注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:米国関税方針が引き続き重し、中小型株相場は続く
配信日時:2025/05/31 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST 国内株式市場見通し:米国関税方針が引き続き重し、中小型株相場は続く
■週間ベースでは上昇も不透明な米国関税方針が重し
今週の日経平均は週間で804.63円高(+2.17%)の37965.10円と上昇。米半導体大手エヌビディアの決算や円高一服などを材料に、一時38000円台を回復する場面が見られた。
米国市場の休場なども影響して、東京市場は引き続き商い閑散となったが、配当金の再投資期待などから日経平均はじりじりと上昇。注目されたエヌビディアの第1四半期決算は、売上高、調整後1株利益ともに市場予想を上回り、29日の東京市場は、アドバンテスト<6857>や東京エレクトロン<8035>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われ、日経平均は38000円台を回復。終値ベースでは2月下旬以来の水準まで上昇した。ただ、米国際貿易裁判所がトランプ関税を「違法で無効」と判断したものの、米政府は不服として上訴したと伝わるなど不透明な米国関税方針が改めて意識され、週末は売り優勢に。売り一巡後の日経平均は下げ幅を縮小したが、38000円台を割り込んで5月の取引を終えた。
なお、5月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を2833億円買い越したほか、TOPIX先物を1800億円売り越したことなどから合計1033億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を613億円売り越すなど合計で397億円売り越し。事業法人は現物を7121億円買い越し、自己は現物を9066億円売り越した。
■日経平均の38000円水準の上値抵抗意識は強い
5月30日のダウ平均は前日比54.34ドル高の42270.07ドル、ナスダックは同62.10ポイント安の19113.77で取引を終了した。トランプ米大統領が自身のSNSに「中国は米国との合意に完全に違反」と投稿。米中対立への懸念が再び高まったことなどから米主要3指数は高安まちまちとなり、大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比280円安の37680円で取引を終えた。
日経平均は3カ月ぶりの水準まで上昇したが、38000円台半ばでは上値が重くなった。昨年9月から今年3月にかけて意識された下値支持だった38000円水準が、足下の上値抵抗として意識されつつある。戻り待ちの売り圧力が強いほか、米国関税方針が明確ではないことで大型株を中心に積極的な買いは入りにくい。週末のプライム市場の売買代金は6.5兆円と膨らんだが、これは機関投資家が運用指標とするMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)指数の定期リバランスの影響が大きく、実際の商いは閑散のまま。一方、個人投資家を中心とした中小型株への物色は活発化しており、グロース市場250指数は昨年3月末以来の水準まで上昇したほか、スタンダード指数は史上最高値(22年4月より算出開始)を更新している。短期資金の流出入で乱高下する銘柄は多いものの投資家心理は悪くないと考える。
赤澤亮正経済再生担当大臣が4回目の日米閣僚交渉のため訪米しているが、合意は早くて6月15-17日開催のG7サミット(主要7カ国首脳会議)との見通しで、材料待ちの相場展開が今しばらく続くと考える。また、週末、トランプ大統領が鉄鋼輸入関税を25%から50%に引き上げると表明したことから、二転三転する米国関税方針は大型株の重しとなる。週末には5月の米雇用統計などの発表が予定されており、米経済指標を見極めたいとするムードも強まりやすい。6月中旬まではスタンダードやグロース銘柄への短期資金による物色が続くだろう。
■金利上昇局面を背景に地銀株が強含むか
週末の10年債利回りは1.5%水準で推移している。財務省が28日に実施した40年物国債入札で、最高落札利回り(複利ベース)は3.135%と、2007年に入札を開始して以降、過去最高の利回りとなった。財政膨張への懸念から投資家の需要は弱く、流通市場で新発40年物国債の利回りが上昇するなど金利市場の動向に注目が集まった。金利上昇局面が続けば、為替市場ではドル安円高に振れる可能性はあるが、銀行株は相対的に強含む展開が期待できよう。
■6月5日にECB政策金利発表
来週、国内では、6月2日に第1四半期設備投資、3日に5月マネタリーベース、6日に4月全世帯家計調査、景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、2日に独・5月製造業PMI(確報値)、欧・ユーロ圏5月製造業PMI(確報値)、米・5月製造業PMI(確報値)、ISM製造業景気指数、4月建設支出、3日に中・5月財新製造業PMI、欧・ユーロ圏5月消費者物価紙数(速報)、4月失業率、米・4月製造業新規受注、JOLTS求人件数、耐久財受注(確報値)、4日に豪・第1四半期実質GDP、独・5月サービス業PMI(確報値)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(確報値)、英・5月サービス業PMI(確報値)、米・5月ADP雇用者数、サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、ISM非製造業景気指数、週次原油在庫、5日に中・5月財新PMI、サービス業PMI、英・5月建設業PMI、欧・ユーロ圏4月生産者物価指数、欧・ECB政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、4月貿易収支、6日に欧・ユーロ圏第1四半期実質GDP(確報値)、4月小売売上高、米・5月雇用統計などが予定されている。
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今週の日経平均は週間で804.63円高(+2.17%)の37965.10円と上昇。米半導体大手エヌビディアの決算や円高一服などを材料に、一時38000円台を回復する場面が見られた。
米国市場の休場なども影響して、東京市場は引き続き商い閑散となったが、配当金の再投資期待などから日経平均はじりじりと上昇。注目されたエヌビディアの第1四半期決算は、売上高、調整後1株利益ともに市場予想を上回り、29日の東京市場は、アドバンテスト<6857>や東京エレクトロン<8035>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われ、日経平均は38000円台を回復。終値ベースでは2月下旬以来の水準まで上昇した。ただ、米国際貿易裁判所がトランプ関税を「違法で無効」と判断したものの、米政府は不服として上訴したと伝わるなど不透明な米国関税方針が改めて意識され、週末は売り優勢に。売り一巡後の日経平均は下げ幅を縮小したが、38000円台を割り込んで5月の取引を終えた。
なお、5月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を2833億円買い越したほか、TOPIX先物を1800億円売り越したことなどから合計1033億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を613億円売り越すなど合計で397億円売り越し。事業法人は現物を7121億円買い越し、自己は現物を9066億円売り越した。
■日経平均の38000円水準の上値抵抗意識は強い
5月30日のダウ平均は前日比54.34ドル高の42270.07ドル、ナスダックは同62.10ポイント安の19113.77で取引を終了した。トランプ米大統領が自身のSNSに「中国は米国との合意に完全に違反」と投稿。米中対立への懸念が再び高まったことなどから米主要3指数は高安まちまちとなり、大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比280円安の37680円で取引を終えた。
日経平均は3カ月ぶりの水準まで上昇したが、38000円台半ばでは上値が重くなった。昨年9月から今年3月にかけて意識された下値支持だった38000円水準が、足下の上値抵抗として意識されつつある。戻り待ちの売り圧力が強いほか、米国関税方針が明確ではないことで大型株を中心に積極的な買いは入りにくい。週末のプライム市場の売買代金は6.5兆円と膨らんだが、これは機関投資家が運用指標とするMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)指数の定期リバランスの影響が大きく、実際の商いは閑散のまま。一方、個人投資家を中心とした中小型株への物色は活発化しており、グロース市場250指数は昨年3月末以来の水準まで上昇したほか、スタンダード指数は史上最高値(22年4月より算出開始)を更新している。短期資金の流出入で乱高下する銘柄は多いものの投資家心理は悪くないと考える。
赤澤亮正経済再生担当大臣が4回目の日米閣僚交渉のため訪米しているが、合意は早くて6月15-17日開催のG7サミット(主要7カ国首脳会議)との見通しで、材料待ちの相場展開が今しばらく続くと考える。また、週末、トランプ大統領が鉄鋼輸入関税を25%から50%に引き上げると表明したことから、二転三転する米国関税方針は大型株の重しとなる。週末には5月の米雇用統計などの発表が予定されており、米経済指標を見極めたいとするムードも強まりやすい。6月中旬まではスタンダードやグロース銘柄への短期資金による物色が続くだろう。
■金利上昇局面を背景に地銀株が強含むか
週末の10年債利回りは1.5%水準で推移している。財務省が28日に実施した40年物国債入札で、最高落札利回り(複利ベース)は3.135%と、2007年に入札を開始して以降、過去最高の利回りとなった。財政膨張への懸念から投資家の需要は弱く、流通市場で新発40年物国債の利回りが上昇するなど金利市場の動向に注目が集まった。金利上昇局面が続けば、為替市場ではドル安円高に振れる可能性はあるが、銀行株は相対的に強含む展開が期待できよう。
■6月5日にECB政策金利発表
来週、国内では、6月2日に第1四半期設備投資、3日に5月マネタリーベース、6日に4月全世帯家計調査、景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、2日に独・5月製造業PMI(確報値)、欧・ユーロ圏5月製造業PMI(確報値)、米・5月製造業PMI(確報値)、ISM製造業景気指数、4月建設支出、3日に中・5月財新製造業PMI、欧・ユーロ圏5月消費者物価紙数(速報)、4月失業率、米・4月製造業新規受注、JOLTS求人件数、耐久財受注(確報値)、4日に豪・第1四半期実質GDP、独・5月サービス業PMI(確報値)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(確報値)、英・5月サービス業PMI(確報値)、米・5月ADP雇用者数、サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、ISM非製造業景気指数、週次原油在庫、5日に中・5月財新PMI、サービス業PMI、英・5月建設業PMI、欧・ユーロ圏4月生産者物価指数、欧・ECB政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、4月貿易収支、6日に欧・ユーロ圏第1四半期実質GDP(確報値)、4月小売売上高、米・5月雇用統計などが予定されている。
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