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明豊エンター Research Memo(5):2025年7月期中間期は主力の不動産分譲事業が順調に進捗(1)
配信日時:2025/05/20 14:05
配信元:FISCO
*14:05JST 明豊エンター Research Memo(5):2025年7月期中間期は主力の不動産分譲事業が順調に進捗(1)
■明豊エンタープライズ<8927>の業績動向
1. 2025年7月期中間期の業績概要
2025年7月期中間期の連結業績は、売上高11,752百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益1,051百万円(同23.5%減)、経常利益720百万円(同39.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益460百万円(同44.9%減)となった。中間期業績予想比では、売上高は3.7%未達、営業利益は14.3%超、経常利益は18.1%超、親会社株主に帰属する中間純利益は7.1%超と、売上げ面はわずかに未達ながら利益面は予想達成と順調に進捗している。2025年7月期中間期は、前年同期における物件の繰り上げ販売や、物件販売時の高利益率確保の推進といった一時的要因の反動を見込み、利益面は前年同期比で減益予想であったが、いずれも大きく上回った。
不動産市場においては、国内の低金利環境や円安傾向を背景として、特に住居系不動産を中心とする投資用不動産への海外投資家の投資意欲が引き続き旺盛で、同社は2024年12月に台湾に現地法人である東京明豊開發股フン有限公司を設立するなど、アジア圏(台湾・香港・シンガポール等)の投資家の日本国内不動産に対する投資需要の取り込みに注力している。売上げ面では、主力である不動産分譲事業においては、主要ブランドの「EL FARO」や「MIJAS」が前年同期を上回る販売実績を上げるなどにより前年同期比3.4%増収と、全体の業績を大きくけん引した。不動産賃貸事業は減収ながらオーナーの利益最大化を目指した賃料設定や不動産仲介会社とのネットワークを活用したリーシング戦略の提案を行い、引き続き高い稼働率を維持した。建設事業は「EL FARO」シリーズの施工に加え、子会社である協栄組が手掛けたグループ外物件の施工数が増加して前年同期比80.2%増と大きく伸びた。
利益面では、不動産分譲事業の増収効果のほか、建設事業で増収によりセグメント損失幅が前年同期比101百万円改善したことが大きく寄与した。建設事業では不動産分譲事業で販売する物件の施工が大半で、連結決算ベースでは建設事業の売上げと不動産分譲事業の原価が相殺されてしまうため、建設事業の売上高が過少となりセグメント損失が膨らむ。しかし、協栄組のM&Aによりグループ外取引が売上高に加わり、セグメント損失の幅が縮小したことなどにより全体利益の押し上げが進んだ。なお経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅が営業利益に比較して大きいが、これは前年同期にあった損害賠償収入(18百万円)、営業補償金収入(40百万円)がなくなったことの反動及び支払利息の増加(73百万円)に伴うものである。
(1) 不動産分譲事業
2025年7月期中間期は、売上高9,197百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は1,211百万円(同25.3%減)と増収ながら減益となった。中間期累計では、主要ブランドである「EL FARO」及び「MIJAS」シリーズで合計15棟(前年同期比2棟増)の引き渡しを完了したほか、開発用事業用地3件(同1物件増)を売却した。従来方針に従い、東京都内の城南・城西地区をターゲットに好立地エリアで用地を取得し、計画どおり引き渡しを完了した。これら地域での不動産流通は活況で、開発業者間の競争は厳しいが、同社は東京23区を中心に過去200棟以上の収益物件用地の取得実績があり、地場業者からの情報入手においても優位性を保っている。強固な地盤で高い稼働率と収益が見込める物件を常にウォッチし、相応しい物件が見つかった際は迅速に事業化可能性を分析のうえ、早期に良質な物件を低コストで調達している。また、建物の設計・施工から物件管理等のアフターサービスまで一気通貫で顧客に提供できることが同社の強みで、関連する収益を独占できる。販売面では、アジア圏の不動産投資家向けの現地商談会の実施や、国内の富裕層を顧客として抱えるファイナンシャルアドバイザー、税理士、アート事業者、弁護士等の開拓を進めている。物件調達から販売に至るまでルートを確立し、安定した事業運営を実現している。
(2) 不動産賃貸事業
2025年7月期中間期は、売上高816百万円(前年同期比18.3%減)、セグメント利益は2百万円(同85.8%減)と減収減益となった。主な収入源は、不動産分譲事業において投資家等に売却した物件の管理を中心としたプロパティマネジメントからの報酬である。2025年7月中間期の物件稼働率は、明豊プロパティーズ管理分、ハウスセゾンエンタープライズ管理分ともに約97%と引き続き高い水準を維持している。一方、管理戸数は2024年7月期の5,910戸から2025年7月期中間期は5,841戸と減少傾向にある。要因はオーナー都合による物件売却や管理契約の解約で、新たな契約で補いきれなかった。従来のオーナーや入居者毎の顧客対応から、物件毎に担当者がワンストップ対応する体制に変更し、顧客利便性を高める等の改善策を進めている。
(3) 建設事業
2025年7月期中間期は、売上高が1,714百万円(前年同期比80.2%増)、セグメント損失は78百万円(前年同期は180百万円の損失)と増収ながら損失となった。同セグメントでは、主にグループ会社である明豊エンジニアリング及び協栄組が受け持つ建築・施工の実績が計上され、不動産分譲事業で販売する「EL FARO」及び「MIJAS」シリーズに関する新築請負工事や、協栄組によるグループ外物件に関する建設請負工事が対象となる。2025年7月期中間期において前者は8棟、後者は2棟の竣工・引き渡しが完了した。セグメント損益については、グループ外物件の建設請負増加により損失幅が縮小した。協栄組は都内城南・城西地区の地場の建設会社で、同社グループとの技術提携や設計支援のほか、「EL FARO」シリーズの安定受注に向けた営業先の紹介等での協業が進んでいる。協業関係がさらに進むことでセグメント損失の減少が期待される。
(4) 不動産仲介事業・その他
2025年7月期中間期は、不動産仲介事業では不動産媒介報酬等を計上し、売上高35百万円、セグメント利益35百万円(前年同期は売上高・利益ともに未計上)となった。その他のセグメントは、主に保険代理業等により、売上高4百万円(前年同期比85.2%減)、セグメント利益4百万円(同85.7%減)となった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 2025年7月期中間期の業績概要
2025年7月期中間期の連結業績は、売上高11,752百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益1,051百万円(同23.5%減)、経常利益720百万円(同39.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益460百万円(同44.9%減)となった。中間期業績予想比では、売上高は3.7%未達、営業利益は14.3%超、経常利益は18.1%超、親会社株主に帰属する中間純利益は7.1%超と、売上げ面はわずかに未達ながら利益面は予想達成と順調に進捗している。2025年7月期中間期は、前年同期における物件の繰り上げ販売や、物件販売時の高利益率確保の推進といった一時的要因の反動を見込み、利益面は前年同期比で減益予想であったが、いずれも大きく上回った。
不動産市場においては、国内の低金利環境や円安傾向を背景として、特に住居系不動産を中心とする投資用不動産への海外投資家の投資意欲が引き続き旺盛で、同社は2024年12月に台湾に現地法人である東京明豊開發股フン有限公司を設立するなど、アジア圏(台湾・香港・シンガポール等)の投資家の日本国内不動産に対する投資需要の取り込みに注力している。売上げ面では、主力である不動産分譲事業においては、主要ブランドの「EL FARO」や「MIJAS」が前年同期を上回る販売実績を上げるなどにより前年同期比3.4%増収と、全体の業績を大きくけん引した。不動産賃貸事業は減収ながらオーナーの利益最大化を目指した賃料設定や不動産仲介会社とのネットワークを活用したリーシング戦略の提案を行い、引き続き高い稼働率を維持した。建設事業は「EL FARO」シリーズの施工に加え、子会社である協栄組が手掛けたグループ外物件の施工数が増加して前年同期比80.2%増と大きく伸びた。
利益面では、不動産分譲事業の増収効果のほか、建設事業で増収によりセグメント損失幅が前年同期比101百万円改善したことが大きく寄与した。建設事業では不動産分譲事業で販売する物件の施工が大半で、連結決算ベースでは建設事業の売上げと不動産分譲事業の原価が相殺されてしまうため、建設事業の売上高が過少となりセグメント損失が膨らむ。しかし、協栄組のM&Aによりグループ外取引が売上高に加わり、セグメント損失の幅が縮小したことなどにより全体利益の押し上げが進んだ。なお経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅が営業利益に比較して大きいが、これは前年同期にあった損害賠償収入(18百万円)、営業補償金収入(40百万円)がなくなったことの反動及び支払利息の増加(73百万円)に伴うものである。
(1) 不動産分譲事業
2025年7月期中間期は、売上高9,197百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は1,211百万円(同25.3%減)と増収ながら減益となった。中間期累計では、主要ブランドである「EL FARO」及び「MIJAS」シリーズで合計15棟(前年同期比2棟増)の引き渡しを完了したほか、開発用事業用地3件(同1物件増)を売却した。従来方針に従い、東京都内の城南・城西地区をターゲットに好立地エリアで用地を取得し、計画どおり引き渡しを完了した。これら地域での不動産流通は活況で、開発業者間の競争は厳しいが、同社は東京23区を中心に過去200棟以上の収益物件用地の取得実績があり、地場業者からの情報入手においても優位性を保っている。強固な地盤で高い稼働率と収益が見込める物件を常にウォッチし、相応しい物件が見つかった際は迅速に事業化可能性を分析のうえ、早期に良質な物件を低コストで調達している。また、建物の設計・施工から物件管理等のアフターサービスまで一気通貫で顧客に提供できることが同社の強みで、関連する収益を独占できる。販売面では、アジア圏の不動産投資家向けの現地商談会の実施や、国内の富裕層を顧客として抱えるファイナンシャルアドバイザー、税理士、アート事業者、弁護士等の開拓を進めている。物件調達から販売に至るまでルートを確立し、安定した事業運営を実現している。
(2) 不動産賃貸事業
2025年7月期中間期は、売上高816百万円(前年同期比18.3%減)、セグメント利益は2百万円(同85.8%減)と減収減益となった。主な収入源は、不動産分譲事業において投資家等に売却した物件の管理を中心としたプロパティマネジメントからの報酬である。2025年7月中間期の物件稼働率は、明豊プロパティーズ管理分、ハウスセゾンエンタープライズ管理分ともに約97%と引き続き高い水準を維持している。一方、管理戸数は2024年7月期の5,910戸から2025年7月期中間期は5,841戸と減少傾向にある。要因はオーナー都合による物件売却や管理契約の解約で、新たな契約で補いきれなかった。従来のオーナーや入居者毎の顧客対応から、物件毎に担当者がワンストップ対応する体制に変更し、顧客利便性を高める等の改善策を進めている。
(3) 建設事業
2025年7月期中間期は、売上高が1,714百万円(前年同期比80.2%増)、セグメント損失は78百万円(前年同期は180百万円の損失)と増収ながら損失となった。同セグメントでは、主にグループ会社である明豊エンジニアリング及び協栄組が受け持つ建築・施工の実績が計上され、不動産分譲事業で販売する「EL FARO」及び「MIJAS」シリーズに関する新築請負工事や、協栄組によるグループ外物件に関する建設請負工事が対象となる。2025年7月期中間期において前者は8棟、後者は2棟の竣工・引き渡しが完了した。セグメント損益については、グループ外物件の建設請負増加により損失幅が縮小した。協栄組は都内城南・城西地区の地場の建設会社で、同社グループとの技術提携や設計支援のほか、「EL FARO」シリーズの安定受注に向けた営業先の紹介等での協業が進んでいる。協業関係がさらに進むことでセグメント損失の減少が期待される。
(4) 不動産仲介事業・その他
2025年7月期中間期は、不動産仲介事業では不動産媒介報酬等を計上し、売上高35百万円、セグメント利益35百万円(前年同期は売上高・利益ともに未計上)となった。その他のセグメントは、主に保険代理業等により、売上高4百万円(前年同期比85.2%減)、セグメント利益4百万円(同85.7%減)となった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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