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来週の株式相場に向けて=「エヌビディア」安で内需株復活か、仮想通貨下落も無視できず

配信日時:2025/11/21 17:58 配信元:MINKABU
 21日の東京市場で日経平均株価は前日比1198円安と急反落した。20日の1286円高をほぼ吐き出した格好だ。この乱高下を演出したのが、米国時間19日の取引終了後に発表された米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算だ。  同社の8~10月期連結純利益は前年同期比65%増となり最高益を更新した。市場予想を上回り「これ以上は望めない好内容」(アナリスト)との評価から、20日の東京市場では半導体などハイテク株を中心に急伸した。しかし、同日夜のNY市場でエヌビディア株は期待に反して3%安と下落。市場には「AIバブル崩壊か」との疑念が渦巻くなか、この日の東京市場ではアドバンテスト<6857.T>やソフトバンクグループ<9984.T>などAI・半導体関連株が軒並み安となった。  最大の関心は、エヌビディアの下落が一時的なものか、どうかだ。今後の展開に関しては「今年年初のディープシークショックの際と似たような展開となるのではないか」(市場関係者)との声がある。1~2カ月程度の調整を経て、再び最高値を更新するという見方だ。  AI関連の需要は依然として強く、エヌビディアの業績の堅調さは19日の決算発表で裏付けられた。そんななか、逆風となっているのは相場を巡る環境だ。ひとつは米利下げ期待が後退したことだ。更に、もう一つの要因として指摘されているのが、「足もとのビットコイン価格の下落も無視できないのではないか」という見方だ。テック株やビットコインなど仮想通貨に投資する資金には共通性があり、ビットコインの下落で投資家のセンチメントが悪化するなか、エヌビディアの好決算は絶好の売り場と捉えられた可能性もある。  となると、エヌビディアなどAI関連株の反騰には、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果の確認と仮想通貨価格の落ち着きが求められそうだ。10月下旬までAI関連株は急伸しただけに、いったんは一服局面も予想される。年末にかけては、この日も上昇した大成建設<1801.T>など建設株やイオン<8267.T>など小売り株、三井不動産<8801.T>など不動産株といった内需系株が見直され、TOPIX優位の展開も予想される。  来週のスケジュールでは、海外では25日に米11月消費者信頼感指数、9月卸売物価指数(PPI)、米10月米個人消費支出(PCE)物価指数、ベージュブック(米地区連銀報告)、27日は米国が感謝祭で休場。28日はブラックフライデー(年末セール開始)となる。米政府閉鎖は解除されたが、一部の経済指標の発表は変更されることもあり得る。24日にキーサイト・テクノロジー<KEYS>、ズーム・コミュニケーションズ<ZM>、25日にアナログ・デバイセズ、デル・テクノロジーズ<DELL>が決算発表を行う。  国内では、24日は勤労感謝の日の振替休日で休場。26日に10月企業向けサービス価格指数、28日に11月東京都区部消費者物価指数(CPI)、10月鉱工業生産が発表される。28日にトリケミカル研究所<4369.T>が決算発表を行う。27日にHUMAN MADE<456A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは4万7500~5万0000円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS

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