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富士紡HD Research Memo(1):2026年3月期中間期業績も好調を維持。研磨材事業と化学工業品事業がけん引
配信日時:2025/12/16 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST 富士紡HD Research Memo(1):2026年3月期中間期業績も好調を維持。研磨材事業と化学工業品事業がけん引
■要約
富士紡ホールディングス<3104>は1896年に設立し、研磨材事業と化学工業品事業、生活衣料(B.V.D.など)事業を中心に展開している。同社は繊維事業中心から、現在では大きく業態転換が行われ、売上構成比は研磨材事業が4割強、化学工業品事業が約3割、生活衣料事業が2割弱で、その他事業の中の化成品(射出成形品・樹脂金型)事業を“第4の柱”とすべく育成を図っている。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比7.0%増の22,528百万円、営業利益が同26.0%増の3,771百万円、経常利益が同27.1%増の3,904百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同30.3%増の2,730百万円と、売上高・各利益ともに大幅増となった。また、同社が2025年5月15日に公表した期初計画との比較では、売上高で0.8%減、営業利益で11.6%増、経常利益で12.2%増、親会社株主に帰属する中間純利益で20.3%増と、各利益で計画値を上回った。AI関連向け先端半導体の需要増加に伴い研磨材事業の受注が増加し、また半導体を含む電子材料市場の需要を背景に化学工業品事業の業績拡大によって利益が急増した。さらに、研磨材事業は限界利益率が高く、受注量が増えるほど利益が大きく伸びる高収益構造となっている。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高が45,400百万円(前期比5.8%増)、営業利益が7,500百万円(同15.8%増)、経常利益が7,700百万円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,000百万円(同11.7%増)と、引き続き増収増益を見込んでいる。なかでも、コア事業である研磨材事業は売上高21,400百万円(同10.8%増)、営業利益5,750百万円(同21.6%増、営業利益率26.9%)と好業績を予想している。これは、研磨材(ソフトパッド)がロジック半導体製造プロセスにおいて高いシェアを占めており、生成AIやIoT分野で使用される最先端ロジックやメモリー半導体の高成長が、同社の受注拡大をけん引しているためである。
3. 中期経営計画「増強21-25」の進捗と次期中期経営計画に向けて
中期経営計画「増強21-25」の最終年度である2026年3月期の目標達成は厳しい状況となっているが、営業利益ベースでは、過去5フェーズの中期経営計画期間(2006年~2025年)における最高値となる営業利益75億円(営業利益率16.5%)を達成できる見通しである。2027年3月期から開始する次期中期経営計画のテーマは「進化」であり、現行計画の目標(売上高600億円、営業利益100億円)について、“できるだけ早いタイミング”での達成を目指す。そのけん引役となるのが研磨材事業であり、化学工業品事業も新プラントの稼働によって“ワンステージ上へと上がる”ことで、成長への貢献が期待される。第4の柱として位置付ける化成品事業については、現実的な目標として、早期に売上高50億円規模の達成を掲げている。
4. 株主還元策
利益還元の一層の充実を図るため、当社は配当に関する定量的な目標として、2026年3月期より、配当性向35%及び株主資本配当率(DOE)3.5%を明示している。特に、DOE3.5%を下限とすることで、資本コストを意識した財務運営に取り組んでいる。そのうえで、2026年3月期は30円の増配を行い、年間配当160円を予定している。
■Key Points
・2026年3月期中間期業績も好調を維持。研磨材事業と化学工業品事業がけん引
・2026年3月期は営業利益75億円を見込む。現中期経営計画(最終年度)の営業利益100億円目標達成は厳しいが、過去5フェーズの中期経営計画期間中では最高値となる
・次期中期経営計画では現行の利益目標100億円を“できるだけ早いタイミング”での達成を目指す
・2026年3月期は30円増配の年間配当金160円を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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富士紡ホールディングス<3104>は1896年に設立し、研磨材事業と化学工業品事業、生活衣料(B.V.D.など)事業を中心に展開している。同社は繊維事業中心から、現在では大きく業態転換が行われ、売上構成比は研磨材事業が4割強、化学工業品事業が約3割、生活衣料事業が2割弱で、その他事業の中の化成品(射出成形品・樹脂金型)事業を“第4の柱”とすべく育成を図っている。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比7.0%増の22,528百万円、営業利益が同26.0%増の3,771百万円、経常利益が同27.1%増の3,904百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同30.3%増の2,730百万円と、売上高・各利益ともに大幅増となった。また、同社が2025年5月15日に公表した期初計画との比較では、売上高で0.8%減、営業利益で11.6%増、経常利益で12.2%増、親会社株主に帰属する中間純利益で20.3%増と、各利益で計画値を上回った。AI関連向け先端半導体の需要増加に伴い研磨材事業の受注が増加し、また半導体を含む電子材料市場の需要を背景に化学工業品事業の業績拡大によって利益が急増した。さらに、研磨材事業は限界利益率が高く、受注量が増えるほど利益が大きく伸びる高収益構造となっている。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高が45,400百万円(前期比5.8%増)、営業利益が7,500百万円(同15.8%増)、経常利益が7,700百万円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が5,000百万円(同11.7%増)と、引き続き増収増益を見込んでいる。なかでも、コア事業である研磨材事業は売上高21,400百万円(同10.8%増)、営業利益5,750百万円(同21.6%増、営業利益率26.9%)と好業績を予想している。これは、研磨材(ソフトパッド)がロジック半導体製造プロセスにおいて高いシェアを占めており、生成AIやIoT分野で使用される最先端ロジックやメモリー半導体の高成長が、同社の受注拡大をけん引しているためである。
3. 中期経営計画「増強21-25」の進捗と次期中期経営計画に向けて
中期経営計画「増強21-25」の最終年度である2026年3月期の目標達成は厳しい状況となっているが、営業利益ベースでは、過去5フェーズの中期経営計画期間(2006年~2025年)における最高値となる営業利益75億円(営業利益率16.5%)を達成できる見通しである。2027年3月期から開始する次期中期経営計画のテーマは「進化」であり、現行計画の目標(売上高600億円、営業利益100億円)について、“できるだけ早いタイミング”での達成を目指す。そのけん引役となるのが研磨材事業であり、化学工業品事業も新プラントの稼働によって“ワンステージ上へと上がる”ことで、成長への貢献が期待される。第4の柱として位置付ける化成品事業については、現実的な目標として、早期に売上高50億円規模の達成を掲げている。
4. 株主還元策
利益還元の一層の充実を図るため、当社は配当に関する定量的な目標として、2026年3月期より、配当性向35%及び株主資本配当率(DOE)3.5%を明示している。特に、DOE3.5%を下限とすることで、資本コストを意識した財務運営に取り組んでいる。そのうえで、2026年3月期は30円の増配を行い、年間配当160円を予定している。
■Key Points
・2026年3月期中間期業績も好調を維持。研磨材事業と化学工業品事業がけん引
・2026年3月期は営業利益75億円を見込む。現中期経営計画(最終年度)の営業利益100億円目標達成は厳しいが、過去5フェーズの中期経営計画期間中では最高値となる
・次期中期経営計画では現行の利益目標100億円を“できるだけ早いタイミング”での達成を目指す
・2026年3月期は30円増配の年間配当金160円を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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