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明日の株式相場に向けて=大相場の鉱脈を探す、各論重視の戦略
配信日時:2025/08/06 17:30
配信元:MINKABU
きょう(6日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比245円高の4万794円と続伸。今週明けは一時900円超の急落で、昨年の8月暴落の再現かと緊張が走ったが、何とか踏みとどまり大引けは500円あまりの下げにとどめた。そして、前日ときょうの2営業日合計で504円上昇し、週初の下げ分をほぼ埋める形となった。きょうの日経平均は前日と同じ250円程度の上げ幅だが、意味合いは大分異なる。ハイテク株中心に軟調な米株市場のリスクオフの流れを引き継いだにもかかわらず、押し目買いニーズが売り圧力を凌駕したわけで、日本株の下値抵抗力の強さがおのずと浮き彫りになった。しかも、指数寄与度の高い半導体関連が安くてもバランスを崩す気配がなかった。内需株への攻勢が鮮明であり、これは決算発表に関係なく、「海外投資家がトランプ関税の影響が及ばない日本の内需株へ資金シフトしている」(ネット証券マーケットアナリスト)という声が聞かれた。
もとより個別株の物色意欲は旺盛である。総論では強気を唱える要素が見当たらないが、そういう相場環境だからこそ個別もショート筋を誘引し、それが踏み上げの土台となって想定外の高値に舞い上がる。株式市場は経済を映す鏡といわれるが、その通りとしてもアカデミックな部分はあえて遠目でないと見えない。相場は富士山に例えられることもある。遠方から眺める富士は日本の象徴と言われるだけの優美さを備え憧憬の対象だが、いざ登山してみると視界に飛び込んでくるのは、風光明媚な印象からは掛け離れた岩山である。遠くから距離を置いてみたものが正体、しかし本質を知るには至近距離で対峙する必要がある。
下水道関連の日本ヒューム<5262.T>や大盛工業<1844.T>などはテーマ買いの流れに乗ったとはいえ、ファンダメンタルズからのアプローチでは説明がつきにくい需給相場の典型的なパターンとなった。他方、きょうはいったん天井を打った感もあるが、データセンター・宇宙・防衛関連として急浮上したビーマップ<4316.T>のような銘柄もある。株価の値動きは凄まじいが、時価総額を考慮すれば実質的に値動きは需給オンリーで支配されている面が強い。これらは比較的近い未来に反動は出る。中長期投資で現物を沈潜していく対象ではないが、株式市場における現実の一コマであることには相違なく、ここに焦点を当てる投資戦略があっても当然否定されるものではない。
今の相場が個別株に飢えているということを感じさせる事象として、この時期に決算プレーにとどまらず、物色の矛先がテーマ株や材料株の物色など広範囲に広がっていることが挙げられる。個別株の回転が効いている一方、全体観としての警戒がブレーキとなって個人の待機資金が潤沢ということが最大の理由と思われるが、しばらくはこの潮流を意識したうえで“強い株”についていくというのが有効性の高い手法といえる。機動的な売買を基本に、日程面で決算に直接絡まない銘柄を絞っていく。
まず、電力設備投資周辺では実質的な青空圏を走る東光高岳<6617.T>や、正真正銘の最高値圏で戻り売り圧力から解放されている住友電設<1949.T>などに注目。また、出世株が相次ぐ下水道関連では、官公需主体で九州を地盤に東北エリアでも実績の高いヤマックス<5285.T>にも目を配っておきたい。
金融業界向けDX支援で需要開拓を進め、生成AIなどの先端IT技術の活用で差別化戦略を推進するクロスキャット<2307.T>も要チェックといえる。同社株に関しては週足チャートで見る限り底値圏離脱の初動で、中長期スタンスで十分報われる投資対象といえる。更に小型株で中期的に化ける要素が感じられるのが、ウェーブロックホールディングス<7940.T>だ。防虫網のトップメーカーだが、にわかに国策支援が取り沙汰されされている農業関連の一角に位置付けられる。農作物を守る遮光・遮熱ネットなどをはじめアグリ関連ビジネスで今後活躍機会が高まりそうだ。26年3月期は営業利益倍増を見込むなど好調な業績もさることながら、0.3倍台のPBRと4.7%前後の高配当利回りはスーパー・バリュー株として要注目である。このほか、光中継システムメーカーとしての商品技術に定評があり、データセンター向け高速伝送ケーブルを手掛ける平河ヒューテック<5821.T>も指標面で割安感があり、既に上場来高値圏を走るが中長期投資に耐える銘柄といえる。
あすのスケジュールでは、7月上中旬の貿易統計、週間の対外・対内証券売買契約がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に6カ月物国庫短期証券の入札と30年物国債の入札が行われ、7月のオフィス空室率が発表される。後場取引時間中には6月の景気動向指数速報値、消費活動指数などが開示。国内主要企業の決算発表では、フジクラ<5803.T>、ソニーグループ<6758.T>、レーザーテック<6920.T>、トヨタ自動車<7203.T>、三菱地所<8802.T>、ニトリホールディングス<9843.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>など。海外では7月の中国貿易統計、英金融政策委員会のほか、米国では週間の新規失業保険申請件数、4~6月期労働生産性指数、6月の消費者信用残高、6月の米卸売在庫・売上高などにマーケットの関心が高い。また、米30年物国債の入札も行われる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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