ランチタイムコメント

日経平均は続伸、売り先行もプラス圏に浮上

配信日時:2025/04/18 12:15 配信元:FISCO
*12:15JST 日経平均は続伸、売り先行もプラス圏に浮上  日経平均は続伸。205.69円高の34583.29円(出来高概算7億3111万株)で前場の取引を終えている。

 前日17日のダウ平均は527.16ドル安の39142.23ドル、ナスダックは20.71pt安の16286.45ptで取引を終了した。管理医療会社 ユナイテッドヘルスの下落が重しとなり相場は寄り付き後、下落。トランプ大統領のソーシャルメディア投稿を受け連邦準備制度理事会(FRB)の独立性が揺らぐとの懸念も強まり、売りが一段と加速し、続落した。その後、大統領が記者団に、対中、欧州連合(EU)の貿易取引に合意すると自信を表明すると、相場は下げ止まった。終盤にかけ、相場は下げ幅を縮小し、終了。

 前日の米株市場を横目に、4月18日の日経平均は23.72円安の34353.88円と反落して取引を開始した。ダウ平均が大幅に3日続落するなか、米中対立の激化やトランプ米政権の通商政策の不透明感が引き続き投資家心理を重くした。一方、昨日の米株式市場でナスダック総合指数は小幅な下落にとどまったほか、S&P500は小幅ながら上昇したことから過度な不安感が大きく広がることはなかった。こうした中、昨日に引き続き日米関税交渉に期待する買いが一定株価を支えたようだ。

 個別では、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>の金融株のほか、郵船<9101>や川崎汽船<9107>などの海運株が堅調に推移。また、NTT<9432>、良品計画<7453>、三菱重工業<7011>、フジクラ<5803>、ファーストリテ<9983>、ディーエヌエー<2432>、トヨタ自動車<7203>、キーエンス<6861>、ソニーグループ<6758>などが上昇した。ほか、イーライリリーの肥満症治療薬治験結果を好感された中外製薬<4519>が急騰、前日の北尾氏会見をあらためて材料視の動きとなったフジ・メディア・ホールディングス<4676>も大幅高、テレビ朝日HD<9409>、TBSホールディングス<9401>などが値上がり率上位となった。

 一方、東エレク<8035>やアドバンテ<6857>、レーザーテック<6920>などの一部の半導体関連株、ソフトバンクグループ<9984>、リクルートHD<6098>、川崎重工業<7012>、IHI<7013>、サンリオ<8136>などが軟調に推移。また、米企業買収発表も資金負担増を懸念が先行したミスミグループ本社<9962>が大幅安、イビデン<4062>、スクリン<7735>、キオクシアホールディングス<285A>などが下落した。

 業種別では、医薬品、海運業、鉱業などが上昇した一方で、サービス業、機械の2業種のみが下落した。

 後場の日経平均株価は、プラス圏での推移が継続しそうだ。米国と欧州連合(EU)の貿易交渉進展への期待や海外原油先物高が追い風となり、自動車関連・海運・鉱業など幅広い業種が上昇している。ただ、本日はグッドフライデー(聖金曜日)
の祝日でアジア市場の一部や欧米の株式市場が休場となるため、後場は手掛かり材料に欠ける可能性もある。そのほか、石破首相は本日、米国との関税交渉に関して依然として隔たりがあるため最優先で取り組むと述べており、不透明感は拭えていない。米国でもトランプ米大統領がFRBのパウエル議長への退任要求に踏み込んでおり、高関税政策によって景気悪化懸念が急速に高まるなかで今後の動向は注視しておきたいところだ。

<AK>

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