注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:東京CPI、米エヌビディア決算、米コアPCE価格指数
配信日時:2025/05/24 16:10
配信元:FISCO
*16:10JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:東京CPI、米エヌビディア決算、米コアPCE価格指数
■株式相場見通し
予想レンジ:上限38000円-下限36000円
23日の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比256.02ドル安の41603.07ドル、ナスダックは同188.52ポイント安の18737.21で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比360円安の36830円で取引を終えた。為替市場ではドル・インデックスが99ポイントを割り込むなどドル売りが強まっており、1ドル=142円50銭台と5月6日以来の水準までドル安円高が進んでいる。
こうした外部環境を受けて、週明けの東京市場は売り優勢でスタートし、日経平均は37000円割れとなる公算が大きい。トランプ米大統領が日本製鉄<5401>による米鉄鋼大手USスチール買収計画に関し、「計画的なパートナーシップ」を承認する意向を明らかにしたが、米政府による正式な発表ではないことやトランプ大統領が下した判断の詳細もわからないことなどから影響は限定的となりそうだ。
週末に行われた3回目の日米関税交渉は、ベッセント米財務長官が欠席するなか、米通商代表部(USTR)のグリア代表、ラトニック米商務長官と実施された。赤澤経済再生担当相は、閣僚交渉後の記者会見で、「6月中旬にカナダで開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、石破首相とトランプ大統領の首脳会談を行い、問題の打開を図ることを検討するといった内容を日米閣僚間で確認した」と述べた。市場の想定通りの内容だったことから、東京市場でのネガティブな反応は限定的となるが、買い材料待ちの地合いは続きそうだ。
日経平均は、昨年9月から半年間の下値支持だった38000円が上値抵抗として意識されつつある。売買代金が減少し様子見ムードが強い状況下、こうした上値抵抗を上回るのはよほどの材料が必要だ。当然、足下行われている日米関税交渉の進展がその材料となるが、6月中旬のG7まで様子見姿勢は続きそうだ。仮にG7で進展が見られなければ、相互関税の適用停止期間が明ける7月10日前後まで手掛かり難の状況は続くだろう。米国は7月4日が独立記念日なので、イベント好きなトランプ大統領がこの日に発表を行うといったシナリオも考えられる。米国関税の方向性が見えない限り、輸出関連銘柄を中心に今期の企業業績予想を材料視した買いは入りにくい。
一方、プライム市場では、ピーエス・コンストラクション<1871>、大末建設<1814>、ライト工業<1926>など中小型建設株が年初来高値を更新しているほか、グロース市場250指数が20日まで8連騰するなど、個人投資家を中心とした資金は中小型内需株に向かっている。プライム市場の売買代金が低迷する間、関税の影響を受けにくい内需株など「関税フリー」銘柄への関心を高めておきたい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。米国の財政と景気の悪化が引き続き懸念され、リスク回避的なドル売り・円買いが続く可能性がある。米有力格付け会社ムーディーズ・レーティングスが5月16日に米国債の信用格付けを引き下げたことを受け、ドルの信認低下が嫌気され、ドル売りが活発となった。米トランプ政権による財政拡張策によって米国債売りが再び強まる可能性もあり、長期金利の動向を意識した取引が広がりやすい。金利高はドル買い材料となり得るが、個人消費を圧迫するとの見方もある。5月消費者信頼感指数など有力な経済指標が市場予想を下回った場合、ドル売りを強める材料となろう。
他方、5月21日に行われた日米財務相会談では両国の閣僚が「為替について議論しなかった」としている。ただ、米国は台湾や韓国との貿易交渉でドル高・通貨安是正を協議したとみられ、日本も例外ではなく、日米は円安是正に向かう可能性があると市場参加者は受け止めているようだ。赤沢経済再生担当相は5月30日を軸に再訪米し、ベッセント米財務長官と協議するとの報道もあり、円安是正が議題になることへの警戒感は消えていない。新たなドル買い材料が提供されない場合、米ドル・円は心理的な節目である140円近辺を試す可能性もある。
■来週の注目スケジュール
5月26日(月):景気先行CI指数(3月)、景気一致指数(3月)、米・株式市場は祝日のため休場(メモリアルデー)、英・株式市場は祝日のため休場(スプリング・バンクホリデー)、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議・関連会合(27日まで)など
5月27日(火):企業向けサービス価格指数(4月)、米・消費者信頼感指数(5月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(3月)、21:30 米・耐久財受注(4月)、中・工業利益(4月)、18:00 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(5月)、欧・ユーロ圏景況感指数(5月)、欧・ユーロ圏新車販売台数(4月)など
5月28日(水):米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月6日-7日会合分)、欧・欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏CPI予想(4月)、独・失業率(失業保険申請率)(5月)、豪・消費者物価指数(4月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
5月29日(木):消費者態度指数(5月)、米・GDP改定値(1-3月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・中古住宅販売成約指数(4月)、加・経常収支(1-3月)、台湾・GDP(1-3月)、南ア・南アフリカ準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
5月30日(金):東京CPI(5月)、鉱工業生産指数(4月)、小売売上高(4月)、失業率(4月)、有効求人倍率(4月)、百貨店・スーパー売上高(4月)、住宅着工件数(4月)、米・個人所得(4月)、米・個人消費支出(4月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(4月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(5月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(5月)、米・卸売在庫(4月)、独・消費者物価指数(5月)、欧・ユーロ圏マネーサプライ(4月)、豪・小売売上高(4月)、加・GDP(1-3月)、印・GDP(1-3月)など
5月30日(金):中・製造業PMI(5月)、中・非製造業PMI(5月)など
<YU>
予想レンジ:上限38000円-下限36000円
23日の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比256.02ドル安の41603.07ドル、ナスダックは同188.52ポイント安の18737.21で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比360円安の36830円で取引を終えた。為替市場ではドル・インデックスが99ポイントを割り込むなどドル売りが強まっており、1ドル=142円50銭台と5月6日以来の水準までドル安円高が進んでいる。
こうした外部環境を受けて、週明けの東京市場は売り優勢でスタートし、日経平均は37000円割れとなる公算が大きい。トランプ米大統領が日本製鉄<5401>による米鉄鋼大手USスチール買収計画に関し、「計画的なパートナーシップ」を承認する意向を明らかにしたが、米政府による正式な発表ではないことやトランプ大統領が下した判断の詳細もわからないことなどから影響は限定的となりそうだ。
週末に行われた3回目の日米関税交渉は、ベッセント米財務長官が欠席するなか、米通商代表部(USTR)のグリア代表、ラトニック米商務長官と実施された。赤澤経済再生担当相は、閣僚交渉後の記者会見で、「6月中旬にカナダで開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、石破首相とトランプ大統領の首脳会談を行い、問題の打開を図ることを検討するといった内容を日米閣僚間で確認した」と述べた。市場の想定通りの内容だったことから、東京市場でのネガティブな反応は限定的となるが、買い材料待ちの地合いは続きそうだ。
日経平均は、昨年9月から半年間の下値支持だった38000円が上値抵抗として意識されつつある。売買代金が減少し様子見ムードが強い状況下、こうした上値抵抗を上回るのはよほどの材料が必要だ。当然、足下行われている日米関税交渉の進展がその材料となるが、6月中旬のG7まで様子見姿勢は続きそうだ。仮にG7で進展が見られなければ、相互関税の適用停止期間が明ける7月10日前後まで手掛かり難の状況は続くだろう。米国は7月4日が独立記念日なので、イベント好きなトランプ大統領がこの日に発表を行うといったシナリオも考えられる。米国関税の方向性が見えない限り、輸出関連銘柄を中心に今期の企業業績予想を材料視した買いは入りにくい。
一方、プライム市場では、ピーエス・コンストラクション<1871>、大末建設<1814>、ライト工業<1926>など中小型建設株が年初来高値を更新しているほか、グロース市場250指数が20日まで8連騰するなど、個人投資家を中心とした資金は中小型内需株に向かっている。プライム市場の売買代金が低迷する間、関税の影響を受けにくい内需株など「関税フリー」銘柄への関心を高めておきたい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。米国の財政と景気の悪化が引き続き懸念され、リスク回避的なドル売り・円買いが続く可能性がある。米有力格付け会社ムーディーズ・レーティングスが5月16日に米国債の信用格付けを引き下げたことを受け、ドルの信認低下が嫌気され、ドル売りが活発となった。米トランプ政権による財政拡張策によって米国債売りが再び強まる可能性もあり、長期金利の動向を意識した取引が広がりやすい。金利高はドル買い材料となり得るが、個人消費を圧迫するとの見方もある。5月消費者信頼感指数など有力な経済指標が市場予想を下回った場合、ドル売りを強める材料となろう。
他方、5月21日に行われた日米財務相会談では両国の閣僚が「為替について議論しなかった」としている。ただ、米国は台湾や韓国との貿易交渉でドル高・通貨安是正を協議したとみられ、日本も例外ではなく、日米は円安是正に向かう可能性があると市場参加者は受け止めているようだ。赤沢経済再生担当相は5月30日を軸に再訪米し、ベッセント米財務長官と協議するとの報道もあり、円安是正が議題になることへの警戒感は消えていない。新たなドル買い材料が提供されない場合、米ドル・円は心理的な節目である140円近辺を試す可能性もある。
■来週の注目スケジュール
5月26日(月):景気先行CI指数(3月)、景気一致指数(3月)、米・株式市場は祝日のため休場(メモリアルデー)、英・株式市場は祝日のため休場(スプリング・バンクホリデー)、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議・関連会合(27日まで)など
5月27日(火):企業向けサービス価格指数(4月)、米・消費者信頼感指数(5月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(3月)、21:30 米・耐久財受注(4月)、中・工業利益(4月)、18:00 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(5月)、欧・ユーロ圏景況感指数(5月)、欧・ユーロ圏新車販売台数(4月)など
5月28日(水):米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月6日-7日会合分)、欧・欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏CPI予想(4月)、独・失業率(失業保険申請率)(5月)、豪・消費者物価指数(4月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
5月29日(木):消費者態度指数(5月)、米・GDP改定値(1-3月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・中古住宅販売成約指数(4月)、加・経常収支(1-3月)、台湾・GDP(1-3月)、南ア・南アフリカ準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
5月30日(金):東京CPI(5月)、鉱工業生産指数(4月)、小売売上高(4月)、失業率(4月)、有効求人倍率(4月)、百貨店・スーパー売上高(4月)、住宅着工件数(4月)、米・個人所得(4月)、米・個人消費支出(4月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(4月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(5月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(5月)、米・卸売在庫(4月)、独・消費者物価指数(5月)、欧・ユーロ圏マネーサプライ(4月)、豪・小売売上高(4月)、加・GDP(1-3月)、印・GDP(1-3月)など
5月30日(金):中・製造業PMI(5月)、中・非製造業PMI(5月)など
<YU>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況