注目トピックス 市況・概況
東証グロース250指数の今後の展開~vol.1
配信日時:2025/08/13 17:00
配信元:FISCO
*17:00JST 東証グロース250指数の今後の展開~vol.1
以下は、2025年8月8日にYouTubeチャンネル「FISCO TV」で配信された「東証グロース250指数の今後の展開」です。2025年上半期相場の振り返りと先物取引の活用方法を、フィスコ アナリストの白幡玲美が紹介、2回に分けて配信します。
皆さん、こんにちは。フィスコ・アナリストの白幡玲美です。本日は、東証グロース市場250指数のポイントとその先物取引の魅力や具体的な活用法についてお話させて頂きます。
東証グロース市場250指数(以降、グロース250指数)について、まず簡単にご説明します。こちらは2023年11月4日までマザーズ指数として運用されていたもので、東京証券取引所の市場再編により、11月6日からグロース250指数と名称変更が行われています。要するに、マザーズ指数の名称が、グロース250指数に変わっただけです。
それでは2025年上半期の相場を振り返ります。日経平均やTOPIX(東証株価指数)が2024年に史上最高値を更新するなか、グロース250指数はここ数年低調な動きが目立っていました。しかし、2024年秋以降、相場の転換期に差し掛かり、2025年に入ってからは、グロース250指数は年初来高値の更新が続き、2024年末終値に対する上昇率は14.6%(7/18終値時点)に達しています。
2025年1月から2月にかけては、米国の金利動向や日本銀行の政策金利引き上げ観測などが市場の不安定要因となり、調整局面が続いていました。
4月2日(米国時間)に、米国のトランプ政権による相互関税の発表を受けて、リスクオフムードが強まり、グロース250指数は4月7日に年初来安値となる531.72ポイントを記録するなど軟調に推移しました。
しかしその後、5月に入ると米国長期金利がピークアウトの兆しを見せ、国内では政策の安定化が進みました。投資家のリスク選好姿勢が徐々に回復したと見られ、グロース株選好が再燃し、グロース250指数は上昇に転じました。
6月に入ると、指数を構成している一部企業の好決算も支援材料となり、6月13日には年初来高値の772.34ポイントを更新し、同日の先物価格は761ポイントに達しました。2025年前半は調整を余儀なくされましたが、5月以降は反発基調に転じたと言えます。米国の金融緩和スタンスの継続や構成銘柄の業績動向が、グロース市場への投資資金流入を左右する重要な要素となりそうです。
グロース市場は本来、金融政策と強い相関関係があります。過去を見ても、利下げ局面ではグロース株が上昇しやすい傾向があります。2024年9月に米国の利下げが開始されましたが、こうした金融政策の転換はグロース市場にとってポジティブな要因です。
また、グロース市場を巡っては時価総額が一定の基準に満たなければ、上場維持基準の見直しによる上場廃止になるとみられています。
グロース市場には、現在600社余りが上場していますが、規模が小さい企業が多いため、多くの資金を投じる機関投資家の参加が少ないことが課題となっています。
このため東証は、グロース市場で上場を続けられる維持基準について、現在は、
「上場10年後の時価総額が40億円以上」としているのを
「上場5年後の時価総額が100億円以上」に引き上げる方針です。
この基準は2030年以降に適用するとみられ、グロース市場に上場している企業に高い成長を促すとともに、機関投資家からの資金を呼び込む目的です。新基準適用のプレッシャーを受ける企業は、時価総額の増加に向けて具体的な方針を示すことが求められるでしょう。
中長期的には、企業の成長が加速し、株価上昇、資金の流入が期待できそうです。
次に、グロース250指数の構成銘柄についてご紹介いたします。
グロース250指数は、TOPIX同様、時価総額加重型の株価指数で、JPX総研が選定した主力250銘柄から算出されています。定期銘柄入れ替えは年1回で10月末に実施されています。
ちなみに、東証グロース市場”250指数”という名称ではありますが、2025年5月30日時点での構成銘柄は282銘柄です。これは、構成銘柄の追加に関して、「グロース市場に新規上場した銘柄は新規上場日の翌月最終営業日に追加する」というルールがあるためです。
また、グロース市場の時価総額が大きく流動性が高い銘柄は、プライム市場やスタンダード市場に鞍替え(くらがえ)するケースが多いことから、時価総額上位銘柄の顔ぶれは1年でガラッと変わります。
-東証グロース250指数の今後の展開~vol.2に続く-
<NH>
皆さん、こんにちは。フィスコ・アナリストの白幡玲美です。本日は、東証グロース市場250指数のポイントとその先物取引の魅力や具体的な活用法についてお話させて頂きます。
東証グロース市場250指数(以降、グロース250指数)について、まず簡単にご説明します。こちらは2023年11月4日までマザーズ指数として運用されていたもので、東京証券取引所の市場再編により、11月6日からグロース250指数と名称変更が行われています。要するに、マザーズ指数の名称が、グロース250指数に変わっただけです。
それでは2025年上半期の相場を振り返ります。日経平均やTOPIX(東証株価指数)が2024年に史上最高値を更新するなか、グロース250指数はここ数年低調な動きが目立っていました。しかし、2024年秋以降、相場の転換期に差し掛かり、2025年に入ってからは、グロース250指数は年初来高値の更新が続き、2024年末終値に対する上昇率は14.6%(7/18終値時点)に達しています。
2025年1月から2月にかけては、米国の金利動向や日本銀行の政策金利引き上げ観測などが市場の不安定要因となり、調整局面が続いていました。
4月2日(米国時間)に、米国のトランプ政権による相互関税の発表を受けて、リスクオフムードが強まり、グロース250指数は4月7日に年初来安値となる531.72ポイントを記録するなど軟調に推移しました。
しかしその後、5月に入ると米国長期金利がピークアウトの兆しを見せ、国内では政策の安定化が進みました。投資家のリスク選好姿勢が徐々に回復したと見られ、グロース株選好が再燃し、グロース250指数は上昇に転じました。
6月に入ると、指数を構成している一部企業の好決算も支援材料となり、6月13日には年初来高値の772.34ポイントを更新し、同日の先物価格は761ポイントに達しました。2025年前半は調整を余儀なくされましたが、5月以降は反発基調に転じたと言えます。米国の金融緩和スタンスの継続や構成銘柄の業績動向が、グロース市場への投資資金流入を左右する重要な要素となりそうです。
グロース市場は本来、金融政策と強い相関関係があります。過去を見ても、利下げ局面ではグロース株が上昇しやすい傾向があります。2024年9月に米国の利下げが開始されましたが、こうした金融政策の転換はグロース市場にとってポジティブな要因です。
また、グロース市場を巡っては時価総額が一定の基準に満たなければ、上場維持基準の見直しによる上場廃止になるとみられています。
グロース市場には、現在600社余りが上場していますが、規模が小さい企業が多いため、多くの資金を投じる機関投資家の参加が少ないことが課題となっています。
このため東証は、グロース市場で上場を続けられる維持基準について、現在は、
「上場10年後の時価総額が40億円以上」としているのを
「上場5年後の時価総額が100億円以上」に引き上げる方針です。
この基準は2030年以降に適用するとみられ、グロース市場に上場している企業に高い成長を促すとともに、機関投資家からの資金を呼び込む目的です。新基準適用のプレッシャーを受ける企業は、時価総額の増加に向けて具体的な方針を示すことが求められるでしょう。
中長期的には、企業の成長が加速し、株価上昇、資金の流入が期待できそうです。
次に、グロース250指数の構成銘柄についてご紹介いたします。
グロース250指数は、TOPIX同様、時価総額加重型の株価指数で、JPX総研が選定した主力250銘柄から算出されています。定期銘柄入れ替えは年1回で10月末に実施されています。
ちなみに、東証グロース市場”250指数”という名称ではありますが、2025年5月30日時点での構成銘柄は282銘柄です。これは、構成銘柄の追加に関して、「グロース市場に新規上場した銘柄は新規上場日の翌月最終営業日に追加する」というルールがあるためです。
また、グロース市場の時価総額が大きく流動性が高い銘柄は、プライム市場やスタンダード市場に鞍替え(くらがえ)するケースが多いことから、時価総額上位銘柄の顔ぶれは1年でガラッと変わります。
-東証グロース250指数の今後の展開~vol.2に続く-
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