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アーレスティ Research Memo(2):グローバル展開する自動車部品向けダイカストのリーディングカンパニー
配信日時:2025/01/23 14:02
配信元:FISCO
*14:02JST アーレスティ Research Memo(2):グローバル展開する自動車部品向けダイカストのリーディングカンパニー
■会社概要
1. 会社概要
アーレスティ<5852>は、国内11拠点に加え、米国、メキシコ、中国、インド、タイの5ヶ国8拠点に海外展開している。同社を含めて国内7社と海外8社でグループ経営を推進する。ダイカスト専業メーカーとして国内ならびにグローバルにおいてもトップシェアに入るリーディングカンパニーである。主力の自動車向けダイカスト製品のほかダイカスト用金型やダイカスト周辺機器を製造・販売するダイカスト事業、ダイカスト用アルミニウム二次合金地金を製造・販売するアルミニウム事業、フリーアクセスフロア(建築用二重床)などを製造・販売・施工する完成品事業を展開している。
Research、Service、Technologyの追求と統合によって豊かな社会の実現を目指すことを企業理念として掲げ、それぞれの頭文字RST(アール・エス・ティー)を続けて読んだ社名を冠する。Researchとは絶えることのない新技術・新市場・新しい販売方法の開発・研究調査、Serviceとは人と人とのふれあいのなかでの本当に行き届いた温かいサービス、Technologyとは世の中に役立つ真によいものをハードもソフトも含め作ってゆく技術を意味するものとして、それぞれを独立して捉えるのではなく、それぞれがお互いに深く支えあい利用しあいながら、互いをよりすばらしいものへと磨きあっていくという有機的な関係として捉え、また、タグラインを「Casting Our Eyes on the Future」と定め、社名に込められた企業理念を実現すべく、同社で働く者すべての視線が、常に顧客、地球環境、そして同社自身の未来へ向けられ、Research、Service、Technologyにおいて常に主導的リーダーに立ち前進しようという企業姿勢を示している。
2024年3月期売上高の91.7%をダイカスト事業が占め、アルミニウム事業が4.4%、完成品事業が3.9%を占める。また、売上高の52.5%がダイカスト事業の海外売上高であり、そのうち約6割が北米、残りをアジア(国内を除く)が占める。主力となるダイカスト製品は9割以上が四輪自動車の部品であり、自動車のエンジンやトランスミッションなどに多く使われている。そのほか発電機や船外機部品なども含めて年間約3,729万個を生産し顧客に製品を提供している。
主力製品が自動車部品であることから、同社の業績は自動車産業の動向に大きく影響される。2019年末からの新型コロナウイルスの感染拡大(以下、コロナ禍)時および半導体のサプライチェーンが遮断され自動車の生産台数が大きく落ち込んだ際には同社もその影響を受け、2020年3月期より売上高は大きく減少し、2021年3月期の売上高は929億円と、コロナ禍前の2019年3月期の売上高1,454億円の約6割の水準まで低迷した。2023年3月期には1,409億円まで売上高は回復したが、この間国内外の工場の減損を大きく計上し、2020年3月期から2023年3月期まで当期純損失の計上を継続した。2024年3月期は売上高が回復したが、主要顧客である日系自動車メーカーの販売不振等により中国での需要が大きく落ち込み約90億円の減損を実施し、当期純損失の計上が続いた。一方で、減損による償却負担の軽減、生産体制の合理化、リーンな生産体制の構築などの取り組みにより生産性は改善し、受注変動への耐性が強化されてきていること、フリーキャッシュ・フローも2022年3月期から収入に転じており、円滑な融資も受けられていることから資金繰りにも懸念はなく、今後は新たな成長ステージに転じていくことが期待される。
2. 沿革
同社は、1938年に東京都板橋区に前身となる志村アルミニウム(株)を創立し、アルミニウム合金地金、ダイカスト製品、アルミニウム砂型鋳物の製造を開始した。1943年には扶桑軽合金株式会社(現 (株)アーレスティ)を設立した。1960年には(株)日本精密金型製作所(現 (株)アーレスティダイモールド浜松)を設立し金型の製造を開始、同年に扶桑軽合金浜松工場の操業も開始し、1961年には東証第2部に株式を上場した。1962年には東海精工(株)(その後(株)アーレスティプリテックに社名変更)を設立し、日本初フリーアクセスフロア「モバフロア」を発売するなど完成品事業にも進出している。以降は、京都ダイカスト工業(株)豊橋工場(その後アーレスティと合併し、東海工場となる)、栃木フソー(株)(その後(株)アーレスティ栃木に社名変更)、(株)ダイテック(その後(株)アーレスティダイモールド栃木に社名変更)、熊本フソー(株)(その後(株)アーレスティ熊本に社名変更)、(株)ダイテック熊本工場(その後(株)アーレスティダイモールド熊本に社名変更)と各地にダイカスト製品製造子会社と金型製造子会社を国内に次々と設立し業容を拡大した。1984年には熊谷工場(アルミニウム合金地金生産)、東松山工場の操業を開始し、1985年にはダイカスト周辺機器を製造・販売するパスカル販売(株)(現 (株)アーレスティテクノサービス)を設立した。1988年には社名をアーレスティに変更し、1989年には「89年度デミング賞実施賞(中小企業賞)」を受賞した。2017年には、国内ダイカスト工場7拠点でIATF16949認証を取得している。
また、1988年には米国にダイカスト製造を行うアーレスティウィルミントンCORP.(以下「米国ウィルミントン社」)を設立し海外進出を開始した。1997年には金型製造のタイアーレスティダイCO.,LTD(以下「タイダイ社」)を、2002年には設計を行うタイアーレスティエンジニアリングCo., Ltd.(以下「タイエンジニアリング社」)を設立した。中国においては、ダイカスト製造を行う広州阿雷斯提汽車配件有限公司(以下「広州阿雷斯提(アーレスティ)」)、合肥阿雷斯提汽車配件有限公司(以下「合肥阿雷斯提」)を2003年と2010年に設立し、金型製造を行う阿雷斯提精密模具(広州)有限公司(以下「阿雷斯提精密」)を2005年に設立した。また、メキシコには2006年にアーレスティメヒカーナS.A.de C.V.(以下「メヒカーナ社」)を、インドには2007年にアーレスティインディアプライベートリミテッド(以下「インディア社」)を設立し、海外展開の拠点網を整備した。なお、タイエンジニアリング社以外は、同社100%出資の連結子会社である。
2013年には本社をテクニカルセンターのある豊橋市に移転し、東京都中野区にある旧本社を東京本社とした。2014年には、東京証券取引所市場第2部から同市場第1部に移行し、2022年には東証プライム市場に移行した。同年には、アーレスティダイモールド浜松、アーレスティダイモールド栃木、アーレスティダイモールド熊本が、アーレスティダイモールド浜松を存続会社として合併、またアーレスティプリテックも同社が吸収合併した。なお、国内子会社はすべて同社100%出資の連結子会社である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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1. 会社概要
アーレスティ<5852>は、国内11拠点に加え、米国、メキシコ、中国、インド、タイの5ヶ国8拠点に海外展開している。同社を含めて国内7社と海外8社でグループ経営を推進する。ダイカスト専業メーカーとして国内ならびにグローバルにおいてもトップシェアに入るリーディングカンパニーである。主力の自動車向けダイカスト製品のほかダイカスト用金型やダイカスト周辺機器を製造・販売するダイカスト事業、ダイカスト用アルミニウム二次合金地金を製造・販売するアルミニウム事業、フリーアクセスフロア(建築用二重床)などを製造・販売・施工する完成品事業を展開している。
Research、Service、Technologyの追求と統合によって豊かな社会の実現を目指すことを企業理念として掲げ、それぞれの頭文字RST(アール・エス・ティー)を続けて読んだ社名を冠する。Researchとは絶えることのない新技術・新市場・新しい販売方法の開発・研究調査、Serviceとは人と人とのふれあいのなかでの本当に行き届いた温かいサービス、Technologyとは世の中に役立つ真によいものをハードもソフトも含め作ってゆく技術を意味するものとして、それぞれを独立して捉えるのではなく、それぞれがお互いに深く支えあい利用しあいながら、互いをよりすばらしいものへと磨きあっていくという有機的な関係として捉え、また、タグラインを「Casting Our Eyes on the Future」と定め、社名に込められた企業理念を実現すべく、同社で働く者すべての視線が、常に顧客、地球環境、そして同社自身の未来へ向けられ、Research、Service、Technologyにおいて常に主導的リーダーに立ち前進しようという企業姿勢を示している。
2024年3月期売上高の91.7%をダイカスト事業が占め、アルミニウム事業が4.4%、完成品事業が3.9%を占める。また、売上高の52.5%がダイカスト事業の海外売上高であり、そのうち約6割が北米、残りをアジア(国内を除く)が占める。主力となるダイカスト製品は9割以上が四輪自動車の部品であり、自動車のエンジンやトランスミッションなどに多く使われている。そのほか発電機や船外機部品なども含めて年間約3,729万個を生産し顧客に製品を提供している。
主力製品が自動車部品であることから、同社の業績は自動車産業の動向に大きく影響される。2019年末からの新型コロナウイルスの感染拡大(以下、コロナ禍)時および半導体のサプライチェーンが遮断され自動車の生産台数が大きく落ち込んだ際には同社もその影響を受け、2020年3月期より売上高は大きく減少し、2021年3月期の売上高は929億円と、コロナ禍前の2019年3月期の売上高1,454億円の約6割の水準まで低迷した。2023年3月期には1,409億円まで売上高は回復したが、この間国内外の工場の減損を大きく計上し、2020年3月期から2023年3月期まで当期純損失の計上を継続した。2024年3月期は売上高が回復したが、主要顧客である日系自動車メーカーの販売不振等により中国での需要が大きく落ち込み約90億円の減損を実施し、当期純損失の計上が続いた。一方で、減損による償却負担の軽減、生産体制の合理化、リーンな生産体制の構築などの取り組みにより生産性は改善し、受注変動への耐性が強化されてきていること、フリーキャッシュ・フローも2022年3月期から収入に転じており、円滑な融資も受けられていることから資金繰りにも懸念はなく、今後は新たな成長ステージに転じていくことが期待される。
2. 沿革
同社は、1938年に東京都板橋区に前身となる志村アルミニウム(株)を創立し、アルミニウム合金地金、ダイカスト製品、アルミニウム砂型鋳物の製造を開始した。1943年には扶桑軽合金株式会社(現 (株)アーレスティ)を設立した。1960年には(株)日本精密金型製作所(現 (株)アーレスティダイモールド浜松)を設立し金型の製造を開始、同年に扶桑軽合金浜松工場の操業も開始し、1961年には東証第2部に株式を上場した。1962年には東海精工(株)(その後(株)アーレスティプリテックに社名変更)を設立し、日本初フリーアクセスフロア「モバフロア」を発売するなど完成品事業にも進出している。以降は、京都ダイカスト工業(株)豊橋工場(その後アーレスティと合併し、東海工場となる)、栃木フソー(株)(その後(株)アーレスティ栃木に社名変更)、(株)ダイテック(その後(株)アーレスティダイモールド栃木に社名変更)、熊本フソー(株)(その後(株)アーレスティ熊本に社名変更)、(株)ダイテック熊本工場(その後(株)アーレスティダイモールド熊本に社名変更)と各地にダイカスト製品製造子会社と金型製造子会社を国内に次々と設立し業容を拡大した。1984年には熊谷工場(アルミニウム合金地金生産)、東松山工場の操業を開始し、1985年にはダイカスト周辺機器を製造・販売するパスカル販売(株)(現 (株)アーレスティテクノサービス)を設立した。1988年には社名をアーレスティに変更し、1989年には「89年度デミング賞実施賞(中小企業賞)」を受賞した。2017年には、国内ダイカスト工場7拠点でIATF16949認証を取得している。
また、1988年には米国にダイカスト製造を行うアーレスティウィルミントンCORP.(以下「米国ウィルミントン社」)を設立し海外進出を開始した。1997年には金型製造のタイアーレスティダイCO.,LTD(以下「タイダイ社」)を、2002年には設計を行うタイアーレスティエンジニアリングCo., Ltd.(以下「タイエンジニアリング社」)を設立した。中国においては、ダイカスト製造を行う広州阿雷斯提汽車配件有限公司(以下「広州阿雷斯提(アーレスティ)」)、合肥阿雷斯提汽車配件有限公司(以下「合肥阿雷斯提」)を2003年と2010年に設立し、金型製造を行う阿雷斯提精密模具(広州)有限公司(以下「阿雷斯提精密」)を2005年に設立した。また、メキシコには2006年にアーレスティメヒカーナS.A.de C.V.(以下「メヒカーナ社」)を、インドには2007年にアーレスティインディアプライベートリミテッド(以下「インディア社」)を設立し、海外展開の拠点網を整備した。なお、タイエンジニアリング社以外は、同社100%出資の連結子会社である。
2013年には本社をテクニカルセンターのある豊橋市に移転し、東京都中野区にある旧本社を東京本社とした。2014年には、東京証券取引所市場第2部から同市場第1部に移行し、2022年には東証プライム市場に移行した。同年には、アーレスティダイモールド浜松、アーレスティダイモールド栃木、アーレスティダイモールド熊本が、アーレスティダイモールド浜松を存続会社として合併、またアーレスティプリテックも同社が吸収合併した。なお、国内子会社はすべて同社100%出資の連結子会社である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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