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株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(9)
配信日時:2025/09/10 18:09
配信元:FISCO
*18:09JST 株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(9)
ヘッドウォータース<4011>
JAL様向けには、SLM(小規模言語モデル)を活用したAIエージェントソリューションを提供しております。本事例は、従来のインターネット接続型のSLMとは異なり、オフライン環境で動作可能なタブレット搭載型モデルを採用している点に大きな特長があります。
一般的なLLM(大規模言語モデル)は、Web上の広範な情報を学習ベースとし、クラウド上の巨大なAIモデルが様々な質問に回答する仕組みですが、その情報源の信頼性にばらつきがあるため、誤情報の生成リスクが伴います。
一方、今回JAL様に導入したモデルは、タブレット内で完結する軽量モデルで、特定業務に最適化されたファインチューニング済みのAIとなっています。このため、あらかじめ限定された正確な業務データのみを読み込ませることで、高精度かつ安全な業務支援が可能となります。このSLMは、インターネット通信が不要な設計となっているため、JAL様のように通信環境が制限される機内でもスムーズに利用できます。実際には、客室乗務員向けにタブレット端末を通じて提供されており、業務中の会話ベースで様々な確認作業や業務支援が可能となっています。
さらに生成AIの機能を活かし、これまで手作業で数時間を要していた運航レポートの作成を、フライト終了と同時に自動生成する仕組みも導入済みです。乗務員は生成されたレポートを確認し、提出するだけでよく、具体的な工数削減効果が実現されています。
このSLMというのは、出てきたのは最近のことでして、名前は知られていても、実際に業務に実装したという会社は世界的にもまだほとんど存在していません。今回の事例では、当時マイクロソフトが発表したばかりの最新のSLMを用いて、マイクロソフトのトップエンジニアと、当社のトップエンジニアが共同で「どうやって実装するか」を研究・検討し、実際に導入までこぎつけました。その結果、このプロジェクトが世界で初めての実用事例となっています。
非常に注目されている技術です。おそらく今後は、建築現場をはじめ、飛行機や電車の車内、工場といった通信環境が良くない場所でも、音声でその場ですぐAIに作業を頼むといった活用が広がっていくと思われます。こうした環境では、業務に特化したAIが無駄な情報を一切排除した状態で稼働することが可能であり、即応性の高いツールとして機能します。このように、現場の利便性と実用性を兼ね備えた技術であるため、今後の発展性は極めて高いと見ています。AIのビジネスユースにおける“キラーコンテンツ”になっていく可能性が非常に大きいと感じています。我々は、まさにこの領域で世界最先端の事例を牽引しています。
富士通様が顧客対応を担当され、当社が開発を担う形で、富士通様とヘッドウォータースが共同でサービスを提供しております。
こうしたご縁もあり、現在は富士通様ともさまざまな協議・対話を重ねております。
大手SIer様であることから、それぞれに得意分野がございます。大規模なレガシーシステムの開発などは、当然ながら相手先の強みです。一方、当社はモダンなテクノロジー、とりわけAIの活用、AIモデルの構築、および既存システムへのAI組み込みといった分野を得意としております。
ただし、たとえば100億円規模の開発案件を即座に自社単独で受託するのは現時点では容易ではなく、こうした点においても両社の強みを生かした協業体制が組まれております。また、大手SIer様は極めて広範な顧客基盤を有しており、当社がこれまでアクセスできていなかった新たな顧客層へのリーチも実現しています。実際、現在も富士通様をはじめ、複数の著名な企業様と共同プロジェクトを進行中であり、既に複数の案件が立ち上がっております。
こちらが先ほど触れたソニーセミコンダクタソリューションズ様との共同ソリューションになります。ソニー様が提供するAIカメラ、すなわちビジョンセンサーを活用し、例えばコンビニエンスストアの天井に多数のカメラを設置し、店内の状況をリアルタイムで把握します。これらのデータはマイクロソフトのMicrosoft Azure上に収集・蓄積され、購買動向の分析、現場状況の把握、さらにはその最適化に活用されております。AIが棚の商品状況を確認し、不足している箇所を自動的に検知・指示するような機能の実装も進めております。
このように、IoT系のソリューションについては、マイクロソフト様およびソニー様との連携のもとで開発を進めており、対象領域は極めて広範です。現在では、工事現場や大型ビルディング等、さまざまな現場で活用が始まっております。
こちらの図は、生成AI/AIエージェントの現状を示すものでございます。現在、当社の売上高の約30%がAIエージェント関連事業によるものであり、今後もこの比率はさらに高まる見込みです。AIエージェントの売上構成比は着実に拡大しており、会社全体の成長を牽引する領域となりつつあります。
そして、当社は今後、このAIエージェント市場、さらには広義のAI領域において、トップランナーとしての地位を確立するべく、さらに注力してまいります。
図中の盤面イメージでは、横軸にマーケットの広がり、縦軸に提供可能な機能を示しており、当社ヘッドウォータースグループがどの領域をカバーしているかを表現しております。ご覧のとおり、AI技術の開発から、エンタープライズ向けの各種機能に至るまで、ほぼ網羅的にメニューを展開しております。
海外市場においては、用途や業種によっては既にDATA IMPACT JOINT STOCK COMPANY社が一定の領域を網羅し始めており、特に中小企業や地方企業向けの領域においては進展が見られます。また、フィジカルな現場感を伴う業務、たとえばロースキルながらも実務に密着した業務領域におけるトレーナーやエンジニアの育成といった分野については、現時点では当社としてはカバーしておりません。
当社ヘッドウォータースとしては、まずはAIエージェント事業の中核領域に注力し、その領域で突き抜けた成果を創出することを最優先に取り組んでおります。そして、その成果をもとに、より広範なマーケットへ展開・拡散させることで、売上および利益の拡大へとつなげていく戦略を描いております。現在は、当社が最も競争力を有する中核領域においてブレイクスルーを達成しつつありますが、今後はこの全体盤面を俯瞰し、どのようにしてマーケット全体をカバーし、事業領域をさらに拡大していくかという視点で戦略を立案・実行してまいります。
株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(10)に続く
<KM>
JAL様向けには、SLM(小規模言語モデル)を活用したAIエージェントソリューションを提供しております。本事例は、従来のインターネット接続型のSLMとは異なり、オフライン環境で動作可能なタブレット搭載型モデルを採用している点に大きな特長があります。
一般的なLLM(大規模言語モデル)は、Web上の広範な情報を学習ベースとし、クラウド上の巨大なAIモデルが様々な質問に回答する仕組みですが、その情報源の信頼性にばらつきがあるため、誤情報の生成リスクが伴います。
一方、今回JAL様に導入したモデルは、タブレット内で完結する軽量モデルで、特定業務に最適化されたファインチューニング済みのAIとなっています。このため、あらかじめ限定された正確な業務データのみを読み込ませることで、高精度かつ安全な業務支援が可能となります。このSLMは、インターネット通信が不要な設計となっているため、JAL様のように通信環境が制限される機内でもスムーズに利用できます。実際には、客室乗務員向けにタブレット端末を通じて提供されており、業務中の会話ベースで様々な確認作業や業務支援が可能となっています。
さらに生成AIの機能を活かし、これまで手作業で数時間を要していた運航レポートの作成を、フライト終了と同時に自動生成する仕組みも導入済みです。乗務員は生成されたレポートを確認し、提出するだけでよく、具体的な工数削減効果が実現されています。
このSLMというのは、出てきたのは最近のことでして、名前は知られていても、実際に業務に実装したという会社は世界的にもまだほとんど存在していません。今回の事例では、当時マイクロソフトが発表したばかりの最新のSLMを用いて、マイクロソフトのトップエンジニアと、当社のトップエンジニアが共同で「どうやって実装するか」を研究・検討し、実際に導入までこぎつけました。その結果、このプロジェクトが世界で初めての実用事例となっています。
非常に注目されている技術です。おそらく今後は、建築現場をはじめ、飛行機や電車の車内、工場といった通信環境が良くない場所でも、音声でその場ですぐAIに作業を頼むといった活用が広がっていくと思われます。こうした環境では、業務に特化したAIが無駄な情報を一切排除した状態で稼働することが可能であり、即応性の高いツールとして機能します。このように、現場の利便性と実用性を兼ね備えた技術であるため、今後の発展性は極めて高いと見ています。AIのビジネスユースにおける“キラーコンテンツ”になっていく可能性が非常に大きいと感じています。我々は、まさにこの領域で世界最先端の事例を牽引しています。
富士通様が顧客対応を担当され、当社が開発を担う形で、富士通様とヘッドウォータースが共同でサービスを提供しております。
こうしたご縁もあり、現在は富士通様ともさまざまな協議・対話を重ねております。
大手SIer様であることから、それぞれに得意分野がございます。大規模なレガシーシステムの開発などは、当然ながら相手先の強みです。一方、当社はモダンなテクノロジー、とりわけAIの活用、AIモデルの構築、および既存システムへのAI組み込みといった分野を得意としております。
ただし、たとえば100億円規模の開発案件を即座に自社単独で受託するのは現時点では容易ではなく、こうした点においても両社の強みを生かした協業体制が組まれております。また、大手SIer様は極めて広範な顧客基盤を有しており、当社がこれまでアクセスできていなかった新たな顧客層へのリーチも実現しています。実際、現在も富士通様をはじめ、複数の著名な企業様と共同プロジェクトを進行中であり、既に複数の案件が立ち上がっております。
こちらが先ほど触れたソニーセミコンダクタソリューションズ様との共同ソリューションになります。ソニー様が提供するAIカメラ、すなわちビジョンセンサーを活用し、例えばコンビニエンスストアの天井に多数のカメラを設置し、店内の状況をリアルタイムで把握します。これらのデータはマイクロソフトのMicrosoft Azure上に収集・蓄積され、購買動向の分析、現場状況の把握、さらにはその最適化に活用されております。AIが棚の商品状況を確認し、不足している箇所を自動的に検知・指示するような機能の実装も進めております。
このように、IoT系のソリューションについては、マイクロソフト様およびソニー様との連携のもとで開発を進めており、対象領域は極めて広範です。現在では、工事現場や大型ビルディング等、さまざまな現場で活用が始まっております。
こちらの図は、生成AI/AIエージェントの現状を示すものでございます。現在、当社の売上高の約30%がAIエージェント関連事業によるものであり、今後もこの比率はさらに高まる見込みです。AIエージェントの売上構成比は着実に拡大しており、会社全体の成長を牽引する領域となりつつあります。
そして、当社は今後、このAIエージェント市場、さらには広義のAI領域において、トップランナーとしての地位を確立するべく、さらに注力してまいります。
図中の盤面イメージでは、横軸にマーケットの広がり、縦軸に提供可能な機能を示しており、当社ヘッドウォータースグループがどの領域をカバーしているかを表現しております。ご覧のとおり、AI技術の開発から、エンタープライズ向けの各種機能に至るまで、ほぼ網羅的にメニューを展開しております。
海外市場においては、用途や業種によっては既にDATA IMPACT JOINT STOCK COMPANY社が一定の領域を網羅し始めており、特に中小企業や地方企業向けの領域においては進展が見られます。また、フィジカルな現場感を伴う業務、たとえばロースキルながらも実務に密着した業務領域におけるトレーナーやエンジニアの育成といった分野については、現時点では当社としてはカバーしておりません。
当社ヘッドウォータースとしては、まずはAIエージェント事業の中核領域に注力し、その領域で突き抜けた成果を創出することを最優先に取り組んでおります。そして、その成果をもとに、より広範なマーケットへ展開・拡散させることで、売上および利益の拡大へとつなげていく戦略を描いております。現在は、当社が最も競争力を有する中核領域においてブレイクスルーを達成しつつありますが、今後はこの全体盤面を俯瞰し、どのようにしてマーケット全体をカバーし、事業領域をさらに拡大していくかという視点で戦略を立案・実行してまいります。
株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(10)に続く
<KM>
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