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セブン工業:非住宅分野拡大で収益基盤強化を進める建材メーカー
配信日時:2025/10/29 10:35
配信元:FISCO
*10:35JST セブン工業:非住宅分野拡大で収益基盤強化を進める建材メーカー
セブン工業<7896>は、内装建材および木構造材を主力とする住宅・建材関連メーカーである。岐阜県に本社を置き、階段やカウンターなど住宅内装向け製品を中心に展開するほか、プレカット木材による木構造事業も手掛けている。国内建築市場は新設住宅着工戸数の減少が続くが、同社は非住宅分野への事業領域拡大、省施工商品の開発、生産・資材調達での協業による製品安定供給を推進している。前期には内装建材事業で数年ぶりに黒字転換を果たし、収益性改善が進展するなど、厳しい市場環境下でも着実に成果を示している点が特徴である。
同社の強みは、第一に内装建材と木構造材をワンストップで提供する独自の付加価値である。双方を担える企業は業界にもほとんどおらず、建設会社からみて内装と躯体の調達をまとめて依頼できる稀有な仕入先である。第二に内装建材事業における国内トップクラスの生産量と特注対応力を背景とした競争力である。長年培った設計・加工ノウハウや塗装技術を活かし、階段やカウンターなど付加価値の高い製品群を提供し、大手建材メーカーとの協業による安定供給体制を確立している。第三に、設備投資を通じた生産体制強化が挙げられる。プレカットラインや新倉庫の整備など大型投資を完了し、物流・製造機能を拡充したことで、非住宅分野を含む幅広い需要に対応可能となった。
2026年3月期第1四半期(2025年4月~6月)の業績は、売上高3,850百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益0百万円(前期は10百万円)と増収ながら利益はほぼ横ばいとなった。内装建材事業が増収に一定程度寄与した一方、建築申請の制度改革で今期から申請にかかる期間が長期化したことが需要減につながった。ただし、新プレカットライン導入や設備投資の完了により、年度後半から非住宅分野を中心に受注拡大が期待される。通期予想は売上高16,100百万円(前期比4.4%増)、営業利益110百万円(同40.1%減)と据え置かれており、下期にかけての巻き返しを見込む。足元の需要環境は住宅着工減少で厳しいが、戸建て住宅需要の回復はある程度見えてきているという。非住宅分野へも注力する方針を示しており、販売数量の拡大が期待できる。
今後の見通しについて、同社は成長戦略として「木材の新たな需要創造」と「省施工商品の開発・拡充」の2つを掲げている。前者では、現状の普及率が8%程度に留まる非住宅分野の木造建築の拡大余地を好機と捉え、提案力を強化しつつ社会の木造化・木質化を推進する。非住宅市場は現状の木造躯体だけでも約7,000億円規模といわれ、戸建て住宅に比べ10倍以上の木材を使うことから、成長分野として今後の需要拡大が見込まれる。また省施工商品の拡大においては、建築現場の慢性的な職人不足・高齢化の進行を課題と捉え、サッシ付壁パネルや住宅階段部材のフルプレカットなど、工期を半分以下にする製品を展開し日本の建築業界全体を支えていく構想である。また、これらを並行して元々ゴム材の仕入先であったベトナムにおける設計業務BPO事業を推進しており、またベトナム住宅市場に対するアプローチの検討を開始した。こうした多角的な戦略による持続的な収益改善が中期的な成長ドライバーとなると考えられる。
株主還元については、安定配当を基本方針としており、2026年3月期も年間20円を予定している。今期は例年の2倍以上の設備投資をしているが、成長投資と還元をバランスさせる姿勢を維持している。業績に応じて増配を検討していく方針も示しており、今後の還元強化が期待される。また足元のPBRは0.4倍、配当利回りは3.8%となっており、投資妙味が高いといえる。
総じて、セブン工業は厳しい住宅市場環境下にあっても、内装建材の収益改善と非住宅分野への拡大により成長余地を確保している。大型設備投資の効果が今後の受注増加に直結する見通しであり、収益性の回復と持続的な成長に期待していきたい。
<HM>
同社の強みは、第一に内装建材と木構造材をワンストップで提供する独自の付加価値である。双方を担える企業は業界にもほとんどおらず、建設会社からみて内装と躯体の調達をまとめて依頼できる稀有な仕入先である。第二に内装建材事業における国内トップクラスの生産量と特注対応力を背景とした競争力である。長年培った設計・加工ノウハウや塗装技術を活かし、階段やカウンターなど付加価値の高い製品群を提供し、大手建材メーカーとの協業による安定供給体制を確立している。第三に、設備投資を通じた生産体制強化が挙げられる。プレカットラインや新倉庫の整備など大型投資を完了し、物流・製造機能を拡充したことで、非住宅分野を含む幅広い需要に対応可能となった。
2026年3月期第1四半期(2025年4月~6月)の業績は、売上高3,850百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益0百万円(前期は10百万円)と増収ながら利益はほぼ横ばいとなった。内装建材事業が増収に一定程度寄与した一方、建築申請の制度改革で今期から申請にかかる期間が長期化したことが需要減につながった。ただし、新プレカットライン導入や設備投資の完了により、年度後半から非住宅分野を中心に受注拡大が期待される。通期予想は売上高16,100百万円(前期比4.4%増)、営業利益110百万円(同40.1%減)と据え置かれており、下期にかけての巻き返しを見込む。足元の需要環境は住宅着工減少で厳しいが、戸建て住宅需要の回復はある程度見えてきているという。非住宅分野へも注力する方針を示しており、販売数量の拡大が期待できる。
今後の見通しについて、同社は成長戦略として「木材の新たな需要創造」と「省施工商品の開発・拡充」の2つを掲げている。前者では、現状の普及率が8%程度に留まる非住宅分野の木造建築の拡大余地を好機と捉え、提案力を強化しつつ社会の木造化・木質化を推進する。非住宅市場は現状の木造躯体だけでも約7,000億円規模といわれ、戸建て住宅に比べ10倍以上の木材を使うことから、成長分野として今後の需要拡大が見込まれる。また省施工商品の拡大においては、建築現場の慢性的な職人不足・高齢化の進行を課題と捉え、サッシ付壁パネルや住宅階段部材のフルプレカットなど、工期を半分以下にする製品を展開し日本の建築業界全体を支えていく構想である。また、これらを並行して元々ゴム材の仕入先であったベトナムにおける設計業務BPO事業を推進しており、またベトナム住宅市場に対するアプローチの検討を開始した。こうした多角的な戦略による持続的な収益改善が中期的な成長ドライバーとなると考えられる。
株主還元については、安定配当を基本方針としており、2026年3月期も年間20円を予定している。今期は例年の2倍以上の設備投資をしているが、成長投資と還元をバランスさせる姿勢を維持している。業績に応じて増配を検討していく方針も示しており、今後の還元強化が期待される。また足元のPBRは0.4倍、配当利回りは3.8%となっており、投資妙味が高いといえる。
総じて、セブン工業は厳しい住宅市場環境下にあっても、内装建材の収益改善と非住宅分野への拡大により成長余地を確保している。大型設備投資の効果が今後の受注増加に直結する見通しであり、収益性の回復と持続的な成長に期待していきたい。
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