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恵和 Research Memo(6):車載ディスプレイ市場で高利益率の「オパスキ」を中心に積極推進
配信日時:2025/10/28 11:06
配信元:FISCO
*11:06JST 恵和 Research Memo(6):車載ディスプレイ市場で高利益率の「オパスキ」を中心に積極推進
■恵和<4251>の今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
事業撤退のほか米通商政策の影響など市場環境の不透明感は残るが、上期の実績や下期の受注状況を勘案し、期初業績予想を据え置いた。売上高20,967百万円(前期比0.8%減)、営業利益3,508百万円(同26.0%減)、経常利益3,506百万円(同32.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,642百万円(同5.3%減)を計画する。
売上高について、光学製品事業では、ノートパソコン・タブレットと車載向けの「オパスキ」と「オパルス」のシェア拡大に注力する。「オパスキ」の特に車載向けに関しては、中長期的な視点で、2025年12月期下期は顧客企業からの情報収集による製品仕様の改善や変更、試作品でのプレゼンテーション等の販促活動を強化し、新規契約獲得につなげる計画である。「オパルス」は下期業績向上に直結すると捉え、特に好調なタブレットで、引き続き差別化として機能する高品質を武器にブランドスイッチを促し、安定供給で顧客満足度を高めて継続的な収益源として確立する。機能製品事業については、成長期待の大きいウレタンフォーム用工程紙「A!Prog-UF」や医療用工程フィルム「メディテクト」に最優先して注力するほか、自動車向けクリーンエネルギー資材「ACE」でも新規受注に向け提案活動を実践する。営業利益率は2025年12月期比5.7ポイント減の16.7%と低下するが、中間期時点の営業利益の計画進捗率は64.1%と進んでおり、利益率の高い光学製品事業で注力する車載向けの受注動向により上振れの可能性に期待したい。
2. セグメント別の業績見通し
(1) 光学製品事業
売上高は16,971百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は6,960百万円(同16.6%減増)を予想する。ノートパソコン・タブレット向けの売上は、それぞれ前期比6.6%減を見込む。同事業は下期偏重な傾向にある一方、2025年1月に始まった米通商政策を機に需要が増加し、第3四半期にはその反動も若干見られていることから予想は据え置いた。ノートパソコンについて、上位機種で採用が進む直下型ミニLED液晶ディスプレイ向けに「オパスキ」を順調に出荷しており、モデルチェンジを交えながら需要の掘り起こしとシェア獲得を継続する。ただ、直下型ミニLED液晶ディスプレイ採用の動向は読めないため、外部環境に左右される可能性は否定できない。現状で獲得しているノートパソコン直下型ミニLED液晶ディスプレイ市場でのシェアを維持し、市場の広がりに伴い即時に需要を捉える姿勢でいる。タブレットについては、引き続き潜在顧客とのコミュニケーションの中から顧客課題を抽出し、技術力で的確に品質対応することで顧客の信頼に応え、ブランドスイッチからシェアを拡大する。なお、スマートフォンについては、同社ターゲットの上位機種セグメントでは、液晶からOLED(有機EL)への切り替えが進んでおり、同社が得意とする直下型ミニLED液晶ディスプレイへのシフトも見られないようで、同社は既存顧客のみに対応する方針である。車載向けに関しては、現状で伸長する「オパルス」と、自動車業界で普及拡大の予想される直下型ミニLED液晶ディスプレイに向け「オパスキ」に注力する。現時点で複数の引き合いが来ていることもあり、早期対応での市場シェア獲得に向け、販促活動等の体制を整えている。
中期経営計画では「オパスキ」「オパルス」の車載用途拡大を計画し、売上高を2025年5月期計画の15.8億円から2028年12月期には56.8億円の目標(CAGR53.2%)を掲げており、内訳として売上の大部分を「オパスキ」が占めると予測している。なお利益率については「オパルス」より「オパスキ」の方がかなり高いようで、2025年時点では売上比率ではノートパソコン向けが金額ベースで約半々、車載向けではほとんどが「オパルス」となっているることから、伸びしろが大きい車載向け「オパスキ」の需要囲い込みによる業績貢献に期待したい。セグメント利益率についてはノートパソコン・タブレット向けの売上減速を主因に41.0%(同7.6ポイント減)を見込んでいる。
(2) 機能製品事業
売上高は3,995百万円(前期比4.3%増)、セグメント利益は222百万円(同14.9%増)を計画する。好調な医療用工程フィルム「メディテクト」では全自動工程製造設備が稼働開始しており、顧客課題の把握からブランドスイッチを促し、安定した供給を実現して早期に市場プレゼンスを高める。「クリーンエネルギー資材」では、上期にクリーンエネルギー車向け特殊フィルム製品の受注が減少した顧客での操業再開の目途が立ち、2025年12月期は当初計画どおりに進捗する見通しである。同じく上期に発生した太陽電池資材の一部製品の取扱い終了については、顧客の太陽電池事業撤退に起因しており、最近では太陽電池関連市場では中国企業のプレゼンスが高まっていることから、同社も同様に太陽電池関連向け製品製造を中止する方向へ動いている。なお、業績に与える影響は軽微とのことである。「工程紙・建材」では、国内市場に販売している建材向け製品の需要が複合的な要因から減少傾向にある一方、海外市場を中心に販売拡大余地が大きい発泡ウレタンフォーム用工程紙「A!Prog-UF」の新規顧客提案を積極化する。セグメント利益率は5.6%(同0.6ポイント増)と医療用工程フィルム「メディテクト」の増収効果や全自動工程製造設備の稼働による生産効率向上を要因に改善を見込む。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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1. 2025年12月期の業績見通し
事業撤退のほか米通商政策の影響など市場環境の不透明感は残るが、上期の実績や下期の受注状況を勘案し、期初業績予想を据え置いた。売上高20,967百万円(前期比0.8%減)、営業利益3,508百万円(同26.0%減)、経常利益3,506百万円(同32.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,642百万円(同5.3%減)を計画する。
売上高について、光学製品事業では、ノートパソコン・タブレットと車載向けの「オパスキ」と「オパルス」のシェア拡大に注力する。「オパスキ」の特に車載向けに関しては、中長期的な視点で、2025年12月期下期は顧客企業からの情報収集による製品仕様の改善や変更、試作品でのプレゼンテーション等の販促活動を強化し、新規契約獲得につなげる計画である。「オパルス」は下期業績向上に直結すると捉え、特に好調なタブレットで、引き続き差別化として機能する高品質を武器にブランドスイッチを促し、安定供給で顧客満足度を高めて継続的な収益源として確立する。機能製品事業については、成長期待の大きいウレタンフォーム用工程紙「A!Prog-UF」や医療用工程フィルム「メディテクト」に最優先して注力するほか、自動車向けクリーンエネルギー資材「ACE」でも新規受注に向け提案活動を実践する。営業利益率は2025年12月期比5.7ポイント減の16.7%と低下するが、中間期時点の営業利益の計画進捗率は64.1%と進んでおり、利益率の高い光学製品事業で注力する車載向けの受注動向により上振れの可能性に期待したい。
2. セグメント別の業績見通し
(1) 光学製品事業
売上高は16,971百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は6,960百万円(同16.6%減増)を予想する。ノートパソコン・タブレット向けの売上は、それぞれ前期比6.6%減を見込む。同事業は下期偏重な傾向にある一方、2025年1月に始まった米通商政策を機に需要が増加し、第3四半期にはその反動も若干見られていることから予想は据え置いた。ノートパソコンについて、上位機種で採用が進む直下型ミニLED液晶ディスプレイ向けに「オパスキ」を順調に出荷しており、モデルチェンジを交えながら需要の掘り起こしとシェア獲得を継続する。ただ、直下型ミニLED液晶ディスプレイ採用の動向は読めないため、外部環境に左右される可能性は否定できない。現状で獲得しているノートパソコン直下型ミニLED液晶ディスプレイ市場でのシェアを維持し、市場の広がりに伴い即時に需要を捉える姿勢でいる。タブレットについては、引き続き潜在顧客とのコミュニケーションの中から顧客課題を抽出し、技術力で的確に品質対応することで顧客の信頼に応え、ブランドスイッチからシェアを拡大する。なお、スマートフォンについては、同社ターゲットの上位機種セグメントでは、液晶からOLED(有機EL)への切り替えが進んでおり、同社が得意とする直下型ミニLED液晶ディスプレイへのシフトも見られないようで、同社は既存顧客のみに対応する方針である。車載向けに関しては、現状で伸長する「オパルス」と、自動車業界で普及拡大の予想される直下型ミニLED液晶ディスプレイに向け「オパスキ」に注力する。現時点で複数の引き合いが来ていることもあり、早期対応での市場シェア獲得に向け、販促活動等の体制を整えている。
中期経営計画では「オパスキ」「オパルス」の車載用途拡大を計画し、売上高を2025年5月期計画の15.8億円から2028年12月期には56.8億円の目標(CAGR53.2%)を掲げており、内訳として売上の大部分を「オパスキ」が占めると予測している。なお利益率については「オパルス」より「オパスキ」の方がかなり高いようで、2025年時点では売上比率ではノートパソコン向けが金額ベースで約半々、車載向けではほとんどが「オパルス」となっているることから、伸びしろが大きい車載向け「オパスキ」の需要囲い込みによる業績貢献に期待したい。セグメント利益率についてはノートパソコン・タブレット向けの売上減速を主因に41.0%(同7.6ポイント減)を見込んでいる。
(2) 機能製品事業
売上高は3,995百万円(前期比4.3%増)、セグメント利益は222百万円(同14.9%増)を計画する。好調な医療用工程フィルム「メディテクト」では全自動工程製造設備が稼働開始しており、顧客課題の把握からブランドスイッチを促し、安定した供給を実現して早期に市場プレゼンスを高める。「クリーンエネルギー資材」では、上期にクリーンエネルギー車向け特殊フィルム製品の受注が減少した顧客での操業再開の目途が立ち、2025年12月期は当初計画どおりに進捗する見通しである。同じく上期に発生した太陽電池資材の一部製品の取扱い終了については、顧客の太陽電池事業撤退に起因しており、最近では太陽電池関連市場では中国企業のプレゼンスが高まっていることから、同社も同様に太陽電池関連向け製品製造を中止する方向へ動いている。なお、業績に与える影響は軽微とのことである。「工程紙・建材」では、国内市場に販売している建材向け製品の需要が複合的な要因から減少傾向にある一方、海外市場を中心に販売拡大余地が大きい発泡ウレタンフォーム用工程紙「A!Prog-UF」の新規顧客提案を積極化する。セグメント利益率は5.6%(同0.6ポイント増)と医療用工程フィルム「メディテクト」の増収効果や全自動工程製造設備の稼働による生産効率向上を要因に改善を見込む。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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