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富士紡ホールディングス---2Q増収・2ケタ増益、通期連結業績予想の上方修正に加えて期末配当金の増配を発表

配信日時:2025/11/04 15:10 配信元:FISCO
*15:10JST 富士紡ホールディングス---2Q増収・2ケタ増益、通期連結業績予想の上方修正に加えて期末配当金の増配を発表 富士紡ホールディングス<3104>は31日、2026年3月期第2四半期(25年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比7.0%増の225.28億円、営業利益が同26.0%増の37.71億円、経常利益が同27.1%増の39.04億円、親会社株主に帰属する中間純利益が同30.3%増の27.30億円となった。

研磨材事業の売上高は前年同期比16.7%増の107.44億円、営業利益は同37.3%増の29.18億円となった。超精密加工用研磨材の半導体デバイス用途(CMP)は、生成AIの普及によるHBMなどのメモリや最先端ロジック向け半導体の需要の増加とそれに伴う一部ユーザーの在庫水準の引き上げにより受注が増加した。シリコンウエハー用途は、汎用品用途の需要は弱いものの、先端品用途の需要は堅調で一定水準の売上を確保した。ハードディスク用途はデータセンター向けの需要が戻り、液晶ガラス用途では中国の補助金政策によりパネル需要が好調に推移し、受注が増加した。

化学工業品事業の売上高は同5.7%増の72.12億円、営業利益は同22.1%増の7.26億円となった。機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、半導体を含む電子材料市場の拡大が継続していることに加え、在庫調整が続いていた農薬市況においても緩やかな回復傾向が見られ、受注が堅調に推移した。また、柳井・武生両工場の稼働も総じて高い水準を維持した。

生活衣料事業の売上高は同11.2%減の31.46億円、営業利益は同30.5%減の2.23億円となった。繊維素材は、人件費の増加やコストの高騰、円安の影響を受け、厳しい環境が続いている。一方、繊維製品においては、ネット販売では、SNSや検索広告などのWebマーケティングを強化し、ネット限定製品の拡充を図ることで効果的な商品訴求を図った。また、高品質な日本製品が評価され、海外向けの販売は好調に推移した。しかし、量販店向けの販売は売場縮小に加え猛暑による来店客数の減少や消費者の買い控えの影響を受けた。

その他の売上高は同4.0%減の14.26億円、営業損失0.97億円(前年同期は0.50億円の損失)となった。化成品部門は、医療機器用部品およびデジタルカメラ用部品の受注が堅調となり、前年比で増収増益となった。金型部門は、自動車用途では、自動車メーカーの品質不正問題やEV化シフトの遅れ、対米向け関税の影響などにより、依然として不透明な状況が続いているが、2026年度に向けて案件の引き合いが増加してきており、回復の兆しが見えてきている。一方、事務機器用途では、開発案件の端境期にあることや、車載コネクタやスマートフォン向けホットランナーの需要が低調であり、厳しい状況が続いた。

2026年3月期通期については、同日、連結業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比5.8%増(前回予想比1.7%減)の454.00億円、営業利益が同15.8%増(同7.1%増)の75.00億円、経常利益が同15.4%増(同6.9%増)の77.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.7%増(同6.4%増)の50.00億円としている。

また、2026年3月期通期連結業績予想の修正等を踏まえ、期末配当予想を前回予想の1株当たり75.00円から10.00円増配し、85.00円にすることを発表した。この結果、中間配当金(1株あたり75.00円)と合わせた当期の年間配当金予想は1株あたり160.00円となる。

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