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松田産業:高まる資源循環需要を追い風に持続的成長を続ける総合商社型企業
配信日時:2025/10/30 09:37
配信元:FISCO
*09:37JST 松田産業:高まる資源循環需要を追い風に持続的成長を続ける総合商社型企業
松田産業<7456>は、貴金属リサイクルと食品原材料の2事業を軸に展開する企業である。創業90年を迎え、祖業である「資源の有効活用」をソリューションとした事業を多角的に展開している。貴金属関連事業では、資源の回収から精製・加工、販売、さらには廃棄物処理まで一貫した体制を構築し、電子機器、自動車、化学産業に向けた高機能材料を提供する。また、食品関連事業では水産品、畜産品、農産品を世界各地から調達し、品質保証を徹底した上で国内外の顧客に安定供給する体制を確立している。これらの事業は社会的課題の解決と顧客ニーズへの対応を同時に実現しており、同社の成長は持続的なものとなっている。
同社の強みは、第一に貴金属リサイクルをはじめとする資源循環の技術力である。貴金属関連事業においては、高度な剥離・洗浄技術や高純度素材の供給、広域的な収集ネットワークにより、多様なリサイクル需要に応え、環境負荷低減と付加価値創出を両立している。これは早期から設備投資と研究開発を進めてきたことによることが大きく、特に技術的ハードルが高いとされる少量多品種の不良品・廃棄物に強みを持つ。第二に、原料の回収・加工・産廃処理といった資源循環に関する処理をワンストップで担うことができる点である。特に半導体や精密機器の製造ラインは年々複雑化しており、それに伴い工程が増えるリサイクル処理をまとめて担える同社への信頼は一層高まっている。製造過程に関する機密を保持するという観点でも同社の信頼性は高く、一括で依頼できることの価値は大きい。第三に、長期的な投資姿勢である。国内外での工場リニューアルや拠点拡充により供給能力を強化し、環境価値を高めながら新市場開拓を進めている。
直近の業績では、2026年3月期第1四半期において売上高146,627百万円(前年同期比31.2%増)、営業利益3,743百万円(同19.7%増)と増収増益を達成した。セグメント別では、貴金属関連事業が売上高115,526百万円(同34.7%増)、営業利益2,782百万円(同15.2%増)と金相場上昇や電子部品・半導体関連需要の拡大を背景に好調だった。また、食品関連事業も売上高31,112百万円(同19.5%増)、営業利益961百万円(同35.1%増)と、インバウンド需要や価格転嫁効果で堅調に推移した。通期予想では売上高490,000百万円(前期比4.5%増)、営業利益13,500百万円(同6.5%増)としており、上期の好調に加えて下期以降の電子部品・半導体製造に関連した需要の回復を想定している。
今後の成長見通しについては、同社が策定した中期経営計画に基づき、2026年3月期に売上高3,000億円、営業利益130億円、ROE9%を目標としており、この3項目はすべて達成見通しとなっている。成長ドライバーとして、貴金属分野では二次電池やEスクラップ市場の開拓を通じた資源循環ビジネスの高度化などが挙げられる。国内外問わず、引き続き電子部品・半導体製造に関する資源循環ビジネスがメインターゲットであり、今後も製造工程が増加・高度化していく中で少量多品種のリサイクルを柔軟に行える強みを存分に発揮し、EVシフトやAIデータセンター増設といったグローバルニーズの拡大に応じて取引量と付加価値をともに向上させていく。海外展開においても、既存の東南アジア拠点などを軸に、現地の日系・外資系メーカーに積極的に働きかけ拡販を目指す。
株主還元に関しては、DOE1.5%を目安とした安定配当を掲げ、上場以来一度も減配することなく累進配当を継続している。2026年3月期は年間配当を90円(前期比15円増)とする計画である。財務健全性・成長投資・株主還元の3本の柱のバランスを取りながら、今後も安定的かつ少しずつ、還元を実施することとしている。
総じて、松田産業は貴金属リサイクルと食品供給の両輪で持続的な成長を実現している。資源循環型モデルを強みに、生成AIや二次電池といった新市場の需要取り込みを進めつつ、食品分野でも提案型営業とグローバル調達を武器に成長を続けている。環境負荷低減と収益成長を両立させる同社の姿勢は長期的に評価でき、今後の展開に注目していきたい。
<HM>
同社の強みは、第一に貴金属リサイクルをはじめとする資源循環の技術力である。貴金属関連事業においては、高度な剥離・洗浄技術や高純度素材の供給、広域的な収集ネットワークにより、多様なリサイクル需要に応え、環境負荷低減と付加価値創出を両立している。これは早期から設備投資と研究開発を進めてきたことによることが大きく、特に技術的ハードルが高いとされる少量多品種の不良品・廃棄物に強みを持つ。第二に、原料の回収・加工・産廃処理といった資源循環に関する処理をワンストップで担うことができる点である。特に半導体や精密機器の製造ラインは年々複雑化しており、それに伴い工程が増えるリサイクル処理をまとめて担える同社への信頼は一層高まっている。製造過程に関する機密を保持するという観点でも同社の信頼性は高く、一括で依頼できることの価値は大きい。第三に、長期的な投資姿勢である。国内外での工場リニューアルや拠点拡充により供給能力を強化し、環境価値を高めながら新市場開拓を進めている。
直近の業績では、2026年3月期第1四半期において売上高146,627百万円(前年同期比31.2%増)、営業利益3,743百万円(同19.7%増)と増収増益を達成した。セグメント別では、貴金属関連事業が売上高115,526百万円(同34.7%増)、営業利益2,782百万円(同15.2%増)と金相場上昇や電子部品・半導体関連需要の拡大を背景に好調だった。また、食品関連事業も売上高31,112百万円(同19.5%増)、営業利益961百万円(同35.1%増)と、インバウンド需要や価格転嫁効果で堅調に推移した。通期予想では売上高490,000百万円(前期比4.5%増)、営業利益13,500百万円(同6.5%増)としており、上期の好調に加えて下期以降の電子部品・半導体製造に関連した需要の回復を想定している。
今後の成長見通しについては、同社が策定した中期経営計画に基づき、2026年3月期に売上高3,000億円、営業利益130億円、ROE9%を目標としており、この3項目はすべて達成見通しとなっている。成長ドライバーとして、貴金属分野では二次電池やEスクラップ市場の開拓を通じた資源循環ビジネスの高度化などが挙げられる。国内外問わず、引き続き電子部品・半導体製造に関する資源循環ビジネスがメインターゲットであり、今後も製造工程が増加・高度化していく中で少量多品種のリサイクルを柔軟に行える強みを存分に発揮し、EVシフトやAIデータセンター増設といったグローバルニーズの拡大に応じて取引量と付加価値をともに向上させていく。海外展開においても、既存の東南アジア拠点などを軸に、現地の日系・外資系メーカーに積極的に働きかけ拡販を目指す。
株主還元に関しては、DOE1.5%を目安とした安定配当を掲げ、上場以来一度も減配することなく累進配当を継続している。2026年3月期は年間配当を90円(前期比15円増)とする計画である。財務健全性・成長投資・株主還元の3本の柱のバランスを取りながら、今後も安定的かつ少しずつ、還元を実施することとしている。
総じて、松田産業は貴金属リサイクルと食品供給の両輪で持続的な成長を実現している。資源循環型モデルを強みに、生成AIや二次電池といった新市場の需要取り込みを進めつつ、食品分野でも提案型営業とグローバル調達を武器に成長を続けている。環境負荷低減と収益成長を両立させる同社の姿勢は長期的に評価でき、今後の展開に注目していきたい。
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