注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:GDP改訂値、春闘集中回答日、米CPI
配信日時:2025/03/08 16:30
配信元:FISCO
*16:30JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:GDP改訂値、春闘集中回答日、米CPI
■株式相場見通し
予想レンジ:上限38000円-下限36300円
7日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比222.64ドル高の42801.72ドル、ナスダックは同126.96ポイント高の18196.22で取引を終了した。米労働省が発表した2月雇用統計で、失業率は4.1%と1月4.0%から予想外に上昇した。労働参加者の減少が影響したと見られる。非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人と、1月+12.5万人から伸びが拡大したが、予想は下回った。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演で「経済には問題がなく、政策を当面据え置く」との姿勢を再確認すると、景気の先行きに対する安心感が広がって米国株は反発した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比490円高の37260円で取引を終えた。週初の東京市場は、米国株高などを背景に反発スタートとなりそうだが、投資家のセンチメントは悪化しており、買いが続くのは難しく、日経平均の上値は重くなろう。
日銀の追加利上げ観測が強まり、日本の金利は上昇傾向にある。先進国で段階的な利上げを実施しているのは日本だけのため、投資家は積極的な買いを手控えている様子。春季労使交渉では、12日の集中回答日を前にした決定が相次ぎ、連合が6日に発表した傘下の労働組合が要求した賃上げ率は平均6.09%と、1993年以来32年ぶりに6%を上回った。人材の獲得や囲い込みを急ぎたい企業サイドの方針と労働組合の要求が合致しており、大手企業は続々と賃上げを回答。こうした賃上げ機運の高まりも、日銀による追加利上げムードを後押ししている。米10年債利回りが4.2-4.3%水準で推移し、日米10年債利回りの差は2.8%前後まで縮小している。週末に加藤財務大臣が「12月以降、一方的な動きが見られる」と円高けん制発言を行ったが、為替市場への影響は限定的で、18-19日開催の日銀金融政策決定会合まで、思惑先行のドル安円高が続くとなれば、日経平均は一段安の可能性もあろう。
一方、週末こそ利益確定に押されたが、週を通して三菱重工<7011>、IHI<7013>、川崎重工<7012>など防衛関連銘柄の一角は強い動きを見せた。2月28日のトランプ大統領とウクライナ・ゼレンスキー大統領の歴史的な首脳会談決裂を受けて、欧州ではウクライナ支援のために欧州連合(EU)特別首脳会議を開催。最大1500億ユーロを融資するなど再軍備計画を議論し、合意に至った。また、トランプ大統領の側近である米国防次官候補が、日本の防衛予算に不満を示したほか、トランプ大統領が施政方針演説で「国防を支える基盤を強化するため、民間と軍用の造船業を復活させる」と発言。防衛関連に買いが向かう材料が連日伝わったことなどから、関心が高まる格好となった。防衛予算に関して、石破茂総理は「日本の防衛費は日本が決める」と冷静に発言しているものの、トランプ交渉の材料の一つとして「防衛費増額」が加わったことで、防衛関連銘柄への思惑相場は長期化する可能性もある。トランプ発言で上下に振らされそうではあるが、テーマ性の高さなどから投資家の注目は続くだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。来週発表される2月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)でインフレ鈍化が示された場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和的な金融政策の継続を見込んだ米ドル売り・円買いは継続する可能性がある。また、直近の米個人消費支出は市場予想を下回っており、4月下旬に発表予定の今年1-3月期国内総生産(GDP)成長率はマイナスとの見方が浮上している。足元の弱い経済指標から景気腰折れの見方が広がればドル売りが強まる展開となりそうだ。
日本の春闘大幅賃上げ要求を受け、日本銀行による追加利上げ時期は早まる可能性があることも円買い圧力を強める要因となりそうだ。米トランプ政権は関係国への関税引き上げの方針を伝えており、この動きは世界経済の不確実性を高めていることもドル売り材料になりやすい。
■来週の注目スケジュール
3月10日(月):国際収支(経常収支)(1月)、景気一致指数(1月)、景気先行CI指数(1月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(2月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(2月)、中・資金調達総額(2月、15日までに)、中・マネーサプライ(2月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(2月、15日までに)、独・鉱工業生産指数(1月)など
3月11日(火):GDP改定値(10-12月)、工作機械受注(2月)、家計支出(1月)、中・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が閉幕、米・JOLT求人件数(1月)など
3月12日(水):25年春季生活闘争(春闘)集中回答日、国内企業物価指数(2月)、景況判断BSI大企業製造業(1-3月)、景況判断BSI大企業全産業(1-3月)、米・消費者物価コア指数(2月)、米・財政収支(2月)、加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表、米国の鉄鋼・アルミニウム関税が発効、G7外相会合(14日まで)など
3月13日(木):米・新規失業保険申請件数(先週)、米・生産者物価コア指数(2月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(1月)など
3月14日(金):連合が25年春闘の第1回回答集計結果公表、米・つなぎ予算失効期限、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(3月)、独CPI(2月)、英・鉱工業生産指数(1月)、英・商品貿易収支(1月)など
<YU>
予想レンジ:上限38000円-下限36300円
7日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比222.64ドル高の42801.72ドル、ナスダックは同126.96ポイント高の18196.22で取引を終了した。米労働省が発表した2月雇用統計で、失業率は4.1%と1月4.0%から予想外に上昇した。労働参加者の減少が影響したと見られる。非農業部門雇用者数は前月比+15.1万人と、1月+12.5万人から伸びが拡大したが、予想は下回った。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演で「経済には問題がなく、政策を当面据え置く」との姿勢を再確認すると、景気の先行きに対する安心感が広がって米国株は反発した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比490円高の37260円で取引を終えた。週初の東京市場は、米国株高などを背景に反発スタートとなりそうだが、投資家のセンチメントは悪化しており、買いが続くのは難しく、日経平均の上値は重くなろう。
日銀の追加利上げ観測が強まり、日本の金利は上昇傾向にある。先進国で段階的な利上げを実施しているのは日本だけのため、投資家は積極的な買いを手控えている様子。春季労使交渉では、12日の集中回答日を前にした決定が相次ぎ、連合が6日に発表した傘下の労働組合が要求した賃上げ率は平均6.09%と、1993年以来32年ぶりに6%を上回った。人材の獲得や囲い込みを急ぎたい企業サイドの方針と労働組合の要求が合致しており、大手企業は続々と賃上げを回答。こうした賃上げ機運の高まりも、日銀による追加利上げムードを後押ししている。米10年債利回りが4.2-4.3%水準で推移し、日米10年債利回りの差は2.8%前後まで縮小している。週末に加藤財務大臣が「12月以降、一方的な動きが見られる」と円高けん制発言を行ったが、為替市場への影響は限定的で、18-19日開催の日銀金融政策決定会合まで、思惑先行のドル安円高が続くとなれば、日経平均は一段安の可能性もあろう。
一方、週末こそ利益確定に押されたが、週を通して三菱重工<7011>、IHI<7013>、川崎重工<7012>など防衛関連銘柄の一角は強い動きを見せた。2月28日のトランプ大統領とウクライナ・ゼレンスキー大統領の歴史的な首脳会談決裂を受けて、欧州ではウクライナ支援のために欧州連合(EU)特別首脳会議を開催。最大1500億ユーロを融資するなど再軍備計画を議論し、合意に至った。また、トランプ大統領の側近である米国防次官候補が、日本の防衛予算に不満を示したほか、トランプ大統領が施政方針演説で「国防を支える基盤を強化するため、民間と軍用の造船業を復活させる」と発言。防衛関連に買いが向かう材料が連日伝わったことなどから、関心が高まる格好となった。防衛予算に関して、石破茂総理は「日本の防衛費は日本が決める」と冷静に発言しているものの、トランプ交渉の材料の一つとして「防衛費増額」が加わったことで、防衛関連銘柄への思惑相場は長期化する可能性もある。トランプ発言で上下に振らされそうではあるが、テーマ性の高さなどから投資家の注目は続くだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。来週発表される2月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)でインフレ鈍化が示された場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和的な金融政策の継続を見込んだ米ドル売り・円買いは継続する可能性がある。また、直近の米個人消費支出は市場予想を下回っており、4月下旬に発表予定の今年1-3月期国内総生産(GDP)成長率はマイナスとの見方が浮上している。足元の弱い経済指標から景気腰折れの見方が広がればドル売りが強まる展開となりそうだ。
日本の春闘大幅賃上げ要求を受け、日本銀行による追加利上げ時期は早まる可能性があることも円買い圧力を強める要因となりそうだ。米トランプ政権は関係国への関税引き上げの方針を伝えており、この動きは世界経済の不確実性を高めていることもドル売り材料になりやすい。
■来週の注目スケジュール
3月10日(月):国際収支(経常収支)(1月)、景気一致指数(1月)、景気先行CI指数(1月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(2月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(2月)、中・資金調達総額(2月、15日までに)、中・マネーサプライ(2月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(2月、15日までに)、独・鉱工業生産指数(1月)など
3月11日(火):GDP改定値(10-12月)、工作機械受注(2月)、家計支出(1月)、中・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が閉幕、米・JOLT求人件数(1月)など
3月12日(水):25年春季生活闘争(春闘)集中回答日、国内企業物価指数(2月)、景況判断BSI大企業製造業(1-3月)、景況判断BSI大企業全産業(1-3月)、米・消費者物価コア指数(2月)、米・財政収支(2月)、加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表、米国の鉄鋼・アルミニウム関税が発効、G7外相会合(14日まで)など
3月13日(木):米・新規失業保険申請件数(先週)、米・生産者物価コア指数(2月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(1月)など
3月14日(金):連合が25年春闘の第1回回答集計結果公表、米・つなぎ予算失効期限、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(3月)、独CPI(2月)、英・鉱工業生産指数(1月)、英・商品貿易収支(1月)など
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