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明日の株式相場に向けて=復活前夜「半導体関連」の狙いどころ
配信日時:2025/05/26 17:30
配信元:MINKABU
週明け26日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比371円高の3万7531円と続伸。前週末は欧州株市場がほぼ全面安、米国株市場もNYダウが4日続落と下値模索の動きを続けたほか、為替市場では円高が進行。この流れを受けて東京市場でもきょうは下値模索やむなしというムードであったが、朝方取引開始前の段階で流れが変わった。日経平均は売り買い交錯の中もやや買い優勢のスタートとなり、寄り後も漸次下値を切り上げる展開で3万7000円台半ばまで水準を切り上げ、結局この日の高値で引けた。
欧米株安の背景については理由がはっきりしている。トランプ米大統領が自身のSNSであるトゥルース・ソーシャルに、EUに対して6月1日から50%の関税を課すべきである(提案する)と投稿したことが投資家を慌てさせた。米国は関税交渉については英国といち早く一定の合意に至り、中国ともひと頃のようなすべて突っ張り合うような関係がやや改善し、お互い歩み寄る姿勢をみせている。しかし、欧州とはまだ落としどころが見えない。前週末の欧州株市場では午前中は静かな動きをみせていたが、午後の取引ではまさにトランプ氏の“SNSボンバー”を被弾する形で値を崩した。米株市場もトランプ関税は自国も傷を負うことが不可避というコンセンサスが固まっていて、当然ながらリスクオフとなった。
ところが、今回もトランプ氏得意の朝令暮改が炸裂した。6月1日としていた関税発動までの期限を舌の根が乾かぬうちに7月9日まで延期すると表明したのだ。もともとSNSに自らの考えを投稿しただけで政策決定ではないといえばその通りだが、マーケットは米政権が打ち出す政策として認識し株価が振らされているわけであり、実質的には政策変更に等しい。逆に言えば世界に対するアナウンスをコロコロ変えることに対し何の抵抗も持ち合わせていないというのがトランプ流である。GDP世界最大国の大統領の言葉としてはあまりに軽いが、AIによるヘッドライントレード全盛の時代にマーケットはその都度反応せざるを得ない。仮にトランプ大統領が相場師であれば、売りと買いの往復で、バフェット氏の10年分をひと月で上回るようなパフォーマンス創出も可能といえる。
ただし、きょうの東京市場はEU関税発動の延期を株高材料に挙げる声も聞かれたのだが、実際のところは前週末の東京市場の取引時間中に「欧州50%関税案件」は影も形もなかった。前週末取引終了後に降って湧いて、そして週明け取引開始前に忽然と消えた。本来であれば株価にポジティブ方向のバイアスはかからない。というよりも7月9日を期限とする新たな対欧州・高関税政策が浮上した分だけネガティブのままである。つまり、関税に関係なく東京市場は上値指向にあったという結論となる。一方、為替はトランプ氏のSNS投稿を受けリスクオフのドル安・円高に振れたが、きょうはその揺り戻しが見られなかった。これについては、トランプ案件とは関係なく、米国からのキャピタルフライトが粛々と続いている証左という見方もできる。
個別株について、直近は半導体関連の復活を示唆するような値動きとなった。オイルマネーが最先端半導体分野への巨額投資に動き出していることが大きく、これはトランプ氏の良い面、歴代大統領とは異なるビジネスマンならではの交渉術が奏功した。きょうは半導体関連の主力どころであるアドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>、更にソフトバンクグループ<9984.T>などが日経平均の上昇に貢献したが、その後ろでは急騰パフォーマンスを演じる中小型の半導体関連株が相次いだ。24日配信の半導体関連のトップ特集ではオキサイド<6521.T>を筆頭に、満を持してロケットスタートを切る銘柄が相次いだが、その内訳をみると週足ではまだ初動といえるような銘柄も多い。
同特集に取り上げられていない銘柄で、マークしておきたい有望株候補をいくつか挙げてみる。大型株では東京応化工業<4186.T>は押し目買いの有力対象。また、中小型株では回路基板の外観検査装置を手掛けるインスペック<6656.T>、先端半導体用(アドバンスドパッケージ向け)製造装置で需要を捉えるタツモ<6266.T>、生成AI用サーバーを需要先に計測システムや評価装置を手掛けるエスペック<6859.T>、パワーデバイス向けリードフレームなどの微細加工技術で本領を発揮するエノモト<6928.T>、更に研究開発型の製造装置メーカーで、化合物半導体にフォーカスしたオプト分野で存在感を示すサムコ<6387.T>などをチェックしておきたい。
あすのスケジュールでは、4月の企業向けサービス価格指数のほか、植田日銀総裁が日銀金融研究所主催の「2025年国際コンファランス」で開会の挨拶を行う。後場には「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」が発表される。海外では1~4月の中国工業企業利益、4月の米耐久財受注額、3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米FHFA住宅全米価格指数、5月の米消費者信頼感指数などにマーケットの関心が高い。また、米2年物国債の入札も予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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