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ハークスレイ Research Memo(5):2025年3月期は、不動産販売の剥落や米価高騰の影響を受け減収減益
配信日時:2025/06/10 12:05
配信元:FISCO
*12:05JST ハークスレイ Research Memo(5):2025年3月期は、不動産販売の剥落や米価高騰の影響を受け減収減益
■ハークスレイ<7561>の業績動向
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期は、売上高が前期比3.4%減の45,175百万円、営業利益が同20.7%減の1,931百万円、経常利益が同19.6%減の2,082百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同24.8%減の1,204百万円と、減収減益となった。過去最高売上・利益だった前期には及ばなかったものの、過去3年間(2022年3月期~2025年3月期)の年平均成長率は売上高で12.5%、営業利益で20.8%となっており、業績回復・拡大基調は維持した。
売上高は、「物流・食品加工事業」で2024年12月に連結子会社となったホソヤコーポレーションの業績寄与に加え豆菓子事業やカミッサリー事業も好調に推移したほか、「中食事業」では「ほっかほっか亭」の既存店売上高が前年比でプラスに推移したことが増収要因となった。一方、「店舗アセット&ソリューション事業」において、政策金利引き上げに伴う市場金利上昇への警戒感などから不動産市況への影響が表れ、不動産販売の条件が整わず、物件販売が好調だった前期からセグメント売上が3,574百万円減少したことが響いた。また、2025年3月期から「物流・食品加工事業」での販売手数料を売上減額処理に変更したため、売上高は1,135百万円減少する影響があった。これにより、「中食事業」のセグメント売上高は前期比2.6%増の17,325百万円、「店舗アセット&ソリューション事業」のセグメント売上高は同22.7%減の12,190百万円、「物流・食品加工事業」のセグメント売上高は同9.6%増の18,091百万円となった。
営業利益は、売上総利益が米価高騰の影響を受けて前期比5.0%減の14,491百万円となり、販管費を同2.0%減の12,559百万円と抑制したものの、減益となった。セグメント利益では、「中食事業」が米価高騰を中心とするコストの上昇により利益圧迫が発生し、セグメント損失72百万円(前期は259百万円の利益)となり、「店舗アセット&ソリューション事業」では前期にあった不動産販売の剥落により、前期比11.3%減の1,734百万円と減益となった。なお「中食事業」では、2025年3月期下期単独で47百万円と黒字転換し、環境変化への対応に目途がついた。「物流・食品加工事業」は増収効果と生産コスト低減により、同31.9%増のセグメント利益888百万円となった。
2025年3月期は「物流・食品加工事業」への戦略的な投資が奏功し、同社最大の売上セグメントとなり、稼ぐ力も着実に向上したと総括できる。
大型M&A後も財務の健全性を維持
2. 財務状況と経営指標
2025年3月期末の財務状況は、総資産は前期末比9,029百万円増の73,427百万円となった。そのうち流動資産は同1,889百万円増の29,557百万円となった。現金及び預金の2,273百万円減があったものの、商品及び製品の3,153百万円増及び受取手形、売掛金及び契約資産の759百万円増が主な要因である。固定資産は同7,141百万円増の43,870百万円となった。これは主にホソヤコーポレーションの全株式を取得し完全子会社化したことに伴い、のれんが5,980百万円増加したことが主な要因である。
負債合計は前期末比8,521百万円増の48,765百万円となった。そのうち流動負債は同1,280百万円増の16,886百万円となった。短期借入金が2,268百万円増加したことが主な要因である。固定負債は同7,242百万円増の31,878百万円となった。長期借入金が6,977百万円増加したことが主な要因である。有利子負債は同8,612百万円増の35,304百万円と増加した。純資産合計は同507百万円増の24,662百万円となった。これは親会社株主に帰属する当期純利益が計上されたことなどによる。
経営指標では、大型のM&Aの影響があったタイミングだが流動比率は175.0%、自己資本比率は33.6%と安全性に懸念はない。財務基盤は健全であり、余裕を持ってM&A戦略を進められる推進力となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期は、売上高が前期比3.4%減の45,175百万円、営業利益が同20.7%減の1,931百万円、経常利益が同19.6%減の2,082百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同24.8%減の1,204百万円と、減収減益となった。過去最高売上・利益だった前期には及ばなかったものの、過去3年間(2022年3月期~2025年3月期)の年平均成長率は売上高で12.5%、営業利益で20.8%となっており、業績回復・拡大基調は維持した。
売上高は、「物流・食品加工事業」で2024年12月に連結子会社となったホソヤコーポレーションの業績寄与に加え豆菓子事業やカミッサリー事業も好調に推移したほか、「中食事業」では「ほっかほっか亭」の既存店売上高が前年比でプラスに推移したことが増収要因となった。一方、「店舗アセット&ソリューション事業」において、政策金利引き上げに伴う市場金利上昇への警戒感などから不動産市況への影響が表れ、不動産販売の条件が整わず、物件販売が好調だった前期からセグメント売上が3,574百万円減少したことが響いた。また、2025年3月期から「物流・食品加工事業」での販売手数料を売上減額処理に変更したため、売上高は1,135百万円減少する影響があった。これにより、「中食事業」のセグメント売上高は前期比2.6%増の17,325百万円、「店舗アセット&ソリューション事業」のセグメント売上高は同22.7%減の12,190百万円、「物流・食品加工事業」のセグメント売上高は同9.6%増の18,091百万円となった。
営業利益は、売上総利益が米価高騰の影響を受けて前期比5.0%減の14,491百万円となり、販管費を同2.0%減の12,559百万円と抑制したものの、減益となった。セグメント利益では、「中食事業」が米価高騰を中心とするコストの上昇により利益圧迫が発生し、セグメント損失72百万円(前期は259百万円の利益)となり、「店舗アセット&ソリューション事業」では前期にあった不動産販売の剥落により、前期比11.3%減の1,734百万円と減益となった。なお「中食事業」では、2025年3月期下期単独で47百万円と黒字転換し、環境変化への対応に目途がついた。「物流・食品加工事業」は増収効果と生産コスト低減により、同31.9%増のセグメント利益888百万円となった。
2025年3月期は「物流・食品加工事業」への戦略的な投資が奏功し、同社最大の売上セグメントとなり、稼ぐ力も着実に向上したと総括できる。
大型M&A後も財務の健全性を維持
2. 財務状況と経営指標
2025年3月期末の財務状況は、総資産は前期末比9,029百万円増の73,427百万円となった。そのうち流動資産は同1,889百万円増の29,557百万円となった。現金及び預金の2,273百万円減があったものの、商品及び製品の3,153百万円増及び受取手形、売掛金及び契約資産の759百万円増が主な要因である。固定資産は同7,141百万円増の43,870百万円となった。これは主にホソヤコーポレーションの全株式を取得し完全子会社化したことに伴い、のれんが5,980百万円増加したことが主な要因である。
負債合計は前期末比8,521百万円増の48,765百万円となった。そのうち流動負債は同1,280百万円増の16,886百万円となった。短期借入金が2,268百万円増加したことが主な要因である。固定負債は同7,242百万円増の31,878百万円となった。長期借入金が6,977百万円増加したことが主な要因である。有利子負債は同8,612百万円増の35,304百万円と増加した。純資産合計は同507百万円増の24,662百万円となった。これは親会社株主に帰属する当期純利益が計上されたことなどによる。
経営指標では、大型のM&Aの影響があったタイミングだが流動比率は175.0%、自己資本比率は33.6%と安全性に懸念はない。財務基盤は健全であり、余裕を持ってM&A戦略を進められる推進力となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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