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  明日の株式相場に向けて=「理外の理」相場の本領発揮はこれから
        配信日時:2025/11/04 17:30
        配信元:MINKABU
      
     3連休明けとなった4日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比914円安の5万1497円と大幅反落。名実ともに11月相場入りとなったが、月初に荒れた値動きとなるのは見慣れた光景とはいえ意外なリスクオフだったといえる。前場段階では波乱の気配がなく、後場に前週末の上昇分を9割方吐き出し、安値引けとなったのには少々驚かされた。相変わらず闇の中を走るジェットコースターのような相場が続く。日経平均はきょうの大幅安を入れても5日移動平均線をサポートラインとした上昇トレンドを形成中で、テクニカル的には今の形が維持されている以上は、焦って売るべからずという判断が成り立つ。しかし、5万1000~2000円台の水準に高値警戒感がないと言えば嘘になる。日経平均のPER20倍台も視野に入ってきた現状に際して、この妥当性を明確に説明できる理由はない。ただ、一方で目が慣れてしまい、高PERを売り材料とする声もあまり聞こえてこない。
 米企業の業績は総じて堅調であることを印象づけたが、日本企業もここまで開示されている主力どころの決算を見る限りは上方修正が相次ぎ、思った以上に好実態であるといっても過言ではない。だが、「ファンダメンタルズ面からも強気を肯定するような環境は、今の相場では逆に危険な匂いがする」(中堅証券ストラテジスト)という指摘もある。上昇相場は“懐疑の中で育つ”というが、その格言通りこれまでの強烈な株高は、首を捻る市場関係者を横目に水準を切り上げてきた相場でもあった。仮に皆が強気になってしまえばそれは上昇トレンドの終息が近いことを意味する。10月末現在の空売り比率は東証合計で36.16%と低調であった。“売り方が懲りている”状況を示唆しており、裏を返せば踏み上げを原動力とするような上昇相場のシナリオからは外れてしまっている。売り方不在の上昇相場というのは、基本続かないのである。
 11月相場はアノマリー的には過去10年間の月足が9勝1敗という抜群の強さを発揮している。ただ、今年は10月の日経平均上昇幅が7478円、率にして16%を超える極め付きの強気相場を演じたことで、その反動を警戒する動きは当然出てくる。ここまで大方の予想を良い意味で大きく裏切る上げ相場をみせてきただけに、今年は過去9勝1敗のアノマリーが覆されても、むしろ既定路線のような納得感がある。ただ、その方が年末高の楽しみを残すということにもなり、仮に弱い地合いであればなおのこと11月は前向きに相場と対峙すべき月ともいえそうだ。
 当面、個別株は決算プレーの奔流がその他の材料や思惑を飲み込んでしまうような地合いが想定される。しかし、決算跨ぎという丁半博打は短期売買の中でも特に刹那的であり、そのタイミングを敢えてずらす方が、株価の値幅取り効果を高めることになりやすい。決算プレーに直接絡まない銘柄に活路を見いだすのが本道である。
 フィジカルAI関連ではCIJ<4826.T>が突発人気化したが、AIロボット分野で先駆的に実績をあげている企業ということもさることながら、本質的には株価の値ごろ感に加えて信用買い残などの需給面で重さがないこと、そしてもう一つ、進捗率から今期業績見通しに上振れ余地があることが好感されている。このほか、AIとロボティクスの融合という切り口で注目される銘柄として山善<8051.T>に注目したい。同社の場合はより積極的に、ロボティクスベンチャー企業と協業体制で物流分野の人型ロボット導入に注力姿勢を示している。ヒューマノイド・ロボット市場は2030年代に向け年平均1.5倍ペースで伸びていくとも試算されており、山善の貪欲な取り組みが日の目を見る可能性は十分にある。
 また高市トレード関連では、三菱鉛筆<7976.T>が人気化素地を開花させる気配を漂わせている。同社が製造する「ジェットストリーム」は使ったことがある人であれば、その書き心地の滑らかさは理解できると思われるが、これを高市早苗首相が愛用しているとの報道が消費者の購入意欲に火をつけた状態になっているという。これだけで株価を大きく突き動かす材料となるのが相場でもある。このほか、理外の理で上がる要素をはらんでいる銘柄としてはテセック<6337.T>がある。足もとの業績は低迷しているが持っている技術は超一流。個別半導体用テスターで世界首位級の実力を持つ。AIデータセンターの建設ラッシュで課題となっている電力コントロールに絡む半導体の選別装置(ハンドラ)で特需が発生している。
 あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(9月18~19日開催分)、10月のマネタリーベースが朝方取引開始前に開示される。前場取引時間中に10年物国債の入札が行われる。後場取引時間中に10月の財政資金対民間収支が発表される。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にクラシコ<442A.T>が新規上場する。国内主要企業の決算発表では大林組<1802.T>、日本製鉄<5401.T>、トヨタ自動車<7203.T>、三井物産<8031.T>、サンリオ<8136.T>、ソフトバンク<9434.T>などが予定されている。海外では10月のレーティングドッグ中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、ポーランド中銀、スウェーデン中銀、ブラジル中銀などが政策金利を発表する。また、米国では10月のADP雇用リポート、10月のISM非製造業景況感指数など。米主要企業の決算ではマクドナルド<MCD>、クアルコム<QCOM>などがある。なお、インド市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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