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【日銀ETF売却決定】日本株動揺も強気ムード健在、需給影響は軽微との見方が支配的
配信日時:2025/09/19 18:20
配信元:MINKABU
19日の東京株式市場で日経平均株価は高値波乱の展開となった。日銀はこの日まで開いた金融政策決定会合で、ETF(上場投資信託)の売却を決め、少なからず市場参加者に動揺をもたらした。しかし売却ペース自体は市場においてある程度想定されていたスピードであり、企業による自社株買いの増加を背景に需給面での悪影響は軽微との受け止めが支配的だ。
この日の日経平均は朝方から上げ足を速め、取引時間中の史上最高値を連日で更新した。しかし日銀によるETF売却の決定が伝わってしばらくすると、海外短期筋の先物売りが膨らみ、下げ幅は800円を超える場面があった。後場後半は下げ幅を縮小し、4万5000円台を維持して終了したものの、日中値幅は1357円に広がった。
日銀の資料によると、ETFの売却ペースは簿価ベースで年間3300億円程度(時価ベースで6200億円程度)。市場全体の売買代金に占める売却割合は0.05%にとどまる。全てを売却するのには100年以上の時間が掛かる計算だ。もっとも、日銀がETFの売却を検討していること自体は複数のメディアで報じられており、売却ペースについて100年以上の時間が掛かると指摘する報道もあった。株価指数が過去最高値圏にあるなかで「いつ売却方針が示されてもおかしくはなかった」(中堅証券ストラテジスト)とみられていたのも確かだ。
今回の決定会合ではETFの売却決定以外に、高田創審議委員と田村直樹審議委員が政策金利0.5%の据え置きの方針に反対したことも明らかになった。次回会合以降の利上げの可能性が意識されることとなったが、仮に日銀が0.75%への利上げに踏み切ったとしても、先進国の政策金利との比較で低水準にとどまっている。上場企業による自社株買いの設定枠が1~5月の時点で約12兆1000億円の規模に膨らんでいることを踏まえると、ETF売却のもたらす悪影響は、資本効率の向上に向けた企業の自社株買いの活発化にかき消される公算が大きい。
三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト、市川雅浩氏は「ETFの売却方針は金額的にみても市場へのインパクトは小さく、投資家が身構える局面は早々に終了するだろう」としたうえで、「米国経済や米国株を巡る不透明感が高まらない限りは、日本株の上昇基調は続きそうだ」と話す。
コロナショックのあった2020年3月に日銀は1日あたりのETFの買い入れ額を2000億円超に増額し、その月の買い入れ額は1兆5000億円超に上った。結果として日経平均は同月安値(ザラ場ベース)の1万6358円を底値に上昇トレンドに復することとなり、「中銀に逆らうな」との格言の存在を多くの投資家に改めて印象付けることとなった。同じ格言を照らし合わせると、今回の日銀の決定を受けて売り時と考えることも可能だが、そのような声は少数派にとどまっている。米国株の上昇が止まらない足もとの地合いにおいて、株高に乗り遅れることへの恐怖心理のほうが強い状況にあるようだ。
出所:MINKABU PRESS
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