注目トピックス 市況・概況
後場に注目すべき3つのポイント~不透明な米国関税方針を嫌気した展開に
配信日時:2025/05/30 12:29
配信元:FISCO
*12:29JST 後場に注目すべき3つのポイント~不透明な米国関税方針を嫌気した展開に
30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅反落、不透明な米国関税方針を嫌気した展開に
・ドル・円は下げ渋り、下値で買戻し
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■日経平均は大幅反落、不透明な米国関税方針を嫌気した展開に
日経平均は大幅反落。前日比542.12円安(-1.41%)の37890.86円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えている。
29日のダウ平均は117.03ドル高の42215.73ドル、ナスダックは74.93ポイント高の19175.87で取引を終了した。寄り付き後、ダウ、ナスダックともに上昇。好調な決算を発表したエヌビディアの上昇がけん引し、また米国際貿易裁判所がトランプ関税を「違法で無効」と判断し、差し止めを命じる決定をしたことが支援材料となった。しかし、関税を巡っては政権が控訴審で保留が認められない場合、30日にも連邦最高裁判所に上訴する意向を示唆したと伝わったほか、トランプ大統領が別の関税手段を用いることができるとの見方もあり、先行きへの不透明感が上値を抑えた。なお、ダウは構成銘柄のセールスフォースの大幅安も重しとなった。
東京市場は米国関税方針の不透明感が嫌気されて、売り優勢で取引を開始。日経平均は寄付きから38000円台を割り込み、前日の上げ分がほぼはく落した。為替は1ドル143円80銭台と一段の円高ドル安は回避されたが、値がさ半導体株の下げが目立ったことから、前場の日経平均は終始37000円台での推移となった。
日経平均採用銘柄では、ディスコ<6146>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>、スクリーンHD<7735>など半導体株の下げが目立った。また、日野自動車<7205>、マツダ<7261>、日産自<7201>など自動車株も不透明な米国関税政策が嫌気されて下落。このほか、ソフトバンクグループ<9984>、HOYA<7741>、コニカミノルタ<4902>、キーエンス<6861>、ソニーグループ<6758>などが売られた。
一方、国内証券会社によるポジティブなレポートが材料視されて東海カーボン<5301>が買われたほか、大塚HD<4578>、エーザイ<4523>、協和キリン<4151>、武田薬<4502>など医薬品株の上げが目立った。また、中国への水産物輸出再開の動きが伝わったことからニチレイ<2871>、ニッスイ<1332>も買われた。このほか、資生堂<4911>、ヤマトHD<9064>、住友化学<4005>などが上昇した。
業種別では、その他製品、電気機器、精密機器、輸送用機器、サービスなどが下落した一方、水産・農林、医薬品、その他金融、倉庫・運輸、不動産などが上昇した。
米国関税方針が二転三転することに対する市場の耐性はあると考えるが、38000円水準の上値抵抗の強さが証明された格好となった。エヌビディア効果が一時的だったこともあり、投資家心理としては「米国関税方針が確定するまでは積極的な売買は手控え」といったところだろう。後場の東京市場も前場同様、積極的な押し目買いは難しいと考える。日経平均は前場終値水準でのもみ合いを想定する。
■ドル・円は下げ渋り、下値で買戻し
30日午前の東京市場でドル・円は144円19銭から143円44銭まで一時下落。日本のインフレ指標の加速を背景に日銀の早期追加利上げ観測が広がり、円買いに振れやすい展開となった。ただ、ドルは前日の146円から大きく下げ、割安感で買い戻された。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は143円44銭から144円19銭、ユーロ・円は163円27銭から163円94銭、ユーロ・ドルは1.1364ドルから1.1389ドル。
■後場のチェック銘柄
・アズジェント<4288>、アイズ<5242>など、4銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・4月失業率:2.5%(予想:2.5%、3月:2.5%)
・日・4月有効求人倍率:1.26倍(予想:1.26倍、3月:1.26倍)
・日・5月東京都区部消費者物価コア指数:前年比+3.6%(予想:前年比+3.5%、4月+3.4%)
・日・4月鉱工業生産速報:前月比-0.9%(予想:-1.5%、3月:+0.2%)
・豪・4月小売売上高:前月比-0.1%(予想:+0.3%、3月:+0.3%)
【要人発言】
・トランプ米大統領
「米国際貿易裁は必要な関税を巡り米国に不利な判決下した」
「米国際貿易裁の判決は間違っており、非常に政治的だ」
「米大統領は経済的・財政的損害を与えている者から守る権限を与えられるべき」
・ローガン米ダラス連銀総裁
「関税は少なくとも一時的にインフレ押上げの可能性」
「高いインフレ期待が定着すれば是正にコストがかかる」
・赤沢再生相
「ベセント米財務長官などと関税に関して協議」
「これまでの協議や経済安保上の協力協議することになる」
「一連の関税措置は遺憾であるとの立場守りながら一致点を見出したい」
「日米両首脳の信頼関係積みあがってきているのを念頭に協議」
「米判決、確定的な裁判でない」
・植田日銀総裁
「ETF、複数の原則満たすような処分方法を見つける」
「ETFの分配金収入、利上げに伴う収益のマイナスを打ち消す1つの要素」
「ETF分配金収入なければ日銀財務は下押される」
「財務状況によって日銀の政策が左右されることはない」
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし
<CS>
・日経平均は大幅反落、不透明な米国関税方針を嫌気した展開に
・ドル・円は下げ渋り、下値で買戻し
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■日経平均は大幅反落、不透明な米国関税方針を嫌気した展開に
日経平均は大幅反落。前日比542.12円安(-1.41%)の37890.86円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えている。
29日のダウ平均は117.03ドル高の42215.73ドル、ナスダックは74.93ポイント高の19175.87で取引を終了した。寄り付き後、ダウ、ナスダックともに上昇。好調な決算を発表したエヌビディアの上昇がけん引し、また米国際貿易裁判所がトランプ関税を「違法で無効」と判断し、差し止めを命じる決定をしたことが支援材料となった。しかし、関税を巡っては政権が控訴審で保留が認められない場合、30日にも連邦最高裁判所に上訴する意向を示唆したと伝わったほか、トランプ大統領が別の関税手段を用いることができるとの見方もあり、先行きへの不透明感が上値を抑えた。なお、ダウは構成銘柄のセールスフォースの大幅安も重しとなった。
東京市場は米国関税方針の不透明感が嫌気されて、売り優勢で取引を開始。日経平均は寄付きから38000円台を割り込み、前日の上げ分がほぼはく落した。為替は1ドル143円80銭台と一段の円高ドル安は回避されたが、値がさ半導体株の下げが目立ったことから、前場の日経平均は終始37000円台での推移となった。
日経平均採用銘柄では、ディスコ<6146>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>、スクリーンHD<7735>など半導体株の下げが目立った。また、日野自動車<7205>、マツダ<7261>、日産自<7201>など自動車株も不透明な米国関税政策が嫌気されて下落。このほか、ソフトバンクグループ<9984>、HOYA<7741>、コニカミノルタ<4902>、キーエンス<6861>、ソニーグループ<6758>などが売られた。
一方、国内証券会社によるポジティブなレポートが材料視されて東海カーボン<5301>が買われたほか、大塚HD<4578>、エーザイ<4523>、協和キリン<4151>、武田薬<4502>など医薬品株の上げが目立った。また、中国への水産物輸出再開の動きが伝わったことからニチレイ<2871>、ニッスイ<1332>も買われた。このほか、資生堂<4911>、ヤマトHD<9064>、住友化学<4005>などが上昇した。
業種別では、その他製品、電気機器、精密機器、輸送用機器、サービスなどが下落した一方、水産・農林、医薬品、その他金融、倉庫・運輸、不動産などが上昇した。
米国関税方針が二転三転することに対する市場の耐性はあると考えるが、38000円水準の上値抵抗の強さが証明された格好となった。エヌビディア効果が一時的だったこともあり、投資家心理としては「米国関税方針が確定するまでは積極的な売買は手控え」といったところだろう。後場の東京市場も前場同様、積極的な押し目買いは難しいと考える。日経平均は前場終値水準でのもみ合いを想定する。
■ドル・円は下げ渋り、下値で買戻し
30日午前の東京市場でドル・円は144円19銭から143円44銭まで一時下落。日本のインフレ指標の加速を背景に日銀の早期追加利上げ観測が広がり、円買いに振れやすい展開となった。ただ、ドルは前日の146円から大きく下げ、割安感で買い戻された。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は143円44銭から144円19銭、ユーロ・円は163円27銭から163円94銭、ユーロ・ドルは1.1364ドルから1.1389ドル。
■後場のチェック銘柄
・アズジェント<4288>、アイズ<5242>など、4銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・4月失業率:2.5%(予想:2.5%、3月:2.5%)
・日・4月有効求人倍率:1.26倍(予想:1.26倍、3月:1.26倍)
・日・5月東京都区部消費者物価コア指数:前年比+3.6%(予想:前年比+3.5%、4月+3.4%)
・日・4月鉱工業生産速報:前月比-0.9%(予想:-1.5%、3月:+0.2%)
・豪・4月小売売上高:前月比-0.1%(予想:+0.3%、3月:+0.3%)
【要人発言】
・トランプ米大統領
「米国際貿易裁は必要な関税を巡り米国に不利な判決下した」
「米国際貿易裁の判決は間違っており、非常に政治的だ」
「米大統領は経済的・財政的損害を与えている者から守る権限を与えられるべき」
・ローガン米ダラス連銀総裁
「関税は少なくとも一時的にインフレ押上げの可能性」
「高いインフレ期待が定着すれば是正にコストがかかる」
・赤沢再生相
「ベセント米財務長官などと関税に関して協議」
「これまでの協議や経済安保上の協力協議することになる」
「一連の関税措置は遺憾であるとの立場守りながら一致点を見出したい」
「日米両首脳の信頼関係積みあがってきているのを念頭に協議」
「米判決、確定的な裁判でない」
・植田日銀総裁
「ETF、複数の原則満たすような処分方法を見つける」
「ETFの分配金収入、利上げに伴う収益のマイナスを打ち消す1つの要素」
「ETF分配金収入なければ日銀財務は下押される」
「財務状況によって日銀の政策が左右されることはない」
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし
<CS>
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