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アーレスティ Research Memo(5):品質と安定生産に裏打ちされた信頼と安心をグローバルで提供する(3)
配信日時:2025/01/23 14:05
配信元:FISCO
*14:05JST アーレスティ Research Memo(5):品質と安定生産に裏打ちされた信頼と安心をグローバルで提供する(3)
■アーレスティ<5852>の事業概要
(2) アルミニウム事業
ダイカスト向けや鋳物向けから特殊用途向けのアルミニウム合金地金など約40種類の地金を同社熊谷工場で生産している。全国から集まるアルミ缶、サッシ、自動車の解体スクラップなどのほかに、アルミニウム新塊や添加材などの原材料をもとに合金地金を生産しており、強度・耐性など原材料の知見を活かし、用途に合わせた材料提案を可能にしている。また、合金地金生産においては、特にScope3 category1(原材料調達)の観点から、CO2排出量の多い新塊を減らし、リサイクル材料の使用比率の拡大を進めている。そのために、高い延性を必要とするためアルミ新塊を使用している車体系部品について、延性の低いリサイクル材を活用した高延性アルミ合金の製造技術を開発するなど、独自の配合技術を進化させ、各品種の合金生産において新塊をリサイクル材に置き換えられる「CO2排出量の少ない合金地金」の開発・製造に取り組んでいる。
(3) 完成品事業
主要製品はフリーアクセスフロア(配線・配管を床下に収める二重床システム)の「モバフロア」で、クリーンルーム向けフリーアクセスフロアでは国内シェア約47%(同社推計)を占める。全国各地のクリーンルーム、データセンター、コンピュータールーム、工場、オフィスなどに幅広く納入されており、東京スカイツリー、東京都庁舎、横浜ランドマークタワーでも採用されている。また、中国の大手半導体装置メーカーなど中国・東南アジアなどでも売上を拡大している。日本ではアーレスティ栃木が製造、同社が製品企画・施工・販売を行っているほか、中国では同社の指導を受けて合肥阿雷斯堤が製造している。アルミダイカスト単一材なので100%リサイクルであり、軽量化により輸送に伴うCO2排出量削減効果、建築躯体への重量負担減による長寿命化に貢献できる。
■業績動向
2025年3月期中間期はアルミ地金の高騰、海外工場の生産性悪化などで営業損失計上
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高78,195百万円(前年同期比0.6%増)、営業損失253百万円(前年同期は601百万円の利益)、経常損失536百万円(前年同期は938百万円の利益)、親会社株主に帰属する中間純損失2,696百万円(前年同期は900百万円の利益)と微増収減益となった。国内自動車生産の落ち込みや中国における一部主要顧客の販売不振などにより受注量が前年同期を3%程度下回ったが、売上高は期中為替レートが円安で推移した影響もあり同0.6%の増収となり、期初計画も1,195百万円上回った。損益は、受注量の減少に対して固定費などの圧縮や価格是正にも継続的に取り組んだが、原料となるアルミ地金価格の高騰による調達コストの増加、米国工場での生産性悪化、原材料価格、人件費など製造コストの上昇などにより営業損失を計上した。増減要因別にみると、前期の中国工場(広州・合肥)の減損損失約90億円の計上により減価償却費は717百万円低減したが、販売量で197百万円、製造コストで136百万円、地金市況の影響で690百万円、アルミニウム事業及び完成品事業で325百万円、その他で224百万円がそれぞれ減益となった。
加えて、外貨建て債権・債務の評価替えに伴い円高進行よる為替差損(308百万円)を営業外費用に計上したほか、生産体制の合理化を目的とした特別退職金1,005百万円(国内東海工場及びアーレスティ栃木における希望退職にかかる特別退職金670百万円、中国市場での今後の需要動向を睨んだ広州阿雷斯提、阿雷斯提精密における早期退職者への特別退職金335百万円)、メヒカーナ社における会計上の機能通貨(米ドル)と税務基準額計算上の現地通貨(メキシコペソ)が異なるため、為替相場の変動による繰延税金資産の取り崩し発生(約7億円)などにより親会社株主に帰属する中間純損失が2,696百万円まで膨らんだ。
2. 事業セグメント別動向
(1) ダイカスト事業
(a) ダイカスト事業 日本
国内自動車生産の落ち込みなどにより受注量が減少し、売上高は30,172百万円(前年同期比3.5%減)となった。損益面においては、受注量の減少に対して原価率改善と販管費の圧縮を推進し109百万円の改善があったが、アルミ地金価格上昇に伴う原材料価格高騰により339百万円の減益、販売量の減少による184百万円の減益もあり、セグメント損益は330百万円悪化し149百万円の損失を計上した(前年同期は181百万円の利益)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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(2) アルミニウム事業
ダイカスト向けや鋳物向けから特殊用途向けのアルミニウム合金地金など約40種類の地金を同社熊谷工場で生産している。全国から集まるアルミ缶、サッシ、自動車の解体スクラップなどのほかに、アルミニウム新塊や添加材などの原材料をもとに合金地金を生産しており、強度・耐性など原材料の知見を活かし、用途に合わせた材料提案を可能にしている。また、合金地金生産においては、特にScope3 category1(原材料調達)の観点から、CO2排出量の多い新塊を減らし、リサイクル材料の使用比率の拡大を進めている。そのために、高い延性を必要とするためアルミ新塊を使用している車体系部品について、延性の低いリサイクル材を活用した高延性アルミ合金の製造技術を開発するなど、独自の配合技術を進化させ、各品種の合金生産において新塊をリサイクル材に置き換えられる「CO2排出量の少ない合金地金」の開発・製造に取り組んでいる。
(3) 完成品事業
主要製品はフリーアクセスフロア(配線・配管を床下に収める二重床システム)の「モバフロア」で、クリーンルーム向けフリーアクセスフロアでは国内シェア約47%(同社推計)を占める。全国各地のクリーンルーム、データセンター、コンピュータールーム、工場、オフィスなどに幅広く納入されており、東京スカイツリー、東京都庁舎、横浜ランドマークタワーでも採用されている。また、中国の大手半導体装置メーカーなど中国・東南アジアなどでも売上を拡大している。日本ではアーレスティ栃木が製造、同社が製品企画・施工・販売を行っているほか、中国では同社の指導を受けて合肥阿雷斯堤が製造している。アルミダイカスト単一材なので100%リサイクルであり、軽量化により輸送に伴うCO2排出量削減効果、建築躯体への重量負担減による長寿命化に貢献できる。
■業績動向
2025年3月期中間期はアルミ地金の高騰、海外工場の生産性悪化などで営業損失計上
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高78,195百万円(前年同期比0.6%増)、営業損失253百万円(前年同期は601百万円の利益)、経常損失536百万円(前年同期は938百万円の利益)、親会社株主に帰属する中間純損失2,696百万円(前年同期は900百万円の利益)と微増収減益となった。国内自動車生産の落ち込みや中国における一部主要顧客の販売不振などにより受注量が前年同期を3%程度下回ったが、売上高は期中為替レートが円安で推移した影響もあり同0.6%の増収となり、期初計画も1,195百万円上回った。損益は、受注量の減少に対して固定費などの圧縮や価格是正にも継続的に取り組んだが、原料となるアルミ地金価格の高騰による調達コストの増加、米国工場での生産性悪化、原材料価格、人件費など製造コストの上昇などにより営業損失を計上した。増減要因別にみると、前期の中国工場(広州・合肥)の減損損失約90億円の計上により減価償却費は717百万円低減したが、販売量で197百万円、製造コストで136百万円、地金市況の影響で690百万円、アルミニウム事業及び完成品事業で325百万円、その他で224百万円がそれぞれ減益となった。
加えて、外貨建て債権・債務の評価替えに伴い円高進行よる為替差損(308百万円)を営業外費用に計上したほか、生産体制の合理化を目的とした特別退職金1,005百万円(国内東海工場及びアーレスティ栃木における希望退職にかかる特別退職金670百万円、中国市場での今後の需要動向を睨んだ広州阿雷斯提、阿雷斯提精密における早期退職者への特別退職金335百万円)、メヒカーナ社における会計上の機能通貨(米ドル)と税務基準額計算上の現地通貨(メキシコペソ)が異なるため、為替相場の変動による繰延税金資産の取り崩し発生(約7億円)などにより親会社株主に帰属する中間純損失が2,696百万円まで膨らんだ。
2. 事業セグメント別動向
(1) ダイカスト事業
(a) ダイカスト事業 日本
国内自動車生産の落ち込みなどにより受注量が減少し、売上高は30,172百万円(前年同期比3.5%減)となった。損益面においては、受注量の減少に対して原価率改善と販管費の圧縮を推進し109百万円の改善があったが、アルミ地金価格上昇に伴う原材料価格高騰により339百万円の減益、販売量の減少による184百万円の減益もあり、セグメント損益は330百万円悪化し149百万円の損失を計上した(前年同期は181百万円の利益)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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