注目トピックス 日本株
BS11 Research Memo(5):重点施策「Value4」が着実に浸透(1)
配信日時:2025/12/03 13:05
配信元:FISCO
*13:05JST BS11 Research Memo(5):重点施策「Value4」が着実に浸透(1)
■日本BS放送<9414>の業績の動向
3. 2025年8月期における主要トピックス
同社は、中長期戦略の中で、戦略実行に向けた「6つの力」として「実行力」「変化対応力」「改革推進力」「戦略構築力」「マーケティング力」「企画力」を定義しており、これら6つの力を強化・実践するための重点施策として、2025年8月期は、(1) コンテンツ価値の向上、(2) 「稼ぐ力」の再構築、(3) 放送周辺事業の強化と発展、(4) 企業価値向上のための戦略的投資の4つの施策を「Value4」として掲げ、推進した。
(1) コンテンツ価値の向上
1) レギュラー番組の充実
総合編成を行う放送局として引き続き、報道や紀行、スポーツ、エンタメといった幅広いジャンルの番組制作・放送に取り組んだ。特に、2025年8月期は、2つの旗艦番組『鶴瓶のええ歌やなぁ』、『黒谷友香、お庭つくります』のレギュラー放送を開始した。『鶴瓶のええ歌やなぁ』では、川中美幸さんや新沼謙治さん、錦野旦さん等といった、昭和の歌謡界を代表する歌手をゲストに迎えてヒット曲を連発していた頃の裏話を披露する等の楽しいトークで番組を盛り上げたほか、8月にはシンガーソングライターの小椋佳さんをゲストに迎えて小椋さんが手掛けた数々の名曲に関するエピソードを披露する等、視聴者の興味を惹きつける番組づくりを行った。また『黒谷友香、お庭つくります』では、俳優・黒谷友香さんが自ら自分だけの庭を一からつくる様子や、日本各地の花の咲き誇る庭園を訪ねてお庭づくりに携わる人々とふれあう様子を放送しており、引き続き好評を得ている。さらに同社の強みとするアニメ番組は、2025年8月期も毎クール約40タイトルの放送を実現した。幅広い作品ラインアップでアニメファンの確保に取り組んだ。また、アニメファンを惹きつける施策として、各クールの開始に合わせてオリジナル描き下ろしイラストによる「BS11アニメプログラムガイド」をビックカメラの店頭や国内各地の書店、アニメショップで配布することや、(株)壽屋との協業でBS11のアニメコンテンツを活用した「BS11×KOTOBUKIYAコトブキヤくじ」をオリジナルグッズとして販売する等の施策にも取り組んだ。
2) 特別番組の強化
独立放送局の強みを生かし、2025年8月期も特別番組のジャンル拡充に取り組むとともに、他局や自治体との連携強化にも引き続き取り組んだ。2025年5月には『やきとり食べたい』を放送、一人称視点のカメラで実在する焼き鳥の名店を訪れ主人公のモノローグ(独白)で進行するという新感覚のグルメドラマのスタイルが好評で、視聴者から続編を望む声も挙がっている。また2025年6月には、還暦を迎えた俳優・鶴見辰吾さんが自身の役者人生の恩師である石井隆監督の故郷である宮城県を舞台に心に残る酒と旅の記憶を紡ぐ模様を伝える紀行番組『鶴見辰吾 酔いしれ旅〜僕の細道〜』を放送した。BS視聴者層に人気の高い紀行や歌謡をテーマにした特別番組が多く見受けられたほか、2025年6月に放送した、タレントのじゅんいちダビッドソンさんが山形県の白川ダムで遊びつくす『ダム湖で遊ぼーぜ!』等、BSらしい視聴者のニッチなニーズを捉えた番組の制作・放送にも取り組んだ。その他、国内20の放送局との協業を行い、京都の紅葉や全国の桜前線の模様をリレー形式でお届けする番組を放送したほか、びわ湖花火大会や祇園祭、京都五山送り火等、各地域のお祭りやイベントの魅力を、その地域の放送局と共同で制作・放送することで、より深い形で全国の視聴者に届けるという、独立BS局の同社ならではの強みを生かした企画も数多く実施した。
(2) 「稼ぐ力」の再構築
前述のレギュラー番組や特別番組の強化、アニメ番組やドラマ番組等のラインアップ充実といったコンテンツ価値向上策と合わせて、元々強みを持つ公営競技も強化。同社は従来JRA等との関係強化に努めており、競馬中継だけでなく、ボートレースやオートレースの放送を拡大し、主にM3層(50〜64歳の男性)やM4層(65歳以上の男性)に対する視聴率を確保してきた。競馬中継に関しては『BSイレブン競馬中継』を中心に、中央競馬や地方競馬の中継を実施、番組においてはレース本番の模様だけではなく、レース前のパドックや返し馬の状況を放送するほか、中継を見ながらリモコンのdボタンで出馬表・オッズ・払い戻しデータがリアルタイムで確認できる等、競馬ファンが親しみやすい番組づくりを心掛けている。またMCにお茶の間に人気の俳優や女性タレントを活用する等、番組視聴者層を広げる施策も行っている。ボートレースやオートレースは現状不定期番組としての放送が主であるが、同社は早くから放映権を取得しており、スリリングなレース展開を生中継することでファンを惹きつけている。公営競技については2025年8月期においてもタイム収入に大きく寄与しており、今後も広告枠販売で業績の寄与が期待される。
(3) 放送周辺事業の強化と発展
放送周辺事業の強化策として、配信オリジナルコンテンツの制作やオリジナル配信プラットフォームの充実、イベント事業の推進等に取り組んだ。配信事業の収益強化策としては、「BS11+」においてレギュラー番組を中心とした番組放送終了後の見逃し配信やアーカイブ配信に取り組んだほか、2025年5月には新たな会員プランとして「BS11+プレミアム」を開設。会員限定のオリジナルコンテンツをはじめ、各種特典を充実させることで会員数は順調に推移している。このほか、BS11公式YouTubeチャンネルでも、番組放送終了後の見逃し配信やアーカイブ配信を行っており、チャンネル登録者数は2025年11月末時点で40万人に達する等、同社の重要な配信チャネルとして機能している。また民放無料配信ポータルサイトTVerでは、自社制作番組に加え、ドラマコンテンツの視聴が好調に推移し、配信事業の収益力向上に大きく寄与している。イベント事業では、放送10周年を記念した「アニゲー☆イレブン!10周年だよ!歴代MC勢揃い!真夏の大感謝祭〜放送500回も一緒にお祝いSP〜」等の、自社制作番組の関連イベントの企画・開催に加え、若手人気演歌歌手らによる歌謡ショー「我ら演歌第7世代! BS11若手人気スター歌謡ショー」やジャズコンサート「SUPER SESSION 〜Precious Jazzy Time〜」等、音楽コンサートをはじめとした同社オリジナルイベントも数多く開催した。
(4) 企業価値向上のための戦略的投資
2025年8月期は、企業価値向上に向けた戦略的投資として、放送事業や周辺事業の収益力強化に向け、旗艦番組『鶴瓶のええ歌やなぁ』や『黒谷友香、お庭つくります』のレギュラー番組の立ち上げをはじめとした自社制作番組への投資に加え、毎クール約40タイトルのアニメ作品の放送を実現するための投資、女子ゴルフや女子バスケットボール、柔道等、テレビ視聴者に人気の高いスポーツコンテンツの放映権獲得に向けた投資等、強化すべきポイントを見極め、効率的にコンテンツ投資を行った。コラボレーション施策の推進においても、前述の地方局をはじめとした他局との番組の共同制作のほか、親会社ビックカメラとの協業施策として、ビックカメラグループの店舗で販売中の商品を同社の放送枠を活用して全国の消費者へ紹介するオリジナル通販番組『BS11テレビショッピング Supported by ビックカメラ』を放送。全国各地の視聴者から注文が届く等、同社と親会社との重要なシナジー戦略の1つとして機能しているようだ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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3. 2025年8月期における主要トピックス
同社は、中長期戦略の中で、戦略実行に向けた「6つの力」として「実行力」「変化対応力」「改革推進力」「戦略構築力」「マーケティング力」「企画力」を定義しており、これら6つの力を強化・実践するための重点施策として、2025年8月期は、(1) コンテンツ価値の向上、(2) 「稼ぐ力」の再構築、(3) 放送周辺事業の強化と発展、(4) 企業価値向上のための戦略的投資の4つの施策を「Value4」として掲げ、推進した。
(1) コンテンツ価値の向上
1) レギュラー番組の充実
総合編成を行う放送局として引き続き、報道や紀行、スポーツ、エンタメといった幅広いジャンルの番組制作・放送に取り組んだ。特に、2025年8月期は、2つの旗艦番組『鶴瓶のええ歌やなぁ』、『黒谷友香、お庭つくります』のレギュラー放送を開始した。『鶴瓶のええ歌やなぁ』では、川中美幸さんや新沼謙治さん、錦野旦さん等といった、昭和の歌謡界を代表する歌手をゲストに迎えてヒット曲を連発していた頃の裏話を披露する等の楽しいトークで番組を盛り上げたほか、8月にはシンガーソングライターの小椋佳さんをゲストに迎えて小椋さんが手掛けた数々の名曲に関するエピソードを披露する等、視聴者の興味を惹きつける番組づくりを行った。また『黒谷友香、お庭つくります』では、俳優・黒谷友香さんが自ら自分だけの庭を一からつくる様子や、日本各地の花の咲き誇る庭園を訪ねてお庭づくりに携わる人々とふれあう様子を放送しており、引き続き好評を得ている。さらに同社の強みとするアニメ番組は、2025年8月期も毎クール約40タイトルの放送を実現した。幅広い作品ラインアップでアニメファンの確保に取り組んだ。また、アニメファンを惹きつける施策として、各クールの開始に合わせてオリジナル描き下ろしイラストによる「BS11アニメプログラムガイド」をビックカメラの店頭や国内各地の書店、アニメショップで配布することや、(株)壽屋との協業でBS11のアニメコンテンツを活用した「BS11×KOTOBUKIYAコトブキヤくじ」をオリジナルグッズとして販売する等の施策にも取り組んだ。
2) 特別番組の強化
独立放送局の強みを生かし、2025年8月期も特別番組のジャンル拡充に取り組むとともに、他局や自治体との連携強化にも引き続き取り組んだ。2025年5月には『やきとり食べたい』を放送、一人称視点のカメラで実在する焼き鳥の名店を訪れ主人公のモノローグ(独白)で進行するという新感覚のグルメドラマのスタイルが好評で、視聴者から続編を望む声も挙がっている。また2025年6月には、還暦を迎えた俳優・鶴見辰吾さんが自身の役者人生の恩師である石井隆監督の故郷である宮城県を舞台に心に残る酒と旅の記憶を紡ぐ模様を伝える紀行番組『鶴見辰吾 酔いしれ旅〜僕の細道〜』を放送した。BS視聴者層に人気の高い紀行や歌謡をテーマにした特別番組が多く見受けられたほか、2025年6月に放送した、タレントのじゅんいちダビッドソンさんが山形県の白川ダムで遊びつくす『ダム湖で遊ぼーぜ!』等、BSらしい視聴者のニッチなニーズを捉えた番組の制作・放送にも取り組んだ。その他、国内20の放送局との協業を行い、京都の紅葉や全国の桜前線の模様をリレー形式でお届けする番組を放送したほか、びわ湖花火大会や祇園祭、京都五山送り火等、各地域のお祭りやイベントの魅力を、その地域の放送局と共同で制作・放送することで、より深い形で全国の視聴者に届けるという、独立BS局の同社ならではの強みを生かした企画も数多く実施した。
(2) 「稼ぐ力」の再構築
前述のレギュラー番組や特別番組の強化、アニメ番組やドラマ番組等のラインアップ充実といったコンテンツ価値向上策と合わせて、元々強みを持つ公営競技も強化。同社は従来JRA等との関係強化に努めており、競馬中継だけでなく、ボートレースやオートレースの放送を拡大し、主にM3層(50〜64歳の男性)やM4層(65歳以上の男性)に対する視聴率を確保してきた。競馬中継に関しては『BSイレブン競馬中継』を中心に、中央競馬や地方競馬の中継を実施、番組においてはレース本番の模様だけではなく、レース前のパドックや返し馬の状況を放送するほか、中継を見ながらリモコンのdボタンで出馬表・オッズ・払い戻しデータがリアルタイムで確認できる等、競馬ファンが親しみやすい番組づくりを心掛けている。またMCにお茶の間に人気の俳優や女性タレントを活用する等、番組視聴者層を広げる施策も行っている。ボートレースやオートレースは現状不定期番組としての放送が主であるが、同社は早くから放映権を取得しており、スリリングなレース展開を生中継することでファンを惹きつけている。公営競技については2025年8月期においてもタイム収入に大きく寄与しており、今後も広告枠販売で業績の寄与が期待される。
(3) 放送周辺事業の強化と発展
放送周辺事業の強化策として、配信オリジナルコンテンツの制作やオリジナル配信プラットフォームの充実、イベント事業の推進等に取り組んだ。配信事業の収益強化策としては、「BS11+」においてレギュラー番組を中心とした番組放送終了後の見逃し配信やアーカイブ配信に取り組んだほか、2025年5月には新たな会員プランとして「BS11+プレミアム」を開設。会員限定のオリジナルコンテンツをはじめ、各種特典を充実させることで会員数は順調に推移している。このほか、BS11公式YouTubeチャンネルでも、番組放送終了後の見逃し配信やアーカイブ配信を行っており、チャンネル登録者数は2025年11月末時点で40万人に達する等、同社の重要な配信チャネルとして機能している。また民放無料配信ポータルサイトTVerでは、自社制作番組に加え、ドラマコンテンツの視聴が好調に推移し、配信事業の収益力向上に大きく寄与している。イベント事業では、放送10周年を記念した「アニゲー☆イレブン!10周年だよ!歴代MC勢揃い!真夏の大感謝祭〜放送500回も一緒にお祝いSP〜」等の、自社制作番組の関連イベントの企画・開催に加え、若手人気演歌歌手らによる歌謡ショー「我ら演歌第7世代! BS11若手人気スター歌謡ショー」やジャズコンサート「SUPER SESSION 〜Precious Jazzy Time〜」等、音楽コンサートをはじめとした同社オリジナルイベントも数多く開催した。
(4) 企業価値向上のための戦略的投資
2025年8月期は、企業価値向上に向けた戦略的投資として、放送事業や周辺事業の収益力強化に向け、旗艦番組『鶴瓶のええ歌やなぁ』や『黒谷友香、お庭つくります』のレギュラー番組の立ち上げをはじめとした自社制作番組への投資に加え、毎クール約40タイトルのアニメ作品の放送を実現するための投資、女子ゴルフや女子バスケットボール、柔道等、テレビ視聴者に人気の高いスポーツコンテンツの放映権獲得に向けた投資等、強化すべきポイントを見極め、効率的にコンテンツ投資を行った。コラボレーション施策の推進においても、前述の地方局をはじめとした他局との番組の共同制作のほか、親会社ビックカメラとの協業施策として、ビックカメラグループの店舗で販売中の商品を同社の放送枠を活用して全国の消費者へ紹介するオリジナル通販番組『BS11テレビショッピング Supported by ビックカメラ』を放送。全国各地の視聴者から注文が届く等、同社と親会社との重要なシナジー戦略の1つとして機能しているようだ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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