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サカタインクス:世界3位のインキメーカー、総還元性向50%目標を前倒し達成も株価は割安
配信日時:2025/10/14 09:57
配信元:FISCO
*09:57JST サカタインクス:世界3位のインキメーカー、総還元性向50%目標を前倒し達成も株価は割安
サカタインクス<4633>は、1896年に創業のインキメーカーで、現在は東証プライム市場に上場している。「世界三大インキメーカー」を目指し、印刷インキ事業を中核に据えながら、インクジェットインキをはじめとする印刷インキ技術を応用した機能性材料事業など多様な分野への事業展開を推進している。さらに、既存技術の応用や市場ニーズの変化に対応した新規事業分野の開拓にも積極的に取り組んでいる。インキ売上高は世界第3位、特にアルミ缶用インキでは世界シェア首位を誇る。また、各国の規制に対応した環境配慮型製品の開発に注力している。
印刷キンキ事業の製品販売比率約8割を占める主力のパッケージ関連では、食品包装や飲料缶向けが中心であり、世界人口の増加や経済成長に伴う中間層の拡大を背景に、需要拡大が続く見通しである。世界20ヶ国以上の国と地域に拠点を展開し、各地域で顧客に寄り添い、ニーズに合致した製品を迅速に納入できる体制が特徴である。インキ原料である顔料は外部調達を基本とし、世界中から品質とコストの両面で最適な原材料を選定している。これにより高品質なインキの製造技術を維持しつつ、大規模な顔料製造設備を持たないアセットライトな事業構造を実現しており、競合との差別化要因となっている。さらに、地域ごとの統括拠点を通じた共同購買や日本を中心とする研究開発体制を推進し、全体最適と個別最適の両立を図っている。直近では、2024年11月に米国のコーティング剤メーカーC&Aを買収した。これにより事業面及び顧客基盤でのシナジーが見込まれるほか、コーティング事業のアジア展開も視野に入れている。
2024年12月期は、売上高245,570百万円(前期比7.5%増)、営業利益13,161百万円(同15.0%増)、当期純利益9,006百万円(同20.6%増)となった。売上高は、アジアや米州におけるパッケージ用インキや機能性材料の販売拡大が寄与し、増収となった。利益面では、賃金上昇やM&A関連費の一括計上により経費は増加したものの、販売数量の増加や原材料価格の安定推移により増益となった。欧州セグメントの黒字化も寄与した。
2025年12月期中間期は、売上高126,396百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益7,645百万円(同5.4%増)、中間純利益6,249百万円(同17.5%増)となった。売上高は、米州での販売好調に加え、C&Aの業績寄与があり増収となった。利益面では、アジアにおける共同購買の進展や原材料価格の低位安定、さらにC&Aが寄与し、増益となった。
2025年12月期通期では、売上高268,000百万円(前期比9.1%増)、営業利益15,500百万円(同17.8%増)、当期純利益10,800百万円(同19.9%増)を予想している。売上高は、アジアや欧州での環境配慮型製品の堅調な販売に加え、C&Aの通期寄与や南米の新工場を起点とした拡販強化により増収を見込む。利益面では、人件費を中心に経費増加が見込まれるものの、海外における原材料価格の安定推移とC&Aの寄与により増益を見通している。
2024年から開始した3ヶ年の中期経営計画「CCC-II」では、事業拡大と収益力強化に注力する期間と位置付け、最終年度の2026年12月期に、売上高270,000百万円、営業利益18,000百万円、当期純利益12,700百万円、ROE10.0%以上を目標としている。戦略の方向性としては、「印刷インキ・機能性材料事業の拡大」「新しい事業領域への挑戦」「ESG・サステナビリティの取り組み強化」を掲げ、環境配慮型製品の拡充と拡販、地域統括拠点を軸としたグローバルオペレーションの強化、生産拠点の最適化を推進する。さらに、長期ビジョンとして2030年12月期には売上高300,000百万円、営業利益24,000百万円を目指し、M&Aも活用した成長を目指している。
株主還元については、積極的かつ安定的な配当と機動的な自己株式の取得を基本方針とし、中計期間中に、総還元性向50.0%以上またはDOE(株主資本配当率)2.5%のいずれか高い方を目標とする。2024年12月期は年間配当金70円(配当性向38.8%)を実施し、2025年12月期は前期比20円増配の年間90円(配当性向41.3%)を予定する。自己株式については、2024年度に10億円を取得し、2025年度も10億円の取得を完了した。これにより、2025年12月期には総還元性向50%の目標を1年前倒しで達成する見通しである。また部門横断的プロジェクトを立ち上げ、株主・投資家の声を反映させるべく、ボトムアップ型で企業価値向上に向けた議論と経営への提言サイクルを開始するなど、株主還元姿勢を全社的に強化している。現時点のPBRは1倍を超えているが、業績推移や株主還元の状況を踏まえると、依然として割安感があると見ている。
<HM>
印刷キンキ事業の製品販売比率約8割を占める主力のパッケージ関連では、食品包装や飲料缶向けが中心であり、世界人口の増加や経済成長に伴う中間層の拡大を背景に、需要拡大が続く見通しである。世界20ヶ国以上の国と地域に拠点を展開し、各地域で顧客に寄り添い、ニーズに合致した製品を迅速に納入できる体制が特徴である。インキ原料である顔料は外部調達を基本とし、世界中から品質とコストの両面で最適な原材料を選定している。これにより高品質なインキの製造技術を維持しつつ、大規模な顔料製造設備を持たないアセットライトな事業構造を実現しており、競合との差別化要因となっている。さらに、地域ごとの統括拠点を通じた共同購買や日本を中心とする研究開発体制を推進し、全体最適と個別最適の両立を図っている。直近では、2024年11月に米国のコーティング剤メーカーC&Aを買収した。これにより事業面及び顧客基盤でのシナジーが見込まれるほか、コーティング事業のアジア展開も視野に入れている。
2024年12月期は、売上高245,570百万円(前期比7.5%増)、営業利益13,161百万円(同15.0%増)、当期純利益9,006百万円(同20.6%増)となった。売上高は、アジアや米州におけるパッケージ用インキや機能性材料の販売拡大が寄与し、増収となった。利益面では、賃金上昇やM&A関連費の一括計上により経費は増加したものの、販売数量の増加や原材料価格の安定推移により増益となった。欧州セグメントの黒字化も寄与した。
2025年12月期中間期は、売上高126,396百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益7,645百万円(同5.4%増)、中間純利益6,249百万円(同17.5%増)となった。売上高は、米州での販売好調に加え、C&Aの業績寄与があり増収となった。利益面では、アジアにおける共同購買の進展や原材料価格の低位安定、さらにC&Aが寄与し、増益となった。
2025年12月期通期では、売上高268,000百万円(前期比9.1%増)、営業利益15,500百万円(同17.8%増)、当期純利益10,800百万円(同19.9%増)を予想している。売上高は、アジアや欧州での環境配慮型製品の堅調な販売に加え、C&Aの通期寄与や南米の新工場を起点とした拡販強化により増収を見込む。利益面では、人件費を中心に経費増加が見込まれるものの、海外における原材料価格の安定推移とC&Aの寄与により増益を見通している。
2024年から開始した3ヶ年の中期経営計画「CCC-II」では、事業拡大と収益力強化に注力する期間と位置付け、最終年度の2026年12月期に、売上高270,000百万円、営業利益18,000百万円、当期純利益12,700百万円、ROE10.0%以上を目標としている。戦略の方向性としては、「印刷インキ・機能性材料事業の拡大」「新しい事業領域への挑戦」「ESG・サステナビリティの取り組み強化」を掲げ、環境配慮型製品の拡充と拡販、地域統括拠点を軸としたグローバルオペレーションの強化、生産拠点の最適化を推進する。さらに、長期ビジョンとして2030年12月期には売上高300,000百万円、営業利益24,000百万円を目指し、M&Aも活用した成長を目指している。
株主還元については、積極的かつ安定的な配当と機動的な自己株式の取得を基本方針とし、中計期間中に、総還元性向50.0%以上またはDOE(株主資本配当率)2.5%のいずれか高い方を目標とする。2024年12月期は年間配当金70円(配当性向38.8%)を実施し、2025年12月期は前期比20円増配の年間90円(配当性向41.3%)を予定する。自己株式については、2024年度に10億円を取得し、2025年度も10億円の取得を完了した。これにより、2025年12月期には総還元性向50%の目標を1年前倒しで達成する見通しである。また部門横断的プロジェクトを立ち上げ、株主・投資家の声を反映させるべく、ボトムアップ型で企業価値向上に向けた議論と経営への提言サイクルを開始するなど、株主還元姿勢を全社的に強化している。現時点のPBRは1倍を超えているが、業績推移や株主還元の状況を踏まえると、依然として割安感があると見ている。
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