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SFP Research Memo(6):短・中期の新たな方向性として4つの戦略を推進
配信日時:2025/10/24 11:06
配信元:FISCO
*11:06JST SFP Research Memo(6):短・中期の新たな方向性として4つの戦略を推進
■SFPホールディングス<3198>の今後の方向性
1. 今後の方向性とこれまでの進捗
同社は、2020年2月期までは毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、2021年2月期以降は先行き不透明な状況にあることから公表を見送っている。ただ、今後の環境変化等を見据え、短・中期的な方向性を明示しており、(1)地方都市への出店、(2)注力している大衆酒場業態の拡大、(3)既存店の伸び(訪日観光客・深夜営業)、(4)インフレ対策(価格転嫁等)などに取り組んでいる。
(1) 地方都市への出店
主力業態「磯丸水産」は首都圏の1都3県を中心に展開しているが、大衆酒場の業態も含めコロナ禍前から地方都市への進出を模索してきた。これまでの実績を振り返ると、京都府・大阪府・兵庫県(3エリア合計22店舗)に加え、宮城県3店舗、静岡県1店舗、長野県2店舗、熊本県2店舗、鹿児島県1店舗への出店※に成功したほか、FC展開により、北海道1店舗、愛知県9店舗、福岡県5店舗、石川県1店舗をカバーしてきた。同社では、未開拓の地方都市への出店機会に目を向けており、中期的な成長ドライバーの1つと位置付けている。特に北陸・中国・九州を重点開拓エリアとし、まずは足場を固めてから追加出店することで、エリア単位での規模拡大を図る。
※ この内、長野県、熊本県への出店は「SFPフードアライアンス構想」によるものである。
(2) 大衆酒場業態の拡大
コロナ禍をきっかけとした環境変化へ機動的に対応するため、これまでの主力業態の強みを生かしながら、低投資で安定的に稼ぐ大衆酒場業態に注力している。大衆酒場業態は、1)住宅/商店街、2)路面、3)小型、4)17時から29時(翌朝5時)までの営業、5)少人数/高回転などに特長を持つ業態(収益モデル)であり、今後は「五の五」を中心に展開していく。大衆酒場業態では複数のブランドを有しており、市場の立地や客層、競合他社の状況と照らし合わせて最もマッチするブランドを選んで出店できる点も強みである。今後は地方都市を含め、「磯丸水産」で足場を固めたエリアを中心に出店を増やす考えだ。
(3) 既存店の伸び(需要の取り込み)
足元の業績をけん引する訪日客の増加はさらなる既存店の伸びしろとして期待できるため、需要の取りこぼしが出ないように人事制度改定、賃上げなどの体制を整えている。
(4) インフレ対策
今後も原材料価格やエネルギー価格の高止まりが想定されるなか、クリエイト・レストランツ・ホールディングスグループとのスケールメリットを生かした調達コストの適正化を進めつつ、引き続き適正な価格転嫁等により原価率を維持していくとともに、販管費の抑制にも努める。既述した合弁会社(CMD、Fast Works)を通じた取り組みや前期の第4四半期から導入したエリア別価格※についてもインフレ対策の効果が期待される。
※ 繁華街エリアにおける高価格帯メニュー投入など、立地や客層、時間帯を勘案した価格設計(ダイナミックプライシング)により価格の最適化を図り、精度の高い収益管理を実現するところに狙いがある。
2. 中長期的な注目点
弊社では、新たなステージに向けて、主力業態の回復とともに、地方都市への展開や大衆酒場業態の出店加速が新たな軸になるかどうかに注目している。特に、地方都市への展開については、これまで試験的に運営してきた「磯丸水産」の地方店舗が総じて堅調に推移しており、今後も中長期目線による出店拡大が予想される。その際には直営店/FC/M&Aといくつかの展開方式が考えられるが、スピード・収益性・投資負担やリスクなどの面から、状況に応じて複数の選択肢を有していることが成功確率を高める要因になる。一方、大衆酒場業態は、「磯丸水産」モデルを環境変化に合わせて小型・低投資化したものであり、既に想定どおりの成果を示していることから、今後どのような進化を遂げていくのか、今後の動向に注目したい。今回の「鳥良商店」の全面リニューアルについても、その手応えを示す動きとして捉えることができるだろう。
同社では、アフターコロナに出店を再開し、業績も回復基調にあるものの、成長投資を本格化するにはインフレ対策、外国人スタッフの戦力化、地方都市出店の足場固め、注力業態の育成などいくつかの不確実性が残っており、現時点で次の中期経営計画を公表するには至っていない。裏を返せば、そのあたりに確かな手応えが持てるようになれば同社の新たな優位性が構築されることになり、次のステージでの目指す姿や戦略が具体的に見えてくるとの見方もできる。そのタイミングがいつになるのか、今後の投資判断を行ううえで重要な分岐点と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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1. 今後の方向性とこれまでの進捗
同社は、2020年2月期までは毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、2021年2月期以降は先行き不透明な状況にあることから公表を見送っている。ただ、今後の環境変化等を見据え、短・中期的な方向性を明示しており、(1)地方都市への出店、(2)注力している大衆酒場業態の拡大、(3)既存店の伸び(訪日観光客・深夜営業)、(4)インフレ対策(価格転嫁等)などに取り組んでいる。
(1) 地方都市への出店
主力業態「磯丸水産」は首都圏の1都3県を中心に展開しているが、大衆酒場の業態も含めコロナ禍前から地方都市への進出を模索してきた。これまでの実績を振り返ると、京都府・大阪府・兵庫県(3エリア合計22店舗)に加え、宮城県3店舗、静岡県1店舗、長野県2店舗、熊本県2店舗、鹿児島県1店舗への出店※に成功したほか、FC展開により、北海道1店舗、愛知県9店舗、福岡県5店舗、石川県1店舗をカバーしてきた。同社では、未開拓の地方都市への出店機会に目を向けており、中期的な成長ドライバーの1つと位置付けている。特に北陸・中国・九州を重点開拓エリアとし、まずは足場を固めてから追加出店することで、エリア単位での規模拡大を図る。
※ この内、長野県、熊本県への出店は「SFPフードアライアンス構想」によるものである。
(2) 大衆酒場業態の拡大
コロナ禍をきっかけとした環境変化へ機動的に対応するため、これまでの主力業態の強みを生かしながら、低投資で安定的に稼ぐ大衆酒場業態に注力している。大衆酒場業態は、1)住宅/商店街、2)路面、3)小型、4)17時から29時(翌朝5時)までの営業、5)少人数/高回転などに特長を持つ業態(収益モデル)であり、今後は「五の五」を中心に展開していく。大衆酒場業態では複数のブランドを有しており、市場の立地や客層、競合他社の状況と照らし合わせて最もマッチするブランドを選んで出店できる点も強みである。今後は地方都市を含め、「磯丸水産」で足場を固めたエリアを中心に出店を増やす考えだ。
(3) 既存店の伸び(需要の取り込み)
足元の業績をけん引する訪日客の増加はさらなる既存店の伸びしろとして期待できるため、需要の取りこぼしが出ないように人事制度改定、賃上げなどの体制を整えている。
(4) インフレ対策
今後も原材料価格やエネルギー価格の高止まりが想定されるなか、クリエイト・レストランツ・ホールディングスグループとのスケールメリットを生かした調達コストの適正化を進めつつ、引き続き適正な価格転嫁等により原価率を維持していくとともに、販管費の抑制にも努める。既述した合弁会社(CMD、Fast Works)を通じた取り組みや前期の第4四半期から導入したエリア別価格※についてもインフレ対策の効果が期待される。
※ 繁華街エリアにおける高価格帯メニュー投入など、立地や客層、時間帯を勘案した価格設計(ダイナミックプライシング)により価格の最適化を図り、精度の高い収益管理を実現するところに狙いがある。
2. 中長期的な注目点
弊社では、新たなステージに向けて、主力業態の回復とともに、地方都市への展開や大衆酒場業態の出店加速が新たな軸になるかどうかに注目している。特に、地方都市への展開については、これまで試験的に運営してきた「磯丸水産」の地方店舗が総じて堅調に推移しており、今後も中長期目線による出店拡大が予想される。その際には直営店/FC/M&Aといくつかの展開方式が考えられるが、スピード・収益性・投資負担やリスクなどの面から、状況に応じて複数の選択肢を有していることが成功確率を高める要因になる。一方、大衆酒場業態は、「磯丸水産」モデルを環境変化に合わせて小型・低投資化したものであり、既に想定どおりの成果を示していることから、今後どのような進化を遂げていくのか、今後の動向に注目したい。今回の「鳥良商店」の全面リニューアルについても、その手応えを示す動きとして捉えることができるだろう。
同社では、アフターコロナに出店を再開し、業績も回復基調にあるものの、成長投資を本格化するにはインフレ対策、外国人スタッフの戦力化、地方都市出店の足場固め、注力業態の育成などいくつかの不確実性が残っており、現時点で次の中期経営計画を公表するには至っていない。裏を返せば、そのあたりに確かな手応えが持てるようになれば同社の新たな優位性が構築されることになり、次のステージでの目指す姿や戦略が具体的に見えてくるとの見方もできる。そのタイミングがいつになるのか、今後の投資判断を行ううえで重要な分岐点と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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