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明日の株式相場に向けて=データセンター向け「光」関連株に刮目
配信日時:2025/07/30 17:31
配信元:MINKABU
きょう(30日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比19円安の4万654円と小幅ながら4日続落。相変わらず視界不良の難しい地合いが続く。前週に2営業日で2000円あまりの急騰を演じ、ショート筋を悶絶させたかと思えば、前日までの直近3営業日でその半分以上を吐き出す1100円超の下げをみせるなど、強気派の心中も穏やかではない。きょう全体相場が大崩れすれば、ちょうど1年前、令和のブラックマンデーと称された昨年8月初旬の大暴落を想起させるような展開も脳裏をよぎるところだったが、日経平均はそうした思惑をよそに、4万円トビ台で売り買いを拮抗させる展開に終始。TOPIXは堂々のプラス圏着地で、投資家としては胸を撫でおろす1日だったかもしれない。
もっとも、まだ安心はできない。これまで株式市場の関心が集中していた米関税政策の落としどころが、日本と欧州で矢継ぎ早に決まり、米中間については合意には至っていないものの、関税停止措置の期限延長が決まりそうであり、「トランプ関税」という議題においてはマーケットにこれ以上ネガティブな影響は及びにくいようにも見える。しかし、日本や欧州にとって合意文書がないという現実は甚だ心許なく、どこでまたトランプ米政権が難癖をつけてくるかに戦々恐々という局面が続くことになる。
ひとつ言えることは、米国にすれば関税交渉については、丁々発止の末に総じて「してやったり」の形でまとまる公算が大きくなった。これに加えて遅かれ早かれFRBが利下げのカードを切ることが担保されれば、米国株市場にとって少なくとも当面は怖いものなしという環境がもたらされる。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合株価指数の下落を受け、恐怖指数とも言われるVIX指数も上昇したとはいえ、依然として終値で16ポイントを下回った水準。楽観に浸っているような状態が見て取れる。
しかし、トランプ米大統領の思惑通り、米国が関税政策で利を得れば、交渉相手国は不利を被るトレードオフの関係にあることも忘れてはならない。米国で利下げが行われる方向にあり、国内では日銀が物価見通しを上方修正すれば、植田総裁のコメントにかかわらずマーケットの勝手解釈で年内利上げが意識されることが避けられない。となればドル安・円高への警戒感もおのずと高まりやすくなる。これだけ米国にゴリ押しで通されたうえ、国内政局に目を向ければ石破政権がこれまでと同様、何も変わらず舵を握っている。この環境下で日本株にシフトする必然性を海外投資家は感じるだろうか。少なくとも日経平均4万円台で“いけいけドンドン”という気にはならない。調整一巡感が台頭しても、総論としてしばらくはキャッシュポジション高めで維持し、チャンスに備えるのが妥当といえる。
幸いにも個別株物色の流れは継続している。きょうは値上がり銘柄数が66%を占め、3銘柄に2銘柄は上昇した勘定となる。もうしばらくすると決算プレーの鉄火場がメインステージとなってしまうが、それまではテーマ物色の波に乗っておくところだ。きょうの相場は前日に抜群の好決算を発表したアドバンテスト<6857.T>が売り物に押されたのは想定外であったが、これに代わってフジクラ<5803.T>や古河電気工業<5801.T>など電線株が異彩人気を博した。前日の米国株市場ではデータセンター向け光ファイバーを手掛けるコーニング<GLW>が決算発表を受け12%高と急騰した。データセンター特需は光ファイバーや光コネクターを中心とする光部品に及んでいることが改めて確認され、その象徴株であるフジクラや古河電に投資マネーが流れ込んだ。
このほか、関電工<1942.T>などの電気工事関連や光デバイス関連では常連銘柄である精工技研<6834.T>やsantec Holdings<6777.T>などに買いが波及した。特にデータセンター向け「光関連」は今後テーマ買いの宝庫となり得る。ここで要注目となるのが、サンコール<5985.T>だ。同社は不採算のHDD事業から撤退し、収益立て直しを図っているが、そのプロセスが順調に進捗している。そのなか、データセンター向け光コネクターや光アダプターへの展開に傾注、会社側でも今後の成長ドライバーとして期待をかけている。PBR0.3倍台は超割安で、中期的に株価は大きく居どころを変える公算が大きい。このほか、データセンター向け光デバイス関連で湖北工業<6524.T>も目が離せない。データセンター向け単結晶で実績の高いオキサイド<6521.T>も改めてマークしておきたい。
あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の結果発表と植田日銀総裁の記者会見、7月の展望リポートのほか、朝方取引開始前に週間の対外・対内証券売買契約、6月の商業動態統計、6月の鉱工業生産指数(速報値)が開示され、後場取引時間中に6月の自動車輸出実績、6月の建機出荷、6月の住宅着工統計、7月の消費動向調査などが発表される。海外では6月の豪小売売上高、7月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、7月の中国非製造業PMI、4~6月期台湾国内総生産(GDP)、4~6月期香港GDP、6月のユーロ圏失業率、週間の米新規失業保険申請件数、4~6月期米雇用コスト指数、6月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーター、7月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)など。なお、シンガポール金融通貨庁、南アフリカ中銀が政策金利を発表する。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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