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PBシステムズ Research Memo(3):技術を磨き続け、実績を積み上げて卓抜した存在に成長
配信日時:2025/06/17 14:03
配信元:FISCO
*14:03JST PBシステムズ Research Memo(3):技術を磨き続け、実績を積み上げて卓抜した存在に成長
■ピー・ビーシステムズ<4447>の会社概要
2. 沿革
同社は、現 代表取締役社長である野村コンピュータシステム(株)(現 野村総合研究所<4307>)出身の冨田和久(とみたかずひさ)氏が1997年2月に創業した。2004年4月にはシトリックス・システムズ・ジャパン(株)と、シトリックス・ソリューション・アドバイザー/プラチナ契約を締結して、技術を磨き続けながら実績を積み上げ、シトリックス・ソリューションを筆頭に、システム仮想化やクラウド基盤構築などにおいて、卓抜した存在に成長している。
また、2010年12月にはエモーショナルシステム事業を開始した。その後、2019年9月に福岡証券取引所Q-Boardに株式を上場すると、2020年に株主優待制度を導入、東京営業部も設置した。2022年10月には東京証券取引所グロース市場に上場するなど、着実にステップアップして、順調に上場企業として成長を続けている。2024年には本格的に首都圏での受注活動を加速するべく、東京オフィスを開設した。加えて、本社のある福岡には技術開発拠点「エンジニアハビタット」を開設して体制をさらに拡充したほか、配当開始にも踏み切った。
サイバー攻撃被害の急増はビジネスチャンス
3. 事業環境
まず、同社の主力事業であるセキュアクラウドシステム事業が対象としているクラウドサービス市場について概観しておく。総務省の令和6年版情報通信白書によれば、国内のパブリッククラウドサービス市場は成長を続けており、2023年には売上高で約3.1兆円(前年比25.8%増)もの規模と予想している。コストパフォーマンスや利便性に着目したオンプレミス環境からクラウドへの移行というIT業界のトレンドを背景として、今後も市場規模拡大が見込める事業分野であることがわかる。
また、同じく令和6年版情報通信白書には2028年までの同市場の推計値について、世界各地の市場の成長が続くこともあり、日本国内では約6.5兆円まで拡大が見込まれているとの記載がある。なお、同推計はパブリッククラウドサービス市場に関するものであり、同社が得意とするプライベートクラウドの市場とそのまま重なるわけではないものの、世界のみならず日本国内においても、今後の情報通信技術の進歩や各種IT関連サービスの進化などによって、クラウド分野が成長を持続する確度は非常に高く、クラウドサービス市場は基本的に良好な成長市場であると弊社は見ている。
このように、ビジネスにおけるクラウドの重要性が増すなか、同時にサービスの安定的な稼働、つまりセキュリティに気を配った基盤構築の必要性が不可避的に増している。そこで、サイバー攻撃(サイバーセキュリティ)の状況についても確認する。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)がまとめた「NICTER観測レポート2024」では、「1IPアドレス当たりの年間総観測パケット数」をインターネットにおけるサイバー攻撃関連活動の活発度を表す指標として考えている。この数値を見ると、2017年では約57万パケットが観測されていたが、2024年には約242万パケット、つまり約4.2倍の数値となっており、サイバー攻撃が数年でどれだけ活発化しているのかが一目瞭然だ。2024年と2023年の比較でも前年比7.4%増と拡大を続けている。実際、多数の上場企業や官公庁がサイバー攻撃のターゲットとなり、多くの被害が報告されている。ランサムウェアに関しては、2025年3月に警察庁が公表した「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」で、2024年の被害件数222件のうち、63%が中小企業で、業種別では製造業が29%と最も多い。同社主要顧客の中小製造業が狙われやすい状況にある。ほかにもランサムウェアの感染経路については、テレワークなどに有効なはずのVPN機器が55%と最も多く、その他関連機器も含めれば86%(有効回答100件)に上る。これら被害企業は、同社のターゲット顧客層にあたることから、需要獲得機会は多いことが窺える。最近では、暗号化することなくデータを窃取するノーウェアランサムによる被害も報告されており(警察庁)、セキュリティ対策需要は続くことが予想される。
サイバー攻撃はもちろん、自然災害や事故などによって引き起こされるシステム障害からの回復力、システム自体の強靭化、つまり「レジリエンス」に対する実務レベルでの深い知見と豊富な実績を持っている同社を巡る事業環境は近年良好さを増しつつある。なお、同社はこうした状況を踏まえて2022年にEmotet対策・サイバーレジリエンス構築サービスを、2025年3月には「サイバー忍法帖TM」(商標出願中)の提供を開始した。
最後に今後中長期的に同社ビジネスの対象市場となるメタバース市場について簡単に触れておきたい。米国ではより顕著だが、国内においても既に巨額の投資資金がメタバース関連の領域に流入していることは明白だ。足元で社会的な関心が急激に高まっていることもあり、各調査会社が市場規模を推計しているが、いずれを見ても超巨大市場に成長することを示唆している。令和6年版情報通信白書では、世界のメタバース市場は、2022年に461億ドルだったものが2030年には5,078億ドルまで拡大すると予測しており、日本のメタバース市場についても、2021年度の793億円から2027年度には2兆59億円まで拡大すると予測している。なお、メタバースの利用については、令和6年版情報通信白書で、1,030人からのサンプル調査結果から、コミュニケーションツールとして5割以上が利用の意向を示しているほか、515社の企業調査では、商品開発や製造などの用途での導入状況が10%未満と米国の60%には程遠く、市場育成及び開拓の余地は大きい。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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2. 沿革
同社は、現 代表取締役社長である野村コンピュータシステム(株)(現 野村総合研究所<4307>)出身の冨田和久(とみたかずひさ)氏が1997年2月に創業した。2004年4月にはシトリックス・システムズ・ジャパン(株)と、シトリックス・ソリューション・アドバイザー/プラチナ契約を締結して、技術を磨き続けながら実績を積み上げ、シトリックス・ソリューションを筆頭に、システム仮想化やクラウド基盤構築などにおいて、卓抜した存在に成長している。
また、2010年12月にはエモーショナルシステム事業を開始した。その後、2019年9月に福岡証券取引所Q-Boardに株式を上場すると、2020年に株主優待制度を導入、東京営業部も設置した。2022年10月には東京証券取引所グロース市場に上場するなど、着実にステップアップして、順調に上場企業として成長を続けている。2024年には本格的に首都圏での受注活動を加速するべく、東京オフィスを開設した。加えて、本社のある福岡には技術開発拠点「エンジニアハビタット」を開設して体制をさらに拡充したほか、配当開始にも踏み切った。
サイバー攻撃被害の急増はビジネスチャンス
3. 事業環境
まず、同社の主力事業であるセキュアクラウドシステム事業が対象としているクラウドサービス市場について概観しておく。総務省の令和6年版情報通信白書によれば、国内のパブリッククラウドサービス市場は成長を続けており、2023年には売上高で約3.1兆円(前年比25.8%増)もの規模と予想している。コストパフォーマンスや利便性に着目したオンプレミス環境からクラウドへの移行というIT業界のトレンドを背景として、今後も市場規模拡大が見込める事業分野であることがわかる。
また、同じく令和6年版情報通信白書には2028年までの同市場の推計値について、世界各地の市場の成長が続くこともあり、日本国内では約6.5兆円まで拡大が見込まれているとの記載がある。なお、同推計はパブリッククラウドサービス市場に関するものであり、同社が得意とするプライベートクラウドの市場とそのまま重なるわけではないものの、世界のみならず日本国内においても、今後の情報通信技術の進歩や各種IT関連サービスの進化などによって、クラウド分野が成長を持続する確度は非常に高く、クラウドサービス市場は基本的に良好な成長市場であると弊社は見ている。
このように、ビジネスにおけるクラウドの重要性が増すなか、同時にサービスの安定的な稼働、つまりセキュリティに気を配った基盤構築の必要性が不可避的に増している。そこで、サイバー攻撃(サイバーセキュリティ)の状況についても確認する。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)がまとめた「NICTER観測レポート2024」では、「1IPアドレス当たりの年間総観測パケット数」をインターネットにおけるサイバー攻撃関連活動の活発度を表す指標として考えている。この数値を見ると、2017年では約57万パケットが観測されていたが、2024年には約242万パケット、つまり約4.2倍の数値となっており、サイバー攻撃が数年でどれだけ活発化しているのかが一目瞭然だ。2024年と2023年の比較でも前年比7.4%増と拡大を続けている。実際、多数の上場企業や官公庁がサイバー攻撃のターゲットとなり、多くの被害が報告されている。ランサムウェアに関しては、2025年3月に警察庁が公表した「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」で、2024年の被害件数222件のうち、63%が中小企業で、業種別では製造業が29%と最も多い。同社主要顧客の中小製造業が狙われやすい状況にある。ほかにもランサムウェアの感染経路については、テレワークなどに有効なはずのVPN機器が55%と最も多く、その他関連機器も含めれば86%(有効回答100件)に上る。これら被害企業は、同社のターゲット顧客層にあたることから、需要獲得機会は多いことが窺える。最近では、暗号化することなくデータを窃取するノーウェアランサムによる被害も報告されており(警察庁)、セキュリティ対策需要は続くことが予想される。
サイバー攻撃はもちろん、自然災害や事故などによって引き起こされるシステム障害からの回復力、システム自体の強靭化、つまり「レジリエンス」に対する実務レベルでの深い知見と豊富な実績を持っている同社を巡る事業環境は近年良好さを増しつつある。なお、同社はこうした状況を踏まえて2022年にEmotet対策・サイバーレジリエンス構築サービスを、2025年3月には「サイバー忍法帖TM」(商標出願中)の提供を開始した。
最後に今後中長期的に同社ビジネスの対象市場となるメタバース市場について簡単に触れておきたい。米国ではより顕著だが、国内においても既に巨額の投資資金がメタバース関連の領域に流入していることは明白だ。足元で社会的な関心が急激に高まっていることもあり、各調査会社が市場規模を推計しているが、いずれを見ても超巨大市場に成長することを示唆している。令和6年版情報通信白書では、世界のメタバース市場は、2022年に461億ドルだったものが2030年には5,078億ドルまで拡大すると予測しており、日本のメタバース市場についても、2021年度の793億円から2027年度には2兆59億円まで拡大すると予測している。なお、メタバースの利用については、令和6年版情報通信白書で、1,030人からのサンプル調査結果から、コミュニケーションツールとして5割以上が利用の意向を示しているほか、515社の企業調査では、商品開発や製造などの用途での導入状況が10%未満と米国の60%には程遠く、市場育成及び開拓の余地は大きい。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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