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株価指数先物 【週間展望】―トランプ関税警戒で戻り待ち狙いのショートが優勢

配信日時:2025/02/09 17:00 配信元:MINKABU
 今週の日経225先物は、トランプ政権の関税政策を巡り不安定な展開が見込まれる。トランプ米大統領は7日、相互関税の導入計画を協議するための会合を10日ないし11日に開催すると報じられた。主要な貿易相手国との摩擦激化が警戒されて、7日の米国市場では主要な株価指数が下落した。  注目された1月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が14万3000人増と前月の30万7000人増から大幅に減少し、市場予想(17万人増程度)を下回った。一方で、失業率は4.0%と前月比横ばい予想(4.1%)から改善したほか、平均賃金は前月比+0.5%、前年比+4.1%となり、いずれも予想を上回る伸びだった。  同日発表された2月の米ミシガン大消費者信頼感指数は67.8と前月(71.1)から低下し7カ月ぶりの低水準となり、予想を下回る結果となった。しかし、1年先期待インフレ率は4.3%と前月の3.3%から上昇した。これらの結果を受けて米長期金利が上昇し、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げが後ずれするとの見方が広がった。  トランプ政権による相互関税の内容が焦点となるほか、経済指標では12日に米消費者物価指数(CPI)、13日には生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。これらの結果を見極めたいところであり、方向感をつかみづらくさせる。相互関税では自動車を対象とした関税が検討されていると伝えられている。  また、為替市場ではトランプ氏が日本に対する関税も選択肢の一つだと発言したことを受け、一時1ドル=150円台に突入した。先週は日銀の早期利上げ観測により円高基調を強めていたが、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が後退するなか、引き続き円高が株式市場の重荷となる可能性は高そうだ。  日経225先物は7日の取引終了後のナイトセッションで下落幅を広げており、一時3万8350円まで売られ、3万8370円とナイトセッションの安値圏で終えた。先週は200日移動平均線(3万8490円)での底堅さがみられ、75日線(3万9010円)を挟んでの推移だった。25日線(3万9160円)水準に接近する局面では上値を抑えられる形だったが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8640円)水準が支持線として意識されていた。  ナイトセッションで-1σのほか200日線を割り込んできたことで、-2σ(3万8130円)と節目の3万8000円が射程に入ってきた。1月17日につけた直近安値の3万8070円(ナイトセッションを含む)を下抜けてくるようだと、-3σ(3万7610円)が意識されるため、昨年11月28日につけた安値(3万7660円)へのバイアスが強まる展開は警戒しておきたい。  日米首脳会談をポジティブに伝えるメディアが目立っているが、一方でとりわけSNSにおいてはマイナス印象が多くみられる。日米首脳会談を評価した動きは期待しづらいところであり、イベント通過によるアク抜け期待は高まらず、押し目狙いのロングも控えられそうだ。  日経225先物は200日線水準での底堅さを見極めつつ、ボトムを探る動きになりそうだ。リバウンドをみせてきたとしても75日線や下向きで推移している25日線が抵抗線として機能し、戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。そのため、まずはオプション権利行使価格の3万8125円から3万8625円のレンジを想定する。  -1σをクリアしてくる局面では、権利行使価格の3万8625円から3万9125円のレンジに移行。一方で、-1σに上値を抑えられるようだと、-2σとのレンジから、節目の3万8000円割れが警戒されてくる。  7日の米VIX指数は16.54(6日は15.50)に上昇し、週間ではトランプ関税発表で急伸した反動から低下した。もっとも、前日までに割り込んだ200日線(16.22)を上回り、75日線(16.58)、25日線(16.73)を捉えてきた。直近のボトム圏からのリバウンドの範囲内ではあるが、トランプ政権の相互関税やCPI、PPIの結果次第では急伸するリスクがありそうだ。  先週末のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。足もとでは200日線(14.22倍)に上値を抑えられており、14.10~14.22倍辺りのレンジ推移を継続している。ボトム圏での推移であるが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が不安定な状況であるため、NTロングでのスプレッド狙いの動きは入りづらい。一方で、円高によって輸出関連株も手掛けづらいが、内需系に資金が向かいやすく、ややNTショートに振れやすいだろう。  1月第4週(1月27日-31日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は4865億円(1月第3週は9300億円の買い越し)だった。なお、現物は3133億円の売り越し(同3911億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は1732億円の売り越し(同5389億円の買い越し)と2週ぶりの売り越し。個人は現物と先物の合算で2462億円の買い越しと2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で62億円の売り越しとなり、2週連続の売り越し。  主要スケジュールでは、10日に1月景気ウォッチャー調査、11日にパウエルFRB議長の上院銀行委員会証言、12日に米国1月消費者物価指数、パウエルFRB議長の下院金融サービス委員会証言、13日に1月国内企業物価、米国1月生産者物価指数、14日に米国1月小売売上高、米国1月鉱工業生産指数などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93 03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15 04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89 05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75 06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56 07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54 08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68 09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41 10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72 11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26 12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68 01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 25/03 02月07日  39070  39160  38760  38840  -250 25/03 02月06日  38770  39190  38570  39090  +350 25/03 02月05日  38820  39130  38680  38740  -30 25/03 02月04日  38630  39310  38460  38770  +170 25/03 02月03日  39650  39820  38380  38600  -1030 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 25/03 02月07日  2754.0  2761.5  2728.5  2741.5  -15.0 25/03 02月06日  2741.5  2771.0  2730.5  2756.5  +16.0 25/03 02月05日  2739.5  2769.5  2733.0  2740.5  +4.5 25/03 02月04日  2734.0  2765.5  2718.0  2736.0  +5.5 25/03 02月03日  2793.0  2801.0  2701.5  2730.5  -60.5 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日大阪比 02月07日(03月限) 38375  -465 02月06日(03月限) 38970  -120 02月05日(03月限) 38955  +215 02月04日(03月限) 39110  +340 02月03日(03月限) 38895  +295 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 01月31日    1649億円  +111億円 2兆1630億円  +1062億円 01月24日    1538億円  +35億円 2兆0567億円  +2743億円 01月17日    1502億円  -127億円 1兆7824億円  -5615億円 01月10日    1630億円  -446億円 2兆3440億円  -1863億円 12月30日    2076億円  -18億円 2兆5304億円  +1116億円 12月27日    2094億円  -244億円 2兆4187億円  +3327億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 02月05日    5775万株   +182万株  8億3415万株   -546万株 02月04日    5592万株   +122万株  8億3961万株   -3214万株 02月03日    5470万株   +452万株  8億7175万株   -1404万株 01月31日    5017万株   +179万株  8億8579万株   +58万株 01月30日    4838万株   +632万株  8億8521万株   -68万株 01月29日    4205万株   -425万株  8億8589万株   +1277万株 01月28日    4631万株   -331万株  8億7311万株   +28万株 01月27日    4962万株   +254万株  8億7283万株   +695万株 01月24日    4708万株   -440万株  8億6588万株   +1900万株 01月23日    5148万株    +94万株  8億4687万株   +5358万株 01月22日    5054万株    +68万株  7億9328万株   +2446万株 01月21日    4985万株   +156万株  7億6882万株   +939万株 01月20日    4829万株    +75万株  7億5942万株   -787万株 01月17日    4753万株    -25万株  7億6730万株   -2807万株 01月16日    4779万株    +99万株  7億9537万株   -7509万株 01月15日    4680万株   -357万株  8億7047万株   -4367万株 01月14日    5036万株    +2万株  9億1414万株   -8406万株 株探ニュース

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