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株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(5)
配信日時:2025/09/10 18:05
配信元:FISCO
*18:05JST 株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(5)
ヘッドウォータース<4011>
SyncLectは、昔から当社が活用している開発用のプラットフォームであり、さまざまなAIモデルの構築や、AIを活用するための機能を部品化して共有する仕組みです。一度作ったものを繰り返し使えるようにし、次に必要になった際にはゼロから開発しなくても済むようになっています。そうした部品を組み合わせてソリューションを提供していくという考え方で、「作らなくていいものは作らない」「使えるものは世界中のものも含めて全部使う」「再利用可能なものは何度でも再利用する」という方針のもと、コストと開発スピードの最適化を目指して構築したプラットフォームです。
たとえば具体例として、昨年リリースした大和証券様向けのAIオペレーターがあります。これは、電話対応をAIがすべて行い、会話しながら質問応答(Q&A)に対応するというもので、導入前には平均で20数分かかっていた待ち時間を、導入後にはゼロにまで短縮することを実現しました。
このAIオペレーターの開発は、実は非常に難易度が高いです。簡単に会話するだけなら、誰でもできます。AIは、学習したデータの内容によっては、事実と異なることを答えてしまうリスクがあります。
たとえば、今回は証券会社のオペレーター業務のため、もしAIが金融に関する内容で誤った回答をしてしまうと、それは社会問題に発展しかねません。金融庁の管轄下にあるサービスである以上、そうしたリスクを含むものはToC(一般消費者)向けにはリリースできないという制約があります。そこで、我々はこのサービスについて、金融庁からしっかりと認可を得て、必要な審査をすべて通過した上でリリースしています。実際にこのAIオペレーターはすでにリリースから1年が経過していますが、現在でも他社には実現できていないというのが現状です。
これは、さまざまなテクノロジーを組み合わせて構築されているもので、まず最初に質問を受けるAIエージェントがいて、そのAIエージェントが「この質問なら、次はこのエージェントが適任だろう」と判断して、別のAIエージェントに処理を振るような仕組みになっています。そして、次のAIエージェントが、社内で構築したRAG(Retrieval-Augmented Generation)の仕組みを用いてデータを読み込み、そのデータを基に生成し、回答を返す、そのような構成です。裏では、階層的に何十体ものAIエージェントが控えており、彼らが連携して共同で回答を生成するという仕組みになっています。これは非常に複雑なアーキテクチャであり、かつ、コストや処理スピード、安定稼働を担保しながらこうしたサービスを実現できている企業は、今のところ日本国内では我々しかいないだろうという評価を受けています。
この仕組みを構築するにあたり、当初お客様から「4ヶ月でやってほしい」という依頼をいただきましたが、これは本来、世界初とも言えるレベルのプロジェクトで、通常なら1年半くらいかかっても「すごい」と言われるような内容です。それを4ヶ月で実現してくれ、という話をいただきました。社内でも「本当にできるのか」と何度も検証を重ね、最終的に「ギリギリいける」と判断し、お引き受けしました。これはあくまでToC向けの正式なサービス提供であり、実験や研究開発ではありません。結果的に4ヶ月でリリースできたということで、「奇跡のスピード」と言われています。
この実現を支えたのが、我々が保有する開発プラットフォーム「SyncLect」です。SyncLectが元々あったからこそ、さまざまな部品を組み合わせて開発工数を圧縮し、コストを抑えることができました。それだけこのプラットフォームの威力は大きい、ということを実感しています。
そして、ここからは上半期の振り返りになります。
前進できた点もあれば、目論見通りにはいかなかった部分もあります。このあたりをしっかりと整理して、率直にお話ししていきたいと思います。
まずこちらが決算概要です。
目立つ数字としては、赤枠のAI分野が前年同期比154%と、50%以上の成長を遂げている点です。昨年からAIエージェントに関する引き合いが非常に増加しており、今年はAIエージェント関連の開発件数が大きく伸びるだろうと予想していました。実際、そのとおりの結果となっています。
これに対応するために、第1四半期は既存の社員数ではとても対応しきれないと判断し、人材の育成に注力しました。社員だけでなく、外注パートナーに対しても、前倒しで報酬を支払ってでもエンジニア教育を実施し、とにかくこの巨大な需要に応えられる体制を整備しようというのが第1四半期のテーマでした。
その結果、売上高は前年同期比122.9%となり、上半期としては過去最高の売上を達成しました。今後は育成した人材とこれまでの営業活動が組み合わさることで、第3四半期以降、さらに伸長していく見通しです。
売上高については、基本的には予定通りで順調に推移しており、過去最高を記録しました。また、1顧客あたりの売上単価も過去最高となっています。お客様を大手企業に絞り込んだことにより、1社あたりの売上も過去最高となっており、全体として非常に好調です。
特筆すべき点としては、AI分野の伸びが著しいことです。特にAIエージェントの開発に対するニーズが非常に強く、市場における需要の高さを明確に示す結果となっています。
目論見通りにいかなかった点としては、第1四半期における営業損失が挙げられます。もともと「第1四半期は赤字でもいいからアクセルを踏もう」という方針ではありましたが、想定以上にコストがかかりました。具体的には、将来的な開発を見据えてSyncLectのAIエージェント機能を強化したこと、人材の採用を進めたこと、そしてパートナー企業に対しても赤字覚悟で教育目的のプロジェクトを依頼したことなどが影響しています。これらの施策によって、当初の想定よりも赤字が膨らむ結果となりました。
第1四半期の営業損失額が6700万円に達する中で、上半期終了時点の営業損失額は2400万円にまで抑えられており、裏を返せば第2四半期単体では4000万円以上の黒字が出ているということです。基本的に赤字は第1四半期のみにとどまり、そこからは利益を積み上げている状況にあります。
また、実はこの2400万円の赤字についても、ギリギリまで黒字化できるかという議論を役員会でもしていました。最終的には検収ずれが発生したため黒字には届かず、ご期待に添えなかったことを非常に申し訳なく思っております。ただし、第3四半期に向けてはその分も織り込み済みであり、今後はしっかりと収益を上げていきたいと考えています。
粗利自体も過去最高額を記録しており、基本的には非常に良い状態となっています。
一方で経常損失についてですが、今回はデリバティブの評価損が発生しています。これは我々としてもコントロールが難しい部分であり、やむを得ない要因となります。ただし、ここ数日で対象会社の株価が非常に好調な動きを見せており、第3四半期、第4四半期にかけては、デリバティブ評価益の発生により、経常利益が増加する可能性も出てきています。今後の状況を注視していきたいと考えています。
株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(6)に続く
<KM>
SyncLectは、昔から当社が活用している開発用のプラットフォームであり、さまざまなAIモデルの構築や、AIを活用するための機能を部品化して共有する仕組みです。一度作ったものを繰り返し使えるようにし、次に必要になった際にはゼロから開発しなくても済むようになっています。そうした部品を組み合わせてソリューションを提供していくという考え方で、「作らなくていいものは作らない」「使えるものは世界中のものも含めて全部使う」「再利用可能なものは何度でも再利用する」という方針のもと、コストと開発スピードの最適化を目指して構築したプラットフォームです。
たとえば具体例として、昨年リリースした大和証券様向けのAIオペレーターがあります。これは、電話対応をAIがすべて行い、会話しながら質問応答(Q&A)に対応するというもので、導入前には平均で20数分かかっていた待ち時間を、導入後にはゼロにまで短縮することを実現しました。
このAIオペレーターの開発は、実は非常に難易度が高いです。簡単に会話するだけなら、誰でもできます。AIは、学習したデータの内容によっては、事実と異なることを答えてしまうリスクがあります。
たとえば、今回は証券会社のオペレーター業務のため、もしAIが金融に関する内容で誤った回答をしてしまうと、それは社会問題に発展しかねません。金融庁の管轄下にあるサービスである以上、そうしたリスクを含むものはToC(一般消費者)向けにはリリースできないという制約があります。そこで、我々はこのサービスについて、金融庁からしっかりと認可を得て、必要な審査をすべて通過した上でリリースしています。実際にこのAIオペレーターはすでにリリースから1年が経過していますが、現在でも他社には実現できていないというのが現状です。
これは、さまざまなテクノロジーを組み合わせて構築されているもので、まず最初に質問を受けるAIエージェントがいて、そのAIエージェントが「この質問なら、次はこのエージェントが適任だろう」と判断して、別のAIエージェントに処理を振るような仕組みになっています。そして、次のAIエージェントが、社内で構築したRAG(Retrieval-Augmented Generation)の仕組みを用いてデータを読み込み、そのデータを基に生成し、回答を返す、そのような構成です。裏では、階層的に何十体ものAIエージェントが控えており、彼らが連携して共同で回答を生成するという仕組みになっています。これは非常に複雑なアーキテクチャであり、かつ、コストや処理スピード、安定稼働を担保しながらこうしたサービスを実現できている企業は、今のところ日本国内では我々しかいないだろうという評価を受けています。
この仕組みを構築するにあたり、当初お客様から「4ヶ月でやってほしい」という依頼をいただきましたが、これは本来、世界初とも言えるレベルのプロジェクトで、通常なら1年半くらいかかっても「すごい」と言われるような内容です。それを4ヶ月で実現してくれ、という話をいただきました。社内でも「本当にできるのか」と何度も検証を重ね、最終的に「ギリギリいける」と判断し、お引き受けしました。これはあくまでToC向けの正式なサービス提供であり、実験や研究開発ではありません。結果的に4ヶ月でリリースできたということで、「奇跡のスピード」と言われています。
この実現を支えたのが、我々が保有する開発プラットフォーム「SyncLect」です。SyncLectが元々あったからこそ、さまざまな部品を組み合わせて開発工数を圧縮し、コストを抑えることができました。それだけこのプラットフォームの威力は大きい、ということを実感しています。
そして、ここからは上半期の振り返りになります。
前進できた点もあれば、目論見通りにはいかなかった部分もあります。このあたりをしっかりと整理して、率直にお話ししていきたいと思います。
まずこちらが決算概要です。
目立つ数字としては、赤枠のAI分野が前年同期比154%と、50%以上の成長を遂げている点です。昨年からAIエージェントに関する引き合いが非常に増加しており、今年はAIエージェント関連の開発件数が大きく伸びるだろうと予想していました。実際、そのとおりの結果となっています。
これに対応するために、第1四半期は既存の社員数ではとても対応しきれないと判断し、人材の育成に注力しました。社員だけでなく、外注パートナーに対しても、前倒しで報酬を支払ってでもエンジニア教育を実施し、とにかくこの巨大な需要に応えられる体制を整備しようというのが第1四半期のテーマでした。
その結果、売上高は前年同期比122.9%となり、上半期としては過去最高の売上を達成しました。今後は育成した人材とこれまでの営業活動が組み合わさることで、第3四半期以降、さらに伸長していく見通しです。
売上高については、基本的には予定通りで順調に推移しており、過去最高を記録しました。また、1顧客あたりの売上単価も過去最高となっています。お客様を大手企業に絞り込んだことにより、1社あたりの売上も過去最高となっており、全体として非常に好調です。
特筆すべき点としては、AI分野の伸びが著しいことです。特にAIエージェントの開発に対するニーズが非常に強く、市場における需要の高さを明確に示す結果となっています。
目論見通りにいかなかった点としては、第1四半期における営業損失が挙げられます。もともと「第1四半期は赤字でもいいからアクセルを踏もう」という方針ではありましたが、想定以上にコストがかかりました。具体的には、将来的な開発を見据えてSyncLectのAIエージェント機能を強化したこと、人材の採用を進めたこと、そしてパートナー企業に対しても赤字覚悟で教育目的のプロジェクトを依頼したことなどが影響しています。これらの施策によって、当初の想定よりも赤字が膨らむ結果となりました。
第1四半期の営業損失額が6700万円に達する中で、上半期終了時点の営業損失額は2400万円にまで抑えられており、裏を返せば第2四半期単体では4000万円以上の黒字が出ているということです。基本的に赤字は第1四半期のみにとどまり、そこからは利益を積み上げている状況にあります。
また、実はこの2400万円の赤字についても、ギリギリまで黒字化できるかという議論を役員会でもしていました。最終的には検収ずれが発生したため黒字には届かず、ご期待に添えなかったことを非常に申し訳なく思っております。ただし、第3四半期に向けてはその分も織り込み済みであり、今後はしっかりと収益を上げていきたいと考えています。
粗利自体も過去最高額を記録しており、基本的には非常に良い状態となっています。
一方で経常損失についてですが、今回はデリバティブの評価損が発生しています。これは我々としてもコントロールが難しい部分であり、やむを得ない要因となります。ただし、ここ数日で対象会社の株価が非常に好調な動きを見せており、第3四半期、第4四半期にかけては、デリバティブ評価益の発生により、経常利益が増加する可能性も出てきています。今後の状況を注視していきたいと考えています。
株式会社ヘッドウォータース:2025年12月期第2四半期決算説明会文字起こし(6)に続く
<KM>
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