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株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(6)
配信日時:2025/05/22 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(6)
ヘリオス<4593>
次に、「脳梗塞」についてです。脳梗塞に関しては、現在、条件および期限付き承認制度に関連するガイダンスが次々と示されており、それを踏まえて準備を進めています。また、先日発表させていただきました通り、当社は「AMEDの先進医療プロジェクト(NET)」にも採択されました。
最近はAIの進化が非常に速く、医療分野でもさまざまな応用が始まっています。その一例が、東京大学の松尾豊研究室を中心として開発が進められている、日本語の医療ガイドラインを読み込ませたAI大規模言語モデル(LLM)です。このLLMを活用することで、たとえば病院で入力される電子カルテのデータを、患者さんの同意を得たうえでAIが解析し、日本中の脳梗塞患者さんがどのような経過をたどったのかを統計的に可視化することが可能になります。そこに、当社が開発した薬を投与した後の経過と照らし合わせることで、「本当に効果があったのかどうか」を、データに基づいて検証することができます。
現在は、こうしたAI技術を活用しながら、条件付き・期限付き承認に向けた体制を進めている段階です。
●はっしゃん
私にとっても少し身近な分野になってきたので、質問させていただいてもよろしいでしょうか。
私は日常業務でも、かなりChatGPTを活用しておりまして、会話をしながら業務を進めたり、ChatGPTに実際に仕事をやってもらったりしています。そういった中で、製薬や創薬の現場においても、同じような形でAIを活用する動きが始まっていると理解しました。つまり、専用のAIがすでに登場していて、そういったAIが治療開発の一部を担うようになってきているということなのでしょうか?
■ヘリオス 鍵本様
そういうことですね。簡単に申し上げますと、我々はこれまで脳梗塞の治験を実施しておりまして、日本国内で200名分の患者データを蓄積しています。しかし、これだけではいわゆる“通常の承認”を得るには、まだデータが足りないというのが実情でした。この不足分をどうやって補うかというのが、実は過去4年間の大きな課題でした。
ところが、今回のようなChatGPTの医療版が活用できるようになると、この補強作業が非常に簡単にできるようになります。もちろん、患者さんの同意があった上での話にはなりますが。
たとえば、日本では年間約10万人の脳梗塞の患者さんが新たに発生しているとされています。仮に、そのうちの1%の方が「自分のデータを使っても構わない」と同意してくださったとすると、それだけで1,000人分のデータが得られることになります。この1,000人は、我々の薬を投与されていない、そして、仮に年間100人の患者さんに当社の薬を投与できたとすれば、「100人 vs 1,000人」で、効果を統計的に比較できるわけです。
もし薬に明確な効果があるならば、こうした比較によって、それがはっきりと現れてきます。このような解析は、以前であれば到底できなかったことです。1,000人分のデータを人の手で集めてくるなんて、それだけで膨大な労力と時間がかかります。
しかし今は、AIの力でこれが可能になりつつある。そしてまさに、このAIの進化があるからこそ、4年前から止まっていた脳梗塞治療薬の承認に向けたプロセスが、再び動き出す可能性が出てきたのです。
●はっしゃん
よくわかりました。
■ヘリオス 鍵本様
はい、ありがとうございます。
次にお見せする表が、経営者である私の頭の中をそのまま図示したようなものです。そしてまた、投資家の皆様にとっても、当社の経営の要点を非常にわかりやすくご理解いただける内容になっていると思っています。
簡単に言えば、我々はこれまでずっと開発フェーズに注力してきました。しかし今、その「開発中心」から「製薬企業としての収益化フェーズ」へと、ちょうど転換点に差し掛かっている状況です。
まず我々の頭の中にあるのは、基礎的なコスト構造です。たとえば、企業を回すためのオペレーションコスト(これは赤い帯で表しています)。また、グローバル第3相試験が始まるため、それに伴うコスト。加えて、日本で肺炎治療薬の承認を取得するための製造委託コスト。これらが主なコスト項目です。さらに、日本での肺炎の承認取得に向けて、在庫を積んでおくコストがあります。
一方、売上面では、これまで開発中だったため赤字が続いておりましたが、いよいよ製品が出てくる段階に入っており、「黒字化」が現実的な目標として見えてきています。
それでは、それをどのようなタイミングで実現していくのか、具体的にお示しします。まず、直近の資金状況についてですが、当社は過去に発行した「ワラント(新株予約権)」を保有しており、その残額は約52億円となっています。このワラントは、180円程度で行使される固定ワラントです。現在の株価はすでに300円を超えており、行使する投資家の皆様にとっては、すでに実質的な利益が得られる水準にあります。
投資家の皆様とやりとりしている中でも、「大体いくらになれば行使に動くか」というのは、社内でも一定の理解があります。そうした水準に近づいてくると、残りの52億円のワラントが順次行使され、当社には製造委託や第3相試験費用など、経営の基盤となる資金が入ってくる見込みです。これを、今年の第4四半期までにしっかりと進めることが、当社にとって重要なマイルストーンのひとつと考えています。
また同時に、先ほどお話しした美容・自由診療向けの培養上清液の外販、さらに細胞医薬の本格出荷が年末にかけて動き始めます。これらの収益化がしっかりと進めば、「単月黒字化」が現実のものとなってきます。
我々としては、この黒字化をなんとか今年中に実現したいと考えており、今まさに経営チーム一丸となって全力で取り組んでいるところです。
●はっしゃん
ここで、私から2点ほど質問させていただいてもよろしいでしょうか。
まず1点目は、売上についてです。実は御社の売上は、毎年着実に増加しているんですよね。以前から四季報などを通じて御社の業績は拝見していたのですが、バイオ系の企業というのは、売上がゼロに近い状態が何年も続いていたり、成長の兆しが見えにくい会社が多い中で、御社は赤字ではあるものの、しっかりと売上を積み上げておられる。これは非常に素晴らしいことだと感じています。
先ほどもお話がありましたように、開発だけでなく、しっかりと収益を稼いでいくという視点があるからこそ、今後も売上を伸ばしていけるというご説明だったと思います。
そして2点目は、資金調達、特にワラント(新株予約権)についてです。ご存じの通り、ワラントというのは投資家にとって「希薄化」というリスクを伴いますので、株主目線ではややネガティブに捉えられることもあるかと思います。ですから、できれば「今後あまりワラントは出してほしくない」と考えている株主の方もいらっしゃるのではないかと思います。このあたりについて、御社としてのご見解をお聞かせいただければと思います。
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(7)に続く
<MY>
次に、「脳梗塞」についてです。脳梗塞に関しては、現在、条件および期限付き承認制度に関連するガイダンスが次々と示されており、それを踏まえて準備を進めています。また、先日発表させていただきました通り、当社は「AMEDの先進医療プロジェクト(NET)」にも採択されました。
最近はAIの進化が非常に速く、医療分野でもさまざまな応用が始まっています。その一例が、東京大学の松尾豊研究室を中心として開発が進められている、日本語の医療ガイドラインを読み込ませたAI大規模言語モデル(LLM)です。このLLMを活用することで、たとえば病院で入力される電子カルテのデータを、患者さんの同意を得たうえでAIが解析し、日本中の脳梗塞患者さんがどのような経過をたどったのかを統計的に可視化することが可能になります。そこに、当社が開発した薬を投与した後の経過と照らし合わせることで、「本当に効果があったのかどうか」を、データに基づいて検証することができます。
現在は、こうしたAI技術を活用しながら、条件付き・期限付き承認に向けた体制を進めている段階です。
●はっしゃん
私にとっても少し身近な分野になってきたので、質問させていただいてもよろしいでしょうか。
私は日常業務でも、かなりChatGPTを活用しておりまして、会話をしながら業務を進めたり、ChatGPTに実際に仕事をやってもらったりしています。そういった中で、製薬や創薬の現場においても、同じような形でAIを活用する動きが始まっていると理解しました。つまり、専用のAIがすでに登場していて、そういったAIが治療開発の一部を担うようになってきているということなのでしょうか?
■ヘリオス 鍵本様
そういうことですね。簡単に申し上げますと、我々はこれまで脳梗塞の治験を実施しておりまして、日本国内で200名分の患者データを蓄積しています。しかし、これだけではいわゆる“通常の承認”を得るには、まだデータが足りないというのが実情でした。この不足分をどうやって補うかというのが、実は過去4年間の大きな課題でした。
ところが、今回のようなChatGPTの医療版が活用できるようになると、この補強作業が非常に簡単にできるようになります。もちろん、患者さんの同意があった上での話にはなりますが。
たとえば、日本では年間約10万人の脳梗塞の患者さんが新たに発生しているとされています。仮に、そのうちの1%の方が「自分のデータを使っても構わない」と同意してくださったとすると、それだけで1,000人分のデータが得られることになります。この1,000人は、我々の薬を投与されていない、そして、仮に年間100人の患者さんに当社の薬を投与できたとすれば、「100人 vs 1,000人」で、効果を統計的に比較できるわけです。
もし薬に明確な効果があるならば、こうした比較によって、それがはっきりと現れてきます。このような解析は、以前であれば到底できなかったことです。1,000人分のデータを人の手で集めてくるなんて、それだけで膨大な労力と時間がかかります。
しかし今は、AIの力でこれが可能になりつつある。そしてまさに、このAIの進化があるからこそ、4年前から止まっていた脳梗塞治療薬の承認に向けたプロセスが、再び動き出す可能性が出てきたのです。
●はっしゃん
よくわかりました。
■ヘリオス 鍵本様
はい、ありがとうございます。
次にお見せする表が、経営者である私の頭の中をそのまま図示したようなものです。そしてまた、投資家の皆様にとっても、当社の経営の要点を非常にわかりやすくご理解いただける内容になっていると思っています。
簡単に言えば、我々はこれまでずっと開発フェーズに注力してきました。しかし今、その「開発中心」から「製薬企業としての収益化フェーズ」へと、ちょうど転換点に差し掛かっている状況です。
まず我々の頭の中にあるのは、基礎的なコスト構造です。たとえば、企業を回すためのオペレーションコスト(これは赤い帯で表しています)。また、グローバル第3相試験が始まるため、それに伴うコスト。加えて、日本で肺炎治療薬の承認を取得するための製造委託コスト。これらが主なコスト項目です。さらに、日本での肺炎の承認取得に向けて、在庫を積んでおくコストがあります。
一方、売上面では、これまで開発中だったため赤字が続いておりましたが、いよいよ製品が出てくる段階に入っており、「黒字化」が現実的な目標として見えてきています。
それでは、それをどのようなタイミングで実現していくのか、具体的にお示しします。まず、直近の資金状況についてですが、当社は過去に発行した「ワラント(新株予約権)」を保有しており、その残額は約52億円となっています。このワラントは、180円程度で行使される固定ワラントです。現在の株価はすでに300円を超えており、行使する投資家の皆様にとっては、すでに実質的な利益が得られる水準にあります。
投資家の皆様とやりとりしている中でも、「大体いくらになれば行使に動くか」というのは、社内でも一定の理解があります。そうした水準に近づいてくると、残りの52億円のワラントが順次行使され、当社には製造委託や第3相試験費用など、経営の基盤となる資金が入ってくる見込みです。これを、今年の第4四半期までにしっかりと進めることが、当社にとって重要なマイルストーンのひとつと考えています。
また同時に、先ほどお話しした美容・自由診療向けの培養上清液の外販、さらに細胞医薬の本格出荷が年末にかけて動き始めます。これらの収益化がしっかりと進めば、「単月黒字化」が現実のものとなってきます。
我々としては、この黒字化をなんとか今年中に実現したいと考えており、今まさに経営チーム一丸となって全力で取り組んでいるところです。
●はっしゃん
ここで、私から2点ほど質問させていただいてもよろしいでしょうか。
まず1点目は、売上についてです。実は御社の売上は、毎年着実に増加しているんですよね。以前から四季報などを通じて御社の業績は拝見していたのですが、バイオ系の企業というのは、売上がゼロに近い状態が何年も続いていたり、成長の兆しが見えにくい会社が多い中で、御社は赤字ではあるものの、しっかりと売上を積み上げておられる。これは非常に素晴らしいことだと感じています。
先ほどもお話がありましたように、開発だけでなく、しっかりと収益を稼いでいくという視点があるからこそ、今後も売上を伸ばしていけるというご説明だったと思います。
そして2点目は、資金調達、特にワラント(新株予約権)についてです。ご存じの通り、ワラントというのは投資家にとって「希薄化」というリスクを伴いますので、株主目線ではややネガティブに捉えられることもあるかと思います。ですから、できれば「今後あまりワラントは出してほしくない」と考えている株主の方もいらっしゃるのではないかと思います。このあたりについて、御社としてのご見解をお聞かせいただければと思います。
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(7)に続く
<MY>
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