注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:投資家心理が徐々に改善、本格化する決算発表に注目
配信日時:2025/04/26 12:29
配信元:FISCO
*12:29JST 国内株式市場見通し:投資家心理が徐々に改善、本格化する決算発表に注目
■米中貿易摩擦の緩和期待強まり日本株は上昇
今週の日経平均は週間で975.46円高(+2.81%)の35705.74円と上昇。週初は為替のドル安円高推移で34000円台前半まで下げる場面も見られたが、米中貿易摩擦の緩和や円高進行の一服などを材料に東京市場では買われる展開となった。
欧米市場休場に伴い積極的な売買が手控えられるなか、為替市場でドル・円が1ドル=139円台に突入するなど「米国のトリプル安」が嫌気されて、日経平均は22日には一時34109.85円まで下落する展開となったが、トランプ米大統領が「パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長を解任するつもりはない」と発言したことで過度な警戒感が後退。米国株やドルが持ち直したことから日経平均はじりじりと上昇し、24日には35000円台を回復した。週末は、「中国政府が米国に対する125%の報復関税を巡り、米国からの一部輸入品を対象から除外することを検討している」と報じられたことで、米中貿易摩擦の緩和がさらに進むとの見方が強まり、日経平均は一段高となった。
なお、4月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1680億円買い越したほか、TOPIX先物を961億円買い越し、225先物を520億円買い越したことから、合計3161億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を2445億円売り越すなど合計で3000億円の売り越し。事業法人は現物を1831億円買い越した。
■約1カ月ぶりに25日線を上回る展開に
25日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は前日比20.10ドル高の40113.50ドル、ナスダックは同216.90ポイント高の17382.94で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比250円高の36030円で取引を終えた。ナスダックは、好決算を発表したアルファベットや、エヌビディア、テスラなどが値を戻した。投資家心理を示すVIX指数は24ポイント台まで低下した。
日経平均は戻り基調を強めており、25日移動平均線(25MA)を約1カ月ぶりに上回った。米中貿易戦争を横目に見る神経質な展開は変わらないが、トランプ米大統領の発言からはこれ以上の米国金融市場の混乱は望んでいないという姿勢がうかがえる。また、ベッセント米財務長官も市場を重視した発言を積極的に行うなど、「米国のトリプル安」を放置しない姿勢を見せていることも安心材料だ。米国市場が落ち着きを見せていることから、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は28ポイント台まで低下するなど投資家心理は徐々に改善しつつある。市場が完全に落ち着きを取り戻したとされる水準は20ポイント前半なので、機関投資家による本腰を入れた買いはまだ入りにくい状況だが、過度な悲観論は後退したと言えよう。
■東京市場は決算発表本格化を迎える
GW明けから、東京市場は3月期本決算企業の決算発表が本格化を迎える。今週は、富士通<6702>、ニデック<6594>が決算や株主還元策を材料に買われたほか、前期過去最大の赤字を計上した日産自動車<7201>は構造改革期待が先行し上昇した。また、26年3月期見通しを示さなかったファナック<6954>も株主還元策を材料に買われたほか、今期予想を下方修正したキヤノン<7751>もアク抜け感が意識されて買われるなど、決算発表に対するポジティブな動きが散見された。ここまでの決算発表を見る限り、市場は好意的に捉えている様子。
二転三転するトランプ米大統領の言動に振らされる地合いは変わらないが、投資家のリスク回避の姿勢は大幅に後退しつつある。為替市場でドル・円が1ドル=143円70銭台と円高推移が一服していることからも、決算発表をきっかけとした「アク抜け感」や「見直し買い」などに期待したい。
■5月上旬に日米政策金利発表
来週から翌週にかけて、国内では、30日に3月鉱工業生産(速報値)、小売業販売額、百貨店・スーパー販売額、2月景気動向指数(確報値)、3月住宅着工件数、5月1日に日銀政策金利、4月消費者態度指数、2日に3月雇用統計、9日に3月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、29日に独・5月GfK消費者信頼感調査、欧・ユーロ圏4月景況感指数、米・3月卸売在庫(速報値)、2月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、3月JOLTS求人件数、4月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に豪・3月消費者物価指数、第1四半期消費者物価指数、中・4月製造業PMI、サービス業PMI、財新製造業PMI、独・4月雇用統計、第1四半期実質GDP(速報値)、欧・ユーロ圏第1四半期実質GDP(速報値)、米・4月ADP雇用者数、第1四半期実質GDP(速報値)、4月シカゴ購買部協会景気指数、3月中古住宅販売成約指数、個人所得、PCE価格指数、週次原油在庫、5月1日に米・週次新規失業保険申請件数、4月製造業PMI(確報値)、ISM製造業景気指数、2日に米・4月雇用統計、3月製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、5日に米・4月サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、ISM非製造業景気指数、6日に中・4月財新コンポジットPMI、サービス業PMI、米・3月貿易収支、7日にNZ・第1四半期雇用統計、米・週次原油在庫、FRB政策金利、8日に英・英中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、3月卸売在庫(確報値)、9日に中・4月貿易収支などが予定されている。
<FA>
今週の日経平均は週間で975.46円高(+2.81%)の35705.74円と上昇。週初は為替のドル安円高推移で34000円台前半まで下げる場面も見られたが、米中貿易摩擦の緩和や円高進行の一服などを材料に東京市場では買われる展開となった。
欧米市場休場に伴い積極的な売買が手控えられるなか、為替市場でドル・円が1ドル=139円台に突入するなど「米国のトリプル安」が嫌気されて、日経平均は22日には一時34109.85円まで下落する展開となったが、トランプ米大統領が「パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長を解任するつもりはない」と発言したことで過度な警戒感が後退。米国株やドルが持ち直したことから日経平均はじりじりと上昇し、24日には35000円台を回復した。週末は、「中国政府が米国に対する125%の報復関税を巡り、米国からの一部輸入品を対象から除外することを検討している」と報じられたことで、米中貿易摩擦の緩和がさらに進むとの見方が強まり、日経平均は一段高となった。
なお、4月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1680億円買い越したほか、TOPIX先物を961億円買い越し、225先物を520億円買い越したことから、合計3161億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を2445億円売り越すなど合計で3000億円の売り越し。事業法人は現物を1831億円買い越した。
■約1カ月ぶりに25日線を上回る展開に
25日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は前日比20.10ドル高の40113.50ドル、ナスダックは同216.90ポイント高の17382.94で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比250円高の36030円で取引を終えた。ナスダックは、好決算を発表したアルファベットや、エヌビディア、テスラなどが値を戻した。投資家心理を示すVIX指数は24ポイント台まで低下した。
日経平均は戻り基調を強めており、25日移動平均線(25MA)を約1カ月ぶりに上回った。米中貿易戦争を横目に見る神経質な展開は変わらないが、トランプ米大統領の発言からはこれ以上の米国金融市場の混乱は望んでいないという姿勢がうかがえる。また、ベッセント米財務長官も市場を重視した発言を積極的に行うなど、「米国のトリプル安」を放置しない姿勢を見せていることも安心材料だ。米国市場が落ち着きを見せていることから、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は28ポイント台まで低下するなど投資家心理は徐々に改善しつつある。市場が完全に落ち着きを取り戻したとされる水準は20ポイント前半なので、機関投資家による本腰を入れた買いはまだ入りにくい状況だが、過度な悲観論は後退したと言えよう。
■東京市場は決算発表本格化を迎える
GW明けから、東京市場は3月期本決算企業の決算発表が本格化を迎える。今週は、富士通<6702>、ニデック<6594>が決算や株主還元策を材料に買われたほか、前期過去最大の赤字を計上した日産自動車<7201>は構造改革期待が先行し上昇した。また、26年3月期見通しを示さなかったファナック<6954>も株主還元策を材料に買われたほか、今期予想を下方修正したキヤノン<7751>もアク抜け感が意識されて買われるなど、決算発表に対するポジティブな動きが散見された。ここまでの決算発表を見る限り、市場は好意的に捉えている様子。
二転三転するトランプ米大統領の言動に振らされる地合いは変わらないが、投資家のリスク回避の姿勢は大幅に後退しつつある。為替市場でドル・円が1ドル=143円70銭台と円高推移が一服していることからも、決算発表をきっかけとした「アク抜け感」や「見直し買い」などに期待したい。
■5月上旬に日米政策金利発表
来週から翌週にかけて、国内では、30日に3月鉱工業生産(速報値)、小売業販売額、百貨店・スーパー販売額、2月景気動向指数(確報値)、3月住宅着工件数、5月1日に日銀政策金利、4月消費者態度指数、2日に3月雇用統計、9日に3月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、29日に独・5月GfK消費者信頼感調査、欧・ユーロ圏4月景況感指数、米・3月卸売在庫(速報値)、2月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、3月JOLTS求人件数、4月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に豪・3月消費者物価指数、第1四半期消費者物価指数、中・4月製造業PMI、サービス業PMI、財新製造業PMI、独・4月雇用統計、第1四半期実質GDP(速報値)、欧・ユーロ圏第1四半期実質GDP(速報値)、米・4月ADP雇用者数、第1四半期実質GDP(速報値)、4月シカゴ購買部協会景気指数、3月中古住宅販売成約指数、個人所得、PCE価格指数、週次原油在庫、5月1日に米・週次新規失業保険申請件数、4月製造業PMI(確報値)、ISM製造業景気指数、2日に米・4月雇用統計、3月製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、5日に米・4月サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、ISM非製造業景気指数、6日に中・4月財新コンポジットPMI、サービス業PMI、米・3月貿易収支、7日にNZ・第1四半期雇用統計、米・週次原油在庫、FRB政策金利、8日に英・英中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、3月卸売在庫(確報値)、9日に中・4月貿易収支などが予定されている。
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