注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:米国株は調整局面入りだが、日本株は相対的に底堅いか
配信日時:2025/03/15 12:21
配信元:FISCO
*12:21JST 国内株式市場見通し:米国株は調整局面入りだが、日本株は相対的に底堅いか
■半年ぶりに一時36000円台を割り込む場面も
今週の日経平均は週間で165.93円高(+0.45%)の37053.10円と上昇。米国とウクライナ間で即時停戦案を合意したことで地政学リスクはやや後退したものの、引き続きトランプ関税方針に振らされる相場展開となった。10日、トランプ米大統領が関税引き上げや政府支出の大幅削減に伴う景気後退の可能性を否定しなかったことから、投資家のセンチメントが悪化。NYダウは一時1100ドル超の下げとなるなど米主要3指数は大幅安の展開となり、節目と見られていた200日移動平均線(200MA)をそろって明確に割り込んだ。
米国市場の不透明感が波及し、11日の日経平均は一時36000円台を割り込むなど昨年9月以来の水準まで下落する場面が見られた。為替市場でも1ドル=146円台までドル安円高が進行し、自動車株など輸出関連銘柄が総じて売られる展開となった。ただ、36000円台前半では押し目を拾う動きも観測されたほか、三菱重工<7011>など防衛関連銘柄などが買われたことから日経平均は下げ幅を縮小。米国株は引き続き軟調推移となったが、週末の3月限先物・オプション特別清算指数(SQ値、36483.79円)に絡んだ思惑なども加わり、週間ベースでは上昇、日経平均は37000円台を回復して取引を終えた。
なお、3月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を740億円売り越したほか、TOPIX先物を1100億円売り越し、225先物を2000億円売り越し、合計3840億円の売り越しとなった。また、個人投資家は現物を4643億円売り越すなど合計で4108億円売り越し。事業法人は現物を2002億円買い越した。
■3月末にかけての需給面は良好か
14日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比674.62ドル高の41488.19ドル、ナスダックは同451.08ポイント高の17754.09で取引を終了した。共和党のつなぎ予算案を巡り反対姿勢を示していた民主党の院内総務が案を支持する姿勢に転じたため、期限切れによる政府機関閉鎖を回避する可能性が高まったほか、値ごろ感からハイテク株の買戻しも入った。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比410円高の37270円で取引を終えた。
投資家の心理状況を示す日経平均VIは、11日に32ポイント台まで上昇した後はじりじりと低下し、24ポイント台まで低下した。先行き警戒感はまだ残っているが、米国株と比較すると日本株の底堅さは目立つ。背景として、NISAを通じた3月末の配当・優待の権利取りを見据えた個人投資家の押し目買いや、企業の自社株買いなどが下支えになっていると考える。3月には、期末特有の需給も発生する公算が大きい。高値を更新している強い相場であれば、年金などによるリバランスの売りが入りやすいが、高値更新している銘柄が非常に少ない状況下、リバランスに伴う売り需要は限定的となろう。
2月3日の日経平均が38520.09円だったことから、相場の格言通り「節分天井・彼岸底」となりそうだが、需給面などを背景に11日の安値35987.13円を下回る展開は回避されると考える。なお、19日に上場するJX金属<5016>は、公開規模4300億円相当と東京メトロ<9023>(公開規模3486億円)を超える規模のIPOとなるため、類似企業の非鉄金属セクターではリバランスが発生する可能性があるので注意したい。
■日米中銀会合の結果発表後は為替が上下に動く可能性
来週は、19日に日本銀行による金融政策決定会合の結果、日付が変わった20日未明に米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が、それぞれ発表される。日銀会合では政策金利の現状維持が見込まれており、植田和男日銀総裁の記者会見では、米トランプ政策に対する不確実性に言及するとの見通し。長期金利の指標である10年物国債利回りが1.5%台まで上昇するなど、市場は早期の利上げ実施に対して前のめりとなっていることから、植田日銀総裁が慎重姿勢を示すと、足下のドル安円高進行が一服する可能性はある。
一方、FOMCは3カ月に一回公表される参加者が適切と考える「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」に関心が向かっている。トランプ関税等で先行き不透明感が強まるなか、3月上旬、パウエルFRB議長は既にドットチャート見直しの可能性を会議で示唆している。FOMC高官の米経済見通しの見直し幅次第では、日米中銀会合の結果発表のタイミングで為替が大きく動く可能性がある。
■19日に日銀が政策金利を発表
来週、国内では、18日に1月第3次産業活動指数、19日に1月機械受注、鉱工業生産(確報値)、2月貿易収支、日銀政策金利、植田和男日銀総裁の記者会見、21日に2月消費者物価指数などが予定されている。
海外では、17日に中・2月新築住宅販売価格、鉱工業生産指数、小売売上高、米・2月小売売上高、3月NY連銀製造業景気指数、1月企業在庫、18日に独・3月ZEW景況感指数、欧・ユーロ圏3月ZEW景況感指数、1月貿易収支、カナダ・2月消費者物価指数、米・2月住宅着工件数、輸入物価指数、鉱工業生産指数、19日に欧・ユーロ圏2月消費者物価指数(確報値)、米・週次原油在庫、FRB政策金利、20日にNZ・第4四半期実質GDP、豪・2月雇用統計、中・最優遇貸出金利、英・1月ILO失業率、英・英中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、米・第4四半期経常収支、3月フィラデルフィア連銀景況指数、2月中古住宅販売件数、21日にNZ・2月貿易収支などが予定されている。
<FA>
今週の日経平均は週間で165.93円高(+0.45%)の37053.10円と上昇。米国とウクライナ間で即時停戦案を合意したことで地政学リスクはやや後退したものの、引き続きトランプ関税方針に振らされる相場展開となった。10日、トランプ米大統領が関税引き上げや政府支出の大幅削減に伴う景気後退の可能性を否定しなかったことから、投資家のセンチメントが悪化。NYダウは一時1100ドル超の下げとなるなど米主要3指数は大幅安の展開となり、節目と見られていた200日移動平均線(200MA)をそろって明確に割り込んだ。
米国市場の不透明感が波及し、11日の日経平均は一時36000円台を割り込むなど昨年9月以来の水準まで下落する場面が見られた。為替市場でも1ドル=146円台までドル安円高が進行し、自動車株など輸出関連銘柄が総じて売られる展開となった。ただ、36000円台前半では押し目を拾う動きも観測されたほか、三菱重工<7011>など防衛関連銘柄などが買われたことから日経平均は下げ幅を縮小。米国株は引き続き軟調推移となったが、週末の3月限先物・オプション特別清算指数(SQ値、36483.79円)に絡んだ思惑なども加わり、週間ベースでは上昇、日経平均は37000円台を回復して取引を終えた。
なお、3月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を740億円売り越したほか、TOPIX先物を1100億円売り越し、225先物を2000億円売り越し、合計3840億円の売り越しとなった。また、個人投資家は現物を4643億円売り越すなど合計で4108億円売り越し。事業法人は現物を2002億円買い越した。
■3月末にかけての需給面は良好か
14日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比674.62ドル高の41488.19ドル、ナスダックは同451.08ポイント高の17754.09で取引を終了した。共和党のつなぎ予算案を巡り反対姿勢を示していた民主党の院内総務が案を支持する姿勢に転じたため、期限切れによる政府機関閉鎖を回避する可能性が高まったほか、値ごろ感からハイテク株の買戻しも入った。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比410円高の37270円で取引を終えた。
投資家の心理状況を示す日経平均VIは、11日に32ポイント台まで上昇した後はじりじりと低下し、24ポイント台まで低下した。先行き警戒感はまだ残っているが、米国株と比較すると日本株の底堅さは目立つ。背景として、NISAを通じた3月末の配当・優待の権利取りを見据えた個人投資家の押し目買いや、企業の自社株買いなどが下支えになっていると考える。3月には、期末特有の需給も発生する公算が大きい。高値を更新している強い相場であれば、年金などによるリバランスの売りが入りやすいが、高値更新している銘柄が非常に少ない状況下、リバランスに伴う売り需要は限定的となろう。
2月3日の日経平均が38520.09円だったことから、相場の格言通り「節分天井・彼岸底」となりそうだが、需給面などを背景に11日の安値35987.13円を下回る展開は回避されると考える。なお、19日に上場するJX金属<5016>は、公開規模4300億円相当と東京メトロ<9023>(公開規模3486億円)を超える規模のIPOとなるため、類似企業の非鉄金属セクターではリバランスが発生する可能性があるので注意したい。
■日米中銀会合の結果発表後は為替が上下に動く可能性
来週は、19日に日本銀行による金融政策決定会合の結果、日付が変わった20日未明に米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が、それぞれ発表される。日銀会合では政策金利の現状維持が見込まれており、植田和男日銀総裁の記者会見では、米トランプ政策に対する不確実性に言及するとの見通し。長期金利の指標である10年物国債利回りが1.5%台まで上昇するなど、市場は早期の利上げ実施に対して前のめりとなっていることから、植田日銀総裁が慎重姿勢を示すと、足下のドル安円高進行が一服する可能性はある。
一方、FOMCは3カ月に一回公表される参加者が適切と考える「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」に関心が向かっている。トランプ関税等で先行き不透明感が強まるなか、3月上旬、パウエルFRB議長は既にドットチャート見直しの可能性を会議で示唆している。FOMC高官の米経済見通しの見直し幅次第では、日米中銀会合の結果発表のタイミングで為替が大きく動く可能性がある。
■19日に日銀が政策金利を発表
来週、国内では、18日に1月第3次産業活動指数、19日に1月機械受注、鉱工業生産(確報値)、2月貿易収支、日銀政策金利、植田和男日銀総裁の記者会見、21日に2月消費者物価指数などが予定されている。
海外では、17日に中・2月新築住宅販売価格、鉱工業生産指数、小売売上高、米・2月小売売上高、3月NY連銀製造業景気指数、1月企業在庫、18日に独・3月ZEW景況感指数、欧・ユーロ圏3月ZEW景況感指数、1月貿易収支、カナダ・2月消費者物価指数、米・2月住宅着工件数、輸入物価指数、鉱工業生産指数、19日に欧・ユーロ圏2月消費者物価指数(確報値)、米・週次原油在庫、FRB政策金利、20日にNZ・第4四半期実質GDP、豪・2月雇用統計、中・最優遇貸出金利、英・1月ILO失業率、英・英中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、米・第4四半期経常収支、3月フィラデルフィア連銀景況指数、2月中古住宅販売件数、21日にNZ・2月貿易収支などが予定されている。
<FA>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況