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三和油化工業:10月に年初来高値更新、PBR1倍到達・中計達成で株価は6割高
配信日時:2025/10/29 17:40
配信元:FISCO
*17:40JST 三和油化工業:10月に年初来高値更新、PBR1倍到達・中計達成で株価は6割高
リユース事業・リサイクル事業・化学品事業・自動車事業・エンジニアリング事業と5つの事業を展開する三和油化工業<4125>は株価の転換局面を迎えている。4月7日に底値1080円を付けて以降、10月15日には年初来高値1797円を付けた。順調な業績を横目に右肩上がりで上昇しており、今後さらなる堅調推移が期待される。PBR0.6倍台で推移するなか、PBR1倍に是正するだけでも株価は現状水準から6割高の水準となる(現在1738円)。
また、中期経営計画では2028年3月期に売上高210億円・営業利益17億円、2031年3月期に売上350億円・営業利益42億円を目標としている。M&Aも成長施策の一環として事業成長も図るなか、2028年3月期までのCAGR30%成長で予想EPS289.63円、現状PER10倍で2800円台に迫る数値が試算される。
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高4,009百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益222百万円(前年同期比2.3%増)と増収増益で着地した。化学品事業の復調およびリユース・リサイクル事業による安定した売上・利益の確保を横目に、将来の需要増加に備えた投資及びコスト増加分を吸収して増収増益を確保した。事業別では、リユース事業は溶剤・リン酸の再生製品は数量・単価ともに前年並。リサイクル事業は廃棄物由来燃料の引合が強く再生燃料の単価上昇し、引取単価の高い難処理物の収集量も回復した。化学品は半導体およびEV向けバインダーの高純度製品の需要が好調で販売数量が増加、自動車事業は高機能品の数量減少も汎用製品の販売増でリカバリーしたようだ。
通期計画では、売上高17,000百万円(前期比6.0%増)、営業利益1,000百万円(同19.6%増)を見込んでいる。11月11日には2026年3月期第2四半期決算が発表されるため、数値状況の進捗は確認しておきたい。ただ、新規取引等を軌道に乗せることにより、年度後半に向け売上・利益を拡大する計画となることはしっかりとおさえておきたい。廃棄物の再資源化で安定的に収益を確保しつつ、成長業界向けの活動を継続していく方針となる。
同社は、主力3事業のリユース・リサイクル・化学品で売上高全体の80%を占める。各事業が単独で関わっているのではなく、同社の技術や中間処理を介して互いに関連しながら、製品の製造・販売から産業廃棄物の有効利用まで一気通貫で対応することができ、環境負荷の低減と資源有効利用を通じて顧客及び社会へ貢献することが同社グループの事業内容となる。
主力のリユース事業では、使用済み廃溶剤、廃酸、有用金属等を含む産業廃棄物などを中間処分・再資源化し、元の用途や素材として再生している。販売先に最終製品を販売して獲得する販売代金がメインの収益となる。リサイクル事業では、使用済み廃溶剤、汚泥、廃プラスチック類などの産業廃棄物を中間処分・再資源化し、再生燃料やセメント・石灰・鉄鋼の副原料及び副資材としての2次利用を中心に再資源化。こちらでは産業廃棄物排出事業者から得る処理費用が収益元となる。化学品事業では高純度溶剤の精製と化学品の受託製造を行い、有機または無機化学品の製造やフルオーダーの受託加工を行っている。そのほか、自動車事業では、各種油剤製品の製造や廃油の再資源化に取り組み、エンジニアリング事業はPCB処理で培ったノウハウを活かし、プラント改廃時の清掃・解体・廃棄物処理をワンストップで実施している。
同社の強みは、高度な分離技術と品質管理力にあり、再生品および製品の品質管理を高い水準で行うことにより高付加価値化を行っている。リユース・リサイクル・化学品を相互に補完し、廃液を再生可能か検討し、困難な場合は別事業へ振り分ける循環型モデルを構築している点が特徴。リユース事業では廃溶剤を高品質な再生品として提供し、リサイクル事業では再生燃料を安定供給する。化学品事業では半導体・電池業界向けに高純度製品等を製造し、他社が難しい領域を担う。さらに自動車事業では廃油を活用した環境対応型製品を展開し、祖業を生かしたシナジーを発揮する。総じて、大手専業他社と異なり、複数事業の横断的展開による付加価値創出が差別化の源泉となっている。そのほか、全国から様々な廃棄物を集める仕組みと特徴ある産廃許可を保有しており、全国の優良企業と直需取引を行っているリサイクル企業でありメーカーでもある稀有な企業となる。
同社は産業廃棄物を扱っているためすべての製造業が顧客になり得るなか、将来の半導体・電池・電子部品業界からの需要拡大に対応するための投資を計画通り実施している。九州エリアを中心に成長が見込まれる半導体関連企業等の産業廃棄物をマテリアルリサイクルする工場を北九州市に2027年4月の稼働を目指して建設中であり、投資額は約80億円(うち最大20億円の補助金)に上る。また、希少金属マテリアルリサイクルの取扱数量増加を目的として、大阪市のA&H Japan株式会社を子会社化した。A&H Japanの子会社化により、金属関係の廃棄物からのマテリアルリサイクルを強化でき、来期以降同社とのシナジー効果も着実に出てくる想定となる。そのほか、次世代自動車の生産増に合わせ、車載電池向けバインダー製造設備に投資して試作中となっている。同社生産設備も2025年4月より稼働しており、2028年度以降のフル生産に向け増産をかけていく予定であるが、こちらは計画にズレ込みがある見込み。
中期経営計画でも、大企業を中心としたサステナブルニーズに貢献し、半導体・電池・電子部品のマーケットの拡大を見込んでいる。成長ドライバーは主にリユース・リサイクル・化学品・エンジニアリングであり、半導体・電池・電子部品分野で需要を取り込む。九州工場や電池用バインダー製造設備を戦略拠点として半導体・電池関連及び再資源化設備の稼働率向上のほか、東西拠点を中心とした新規顧客開拓を行っていく。また、M&Aも成長施策の一環として事業成長も図る。
配当は今後の事業展開及び財務体質の充実等を勘案のうえ、非減配を基本方針として安定的な配当を継続して実施していくようで、現状の配当利回りは2.4%水準となる。PBR1外割れ改善を目指す中、利益率の高い事業(リサイクル・エンジニアリング)へ注力するとともにスクラップアンドビルドによる低採算性設備の整理、資本コストを圧縮して自己資本比率40%程度を目指すようだ。社会的意義のある事業として環境ニーズへの対応や再生品価値の訴求を重視するなか、IR施策を強化する予定で、まずはPBR1倍割れ改善に向けての動向に注目しておきたい。
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また、中期経営計画では2028年3月期に売上高210億円・営業利益17億円、2031年3月期に売上350億円・営業利益42億円を目標としている。M&Aも成長施策の一環として事業成長も図るなか、2028年3月期までのCAGR30%成長で予想EPS289.63円、現状PER10倍で2800円台に迫る数値が試算される。
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高4,009百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益222百万円(前年同期比2.3%増)と増収増益で着地した。化学品事業の復調およびリユース・リサイクル事業による安定した売上・利益の確保を横目に、将来の需要増加に備えた投資及びコスト増加分を吸収して増収増益を確保した。事業別では、リユース事業は溶剤・リン酸の再生製品は数量・単価ともに前年並。リサイクル事業は廃棄物由来燃料の引合が強く再生燃料の単価上昇し、引取単価の高い難処理物の収集量も回復した。化学品は半導体およびEV向けバインダーの高純度製品の需要が好調で販売数量が増加、自動車事業は高機能品の数量減少も汎用製品の販売増でリカバリーしたようだ。
通期計画では、売上高17,000百万円(前期比6.0%増)、営業利益1,000百万円(同19.6%増)を見込んでいる。11月11日には2026年3月期第2四半期決算が発表されるため、数値状況の進捗は確認しておきたい。ただ、新規取引等を軌道に乗せることにより、年度後半に向け売上・利益を拡大する計画となることはしっかりとおさえておきたい。廃棄物の再資源化で安定的に収益を確保しつつ、成長業界向けの活動を継続していく方針となる。
同社は、主力3事業のリユース・リサイクル・化学品で売上高全体の80%を占める。各事業が単独で関わっているのではなく、同社の技術や中間処理を介して互いに関連しながら、製品の製造・販売から産業廃棄物の有効利用まで一気通貫で対応することができ、環境負荷の低減と資源有効利用を通じて顧客及び社会へ貢献することが同社グループの事業内容となる。
主力のリユース事業では、使用済み廃溶剤、廃酸、有用金属等を含む産業廃棄物などを中間処分・再資源化し、元の用途や素材として再生している。販売先に最終製品を販売して獲得する販売代金がメインの収益となる。リサイクル事業では、使用済み廃溶剤、汚泥、廃プラスチック類などの産業廃棄物を中間処分・再資源化し、再生燃料やセメント・石灰・鉄鋼の副原料及び副資材としての2次利用を中心に再資源化。こちらでは産業廃棄物排出事業者から得る処理費用が収益元となる。化学品事業では高純度溶剤の精製と化学品の受託製造を行い、有機または無機化学品の製造やフルオーダーの受託加工を行っている。そのほか、自動車事業では、各種油剤製品の製造や廃油の再資源化に取り組み、エンジニアリング事業はPCB処理で培ったノウハウを活かし、プラント改廃時の清掃・解体・廃棄物処理をワンストップで実施している。
同社の強みは、高度な分離技術と品質管理力にあり、再生品および製品の品質管理を高い水準で行うことにより高付加価値化を行っている。リユース・リサイクル・化学品を相互に補完し、廃液を再生可能か検討し、困難な場合は別事業へ振り分ける循環型モデルを構築している点が特徴。リユース事業では廃溶剤を高品質な再生品として提供し、リサイクル事業では再生燃料を安定供給する。化学品事業では半導体・電池業界向けに高純度製品等を製造し、他社が難しい領域を担う。さらに自動車事業では廃油を活用した環境対応型製品を展開し、祖業を生かしたシナジーを発揮する。総じて、大手専業他社と異なり、複数事業の横断的展開による付加価値創出が差別化の源泉となっている。そのほか、全国から様々な廃棄物を集める仕組みと特徴ある産廃許可を保有しており、全国の優良企業と直需取引を行っているリサイクル企業でありメーカーでもある稀有な企業となる。
同社は産業廃棄物を扱っているためすべての製造業が顧客になり得るなか、将来の半導体・電池・電子部品業界からの需要拡大に対応するための投資を計画通り実施している。九州エリアを中心に成長が見込まれる半導体関連企業等の産業廃棄物をマテリアルリサイクルする工場を北九州市に2027年4月の稼働を目指して建設中であり、投資額は約80億円(うち最大20億円の補助金)に上る。また、希少金属マテリアルリサイクルの取扱数量増加を目的として、大阪市のA&H Japan株式会社を子会社化した。A&H Japanの子会社化により、金属関係の廃棄物からのマテリアルリサイクルを強化でき、来期以降同社とのシナジー効果も着実に出てくる想定となる。そのほか、次世代自動車の生産増に合わせ、車載電池向けバインダー製造設備に投資して試作中となっている。同社生産設備も2025年4月より稼働しており、2028年度以降のフル生産に向け増産をかけていく予定であるが、こちらは計画にズレ込みがある見込み。
中期経営計画でも、大企業を中心としたサステナブルニーズに貢献し、半導体・電池・電子部品のマーケットの拡大を見込んでいる。成長ドライバーは主にリユース・リサイクル・化学品・エンジニアリングであり、半導体・電池・電子部品分野で需要を取り込む。九州工場や電池用バインダー製造設備を戦略拠点として半導体・電池関連及び再資源化設備の稼働率向上のほか、東西拠点を中心とした新規顧客開拓を行っていく。また、M&Aも成長施策の一環として事業成長も図る。
配当は今後の事業展開及び財務体質の充実等を勘案のうえ、非減配を基本方針として安定的な配当を継続して実施していくようで、現状の配当利回りは2.4%水準となる。PBR1外割れ改善を目指す中、利益率の高い事業(リサイクル・エンジニアリング)へ注力するとともにスクラップアンドビルドによる低採算性設備の整理、資本コストを圧縮して自己資本比率40%程度を目指すようだ。社会的意義のある事業として環境ニーズへの対応や再生品価値の訴求を重視するなか、IR施策を強化する予定で、まずはPBR1倍割れ改善に向けての動向に注目しておきたい。
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