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株式会社アーバネットコーポレーション×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(4)
配信日時:2025/11/28 11:34
配信元:FISCO
*11:34JST 株式会社アーバネットコーポレーション×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(4)
アーバネットコーポレーション<3242>
■アーバネットコーポレーション 服部様
はい、重要な部分については、先ほど申し上げたように特許や意匠登録でしっかりと保護しています。特にデザインに関しては、モノトーンを基調とした建物の外観や意匠の一部に関しても特許を取得しており、簡単には模倣できない構造になっています。
もっとも、「良いものが真似される」というのは業界では避けられないことでもあります。実際、私がこの都市型賃貸マンションの分野に参入した当時は、外観デザインといえば白・グレー・茶色が主流でした。しかし、「若い世代が住みたいと思うようなデザインにしたい」と考え、モノトーンを取り入れたスタイリッシュな外観を次々に展開したところ、結果的に業界全体に広がり、多くの会社が同様のデザインを採用するようになりました。
それはそれで良いことだと思っています。良いものが評価され、業界全体の水準が上がるのは歓迎すべきことです。一方で、当社では単なる模倣では追いつけないように、モノトーンに木目やアクセントカラーを取り入れるなど、新しいデザインの工夫を常に加えています。つまり、「良いものは真似されても構わない」。ただし、核となる独自技術やデザインは特許で守りつつ、常に一歩先を行く提案を続ける。それが当社のものづくりの基本姿勢です。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。
次にお伺いしたいのは、防災対策についてです。近年、集中豪雨や台風によるマンションの水害被害が深刻化していますが、御社のマンションではどのような防災への取り組みを行っているのでしょうか。
■アーバネットコーポレーション 服部様
非常に重要なご質問だと思います。防災への取り組みは、ESGの観点からも欠かせない永続的な開発の要素だと考えています。災害によって居住不能になるような住まいをつくることは、決してあってはならないことです。
当社では、2019年9月に関東地方を直撃した台風15号と、同年10月に発生した台風19号という、いずれも激甚災害に指定された大きな台風をきっかけに、防災対策を強化しました。
特に台風15号は「風(かぜ)台風」と呼ばれ、関東地方、特に東京と千葉の県境付近、船橋あたりに上陸しました。非常に強い風で、市川のゴルフ練習場のネットが住宅に倒れ込む被害が発生したほか、あるゴルフ場では約3,000本もの木が倒れるなど、甚大な被害がありました。
このときの平均風速は37.5メートルでした。関東地方では、建築物の設計基準が風速34メートルを想定して定められており、それを大きく上回るものでした。39メートルを基準とする地域は、室戸台風の被害を受けた地域や沖縄などに限られます。したがって、この37メートル超の風が関東を直撃したのは、観測史上初めてのことでした。気象庁が明治8年から観測を始めて以来、約140年間で初の出来事です。
これまで台風は関東に近づくと海水温の低下によって勢力を弱め、熱帯低気圧に変わっていました。しかし近年は温暖化の影響で関東近海の海水温が高く、台風が勢力を保ったまま上陸するようになっています。台風19号もその典型で、関東から福島、仙台方面まで広範囲に被害をもたらしました。こうした状況を踏まえ、私は「今後はさらに大規模な台風が関東を直撃する可能性がある」と判断しました。
そこで社内にプロジェクトチームを設け、台風発生から約半年後の2020年1月に「アーバネット防災プログラム」を発表しました。
このプログラムは、すべてのマンションに防災倉庫を自主的に設置し、行政からの要請を待たずに防災体制を整えるというものです。倉庫には非常時に必要な備品や物資を常備し、入居者の安全を確保する仕組みを構築しました。他のデベロッパーに先駆けて導入したこの取り組みにより、当社では「災害に強いマンションづくり」を実現し、ESG経営の一環としても継続的に強化を図っています。
内容を少しご説明しますと、当社の防災対策は大きく分けて「強風対策」「豪雨対策」「停電対策」の3つに分類されています。
まず強風対策についてですが、先ほどお話ししたように想定を超える風が吹くことを踏まえ、建物のアルミサッシの強度を高める設計としています。これは台風15号クラスの暴風にも耐えられるよう、通常よりも強度を確保した仕様です。
次に豪雨対策としては、集中豪雨で建物前の排水が追いつかず、雨水が玄関付近に流れ込むリスクを防ぐために、防水パネル(止水板)を設置できる構造を採用しています。これにより、短時間で大量の雨が降っても浸水を最小限に抑えることができます。
そして停電対策です。停電時には、室内の照明が突然消えることで避難や行動が困難になりますが、当社では各住戸に保安灯を設置しています。通常はコンセントに差し込まれており、停電すると自動的に点灯し、取り外せば懐中電灯として使用可能です。非常時に必要な物を探したり、避難時の照明として役立ちます。
さらに、各マンションの防災倉庫には防災ラジオを全住戸分備えています。これは懐中電灯とラジオ機能を兼ね備えたもので、乾電池のほか、ソーラーパネルによる充電にも対応しています。乾電池もソーラーも使えなくなった場合でも、手動発電(ハンドル充電)でスマートフォンなどを充電することができる優れものです。
また、もう一つ重要なのが簡易トイレキットです。災害時は停電や断水によりトイレが使用できなくなるケースが多く見られます。東日本大震災の際、仙台のマンション住民が「水や食料は支給されたが、とにかくトイレが使えず部屋中が臭くて困った」と話していたのを見て、私は「これではいけない」と強く感じました。その経験を踏まえ、当社では全住戸に3日分の簡易トイレキットを備蓄しています。排泄後に凝固剤で固めて密閉し、バルコニーなどに一時保管できるようになっており、衛生面にも配慮しています。
このように、風・雨・停電・断水といったさまざまな災害時でも、入居者の皆さまが「このマンションに住んでいてよかった」と思えるよう、万全の備えを整えています。
株式会社アーバネットコーポレーション×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(5)に続く
<KM>
■アーバネットコーポレーション 服部様
はい、重要な部分については、先ほど申し上げたように特許や意匠登録でしっかりと保護しています。特にデザインに関しては、モノトーンを基調とした建物の外観や意匠の一部に関しても特許を取得しており、簡単には模倣できない構造になっています。
もっとも、「良いものが真似される」というのは業界では避けられないことでもあります。実際、私がこの都市型賃貸マンションの分野に参入した当時は、外観デザインといえば白・グレー・茶色が主流でした。しかし、「若い世代が住みたいと思うようなデザインにしたい」と考え、モノトーンを取り入れたスタイリッシュな外観を次々に展開したところ、結果的に業界全体に広がり、多くの会社が同様のデザインを採用するようになりました。
それはそれで良いことだと思っています。良いものが評価され、業界全体の水準が上がるのは歓迎すべきことです。一方で、当社では単なる模倣では追いつけないように、モノトーンに木目やアクセントカラーを取り入れるなど、新しいデザインの工夫を常に加えています。つまり、「良いものは真似されても構わない」。ただし、核となる独自技術やデザインは特許で守りつつ、常に一歩先を行く提案を続ける。それが当社のものづくりの基本姿勢です。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。
次にお伺いしたいのは、防災対策についてです。近年、集中豪雨や台風によるマンションの水害被害が深刻化していますが、御社のマンションではどのような防災への取り組みを行っているのでしょうか。
■アーバネットコーポレーション 服部様
非常に重要なご質問だと思います。防災への取り組みは、ESGの観点からも欠かせない永続的な開発の要素だと考えています。災害によって居住不能になるような住まいをつくることは、決してあってはならないことです。
当社では、2019年9月に関東地方を直撃した台風15号と、同年10月に発生した台風19号という、いずれも激甚災害に指定された大きな台風をきっかけに、防災対策を強化しました。
特に台風15号は「風(かぜ)台風」と呼ばれ、関東地方、特に東京と千葉の県境付近、船橋あたりに上陸しました。非常に強い風で、市川のゴルフ練習場のネットが住宅に倒れ込む被害が発生したほか、あるゴルフ場では約3,000本もの木が倒れるなど、甚大な被害がありました。
このときの平均風速は37.5メートルでした。関東地方では、建築物の設計基準が風速34メートルを想定して定められており、それを大きく上回るものでした。39メートルを基準とする地域は、室戸台風の被害を受けた地域や沖縄などに限られます。したがって、この37メートル超の風が関東を直撃したのは、観測史上初めてのことでした。気象庁が明治8年から観測を始めて以来、約140年間で初の出来事です。
これまで台風は関東に近づくと海水温の低下によって勢力を弱め、熱帯低気圧に変わっていました。しかし近年は温暖化の影響で関東近海の海水温が高く、台風が勢力を保ったまま上陸するようになっています。台風19号もその典型で、関東から福島、仙台方面まで広範囲に被害をもたらしました。こうした状況を踏まえ、私は「今後はさらに大規模な台風が関東を直撃する可能性がある」と判断しました。
そこで社内にプロジェクトチームを設け、台風発生から約半年後の2020年1月に「アーバネット防災プログラム」を発表しました。
このプログラムは、すべてのマンションに防災倉庫を自主的に設置し、行政からの要請を待たずに防災体制を整えるというものです。倉庫には非常時に必要な備品や物資を常備し、入居者の安全を確保する仕組みを構築しました。他のデベロッパーに先駆けて導入したこの取り組みにより、当社では「災害に強いマンションづくり」を実現し、ESG経営の一環としても継続的に強化を図っています。
内容を少しご説明しますと、当社の防災対策は大きく分けて「強風対策」「豪雨対策」「停電対策」の3つに分類されています。
まず強風対策についてですが、先ほどお話ししたように想定を超える風が吹くことを踏まえ、建物のアルミサッシの強度を高める設計としています。これは台風15号クラスの暴風にも耐えられるよう、通常よりも強度を確保した仕様です。
次に豪雨対策としては、集中豪雨で建物前の排水が追いつかず、雨水が玄関付近に流れ込むリスクを防ぐために、防水パネル(止水板)を設置できる構造を採用しています。これにより、短時間で大量の雨が降っても浸水を最小限に抑えることができます。
そして停電対策です。停電時には、室内の照明が突然消えることで避難や行動が困難になりますが、当社では各住戸に保安灯を設置しています。通常はコンセントに差し込まれており、停電すると自動的に点灯し、取り外せば懐中電灯として使用可能です。非常時に必要な物を探したり、避難時の照明として役立ちます。
さらに、各マンションの防災倉庫には防災ラジオを全住戸分備えています。これは懐中電灯とラジオ機能を兼ね備えたもので、乾電池のほか、ソーラーパネルによる充電にも対応しています。乾電池もソーラーも使えなくなった場合でも、手動発電(ハンドル充電)でスマートフォンなどを充電することができる優れものです。
また、もう一つ重要なのが簡易トイレキットです。災害時は停電や断水によりトイレが使用できなくなるケースが多く見られます。東日本大震災の際、仙台のマンション住民が「水や食料は支給されたが、とにかくトイレが使えず部屋中が臭くて困った」と話していたのを見て、私は「これではいけない」と強く感じました。その経験を踏まえ、当社では全住戸に3日分の簡易トイレキットを備蓄しています。排泄後に凝固剤で固めて密閉し、バルコニーなどに一時保管できるようになっており、衛生面にも配慮しています。
このように、風・雨・停電・断水といったさまざまな災害時でも、入居者の皆さまが「このマンションに住んでいてよかった」と思えるよう、万全の備えを整えています。
株式会社アーバネットコーポレーション×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(5)に続く
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