注目トピックス 日本株
アイナボホールディングス---完全子会社間で大阪支店の吸収分割を実施し業務機能を集約
配信日時:2025/05/22 08:12
配信元:FISCO
*08:12JST アイナボホールディングス---完全子会社間で大阪支店の吸収分割を実施し業務機能を集約
アイナボホールディングス<7539>は20日、子会社であるアベルコの大阪支店を、同じく子会社である今村に吸収分割方式で承継させることを決定したと発表した。
効力発生日は2025年10月1日を予定しており、分割対価は無対価とする。
本件は、子会社間での簡易吸収分割であり、アベルコが有する大阪支店に関する一切の権利義務を今村が承継する。これには、取得価額100万円以下の少額資産を含むすべての資産・負債が含まれる。なお、本吸収分割に伴う資本金の増減はなく、債務履行についても、両社ともに支障がないことを確認している。
この吸収分割の目的は、大阪地区における業務機能の明確化と、顧客ニーズへの迅速かつ柔軟な対応を図るためである。これにより、グループ全体の物流・サービス提供体制の最適化を目指すとしている。 <ST>
効力発生日は2025年10月1日を予定しており、分割対価は無対価とする。
本件は、子会社間での簡易吸収分割であり、アベルコが有する大阪支店に関する一切の権利義務を今村が承継する。これには、取得価額100万円以下の少額資産を含むすべての資産・負債が含まれる。なお、本吸収分割に伴う資本金の増減はなく、債務履行についても、両社ともに支障がないことを確認している。
この吸収分割の目的は、大阪地区における業務機能の明確化と、顧客ニーズへの迅速かつ柔軟な対応を図るためである。これにより、グループ全体の物流・サービス提供体制の最適化を目指すとしている。 <ST>
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株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(12)
*12:12JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(12)
ヘリオス<4593>続いて、次の質問に移らせていただきます。こちらも少し難しいテーマになるかと思いますが、「株主還元」に関して伺いたいと思います。ただ、長期的に投資を継続していくうえでは、株価の上昇だけでなく、配当や株主優待などのモチベーションのひとつになるというのも、投資家側の本音だと思います。こうした「株主還元」に関して、現時点での御社のお考えやスタンスをお聞かせいただけますでしょうか。■ヘリオス 鍵本様はい、ご質問ありがとうございます。現時点では、やはり当社はまだ赤字の段階にありますので、現金による配当などの直接的な株主還元は難しい状況です。ただ、社内では半分冗談、半分本気でこんな話も出ています。今後、当社の主力製品の一つである「培養上清液(培地)」を活用した商品、たとえば培地配合クリームなどを株主優待としてお配りできたら、株主の皆様にも喜んでいただけるのではないか」という話が、出てきております。●はっしゃん確かに、御社のように消費者との接点がある商品をお持ちであれば、そうした形での還元策が実現すれば、投資家にとっても大きなモチベーションになると思います。将来的にぜひご検討いただければと思います。■ヘリオス 鍵本様手前味噌にはなりますが、今世の中に出回っているエクソソーム製品や培養上清由来の美容・医療素材と比べても、当社の製品は「医薬品製造のプロセスから生まれる副産物」である点が大きく異なり世界に類を見ません。自身を持った品質のものをお届けできると自負しております。●はっしゃんお待ちしております。もうひとつお伺いしたいのですが、これは毎回、さまざまな企業様にお聞きしている質問です。今回、御社のようなバイオ・創薬系企業にお聞きするとどのような答えが返ってくるのか楽しみにしていたのですが、「意識されている競合企業やライバル企業」はございますでしょうか。■ヘリオス 鍵本様そうですね、当社の開発しているパイプラインで見ると、明確な競合というのはあまり存在しないのが実情です。バイオ領域では、多くの企業が一度つまずくと撤退してしまうことが非常に多い。そこをやりきることさえできれば、世界的にも突出した製品になり得ると信じています。このあたりは、他の産業ドメインとは大きく異なる点かもしれません。たとえば、私もエネルギー関連の企業などを見ていますが、あの分野では次々に新しい競合や技術が現れるという競争環境がありますよね。一方で、バイオの場合は、ひとつの疾患が非常に複雑であり、時間も非常にかかります。簡単に“次の競合”が現れるような市場構造ではありません。ですので、当社のように株価が一時は20分の1にまで下落しても、4年間耐え抜いて継続できる体力と意志があるか。やるといったことを着実にやることが、経営の指標として重要な領域だと考えます。●はっしゃんありがとうございます。では、最後の質問です。昨今、世の中はインフレの影響が非常に大きくなってきていると感じています。物価が上昇し、電気代や水道代といった固定コストの上昇に加えて、人件費についても上がってきています。特に御社のように最先端のバイオ・創薬分野で事業を展開されている企業においては、優秀な人材を確保するためにも、相応の処遇が必要となるはずで、インフレの影響は決して小さくないのではと想像します。一方で、御社の現在のようなステージでは、売上が急激に伸びるというよりも、成長投資を続けながら着実にステップを積み重ねている局面にあると理解しております。御社におけるインフレの影響は、どのように考えておられるのかをお聞かせいただければと思います。■ヘリオス 鍵本様当社でも、一定のベースアップについてはこれまでも段階的に行ってきておりますし、資材コストの上昇など、インフレによる影響も当然ながら一部にはございます。ただ、我々のビジネスにおいて経営に最も大きなインパクトを与えるのは、やはり「製品が承認されるかどうか」という点に尽きます。これは株価を見ていただいても明らかなとおりで、株式市場からの評価においても、最大の変動要因は“承認”の有無です。そういった意味では、エネルギー価格の高騰やインフレ率といった変化は、我々にとっては比較的副次的な要素に過ぎないというのが実情です。●はっしゃんなるほど、確かにおっしゃる通りですね。これまでさまざまな企業様に「インフレの影響」についてお尋ねしてきましたが、今のお答えは非常に明確で、本質を突いていると感じました。まさに、御社のように「何が本当の価値変動要因か」を理解されている企業だからこそだと、あらためて実感しました。■ヘリオス 鍵本様実際に、株価が1,000円、2,000円、あるいは300円といった水準を上下するのは、結局のところ「ノウハウが実用化されるか」「承認が得られるか」といった、コアの部分に対する評価です。インフレ率が5%か10%かといった話は、こうした構造変化の前ではふっとんでしまいます。●はっしゃん本日はさまざまなお話を伺い、大変勉強になりました。特に、御社のように「社会を良くする」という明確なビジョンを持ち、長期的な志をもって事業に取り組んでおられる企業が、日本でしっかり評価され、成功していくことは、日本社会全体にとっても非常に意義のあることだと感じています。私個人としても、引き続き御社の株価や決算の動向をウォッチしながら、応援していきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。■ヘリオス 鍵本様こちらこそ、ありがとうございました。■終わりのあいさつ▲フィスコ 高井最後に、鍵本様、はしゃんさんからご挨拶をいただきたいと思います。それでは、鍵本様からお願いいたします。■ヘリオス 鍵本様今日はありがとうございました。わかりにくい領域ではございますが、是非皆様のご理解に繋がったらと思います。やるといったこと1つずつ実行していきたいと思いますし、何よりも待ってる患者さんに薬を届けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。▲フィスコ 高井ありがとうございます。はっしゃんさんは本日の対談はいかがでしたか。●はっしゃんはい、今日も本当に非常に勉強になりましたね。私も利益を上げるだけの会社ではなく、これから日本や世界を良くしていく企業を応援したいと心から思いました。どうもありがとうございました。▲フィスコ 高井ありがとうございました。それでは、これにて対談を終了いたします。皆様、ご視聴いただきありがとうございました。
<MY>
2025/05/22 12:12
注目トピックス 日本株
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(11)
*12:11JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(11)
ヘリオス<4593>こうした現状について、経営者としてどのように受け止めておられるのか。この2点について、ご見解をお聞かせいただければと思います。■ヘリオス 鍵本様ご質問ありがとうございます。まず、約4年前に起きた株価の急落についてですが、当時の我々は、日本国内における権利しか保有しておらず、ARDS(重症肺炎)と脳梗塞、それぞれの日本での開発権を持っていた状況でした。そのうえで、「近いうちに両方の承認が得られるだろう」という期待が非常に高まっていたのです。しかし実際には、ひとつはコロナ禍の影響により、もうひとつは我々の治験デザインの問題もあって、200例の治験データでは十分な有効性が示されなかったという結果となり、予定通りの承認が二本ともとれませんでした。ここで、株価が大きく下落する結果となりました。そこからの数年間は、まさに厳しい時間が続きました。ただ、私たちはその間も「患者さんに治療を届ける」という本来の使命をぶらすことなく、地道に取り組んでまいりました。その後、社会環境や政策も変化してきました。コロナ禍において日本から有効なワクチンや治療薬がなかなか出てこなかったことへの反省もあり、「創薬ベンチャーをどう育てるか」という視点から、国による政策も打たれてまいりました。そうした流れを受けて、我々の主力開発品であるARDSの治療薬についても、ようやく承認に向けた道筋が明確になってきたというのが現在のフェーズです。株価の回復についても、肺炎治療薬に関する承認への期待感が徐々に織り込まれ始めた結果、一時は100円台だった株価が、現在では300円台まで戻ってきている状況にあると捉えています。ただ、大きな違いは、4年前は日本国内の権利しかなかったのに対し、今はグローバル全体の開発・販売権を保有しているという点です。本来であれば、この点だけを見ても、より高い評価がされてしかるべきと考えていますが、やはり市場には、過去に「予定通りに承認を取れなかった」という経験があるため、その記憶による“ディスカウント”がまだ残っていると感じています。「権利範囲が広がり、承認も現実味を帯びてきているものの、本当に実現するのか」という、慎重かつ懐疑的な目線が市場の一部には残っている。それが現在の株価水準に影響しているのではないかと理解しています。●はっしゃんはい、ありがとうございます。おっしゃる通り、市場の反応というのは非常に厳しいものがありますね。御社が今後、たとえば黒字化の達成や、主要パイプラインにおける承認取得といった、明確なマイルストーンを実現された場合には、これまで慎重だった投資家の評価も一変し、株価が一気に回復する可能性も十分にあるのではないかと考えています。■ヘリオス 鍵本様はい、私もそう思っています。やはり市場というのは厳しいものですし、それが当然だとも思っています。私自身も、その点については十分に理解しています。やるべきは「行動で示すこと」だと考えています。こうしてご説明の場を設けてはいますが、最終的に評価されるべきは、「本当に承認申請を行ったのか」「脳梗塞の治療薬がどうなったのか」「実際に承認を得て、患者さんのもとに薬が届いたのか」という結果だと思います。ここ半年〜1年の間も、我々はその結果を出すために地道に取り組んでまいりました。今後も一つひとつ、言ったことを着実に実行し、積み上げていく。それだけだと考えています。ただ、まさにご指摘のとおり、脳梗塞の薬に関して承認申請が現実のものとなるタイミングや、承認のプロセスが実際に始まった際に、投資家からの見方が大きく変わり、株価の再評価が起こる可能性は十分にあると見ています。そうしたフェーズにおいて重要な役割を担うのは、やはり機関投資家の動きです。当社の株式には流動性も戻ってきています。取引高も十分に高い水準にあり、大口投資家や機関投資家が参入できるだけのマーケットが整いつつあります。かつて、当社の時価総額が1,000億円を超えていた時期には、弊社は日本のバイオベンチャーの中で、最も外資系機関投資家の保有比率が高かった企業のひとつでもありました。現在も、米国の大手ファンドであるOrbimed(オービーメッド)をはじめ、複数のグローバル投資家が再び当社株を取得しています。当時の構図が、今また再現されつつあると感じています。再成長の動きは確実に始まってきている、経営陣が有言実行できるのかにかかってきていると考えています。●はっしゃんそれでは、次の質問に移らせていただきます。ここからは、やや厳しい内容になりますが、ご容赦ください。理論株価のチャートを拝見すると、2018年頃までは右肩上がりで推移していたものの、それ以降は下落基調に入り、資金調達を挟みながらも、下落と横ばいを繰り返すような形が続いているように見えます。この傾向からは、どうしても「右肩下がり」と評価せざるを得ない部分があると思います。やはり、株式投資に不慣れな初心者の方々にも安心して投資していただくためには、少しずつでも理論株価が右肩上がりに転じていくことが大切ではないかと考えています。具体的には、資産の目減りを防ぎながら、少しずつでも利益を積み上げていくことによって、会社を大きくしていく必要があるのではないかと。潜在的な価値とは別に、決算書の価値も上げていく必要があるかと思います。それが、いつ頃から見込めるのか。現時点での見通しをお聞かせいただければと思います。■ヘリオス 鍵本様はい、ご指摘ありがとうございます。短期的にはワラントの行使によるキャッシュインというのは、資金面での1つの手段になります。それ以上に重要なのは、本業における収益創出、特に「培養上清液」の売上によって、単月ベースでの黒字化がいつ達成できるのかという点にあると考えています。これが、理論株価の改善における大きな転換点になると思っています。年内か、あるいは遅くとも年明けにはその黒字化が実現可能な段階に入っていると見込んでおり、その達成をもって理論株価も自然と上昇トレンドに転じていくと考えています。これは重く受け止めており、必ず実行に移していきたいと思っています。●はっしゃんお話を伺っていて、あらためて非常に興味深い局面にあると感じています。投資家の立場からすると、そこが見えてきた時点で、一気に株価が評価されるという可能性がある。一方で、いつ来るかはまだ確定的ではなく、来る前に投資しておかないと大きな値上がり益は得られない、というのが悩ましいところでもあります。だからこそ、その判断材料として御社の開示資料や進捗レポートなどを丁寧に研究する必要があるということですね。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(12)に続く
<MY>
2025/05/22 12:11
注目トピックス 日本株
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(10)
*12:10JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(10)
ヘリオス<4593>決算概況につきましては、依然として赤字が続いておりますが、研究開発費は前年から約2億円減少しました。また、当期純利益は25.6億円の赤字となっていますが、これは金融関連の要因、すなわちワラントに関する評価益の影響によるものです。実際のキャッシュフローの観点では、前年とほとんど変わらない水準の赤字幅で推移しています。次にバランスシートについてご説明します。バイオベンチャーにおいては、キャッシュポジションが非常に重要な指標となります。当社の総資産は157億円、うち流動資産は60億円となっております。以上、決算および財務状況のご報告でした。ご清聴ありがとうございました。●はっしゃん大変勉強になりました。どうもありがとうございました。■質疑応答▲フィスコ 高井ありがとうございました。続いては、はっしゃんさんに鍵本様の企業説明、直近決算を受けて気になった部分を質問していただきたいと思います。それでは、はっしゃんさん、お願いいたします。●はっしゃんそれではここからは、私のほうからも質問をさせていただきたいと思います。私は「はっしゃん式理論株価」という独自の株価評価モデルを用いて、企業の財務分析を行っています。本日はこの理論株価をベースに、いくつかの質問をさせていただきたいと考えております。その前に少しだけ、私自身のバイオ株に対する考え方についてお話しさせてください。本日さまざまなご質問をさせていただいてまいりましたが、私自身、バイオ関連の分野に関心を持つようになったきっかけのひとつに、身内の病気がございます。親族が大病を患ったことを機に、自然とこの分野について調べるようになり、それをもとに書籍にも記載させていただいた経緯があります。やはりバイオ株というのは、一般の個人投資家からすると「利益が出ていない」「売上が立っていない」「成功するかどうかが見通しづらい」といった印象があるかと思います。ある種、「宝くじのようなリスクを取らされているのではないか」と感じられる方も少なくないと思いますし、「怖い」と感じてしまう側面も理解できます。しかし、新薬の開発というのは、非常に多額の資金と長い年月がかかるものです。10年単位で時間を要し、利益だけを目的にしていてはなかなか継続できるものではありません。私自身の父も病を患いましたが、「何とか治ってほしい」と切に願うものです。そういう方は世の中に数多くいらっしゃると思います。すべてが「お金のため」ではなく、成功するかどうか分からない難しい挑戦に取り組んでいる企業や経営者の方々には、私は心から敬意を持っていますし、個人的にも応援したいと思っています。本日のご説明も、そうした視点から真剣に拝聴してまいりました。そのうえで、ここからは理論株価の観点も踏まえ、いくつか質問させていただきたいと思います。それでは、「はっしゃん式理論株価」について、簡単にご説明させていただきます。この理論株価とは、企業の決算書を“見える化”し、その企業価値のおおよその目安を示すための指標です。過去8年分、合計33期分の決算短信データをもとに作成しています。最大の特徴は、初心者の方でも金融の専門知識なしに利用できるという点にあります。たとえば一般的なPERやPBRといった株価指標は、「何倍が妥当か」といった判断が難しく、初心者にとっては少しハードルが高いのが実情です。そこで、理論株価という形で「その企業が現在割安なのか割高なのか」を直感的に把握できるように工夫しました。この「はっしゃん式株価チャート」では、四半期ごとに企業の価値を評価していくため、成長企業や優良企業であれば自然と右肩上がりのチャートになります。一方で、成長が鈍化していたり、不振に陥っている企業は、チャートが右肩下がりになるという構造です。理想的なのは、株価と理論株価が高すぎず、安すぎず、適正に連動しながら成長していく状態です。これは特に初心者の方におすすめできる投資判断の軸になると考えています。次に、チャートの見方についてですが緑色のラインが、企業の「資産価値」を示しています。オレンジ色のラインが、「資産価値に事業価値を加算した理論株価」になります。つまり、理論株価は「資産価値 + 事業価値」で構成されているということです。さらに、水色のラインは「割高ライン」を示しており、このほかにも「配当ライン」など、投資判断の参考となる補助線を加えています。以上が、理論株価チャートの基本的な構成と考え方になります。ではここで、本日ご登壇いただいているヘリオス様について、私の理論株価チャートを用いて分析した内容をご紹介させていただきます。チャートをご覧いただくとわかるとおり、残念ながら、現時点の理論株価の推移は「非常に良い状態」とは言いがたい形になっています。本チャートは過去8年分のデータに基づいていますが、その間、理論株価は資産価値ラインに張り付いた状態が続いており、直近では右肩下がりのトレンドが明確に出ているのが現状です。では、なぜこのような形になってしまうのかというと、これは創薬系企業に共通する構造的な特徴によるものです。実際に成功して薬が承認されるまで、基本的には利益が一切出ない構造となっています。たとえ売上が増加していたとしても、黒字化していない段階では、私の理論株価のモデル上、「事業価値」はゼロと評価されることになります。結果として、「資産価値だけで評価される状態」になってしまうのです。本日のお話を伺って、非常に夢のある取り組みをされている企業だと感じておりますが、実際に投資判断をするとなると、理論株価の視点ではこのような形になってしまうというのが正直なところです。では次に、実際の株価の動きについても触れさせていただきたいと思います。理論株価チャートと照らし合わせて見ると、過去数年間、実際の株価は非常に高く評価されていたことがわかります。具体的には、理論株価が資産価値水準にとどまっている一方で、株価はおおむね1,500円から2,000円程度の水準で、5年間ほど推移していました。ところが、2021年を境に急落が発生し、その後は500円を割り込む水準にまで下落し、結果的に理論株価に近づくという形となってしまいました。そこで、本日はこの点について2点、質問をさせていただきたいと思います。まず1点目は、2021年に株価が急落した背景には何があったのか。あらためてご説明いただければと思います。そして2点目は、その後の株価推移についてです。直近1年半ほどは、チャートを見てもわかるように、株価がやや右肩上がりの傾向に転じているように見受けられます。先ほどのご説明にもあったように、売上が徐々に上がり始め、単月黒字化が視野に入りつつあるという状況にある中で、かつての高い株価水準と比較すると、現状の株価は依然として“過小評価されている”ように見える部分があります。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(11)に続く
<MY>
2025/05/22 12:10
注目トピックス 日本株
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(9)
*12:09JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(9)
ヘリオス<4593>治療法については、さきほどご説明したように、静脈から1回点滴投与するだけで済みます。このため、臨床現場においても極めて取り扱いやすい薬になると考えています。この脳梗塞治療薬についても、昨年、我々が全世界の権利を購入しました。日本の年間患者33万人に対して、世界全体の脳梗塞患者数は約526万人。つまり、約16倍の市場規模に広がったことになります。この薬については、現在、日本で条件・期限付き承認の取得を目指し、さらに医療用大規模言語モデル(LLM-AI)を活用した新たな承認プロセスの構築にも取り組んでいます。規制当局と、こうした枠組みに関して精力的にやり取りを進めている段階です。そして、最後に製造の話になります。新しい医薬品の事業化において極めて重要なのが、「本当に大量生産が可能かどうか」という点です。これについて、当社はこれまで細胞医薬の事業を中核として展開してきたこともあり、神戸を拠点に多くの優秀な技術者が在籍しています。その結果として、我々は世界でも初めての「大規模な三次元細胞培養技術(3Dバイオ)」の開発に成功しました。従来は、シャーレのようなお皿の上に細胞を張り付け、上から培養液をかけて育て、3日1回、液を交換するという方法が主流でした。しかし、産業用途としてはこれでは対応しきれません。そこで当社は、ビールや日本酒の発酵工程のように、大きなタンクの中で三次元的に細胞を培養する方法が可能になってまいりました。今回、ARDSの薬が予定どおり承認されれば、この「3Dバイオリアクターによる製造で初めて実用化された細胞医薬品」が、誇らしくも日本から世界に向けて登場することになります。これは、細胞医薬産業において非常に大きなマイルストーンです。従来の二次元培養法は、大量に作れませんし、“家内制手工業”のようなもので、人の手に頼るため、品質にばらつきが出やすいという課題がありました。しかし、我々の三次元培養法であれば、500リットル規模のバイオリアクターを用いて、安定かつ大量の製品供給が可能です。さらに、培養過程で生まれる「培養上清液」には、大きな経済的価値もあります。市場では、1ccあたりおよそ1万円から3万円で取引されており、当社が日本での薬事承認用に使用している40リットル規模のバイオリアクターを1回稼働させるだけで、最大で約4億円分の培養上清液が副産物として得られることになります。これまで廃棄していた培養上清液が、医療材料としてしっかりと売上につながることで、経営面において非常に重要な収益の柱になり得ると考えています。この分野については、すでに複数の共同研究パートナーと連携しながら、実用化に向けた取り組みを進めているところです。以上が、当社の現在の取り組みについてのご説明となります。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(10)に続く
<MY>
2025/05/22 12:09
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株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(8)
*12:08JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(8)
ヘリオス<4593>対象となるのは「重症肺炎」、専門用語ではARDS(急性呼吸窮迫症候群)と呼ばれる疾患です。新型コロナウイルスの重症化により、多くの方が最終的にこのARDSに至り、命を落とされたことは記憶に新しいかと思います。このARDSは、発症すると死亡率が30%〜58%と非常に高く、実際にはおおよそ半数の方が亡くなってしまう、非常に深刻な疾患です。しかも、この疾患はコロナウイルスだけでなく、さまざまな感染症やパンデミックのたびに発生しており、そのたびに多くの命が失われてきました。そして現時点では、有効な薬物治療は存在していません。人工呼吸器による「対症療法」が唯一の手段です。このような中で、我々が開発している細胞医薬品がどのような効果を発揮するのかについてですが、すでに日本で35名、米国で30名の患者を対象に治験を実施しました。その結果がこちらです。簡単に言えば、「通常であれば100名のうち100名が亡くなるような状況において、39名の命が助かる」という素晴らしいデータが得られています。繰り返しになりますが、こうした臨床的効果を示した治療薬は、世界中を見渡しても他に存在していません。まずはこの薬を、日本の患者さんにしっかりと届ける。そのうえで、次に目指すのが、より巨大な市場であるアメリカです。先ほどから米国について「巨大市場」と繰り返し申し上げてきましたが、では実際にどれほどの規模かという点について、具体的な数字を申し上げます。まず、日本国内におけるARDSの年間患者数は約2.8万人とされています。対して、全世界では年間110万人、そしてアメリカだけで見ると、なんと26.2万人。日本の約10倍の規模にあたります。当社の薬はすでに「米国最恵国待遇(Most Favored Nation)」の対象となっており、日本の薬価がそのまま米国でも参考にされる可能性があります。そこで、あくまで保守的な見積もりとして、「日本と同水準の薬価」で、「アメリカ市場の10%を獲得できた」と仮定した場合でも、米国の10%の市場をとれてば、年間売上はおよそ3,000億円規模にのぼると試算しています。そして、現実的には競合薬が存在しない状況ですので、市場シェアの3割程度は十分に狙えると考えております。その場合、年間1兆円規模の医薬品になる可能性があるということです。そのポテンシャルが本当に現実のものとなるかどうかを見極めるのが、これから始まる「グローバル第3相試験」であり、我々にとって極めて重要な試験になります。●はっしゃんそうですよね。私も多少勉強した感じでは、日本市場で成功するよりも米国で受け入れられるかどうかが最重要ということですよね。■ヘリオス 鍵本様その通りです。本当におっしゃる通りです。やはり第3相試験の結果というのが、一番大きなところになりますので、しっかりと仕上げていきたいと考えています。現在ARDSに対する薬物治療法は世界的に存在しておらず、我々の細胞医薬品が承認されれば、「世界初の重症肺炎に対する再生医療製品」になる可能性があるという点でも、大きな意義を感じています。続いて「脳梗塞」についてです。日本において、脳梗塞の年間発症数は23万人から33万人程度とされています。その中で、細胞治療を必要とするような重症患者数は、年間およそ13万人。我々の薬は「発症から36時間以内に投与可能」という特性を持っています。この時間内に病院へ来院される方は、統計的に約6.2万人とされており、これが治療対象となる患者数です。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(9)に続く
<MY>
2025/05/22 12:08
注目トピックス 日本株
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(7)
*12:07JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(7)
ヘリオス<4593>■ヘリオス 鍵本様ありがとうございます。ご指摘の点については、私自身もまったく同じ気持ちを抱いております。私は創業者であり、かつ大株主でもありますので、資金調達のたびに「やりたくない」と駄々をこねながら経営判断をしているというのが実情です。その中で、どうしても資金調達が必要な局面において、「これ以上は無理だ」というギリギリの条件であれば、やむを得ずワラントを受け入れてきました。ただ、今回のワラントに関して申し上げますと、いわゆる「ムービング・ストライク(転換価格変動型)」のものではなく、固定価格のものとなっております。しかも現在の株価水準ではすでに「イン・ザ・マネー(行使価格を上回る状態)」になっておりますので、市場においても、このワラントはすでに株価に織り込まれていると認識しています。そういった意味では、現時点で過度なご心配をいただく必要はないと思っていますし、この約52億円分のワラントについては、「これがラストファイナンスになる」という強い意志で取り組み、しっかり黒字化させていきます。●はっしゃんラストファイナンスということで。やっぱり、そういうお気持ちをお持ちでいらっしゃるところが、まさに「創業経営者」らしいと感じます。投資家としても、目線が近いことをあらためて実感しました。■ヘリオス 鍵本様そうなんです。我々としては「必要なファイナンス」以外は一切行っていません。そして、調達先についても、常に慎重に相手を選んできました。この点はぜひ強調しておきたいのですが、前回我々が資金調達を行った際に、割当先の一つとなったのが「Orbimed(オービーメッド)」というファンドです。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、Orbimedは世界最大のバイオテック専門ファンドであり、グローバルでも非常に高い評価を得ている投資家です。それだけ我々の取り組み、そして会社の可能性が、米国の機関投資家からも評価されたということだと考えています。特に彼らが評価しているのは、最大の医薬品市場である米国において、グローバル第3相試験がこれから本格的に始まるという点です。対象疾患であるARDS(急性呼吸窮迫症候群)は、現時点で明確な競合が存在しない分野です。その中で、我々がすでに得ている臨床データとしては、「本来であれば100人が亡くなる重症患者群において、当社の薬を投与した結果、39名の命が救われた」という明確な結果が出ています。そんなデータは今までないわけです。こうしたデータに基づく第3相試験が始まろうとしているにもかかわらず、我々の時価総額は、米国の投資家から見れば「非常に小さな水準」に映っていたようです。米国のバイオ企業と比較しても、「このフェーズの企業がこんなに小さいのか」と。米国のファンドが、国境を越えて日本のバイオベンチャーに出資するというのは、非常に珍しいことです。それでも、リスクを乗り越えて投資していただけたのは、当社の割安感、爆発的な成長性をしっかりと見極めていただけたからだと思っています。さらにその後、フィデリティをはじめとする著名な長期投資家が、市場で当社株式を取得したという事実も開示されています。こうして、欧米の有力機関投資家が、当社株式に本格的に動き出しているというのが、今の状況です。●はっしゃんよくわかりました。ありがとうございます。■ヘリオス 鍵本様続いてご説明するのが、本丸であるARDS(急性呼吸窮迫症候群)の売上見通しについてです。まず、日本においては「条件・期限付き承認」を目指しています。この承認が得られれば、国内での販売が本格的に開始され、着実に売上が立ってくると見込んでいます。さらに、売上という観点では、米国市場における展開が大きなインパクトを持っています。現在、グローバル第3相試験が準備段階にあり、この試験において「中間解析(インタリムアナリシス)」が実施される予定です。現時点でのスケジュールでは、全体の治験人数が500名程度となる見込みで、その中の中間時点、たとえば300名〜400名に到達した段階で、薬剤の効果がどの程度出ているかを一度解析します。この中間解析の結果が良好であれば、その段階でいわゆる「メガファーマ(大手製薬企業)」とのライセンス契約や提携が成立する可能性も十分にあります。その場合、まとまった一時金なども入ってくると想定しています。つまり、この図にあるように、開発にかかるコストと、資金の流入タイミングを照らし合わせながら、会社の資金計画を設計しているということです。株価が物語っていますが、一旦“底打ち”し、徐々に改善の兆しが出てきています。さらに、ARDSの承認方針が固まったことで、市場としては「次に脳梗塞がどうなるか」を見極めようとしているフェーズに入りつつあります。このように、当社は今、ひとつの底を打ち、回復基調に入ったタイミングにあると捉えています。今年、当社が取り組むべき主要なタスクです。まず、ARDS治療薬について、日本国内での「条件・期限付き承認申請」を確実に行うことです。また、米国を中心とした巨大市場に向けた「グローバル第3相試験の開始」です。この薬は日本での承認に向かっているものですから、米国における臨床試験でも十分な成功の可能性があると考えています。この試験は、まだ効果があるかどうかを探っている段階ではなく、すでに効果があることを認識したうえで、「同様の結果がアメリカでも出るかどうか」を確認しに行くフェーズに入っています。ですから、これは“右か左か分からない”ような不確実な挑戦ではなく、きちんと見通しの立ったプロジェクトです。そして、次に大きな注目点となるのが「脳梗塞」の治療薬です。こちらも、すでにさまざまなガイダンスが出ており、「条件・期限付き承認」に至る可能性が高まってきています。現在、規制当局との合意形成を進めている段階ですが、この合意が得られるかどうかが、今年の最大の山場の1つになると見ています。足元のキャッシュという観点では、先ほどご説明したワラントの行使による資金調達も当然重要な柱ですが、あくまで本業からの収益創出が中核にあります。当社の主力である薬品事業に加え、培養上清液の本格出荷・売上計上がいよいよ始まります。これによって、月次ベースでの黒字化、あるいはそれに非常に近い水準の収支改善が期待できる見通しです。●はっしゃんもし黒字化できれば、かなりインパクトになりそうですね。■ヘリオス 鍵本様そうですね。やはり日本の投資家の皆様、そしてこの国の投資環境の特性として、「たとえバイオ企業であっても黒字化が見えていないと、なかなか評価されにくい」という現実があると思っています。そうした特性を十分に理解したうえで、それにしっかりと対応していくという意味でも、培養上清液の事業は今後、当社として注力すべき重要な柱だと考えています。それでは、肺炎の治療薬についてご説明します。これまでにもいろいろとお話ししてまいりましたので、ポイントを簡潔にお伝えします。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(8)に続く
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2025/05/22 12:07
注目トピックス 日本株
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(6)
*12:06JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(6)
ヘリオス<4593>次に、「脳梗塞」についてです。脳梗塞に関しては、現在、条件および期限付き承認制度に関連するガイダンスが次々と示されており、それを踏まえて準備を進めています。また、先日発表させていただきました通り、当社は「AMEDの先進医療プロジェクト(NET)」にも採択されました。最近はAIの進化が非常に速く、医療分野でもさまざまな応用が始まっています。その一例が、東京大学の松尾豊研究室を中心として開発が進められている、日本語の医療ガイドラインを読み込ませたAI大規模言語モデル(LLM)です。このLLMを活用することで、たとえば病院で入力される電子カルテのデータを、患者さんの同意を得たうえでAIが解析し、日本中の脳梗塞患者さんがどのような経過をたどったのかを統計的に可視化することが可能になります。そこに、当社が開発した薬を投与した後の経過と照らし合わせることで、「本当に効果があったのかどうか」を、データに基づいて検証することができます。現在は、こうしたAI技術を活用しながら、条件付き・期限付き承認に向けた体制を進めている段階です。●はっしゃん私にとっても少し身近な分野になってきたので、質問させていただいてもよろしいでしょうか。私は日常業務でも、かなりChatGPTを活用しておりまして、会話をしながら業務を進めたり、ChatGPTに実際に仕事をやってもらったりしています。そういった中で、製薬や創薬の現場においても、同じような形でAIを活用する動きが始まっていると理解しました。つまり、専用のAIがすでに登場していて、そういったAIが治療開発の一部を担うようになってきているということなのでしょうか?■ヘリオス 鍵本様そういうことですね。簡単に申し上げますと、我々はこれまで脳梗塞の治験を実施しておりまして、日本国内で200名分の患者データを蓄積しています。しかし、これだけではいわゆる“通常の承認”を得るには、まだデータが足りないというのが実情でした。この不足分をどうやって補うかというのが、実は過去4年間の大きな課題でした。ところが、今回のようなChatGPTの医療版が活用できるようになると、この補強作業が非常に簡単にできるようになります。もちろん、患者さんの同意があった上での話にはなりますが。たとえば、日本では年間約10万人の脳梗塞の患者さんが新たに発生しているとされています。仮に、そのうちの1%の方が「自分のデータを使っても構わない」と同意してくださったとすると、それだけで1,000人分のデータが得られることになります。この1,000人は、我々の薬を投与されていない、そして、仮に年間100人の患者さんに当社の薬を投与できたとすれば、「100人 vs 1,000人」で、効果を統計的に比較できるわけです。もし薬に明確な効果があるならば、こうした比較によって、それがはっきりと現れてきます。このような解析は、以前であれば到底できなかったことです。1,000人分のデータを人の手で集めてくるなんて、それだけで膨大な労力と時間がかかります。しかし今は、AIの力でこれが可能になりつつある。そしてまさに、このAIの進化があるからこそ、4年前から止まっていた脳梗塞治療薬の承認に向けたプロセスが、再び動き出す可能性が出てきたのです。●はっしゃんよくわかりました。■ヘリオス 鍵本様はい、ありがとうございます。次にお見せする表が、経営者である私の頭の中をそのまま図示したようなものです。そしてまた、投資家の皆様にとっても、当社の経営の要点を非常にわかりやすくご理解いただける内容になっていると思っています。簡単に言えば、我々はこれまでずっと開発フェーズに注力してきました。しかし今、その「開発中心」から「製薬企業としての収益化フェーズ」へと、ちょうど転換点に差し掛かっている状況です。まず我々の頭の中にあるのは、基礎的なコスト構造です。たとえば、企業を回すためのオペレーションコスト(これは赤い帯で表しています)。また、グローバル第3相試験が始まるため、それに伴うコスト。加えて、日本で肺炎治療薬の承認を取得するための製造委託コスト。これらが主なコスト項目です。さらに、日本での肺炎の承認取得に向けて、在庫を積んでおくコストがあります。一方、売上面では、これまで開発中だったため赤字が続いておりましたが、いよいよ製品が出てくる段階に入っており、「黒字化」が現実的な目標として見えてきています。それでは、それをどのようなタイミングで実現していくのか、具体的にお示しします。まず、直近の資金状況についてですが、当社は過去に発行した「ワラント(新株予約権)」を保有しており、その残額は約52億円となっています。このワラントは、180円程度で行使される固定ワラントです。現在の株価はすでに300円を超えており、行使する投資家の皆様にとっては、すでに実質的な利益が得られる水準にあります。投資家の皆様とやりとりしている中でも、「大体いくらになれば行使に動くか」というのは、社内でも一定の理解があります。そうした水準に近づいてくると、残りの52億円のワラントが順次行使され、当社には製造委託や第3相試験費用など、経営の基盤となる資金が入ってくる見込みです。これを、今年の第4四半期までにしっかりと進めることが、当社にとって重要なマイルストーンのひとつと考えています。また同時に、先ほどお話しした美容・自由診療向けの培養上清液の外販、さらに細胞医薬の本格出荷が年末にかけて動き始めます。これらの収益化がしっかりと進めば、「単月黒字化」が現実のものとなってきます。我々としては、この黒字化をなんとか今年中に実現したいと考えており、今まさに経営チーム一丸となって全力で取り組んでいるところです。●はっしゃんここで、私から2点ほど質問させていただいてもよろしいでしょうか。まず1点目は、売上についてです。実は御社の売上は、毎年着実に増加しているんですよね。以前から四季報などを通じて御社の業績は拝見していたのですが、バイオ系の企業というのは、売上がゼロに近い状態が何年も続いていたり、成長の兆しが見えにくい会社が多い中で、御社は赤字ではあるものの、しっかりと売上を積み上げておられる。これは非常に素晴らしいことだと感じています。先ほどもお話がありましたように、開発だけでなく、しっかりと収益を稼いでいくという視点があるからこそ、今後も売上を伸ばしていけるというご説明だったと思います。そして2点目は、資金調達、特にワラント(新株予約権)についてです。ご存じの通り、ワラントというのは投資家にとって「希薄化」というリスクを伴いますので、株主目線ではややネガティブに捉えられることもあるかと思います。ですから、できれば「今後あまりワラントは出してほしくない」と考えている株主の方もいらっしゃるのではないかと思います。このあたりについて、御社としてのご見解をお聞かせいただければと思います。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(7)に続く
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2025/05/22 12:06
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株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(5)
*12:05JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(5)
ヘリオス<4593>●はっしゃん少し質問させていただいてもよろしいでしょうか。私自身、どちらかというと“がん家系”のような面がありまして、実際にがんで亡くなった親族も何人かおります。それだけに、もし自分が将来的にがんを患ったとしても、本当に薬で治る時代というのは、自分が生きているうちに来るのだろうかと、ふと考えることがあります。少し抽象的な質問で申し訳ないのですが…。■ヘリオス 鍵本様私、来ると思いますよ。●はっしゃんえっ、本当ですか?■ヘリオス 鍵本様今の科学の進歩のスピード、そしてiPS細胞や遺伝子改変技術の発展の速さを見ると、私は、がんが治る時代は必ず来ると考えています。iPS細胞だけではなく、抗体薬なども進化しています。また、最近では、患者さん一人ひとりの遺伝子情報を解析して、「どのような遺伝的特徴を持ったがんなのか」を特定できるようになってきました。そういった技術の発展によって、がんはもはや「不治の病」というよりも、「共に生きながらコントロールしていく病気」へと変わりつつあります。実際、「がんと診断されても10年、20年と付き合いながら寿命をまっとうする」、そんな時代にすでに入りつつあるのです。そして、そこに新しい細胞を使った治療薬が加わることで、さらに治療の可能性が広がっていきます。たとえば、がんのタイプを詳しく調べた上で、「抗体薬で治療する」「iPS細胞由来の免疫細胞で治療する」「それらを組み合わせてアプローチする」といったように、患者ごとに最適な治療戦略を立てることができるようになると思います。●はっしゃんこれは、ぜひとも自分が健康なうちにその時代が来てほしいですね。■ヘリオス 鍵本様頑張って進めてまいります。これが、我々が会社を立ち上げた大元の部分であり、最も重要なポイントになります。ただし、このiPS細胞の実用化というのは、明日すぐに実現するような話ではありません。現在、我々は「NK細胞」を作成し、そこに遺伝子改変を加えることで、最高レベルのNK細胞の構築に成功しています。しかしながら、それを臨床段階に持っていくためには、まだかかる見込みです。こうした取り組みは着実に進めていきますが、一方で、上場企業として、iPS細胞や細胞医薬の実用化を“産業”として立ち上げるという使命を背負っている以上、我々は一刻も早く黒字化を実現し、細胞医薬を社会に届けて、事業基盤をしっかりと固める必要があると考えています。その観点からも、iPS細胞“1本足打法”ではなく、すでに開発の進んでいる「骨髄由来の細胞」を取り入れる判断に至りました。そして昨年、全世界におけるその細胞の権利を、我々が取得することができました。これが、スライド中央にある「骨髄由来幹細胞」です。そもそも“骨髄”とは何かといいますと、私たちの血管を流れる血液、この血液の“もと”となる細胞が、骨髄の中で作られています。また、免疫に関わる多様な細胞も、骨髄の中に存在しています。この骨髄由来の細胞を用いた医薬品の開発を、我々は今、重点的に進めています。対象疾患は、ARDS(急性呼吸窮迫症候群、いわゆる重症肺炎)、脳梗塞、そしてアメリカでは、米国国防総省がすべての予算を拠出し、外傷に対する有効性を確認する第2相試験が現在進行中です。ここで言う外傷には、銃創や薬物中毒など、幅広いケースが含まれます。それから、スライドの一番左側にあるのが「医療材料」です。我々は細胞医療を専門としている関係で、他社が欲しがるような技術資産を多数保有しています。たとえば、ユニバーサルドナーセル、あるいは当社が保有するiPS細胞そのものなど、さまざまな基盤技術があります。こういった技術は、必要とされる方々に対して、きちんとした形で販売していくという方針をとっています。そして、最近分かってきたのが、我々が現在承認申請に向けて進めている肺炎や脳梗塞の治療薬、この製造過程において「副産物」が出てくるという点です。例えば、魚を買って家で調理される際、魚の汁や液が残りますよね。そして水槽でも、水を1週間に1回程度取り替えたりしますよね。それと同じように、細胞医薬品を製造する際にも、細胞を育てるための「培養液」を使います。この培養液は、一定期間ごと、たとえば3日おきに新しいものに交換する必要があります。栄養分を補うためです。このとき、使用済みの培養液の中には、細胞が産生したさまざまな有用成分が含まれています。そして現在、この成分が美容分野や自由診療の領域で非常に高値で取引されているという実態があるのです。我々としても、この製造過程で大量に出る副産物を、これまで産業廃棄物として処分していたのですが、実はそれを「必要としている方々がいる」ということが分かりました。そこで、まずは国内でアンドメディカル社と連携し、この培養上清液を提供する取り組みをスタートしました。現在は、実際に患者さんが使えるよう、品質確保や安全性確認をしっかりと進めているところです。おそらく今年の年末頃には、外販が開始できるのではないかと見込んでおり、この取り組みは、今後、当社にとって大きな収益の柱のひとつになると期待しています。●はっしゃんすみません、ここで少し質問してもよろしいでしょうか。今ご説明いただいた内容を、ざっくり言うと、本来の目標は、病気を治すというところにあるわけですが、それだけを追い続けていても、やはり資金がいくらあっても足りなくなってしまう。そういった現実がある、という理解でよろしいでしょうか。つまり、本来の目的を実現するためには、収益化もしっかり図っていかないといけない。そのために、治療薬を開発する過程で出てきたもの、あるいは保有している技術など、利用できるものは活用して、売上を立てていく。そういった構造なんですね?■ヘリオス 鍵本様そういうことです。●はっしゃんありがとうございます。■ヘリオス 鍵本様ありがとうございます。では、パイプラインについてご説明します。現在、一番開発が進んでいるのが、スライド最上部にある「ARDS」です。正式名称は「急性呼吸窮迫症候群」と言いまして、専門用語としては少し長いですが、簡単に言えば“重症肺炎”のことを指します。たとえば、コロナに感染して重症化し、最終的に亡くなってしまった方の多くが、このARDSに至っていました。このARDSという病気、一度この診断が下されると、おおよそ半数の方が命を落とすと言われる疾患です。我々は現在、このARDSに対する治療薬について、日本国内では承認申請の準備を進めています。そして米国においては、いよいよ第3相試験、いわゆる最終試験に入るフェーズに差しかかっており、巨大市場である米国での承認取得に向けた体制を整えているところです。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(6)に続く
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2025/05/22 12:05
注目トピックス 日本株
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(4)
*12:04JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(4)
ヘリオス<4593>経営体制についてご説明しますと、私はファウンダーとして経営全般を統括しております。取締役会には、アステラス製薬の元幹部や、第一三共の米国法人の元会長、金融・製薬分野の経験者が参画しています。執行体制は3名で構成されており、私が経営全般を、財務と管理、研究領域・人事・神戸研究所の運営を各々担当しています。●はっしゃん少し質問させてください。鍵本さんご自身は、九州大学でお薬の開発を手がけられたご経歴をお持ちですが、企業も立ち上げて、現場経験と経営の両方をお持ちということでしょうか。上場まで実現されていて、まさに“二刀流”で歩んでこられたのだなと感じました。■ヘリオス 鍵本様おっしゃる通りです。最初の会社を立ち上げてから約20年経ちますが、医師というよりは企業経営者としての期間のほうが長くなっています。私はいわゆる「シリアルアントレプレナー」です。これまでに複数の会社を起業しており、最初の企業では大変なことも多かったですが、最終的には製品を世に出すことができました。そして現在は2社目として、このヘリオスを経営しています。●はっしゃん本当に素晴らしいですね。■ヘリオス 鍵本様これは少し冗談めかして言うこともありますが、正直なところ、こうした仕事には“中毒性”があるんですよね。2社目、3社目とやっていくうちに、だんだん分かってくることが増えて、上手くなっていきます。これまでに培ってきた能力や経験を活かして、ディープテック領域で世界に貢献する治療法を確立し、なによりもそれをしっかり患者さんに届けていきたいと考えています。●はっしゃん医療の知識と経営の知識、両方をお持ちの方でないとできない領域ですよね。そこが御社の大きな強みにもなっていると感じました。■ヘリオス 鍵本様ありがとうございます。ここは、もう1段階だけ深掘りさせていただきたいポイントです。実は私、この部分が非常に大事だと思っているんですね。メガファーマの中でも、今なお成長し続けている企業を見てみると、やはりトップに立つ経営者が「技術的なバックグラウンド」を持っていることが多いんです。つまり、技術の本質を理解したうえで、経営の意思決定をしているということですね。技術的な知見があると、何がいいか。結局のところ、このバイオ業界、製薬業界というのは、投資家の皆様がやっておられることと、構造的には非常に似ているんです。何が同じかというと、「どの銘柄に、いつ、いくらで投資するか」「そして、いつのタイミングで、いくらで売却するか」。これに尽きるわけです。ポートフォリオ運用そのものですよね。バイオも製薬も同じで、最終的には「この技術が、本当に薬になるのかどうか」。これをきちんと見極めて、「いつ、いくらで、その技術を取り入れて」「何年かけて製品化し」「どのような形で出口(エグジット)を迎えるか」。つまり、「現金化までの筋道を描けるか」が問われる世界なんです。ですから、まずは「このパイプラインが“金の卵”なのか、それとも“単なる可能性止まりのもの”なのか」。ここを見誤ると、すべてが崩れてしまいます。ですので、まずこの“目利き”が最も重要です。そしてそのうえで、技術の価値を最大化するために、しっかりと経営判断を下せること。この両輪がそろっている経営者こそが、メガファーマの世界で“無限の成長”を描いているのだと、私は考えています。たとえば、重症肺炎。この疾患領域は非常に大きく、もしアメリカで承認を取得できれば、年間3,000億〜1兆円の売上が見込めるパイプラインになると考えています。さらに、脳梗塞はその何倍もの市場があります。こういった“世界の手本となるような薬”を、次にしっかりと世に出していきたいと思っています。●はっしゃん日本からそういう企業が出てくるのは、本当に喜ばしいことです。個人的にも応援させていただきたいと思います。■ヘリオス 鍵本様ありがとうございます。それでは、次の話題に移らせていただきます。こちらが、冒頭でご紹介した九州大学の眼科から出てきた「BBG」という製品です。私個人としては、お金のない研究室で発見したものが、今では世界中で使われているというのは、非常に誇らしく感じています。この製品は無事に製品化され、事業としては、我々は細胞領域に注力する方針を取りましたので、技術としては譲渡しています。現在の事業体制ですが、いくつかのビジネスドメインに分かれています。1つ目が医療材料、2つ目が骨髄由来幹細胞、そして3つ目がiPS細胞関連の開発です。我々としては、やはり“最後の要”はiPS細胞にあると考えております。最初と最後の核、どちらもiPS細胞です。ただし、技術の進展スピードというのは、自社だけですべてをコントロールできるものではありません。それでも最終的には、日本の強みであり、細胞医療の究極の可能性はiPS細胞にあると確信しています。そのiPS細胞について、まずご説明させていただきます。何がすごいかと申しますと、iPS細胞というのは、たとえば我々の皮膚など、体のどこかの細胞を採取して、それをiPS細胞に変換することで、体中のどの細胞にもつくり変えることができる技術なんです。こんな技術は、過去には存在しませんでした。さらに今は、「遺伝子改変」という技術も出てきました。この2つを組み合わせると、非常に広がりのある応用が可能になります。人間には、生まれつき足が速い子や、頭の良い子などさまざまな個性がありますよね。その違いの多くは、ある程度は遺伝子で決まっている部分もあると考えられています。では仮に、肝臓の細胞をiPS細胞から作ったとして、そこに遺伝子改変を加えて「アルコール処理能力を10倍にする」という設計をすれば、実際に10倍の処理能力を持った肝細胞が作れてしまうんです。これは本当にすごいことで、こうした技術を使えば、体に不足している機能を補ったり、あるいは年齢とともに免疫力が下がってがんになりやすくなるといった状況に対しても、免疫細胞をiPS細胞から作り、遺伝子改変によって能力を高めることができる。そうして作った高機能の免疫細胞を、がんの患者さんに投与することで、多種多様ながん細胞を攻撃していくことができるようになります。こうした取り組みが、現在のiPS細胞をめぐるイノベーションの、最もすごいところだと思っています。株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(5)に続く
<MY>
2025/05/22 12:04
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