注目トピックス 日本株
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(10)
配信日時:2025/05/22 12:10
配信元:FISCO
*12:10JST 株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(10)
ヘリオス<4593>
決算概況につきましては、依然として赤字が続いておりますが、研究開発費は前年から約2億円減少しました。また、当期純利益は25.6億円の赤字となっていますが、これは金融関連の要因、すなわちワラントに関する評価益の影響によるものです。実際のキャッシュフローの観点では、前年とほとんど変わらない水準の赤字幅で推移しています。
次にバランスシートについてご説明します。バイオベンチャーにおいては、キャッシュポジションが非常に重要な指標となります。当社の総資産は157億円、うち流動資産は60億円となっております。
以上、決算および財務状況のご報告でした。ご清聴ありがとうございました。
●はっしゃん
大変勉強になりました。どうもありがとうございました。
■質疑応答
▲フィスコ 高井
ありがとうございました。続いては、はっしゃんさんに鍵本様の企業説明、直近決算を受けて気になった部分を質問していただきたいと思います。それでは、はっしゃんさん、お願いいたします。
●はっしゃん
それではここからは、私のほうからも質問をさせていただきたいと思います。
私は「はっしゃん式理論株価」という独自の株価評価モデルを用いて、企業の財務分析を行っています。本日はこの理論株価をベースに、いくつかの質問をさせていただきたいと考えております。
その前に少しだけ、私自身のバイオ株に対する考え方についてお話しさせてください。本日さまざまなご質問をさせていただいてまいりましたが、私自身、バイオ関連の分野に関心を持つようになったきっかけのひとつに、身内の病気がございます。親族が大病を患ったことを機に、自然とこの分野について調べるようになり、それをもとに書籍にも記載させていただいた経緯があります。
やはりバイオ株というのは、一般の個人投資家からすると「利益が出ていない」「売上が立っていない」「成功するかどうかが見通しづらい」といった印象があるかと思います。ある種、「宝くじのようなリスクを取らされているのではないか」と感じられる方も少なくないと思いますし、「怖い」と感じてしまう側面も理解できます。しかし、新薬の開発というのは、非常に多額の資金と長い年月がかかるものです。10年単位で時間を要し、利益だけを目的にしていてはなかなか継続できるものではありません。
私自身の父も病を患いましたが、「何とか治ってほしい」と切に願うものです。そういう方は世の中に数多くいらっしゃると思います。
すべてが「お金のため」ではなく、成功するかどうか分からない難しい挑戦に取り組んでいる企業や経営者の方々には、私は心から敬意を持っていますし、個人的にも応援したいと思っています。本日のご説明も、そうした視点から真剣に拝聴してまいりました。そのうえで、ここからは理論株価の観点も踏まえ、いくつか質問させていただきたいと思います。
それでは、「はっしゃん式理論株価」について、簡単にご説明させていただきます。この理論株価とは、企業の決算書を“見える化”し、その企業価値のおおよその目安を示すための指標です。過去8年分、合計33期分の決算短信データをもとに作成しています。
最大の特徴は、初心者の方でも金融の専門知識なしに利用できるという点にあります。たとえば一般的なPERやPBRといった株価指標は、「何倍が妥当か」といった判断が難しく、初心者にとっては少しハードルが高いのが実情です。そこで、理論株価という形で「その企業が現在割安なのか割高なのか」を直感的に把握できるように工夫しました。
この「はっしゃん式株価チャート」では、四半期ごとに企業の価値を評価していくため、成長企業や優良企業であれば自然と右肩上がりのチャートになります。一方で、成長が鈍化していたり、不振に陥っている企業は、チャートが右肩下がりになるという構造です。理想的なのは、株価と理論株価が高すぎず、安すぎず、適正に連動しながら成長していく状態です。これは特に初心者の方におすすめできる投資判断の軸になると考えています。
次に、チャートの見方についてですが緑色のラインが、企業の「資産価値」を示しています。オレンジ色のラインが、「資産価値に事業価値を加算した理論株価」になります。つまり、理論株価は「資産価値 + 事業価値」で構成されているということです。
さらに、水色のラインは「割高ライン」を示しており、このほかにも「配当ライン」など、投資判断の参考となる補助線を加えています。以上が、理論株価チャートの基本的な構成と考え方になります。
ではここで、本日ご登壇いただいているヘリオス様について、私の理論株価チャートを用いて分析した内容をご紹介させていただきます。チャートをご覧いただくとわかるとおり、残念ながら、現時点の理論株価の推移は「非常に良い状態」とは言いがたい形になっています。
本チャートは過去8年分のデータに基づいていますが、その間、理論株価は資産価値ラインに張り付いた状態が続いており、直近では右肩下がりのトレンドが明確に出ているのが現状です。では、なぜこのような形になってしまうのかというと、これは創薬系企業に共通する構造的な特徴によるものです。実際に成功して薬が承認されるまで、基本的には利益が一切出ない構造となっています。たとえ売上が増加していたとしても、黒字化していない段階では、私の理論株価のモデル上、「事業価値」はゼロと評価されることになります。結果として、「資産価値だけで評価される状態」になってしまうのです。本日のお話を伺って、非常に夢のある取り組みをされている企業だと感じておりますが、実際に投資判断をするとなると、理論株価の視点ではこのような形になってしまうというのが正直なところです。
では次に、実際の株価の動きについても触れさせていただきたいと思います。理論株価チャートと照らし合わせて見ると、過去数年間、実際の株価は非常に高く評価されていたことがわかります。具体的には、理論株価が資産価値水準にとどまっている一方で、株価はおおむね1,500円から2,000円程度の水準で、5年間ほど推移していました。ところが、2021年を境に急落が発生し、その後は500円を割り込む水準にまで下落し、結果的に理論株価に近づくという形となってしまいました。
そこで、本日はこの点について2点、質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目は、2021年に株価が急落した背景には何があったのか。あらためてご説明いただければと思います。
そして2点目は、その後の株価推移についてです。直近1年半ほどは、チャートを見てもわかるように、株価がやや右肩上がりの傾向に転じているように見受けられます。先ほどのご説明にもあったように、売上が徐々に上がり始め、単月黒字化が視野に入りつつあるという状況にある中で、かつての高い株価水準と比較すると、現状の株価は依然として“過小評価されている”ように見える部分があります。
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(11)に続く
<MY>
決算概況につきましては、依然として赤字が続いておりますが、研究開発費は前年から約2億円減少しました。また、当期純利益は25.6億円の赤字となっていますが、これは金融関連の要因、すなわちワラントに関する評価益の影響によるものです。実際のキャッシュフローの観点では、前年とほとんど変わらない水準の赤字幅で推移しています。
次にバランスシートについてご説明します。バイオベンチャーにおいては、キャッシュポジションが非常に重要な指標となります。当社の総資産は157億円、うち流動資産は60億円となっております。
以上、決算および財務状況のご報告でした。ご清聴ありがとうございました。
●はっしゃん
大変勉強になりました。どうもありがとうございました。
■質疑応答
▲フィスコ 高井
ありがとうございました。続いては、はっしゃんさんに鍵本様の企業説明、直近決算を受けて気になった部分を質問していただきたいと思います。それでは、はっしゃんさん、お願いいたします。
●はっしゃん
それではここからは、私のほうからも質問をさせていただきたいと思います。
私は「はっしゃん式理論株価」という独自の株価評価モデルを用いて、企業の財務分析を行っています。本日はこの理論株価をベースに、いくつかの質問をさせていただきたいと考えております。
その前に少しだけ、私自身のバイオ株に対する考え方についてお話しさせてください。本日さまざまなご質問をさせていただいてまいりましたが、私自身、バイオ関連の分野に関心を持つようになったきっかけのひとつに、身内の病気がございます。親族が大病を患ったことを機に、自然とこの分野について調べるようになり、それをもとに書籍にも記載させていただいた経緯があります。
やはりバイオ株というのは、一般の個人投資家からすると「利益が出ていない」「売上が立っていない」「成功するかどうかが見通しづらい」といった印象があるかと思います。ある種、「宝くじのようなリスクを取らされているのではないか」と感じられる方も少なくないと思いますし、「怖い」と感じてしまう側面も理解できます。しかし、新薬の開発というのは、非常に多額の資金と長い年月がかかるものです。10年単位で時間を要し、利益だけを目的にしていてはなかなか継続できるものではありません。
私自身の父も病を患いましたが、「何とか治ってほしい」と切に願うものです。そういう方は世の中に数多くいらっしゃると思います。
すべてが「お金のため」ではなく、成功するかどうか分からない難しい挑戦に取り組んでいる企業や経営者の方々には、私は心から敬意を持っていますし、個人的にも応援したいと思っています。本日のご説明も、そうした視点から真剣に拝聴してまいりました。そのうえで、ここからは理論株価の観点も踏まえ、いくつか質問させていただきたいと思います。
それでは、「はっしゃん式理論株価」について、簡単にご説明させていただきます。この理論株価とは、企業の決算書を“見える化”し、その企業価値のおおよその目安を示すための指標です。過去8年分、合計33期分の決算短信データをもとに作成しています。
最大の特徴は、初心者の方でも金融の専門知識なしに利用できるという点にあります。たとえば一般的なPERやPBRといった株価指標は、「何倍が妥当か」といった判断が難しく、初心者にとっては少しハードルが高いのが実情です。そこで、理論株価という形で「その企業が現在割安なのか割高なのか」を直感的に把握できるように工夫しました。
この「はっしゃん式株価チャート」では、四半期ごとに企業の価値を評価していくため、成長企業や優良企業であれば自然と右肩上がりのチャートになります。一方で、成長が鈍化していたり、不振に陥っている企業は、チャートが右肩下がりになるという構造です。理想的なのは、株価と理論株価が高すぎず、安すぎず、適正に連動しながら成長していく状態です。これは特に初心者の方におすすめできる投資判断の軸になると考えています。
次に、チャートの見方についてですが緑色のラインが、企業の「資産価値」を示しています。オレンジ色のラインが、「資産価値に事業価値を加算した理論株価」になります。つまり、理論株価は「資産価値 + 事業価値」で構成されているということです。
さらに、水色のラインは「割高ライン」を示しており、このほかにも「配当ライン」など、投資判断の参考となる補助線を加えています。以上が、理論株価チャートの基本的な構成と考え方になります。
ではここで、本日ご登壇いただいているヘリオス様について、私の理論株価チャートを用いて分析した内容をご紹介させていただきます。チャートをご覧いただくとわかるとおり、残念ながら、現時点の理論株価の推移は「非常に良い状態」とは言いがたい形になっています。
本チャートは過去8年分のデータに基づいていますが、その間、理論株価は資産価値ラインに張り付いた状態が続いており、直近では右肩下がりのトレンドが明確に出ているのが現状です。では、なぜこのような形になってしまうのかというと、これは創薬系企業に共通する構造的な特徴によるものです。実際に成功して薬が承認されるまで、基本的には利益が一切出ない構造となっています。たとえ売上が増加していたとしても、黒字化していない段階では、私の理論株価のモデル上、「事業価値」はゼロと評価されることになります。結果として、「資産価値だけで評価される状態」になってしまうのです。本日のお話を伺って、非常に夢のある取り組みをされている企業だと感じておりますが、実際に投資判断をするとなると、理論株価の視点ではこのような形になってしまうというのが正直なところです。
では次に、実際の株価の動きについても触れさせていただきたいと思います。理論株価チャートと照らし合わせて見ると、過去数年間、実際の株価は非常に高く評価されていたことがわかります。具体的には、理論株価が資産価値水準にとどまっている一方で、株価はおおむね1,500円から2,000円程度の水準で、5年間ほど推移していました。ところが、2021年を境に急落が発生し、その後は500円を割り込む水準にまで下落し、結果的に理論株価に近づくという形となってしまいました。
そこで、本日はこの点について2点、質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目は、2021年に株価が急落した背景には何があったのか。あらためてご説明いただければと思います。
そして2点目は、その後の株価推移についてです。直近1年半ほどは、チャートを見てもわかるように、株価がやや右肩上がりの傾向に転じているように見受けられます。先ほどのご説明にもあったように、売上が徐々に上がり始め、単月黒字化が視野に入りつつあるという状況にある中で、かつての高い株価水準と比較すると、現状の株価は依然として“過小評価されている”ように見える部分があります。
株式会社ヘリオス×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(11)に続く
<MY>
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