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ティア Research Memo(6):中期経営計画では、店舗数増加とTLD領域の拡大により2ケタ増益継続を目指す
配信日時:2025/12/15 13:06
配信元:FISCO
*13:06JST ティア Research Memo(6):中期経営計画では、店舗数増加とTLD領域の拡大により2ケタ増益継続を目指す
■ティア<2485>の今後の見通し
2. 中期経営計画
(1) 中期経営計画の概要と数値目標
2025年11月に発表した中期経営計画(2026年9月期~2028年9月期)では、「新生ティアグループ」のスローガンの下、1) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充、2) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化、3) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上、4) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こしの4点を重点テーマとして取り組む方針だ。
最終年度となる2028年9月期の業績目標は、売上高25,790百万円、営業利益2,545百万円、経常利益2,330百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,340百万円としており、3年間の年平均成長率は売上高で6.1%、営業利益で15.7%と利益ベースで高成長を見込んでおり、最終年度の営業利益率は9.9%と前期の7.6%から2.3ポイント上昇する見通しだ。グループ店舗数は290店舗(うち、FC店107店舗)と3年間で71店舗の増加を見込んでいる(うち、FC店舗は33店舗増)。業績計画は、2026年9月期の業績予想をベースに、2期目以降の売上高は既存店売上を横ばいとしつつも、新店稼働による増収を見込んでいる。経費についても2期目以降の既存店は横ばいを前提とし、新店稼働に伴う人件費・広告宣伝費・その他経費の増加を見込んだ数値となっている。
葬儀件数は新規出店効果により年率7.9%で増加する一方、葬儀単価は低料金プランの葬儀ニーズ増加も考慮して緩やかな下落を前提としている。また、「ティア」ブランドの全国展開に向けて引き続きM&Aも前向きに検討しているが、中期経営計画には含めておらずM&Aの成約状況次第では上振れする可能性もある。
(2) 重点施策
a) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充
出店計画については、東海・関西・首都圏エリアにおいてドミナント戦略により継続的な出店を行い、地域内シェアの拡大を図る。年間の出店ペースは、ティア直営で5~7店舗、八光殿で3~4店舗、東海典礼で3店舗となり、ティア北海道も2027年9月期より年間2店舗ペースで出店していく計画だ。
現在39店舗を出店している名古屋市内も、新興の葬儀社が進出してきたことから空白地帯に出店していく可能性がある。関西圏については八光殿が主体となって出店を進めていくほか、FC加盟企業である南海グリーフサポートとの連携により大阪南部で出店を進めていきたい考えだ。
FC展開については、年間10~12店舗ペースの出店を計画している。既存オーナーによる出店に加え、加盟企業の増加による出店増を見込んでいる。2025年11月にはFC加盟企業の(合)アネシスが直葬ホール「ティア立川」(東京都立川市)を出店するなど、地域特性に応じた店舗を出店する予定だ。
同社では、多様化する葬儀ニーズに対応すべく、マルチブランドの推進を2023年から推進してきた。具体的には、社葬や大規模葬に対応する「ティアPREMIUM」、家族葬・直葬・民生葬・福祉葬を対象とする「ティア」、一日葬・火葬式に対応したサービスとして「ティアシンプル」と、大きく3ブランドで展開してきた。「ティアシンプル」については、2024年4月より東海典礼の「ティア」会館で、同年6月には関西エリア(直営及び八光殿)でWeb経由での受注を開始するなどサービスエリアを広げたこともあって、2025年9月期の取扱件数が1,800件超と前期比で約2割増加した。今後も非会員の需要を取り込むことで葬儀件数の増加につなげていく。
b) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化
同社は、「ティアの会」会員や提携団体の顧客に対するLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図るため、未来開発事業本部においてTLD領域の新規事業の開発を積極的に進めている。同本部に配属された9名のアウトバウンドコールチームが顧客に対して各種サービスの提案活動を行っており、2025年9月期より新たに新規サービスとして、介護付き有料老人ホーム紹介サービス※1、高齢者等終身サポートサービス※2、空き家活用サポートサービス※3を開始した。今後も顧客(故人やその遺族)のライフステージに合わせて、生前準備・葬儀・葬儀後に至る各段階で関連するサービスを提供することでLTVの最大化を図る。
※1 老人ホーム紹介サービスを手掛ける会社にFC加盟し、「ティアの会」会員向けに入居案内を行うとともに、医療機関や居宅介護支援事業所に法人営業を実施する。契約期間に応じて売上を計上するため、収益への貢献は限定的であるが、「ティアの会」と同様に顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※2 病院への入院や介護施設等への入所の際の手続き支援、日用品の買い物など日常生活の支援、葬儀や死後の財産処分などの死後事務を、家族や親族に代わり支援するサービス。収益への貢献は介護付き有料老人ホーム紹介サービスと同様に限定的であるが、顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※3 オーナーに代わって空き家を借上げ、同社が運用代行するサービス。
また、グループ間連携強化の取り組みとして、商品開発やユーザビリティ向上など、総合的なマーチャンダイジングを推進しているほか、葬儀付帯業務の内製化による外注費の削減、グループ物流体制の構築などに取り組んでいる。物流センターについてはBCP対策もあって、2025年9月に東海エリアに第2センターを開設し、東海典礼の物流拠点としても活用している。今後は関西に物流センターの開設を検討している。
c) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上
人財戦略については、人財の確保と育成、働く環境の整備を重点項目と位置付けて、取り組みを推進していく。人財確保については、多様化する採用環境に対応した施策を積極的に推進し、「ティアアカデミー」の教育カリキュラムを八光殿や東海典礼に展開することで、グループとしての営業力の底上げを図る。また、新卒採用については、同社が年間20名、八光殿が同10名、東海典礼が同5名の合計35名のペースで採用を続ける計画だ。同社の2026年春の新卒採用は内定数で20名を超えるなど順調に進んでいるようだ。
d) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こし
ブランド戦略として、同社は八光殿及び東海典礼、ティア北海道のPMI(M&A後の統合プロセス)を推進しており、グループとして資本市場から適正に評価されるよう、積極的なPR・IR活動を継続する方針である。また、顧客との接点となるアプリの開発も進めている。
M&A戦略については、業界での競争激化が続き大手企業の寡占化が進むなかで、同社においてもFC展開とともに成長戦略の柱の1つとして推進していく考えだ。八光殿及び東海典礼のM&Aから1年余りが経過し、PMIのノウハウもある程度蓄積されてきたことから、条件に適う案件であれば前向きに検討する方針だ。
また、同社はYouTubeやTikTok、InstagramなどのSNSを活用したプロモーション活動も展開しており、創業30周年を機に本格派ショートドラマ「最期の、ありがとう。」を制作し、YouTube等で10月より配信開始した。配信を通じて、葬儀業界についての理解を促し、働くことの意義を伝えることで採用面でのプラスの効果を期待しているほか、同社の葬儀におけるポリシーを伝え、終活について考える機会を醸成することで「ティアの会」会員数の拡大にもつなげていきたい考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 中期経営計画
(1) 中期経営計画の概要と数値目標
2025年11月に発表した中期経営計画(2026年9月期~2028年9月期)では、「新生ティアグループ」のスローガンの下、1) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充、2) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化、3) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上、4) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こしの4点を重点テーマとして取り組む方針だ。
最終年度となる2028年9月期の業績目標は、売上高25,790百万円、営業利益2,545百万円、経常利益2,330百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,340百万円としており、3年間の年平均成長率は売上高で6.1%、営業利益で15.7%と利益ベースで高成長を見込んでおり、最終年度の営業利益率は9.9%と前期の7.6%から2.3ポイント上昇する見通しだ。グループ店舗数は290店舗(うち、FC店107店舗)と3年間で71店舗の増加を見込んでいる(うち、FC店舗は33店舗増)。業績計画は、2026年9月期の業績予想をベースに、2期目以降の売上高は既存店売上を横ばいとしつつも、新店稼働による増収を見込んでいる。経費についても2期目以降の既存店は横ばいを前提とし、新店稼働に伴う人件費・広告宣伝費・その他経費の増加を見込んだ数値となっている。
葬儀件数は新規出店効果により年率7.9%で増加する一方、葬儀単価は低料金プランの葬儀ニーズ増加も考慮して緩やかな下落を前提としている。また、「ティア」ブランドの全国展開に向けて引き続きM&Aも前向きに検討しているが、中期経営計画には含めておらずM&Aの成約状況次第では上振れする可能性もある。
(2) 重点施策
a) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充
出店計画については、東海・関西・首都圏エリアにおいてドミナント戦略により継続的な出店を行い、地域内シェアの拡大を図る。年間の出店ペースは、ティア直営で5~7店舗、八光殿で3~4店舗、東海典礼で3店舗となり、ティア北海道も2027年9月期より年間2店舗ペースで出店していく計画だ。
現在39店舗を出店している名古屋市内も、新興の葬儀社が進出してきたことから空白地帯に出店していく可能性がある。関西圏については八光殿が主体となって出店を進めていくほか、FC加盟企業である南海グリーフサポートとの連携により大阪南部で出店を進めていきたい考えだ。
FC展開については、年間10~12店舗ペースの出店を計画している。既存オーナーによる出店に加え、加盟企業の増加による出店増を見込んでいる。2025年11月にはFC加盟企業の(合)アネシスが直葬ホール「ティア立川」(東京都立川市)を出店するなど、地域特性に応じた店舗を出店する予定だ。
同社では、多様化する葬儀ニーズに対応すべく、マルチブランドの推進を2023年から推進してきた。具体的には、社葬や大規模葬に対応する「ティアPREMIUM」、家族葬・直葬・民生葬・福祉葬を対象とする「ティア」、一日葬・火葬式に対応したサービスとして「ティアシンプル」と、大きく3ブランドで展開してきた。「ティアシンプル」については、2024年4月より東海典礼の「ティア」会館で、同年6月には関西エリア(直営及び八光殿)でWeb経由での受注を開始するなどサービスエリアを広げたこともあって、2025年9月期の取扱件数が1,800件超と前期比で約2割増加した。今後も非会員の需要を取り込むことで葬儀件数の増加につなげていく。
b) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化
同社は、「ティアの会」会員や提携団体の顧客に対するLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図るため、未来開発事業本部においてTLD領域の新規事業の開発を積極的に進めている。同本部に配属された9名のアウトバウンドコールチームが顧客に対して各種サービスの提案活動を行っており、2025年9月期より新たに新規サービスとして、介護付き有料老人ホーム紹介サービス※1、高齢者等終身サポートサービス※2、空き家活用サポートサービス※3を開始した。今後も顧客(故人やその遺族)のライフステージに合わせて、生前準備・葬儀・葬儀後に至る各段階で関連するサービスを提供することでLTVの最大化を図る。
※1 老人ホーム紹介サービスを手掛ける会社にFC加盟し、「ティアの会」会員向けに入居案内を行うとともに、医療機関や居宅介護支援事業所に法人営業を実施する。契約期間に応じて売上を計上するため、収益への貢献は限定的であるが、「ティアの会」と同様に顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※2 病院への入院や介護施設等への入所の際の手続き支援、日用品の買い物など日常生活の支援、葬儀や死後の財産処分などの死後事務を、家族や親族に代わり支援するサービス。収益への貢献は介護付き有料老人ホーム紹介サービスと同様に限定的であるが、顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※3 オーナーに代わって空き家を借上げ、同社が運用代行するサービス。
また、グループ間連携強化の取り組みとして、商品開発やユーザビリティ向上など、総合的なマーチャンダイジングを推進しているほか、葬儀付帯業務の内製化による外注費の削減、グループ物流体制の構築などに取り組んでいる。物流センターについてはBCP対策もあって、2025年9月に東海エリアに第2センターを開設し、東海典礼の物流拠点としても活用している。今後は関西に物流センターの開設を検討している。
c) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上
人財戦略については、人財の確保と育成、働く環境の整備を重点項目と位置付けて、取り組みを推進していく。人財確保については、多様化する採用環境に対応した施策を積極的に推進し、「ティアアカデミー」の教育カリキュラムを八光殿や東海典礼に展開することで、グループとしての営業力の底上げを図る。また、新卒採用については、同社が年間20名、八光殿が同10名、東海典礼が同5名の合計35名のペースで採用を続ける計画だ。同社の2026年春の新卒採用は内定数で20名を超えるなど順調に進んでいるようだ。
d) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こし
ブランド戦略として、同社は八光殿及び東海典礼、ティア北海道のPMI(M&A後の統合プロセス)を推進しており、グループとして資本市場から適正に評価されるよう、積極的なPR・IR活動を継続する方針である。また、顧客との接点となるアプリの開発も進めている。
M&A戦略については、業界での競争激化が続き大手企業の寡占化が進むなかで、同社においてもFC展開とともに成長戦略の柱の1つとして推進していく考えだ。八光殿及び東海典礼のM&Aから1年余りが経過し、PMIのノウハウもある程度蓄積されてきたことから、条件に適う案件であれば前向きに検討する方針だ。
また、同社はYouTubeやTikTok、InstagramなどのSNSを活用したプロモーション活動も展開しており、創業30周年を機に本格派ショートドラマ「最期の、ありがとう。」を制作し、YouTube等で10月より配信開始した。配信を通じて、葬儀業界についての理解を促し、働くことの意義を伝えることで採用面でのプラスの効果を期待しているほか、同社の葬儀におけるポリシーを伝え、終活について考える機会を醸成することで「ティアの会」会員数の拡大にもつなげていきたい考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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