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デリカフHD Research Memo(1):中期経営計画の業績目標を2026年3月期に1年前倒しで達成する見込み
配信日時:2025/12/15 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST デリカフHD Research Memo(1):中期経営計画の業績目標を2026年3月期に1年前倒しで達成する見込み
■要約
デリカフーズホールディングス<3392>は、外食・中食業界向けにカット野菜やホール(丸)野菜等を卸す業務用青果物流通加工業の国内最大手で、農産物の流通を通じて農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献する付加価値創造型企業である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比9.8%増の30,810百万円、経常利益で1,258百万円(前年同期は73百万円の損失)と過去最高を更新し、期初会社予想(売上高29,500百万円、経常利益700百万円)に対しても上回って着地した。主要販売先である外食業界向け売上がインバウンド需要を追い風に堅調に推移したことに加え、人手不足を背景にカット野菜のニーズが高まっていることが主な増収要因となった。利益面では、野菜価格が落ち着くなかで、本部集中仕入による調達コストの安定化、在庫の厳格管理を実施したことや廃棄ロスの削減が進んだことが、増益かつ計画比上振れの要因となった。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、10月に期初計画(売上高61,000百万円、経常利益1,500百万円)を上方修正し、売上高で前期比8.9%増の64,000百万円、経常利益で同137.6%増の2,100百万円を見込んでいる。下期だけで見ると売上高で1,690百万円、経常利益で40百万円の上方修正となっており、利益ベースではやや控えめな印象も受けるが、気候変動による市況変動リスクや新規事業の立ち上げ費用なども考慮した計画になっているものと思われる。新規事業として、2025年9月より新設子会社の農業法人デリカファーム(株)で業務用の赤系トマトや種無しピーマンの栽培を開始した。また、2026年2月に愛知県内に竣工予定の貯蔵施設「東海マザーセンター」(エフエスロジスティックス(株)運営)で、長期鮮度保持技術を用いた野菜の長期保存の検証・実用化に取り組むほか、野菜の仕分け・選果・パッケージ作業も請け負う計画となっている。
3. 中期経営計画の進捗状況
同社は2025年3月期からスタートした第5次中期経営計画において、1) 各種ポートフォリオの変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大、の3点を重点施策として取り組み、青果物の流通加工企業としてさらなる飛躍を目指している。経営数値目標としては、2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円、ROE(自己資本当期利益率)10.2%を掲げていたが、いずれも1年前倒しで達成する公算が大きくなったため、下期の状況を見極めて改めて策定する予定だ。また、今後のさらなる成長に向けて、新たな戦略を発表している。具体的には、「農業への参入」「輸入野菜の国産化」「長期保存技術の開発」「就農支援プラットフォームの構築」の4点であり、これらの取り組みを通じ、「持続可能な農業の実現」、気候変動リスクに耐えうる強固な「青果物流通プラットフォーム」の構築を目指す。全国に構築したFSセンター※を軸に、これら成長戦略を推進することで、長期業績目標である売上高1,000億円、経常利益率4〜5%、ROE10〜15%の達成への道筋をつけていく方針である。
※ FS(Fresh & Speedy)センターは、物流機能とカット野菜等の製造加工機能を持つ。東京、奈良、西東京、中京、埼玉、九州、大阪、仙台(提携拠点)に開設している。
4. 株主還元方針
株主還元については継続的かつ安定的な還元を実施し、連結配当性向30%程度を目安に累進的配当を堅持することを基本方針としている。2026年3月期の1株当たり配当金は業績の上方修正を踏まえ、期初予想から7.0円増配の22.0円(配当性向26.1%)とすることを発表した。また、株主優待制度も導入しており、保有株式数や継続保有期間によって自社商品またはクオカード、自社運営サイト(RAKUSAI)で利用できるポイントの付与を行っている。
■Key Points
・2026年3月期中間期は売上原価率の改善効果で過去最高業績を大幅更新
・2026年3月期業績計画を上方修正、農業事業に参入するなど新たな取り組みにも着手
・中期業績目標は1年前倒しで達成見込み、新戦略を追加し将来的に売上高1,000億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
デリカフーズホールディングス<3392>は、外食・中食業界向けにカット野菜やホール(丸)野菜等を卸す業務用青果物流通加工業の国内最大手で、農産物の流通を通じて農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献する付加価値創造型企業である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比9.8%増の30,810百万円、経常利益で1,258百万円(前年同期は73百万円の損失)と過去最高を更新し、期初会社予想(売上高29,500百万円、経常利益700百万円)に対しても上回って着地した。主要販売先である外食業界向け売上がインバウンド需要を追い風に堅調に推移したことに加え、人手不足を背景にカット野菜のニーズが高まっていることが主な増収要因となった。利益面では、野菜価格が落ち着くなかで、本部集中仕入による調達コストの安定化、在庫の厳格管理を実施したことや廃棄ロスの削減が進んだことが、増益かつ計画比上振れの要因となった。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、10月に期初計画(売上高61,000百万円、経常利益1,500百万円)を上方修正し、売上高で前期比8.9%増の64,000百万円、経常利益で同137.6%増の2,100百万円を見込んでいる。下期だけで見ると売上高で1,690百万円、経常利益で40百万円の上方修正となっており、利益ベースではやや控えめな印象も受けるが、気候変動による市況変動リスクや新規事業の立ち上げ費用なども考慮した計画になっているものと思われる。新規事業として、2025年9月より新設子会社の農業法人デリカファーム(株)で業務用の赤系トマトや種無しピーマンの栽培を開始した。また、2026年2月に愛知県内に竣工予定の貯蔵施設「東海マザーセンター」(エフエスロジスティックス(株)運営)で、長期鮮度保持技術を用いた野菜の長期保存の検証・実用化に取り組むほか、野菜の仕分け・選果・パッケージ作業も請け負う計画となっている。
3. 中期経営計画の進捗状況
同社は2025年3月期からスタートした第5次中期経営計画において、1) 各種ポートフォリオの変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大、の3点を重点施策として取り組み、青果物の流通加工企業としてさらなる飛躍を目指している。経営数値目標としては、2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円、ROE(自己資本当期利益率)10.2%を掲げていたが、いずれも1年前倒しで達成する公算が大きくなったため、下期の状況を見極めて改めて策定する予定だ。また、今後のさらなる成長に向けて、新たな戦略を発表している。具体的には、「農業への参入」「輸入野菜の国産化」「長期保存技術の開発」「就農支援プラットフォームの構築」の4点であり、これらの取り組みを通じ、「持続可能な農業の実現」、気候変動リスクに耐えうる強固な「青果物流通プラットフォーム」の構築を目指す。全国に構築したFSセンター※を軸に、これら成長戦略を推進することで、長期業績目標である売上高1,000億円、経常利益率4〜5%、ROE10〜15%の達成への道筋をつけていく方針である。
※ FS(Fresh & Speedy)センターは、物流機能とカット野菜等の製造加工機能を持つ。東京、奈良、西東京、中京、埼玉、九州、大阪、仙台(提携拠点)に開設している。
4. 株主還元方針
株主還元については継続的かつ安定的な還元を実施し、連結配当性向30%程度を目安に累進的配当を堅持することを基本方針としている。2026年3月期の1株当たり配当金は業績の上方修正を踏まえ、期初予想から7.0円増配の22.0円(配当性向26.1%)とすることを発表した。また、株主優待制度も導入しており、保有株式数や継続保有期間によって自社商品またはクオカード、自社運営サイト(RAKUSAI)で利用できるポイントの付与を行っている。
■Key Points
・2026年3月期中間期は売上原価率の改善効果で過去最高業績を大幅更新
・2026年3月期業績計画を上方修正、農業事業に参入するなど新たな取り組みにも着手
・中期業績目標は1年前倒しで達成見込み、新戦略を追加し将来的に売上高1,000億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
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