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明日の株式相場に向けて=SQに向けた売り仕掛けとどう戦うか
配信日時:2025/09/01 17:30
配信元:MINKABU
週明け1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比529円安の4万2188円と大幅続落。一時900円近い下げで4万2000円を下回る場面もあった。最近の相場は上昇トレンドに突入すると目を見張る強さで「押し目待ちに押し目なし」となるケースが多いが、いったん動きが止まると今度はベクトルの向きが反転し下向きに加速するのが常だ。待ち望んだ押し目形成場面がようやく訪れて飛びついたはいいが、そのまま下り方向の特急に乗せられる羽目となるパターンも少なくない。9月は見方によっては買い場を提供している月でもあるが下値は意外に深く、焦らないことが肝要である。
9月相場は1年を通じて日米ともに弱い月として知られ、日本の場合は過去10年間さかのぼって、外国人投資家は月間ベースですべて売り越しという特異月でもある。しかも、直近2年間は2023年9月が現物で2兆円強、24年は3兆円近い大幅な売り越しとなっていた。そうしたなか、今はPERなどバリュエーションがかなり割高に放置されており、来週末12日のメジャーSQ算出に向けて先物主導で下値誘導しやすい条件が揃っている。つまり売り仕掛けが入りやすいタイミングとなっている。
前週末の欧米株市場は全面安で、とりわけ米国ではエヌビディア<NVDA>を筆頭にAI関連への売りが目立った。その背景には中国のアリババ<BABA>が新たなAI半導体を開発したと伝わったことが背景にあるが、このあからさまなディープシーク・ショックの二の舞をイメージさせるような報道が、絵に描いたようにCTAによるアルゴリズムの先物売りと共鳴した。前週末の引け後に日経平均先物の不可解な下げが市場関係者の間でも話題となっていたが、これはきょう前場の雪崩のごとき下げまで一本の線でつながっている。
今は個別株も内需株に優位性が意識されやすい環境となっている。今回のアリババの開発したAI半導体が第2のディープシーク・ショックの火種となり得るのかどうかは置くとして、報道のタイミングが、直近発表されたエヌビディアの決算でAI半導体の旺盛な需要が改めて確認された直後であっただけに、逆風材料としては青天の霹靂的なインパクトがあった。売り方の立場とすれば、12日のメジャーSQに向けた日経平均への売り仕掛けで有効なのは、アドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>、あるいはソフトバンクグループ<9984.T>といった指数寄与度の高い値がさ株を崩れ足に誘導することだ。日経平均をリスクオフモードに晒すにはこれが最も早く確実であり、AI半導体周辺株はその思惑に流されやすい。これまで何度も見せ場を作ってきた銘柄は休養も必要で、SQ絡みの9月上旬はしばらく様子をみたい。
他方、全体相場が時化(しけ)模様となった時、キャピタルロス懸念を緩和する株主還元意欲の強いバリュー株が下値抵抗力を発揮する。今週から来週にかけてはAI半導体の突っ込み買いのタイミングを推し測りながらも、頑強な値動きを維持する高配当利回り株に着目しておくのが実践的だ。
そのなか、クレハ<4023.T>は配当利回りが5.7%前後と極めて高水準。家庭用にクレラップで有名だがリチウムイオン電池材料でも実績が高く、26年3月期は営業利益が前期比5割近い伸びを見込んでいる。また、インナーウェアを手掛けるグンゼ<3002.T>も同様に5.7%台の高配利回りが魅力。8月6日の年初来高値更新から4000円台を地相場とする動きを期待。更にスクロール<8005.T>はアパレルや服飾雑貨などのネット販売を展開するが2月4日の年初来高値1135円払拭まであと一歩で、配当利回りも5.3%前後に達しており、PERも割安感が強く1000円絡みのもみ合いは強気に対処してみたいところだ。メイテックグループホールディングス<9744.T>はIT技術者派遣という時流に乗ったビジネスモデルだが、配当のみで総還元性向100%を標榜しており、配当利回りはやはり5.3%近辺と高い。このほか小型株では、首都圏を中心に認可保育所を運営するグローバルキッズCOMPANY<6189.T>は値ごろ感があり、かつ長期波動で大底圏。時価総額100億円未満の小型成長株ながら意外にも年5%を超える配当利回りを誇る。同社は9月決算企業ということも加味して、ここから配当権利取り狙いの動きも想定される。通期営業利益は会社側計画に未達となる可能性はあるものの、進捗率から織り込みが進んでいると思われる。配当利回りが高いだけでなく、PER0.9倍台で割安感も担保されている。
あすのスケジュールでは、8月のマネタリーベースが朝方取引開始前に日銀から開示されるほか、午前中に日銀の氷見野副総裁が道東地域金融経済懇談会で挨拶を行う。なお、氷見野副総裁は午後(懇談会終了後)に記者会見を予定している。また、前場取引時間中に10年物国債の入札が予定されている。後場取引時間中には8月の財政資金対民間収支が発表される。また、個別企業では国内ユニクロ既存店売上高が開示され関心を集めそうだ。海外では8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、8月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数、7月の米建設支出などにマーケットの関心が高い。なお、この日はベトナム市場が休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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