なお2026年3月期の営業利益は計画を下回る見込みとなったが、下期から回復基調となり、さらに2027年3月期はコストダウンを実現した新型機種の投入などにより収益性の向上が見込まれるため、最終年度2028年3月期の計画に変更はなく目標達成を目指す。株主還元については本中期経営計画では1株当たり配当金の下限を70円に設定し、一過性損益を除いた経常利益の30%を目安に配分する方針としている。この方針に基づいて2026年3月期の配当予想は前期と同額の70.0円としている。2026年3月期の連結業績予想を下方修正したが配当については期初予想を据え置いた。
■Key Points
・130年の歴史を持つ大手建設機械メーカー、建設用クレーンと油圧ショベルが主力
・2026年3月期中間期の各利益は一過性要因が影響して損失計上
・2026年3月期通期は営業・経常損失予想、ただし下期回復基調
・中期経営計画(2025〜2027)最終年度2028年3月期の目標達成を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
<HN>
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