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明日の株式相場に向けて=「AIデータセンター関連」怒涛の逆襲
配信日時:2025/08/28 17:30
配信元:MINKABU
きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比308円高の4万2828円と続伸。注目された米エヌビディア<NVDA>の決算は、日本時間早朝に開示されたが、端的に言って合格ラインを優に上回る好決算であった。ただ、難癖をつけようと思えばつけられないこともない。同社株は事前に買われていた反動もあって時間外で売り込まれており、これを受けてきょうの東京市場でもAI関連や半導体関連、データセンター関連といった範疇に属する銘柄には向かい風が意識された。これは同時に日経平均の下値模索をイメージさせるものであった。ところが、日経平均は思いのほか頑強ぶりを発揮、終わってみれば300円を超える上昇で4万2000円台後半で着地し、文字通りの高値引けとなった。
日経平均の騰落レシオはここやや沈静化したとはいえ、前日時点で依然として140%を超えており過熱感は強い。ファンダメンタルズ面からのアプローチでも企業の1株利益が減少傾向にあるなか、日経225ベースのPERは直近で17.6倍とかなりイレギュラーに高い水準に跳ね上がっている。こうなると、9月12日のメジャーSQに向け売り仕掛けの思惑が再燃するのは自然な流れでもある。その観点で今回のエヌビディアの決算発表は、日経平均を下に誘導するにはマグナム級のトリガーとなり得るイベントではあった。
エヌビディアの5~7月期売上高は前年同期比56%増、最終利益も同59%増といずれも市場コンセンサスを上回る高水準の伸びを達成した。データセンター部門の売上高はコンセンサスに若干未達だったが、413億ドルのコンセンサスに対し411億ドルの実績であり、これをもって“AIサーバー投資に減速の兆し”と喧伝するのはさすがに売り方の思惑を前面に押し出した論理で、かつ恣意的といえる。きょうは、ソフトバンクグループ<9984.T>が強さを発揮し、エヌビディア関連の最右翼に位置付けられるアドバンテスト<6857.T>も叩き切れずプラス圏に切り返した。データセンター関連ではシンボルストックとなっているフジクラ<5803.T>が空売り筋の買い戻しを誘発、株価のベクトルは思惑とは逆向きとなり6連騰、典型的な踏み上げ相場で上場来高値も視界に入った。
データセンター関連は裾野が広く、テーマ買い対象としてこれから佳境を迎えるような銘柄も相当数埋もれている可能性が高い。国内でAIデータセンター特需が本格化するのはこれからである。何といっても日本にあるデータセンターの数は米国の20分の1以下といわれている。こうした状況下、政府は基盤クラウドの海外依存度の緩和及び経済安全保障の観点から同分野の強化を推進する方向にあり、データセンター建設で商機を捉える企業が相次ぐことになる。
ここでマークしておきたい銘柄がアジアパイルホールディングス<5288.T>だ。同社はデータセンター案件で高水準のパイル出荷が見込まれる状況にある。加えて、半導体工場向けでも抜群の実績を有し、台湾の半導体受託生産世界最大手TSMC<TSM>の大型案件(熊本第2工場向け)の収益寄与が注目される。また、コンストラクションマネジメントを展開する明豊ファシリティワークス<1717.T>もデータセンターに絡むビジネスチャンスを捉えている。データセンター構築には、ファシリティ(設備や施設)に関する知見以外に通信キャリア及びクラウドネットワーク全般に関する専門性などが求められ、同社はそれを人的に支援する形で顧客ニーズを獲得していく構えだ。
データセンター関連以外でも、内需系の中小型材料株で強い動きを堅持している銘柄は少なくない。まず、アフィリエイト広告大手のファンコミュニケーションズ<2461.T>に着目。5日移動平均線をサポートラインに綺麗な右肩上がりのチャートを形成しているが、依然として500円台と株価に値ごろ感がある。長期波動でみても5年以上にわたって底練りを続けていただけに、売り物がこなれている感触がある。また、医療・介護分野向けクラウドサービスを手掛けるカナミックネットワーク<3939.T>の好業績が際立っており、時価は評価不足が歴然だ。上場前の単独決算の時代からトップライン、経常利益ともに成長路線をばく進しており、26年9月期も増収増益が続きそうだ。このほか、独立系システム開発会社で主要客に富士通<6702.T>を抱えているランドコンピュータ<3924.T>の26年3月期業績はV字回復以上の伸びで、売上高と利益(営業・経常・最終)揃って過去最高を更新する見通し。株式需給面で信用買い残が枯れた状態にあることもポイントとなる。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に発表される8月の都区部消費者物価指数(CPI)が注目されるほか、7月の失業率、7月の有効求人倍率、7月の商業動態統計、7月の鉱工業生産(速報値)などにマーケットの関心が高い。また、前場取引時間中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。後場取引時間中には7月の自動車輸出実績、7月の住宅着工統計、8月の消費動向調査などが発表される。海外では4~6月期のインド国内総生産(GDP)のほか、米国では7月の米個人所得・消費支出(PCEデフレーター)に市場の注目度が高い。また、8月の米シカゴ購買部協会景気指数、8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)なども開示される。海外企業の決算発表ではアリババ<BABA>の25年4~6月期決算に耳目が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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